コラム/2012-06-27
大人の摂食障害~NHKの電話取材
先日、NHKの大阪放送局から「大人の摂食障害」についての電話取材
を受けました。
担当の方は「今、大人の摂食障害が増えているのですが、原因は何だと思
います?」といったご質問に対して「きっかけ(誘引)は色々なストレス
によるものが多いと思います。でも、もっと遡れば子供時代の親との関係
から来てる場合が多いと思います。」と私見を述べました。
それに対して担当の方は「子供時代の親との関係と言いますと?」と聞いて
来られてどうやら”根本原因”らしきものをお知りになりたいご様子でした。
確かに傾向としては「所謂、機能不全家族によって育てられたアダルトチルドレン
の方」や「幼い頃に傷ついてしまいトラウマを抱えた傷ついたインナーチャイルド
をお持ちの方」が大人になってから家庭や職場等における過度のストレスによって
発症する、というケースが多いように感じます。
現状のカウンセリング・心理療法でのこういったケースの主な治療方法・
解決方法としては、
①誘引となった(と考えられる)ストレスを軽減する方法を考え、思考や
行動を変えるように働きかける
②”根本原因”を特定し、その時の「未完了の問題・感情」を表出させたり
書き換えたり、という事を行う
③「原因究明」に拘らず、「解決」の方向に的を絞り、解決策を一緒に考えて
それを実行して頂く
そして、どの方法が一番効果的か否かは、はっきり申し上げてわかりません。
何故なら、人によっては「①」の方法で、誘引となったストレスを取り除けた
としても、”根本原因”の為に、また別のストレスが誘引となって症状がぶり
返す事があるかも知れません。
また、「②」の根本原因が特定できないケースもありますし、できたとしても
それを取り除く能力が、カウンセラー側に無い場合もあるでしょうし、仮に
取り除いたとしても、「形骸化された過食・拒食の”パターン”」が残り続
ける事もあるでしょう。
更に「③」の方法を採っても、”根本原因”を取り除かない限り、”解決”には
至らない、というケースもあると思います。
ですから、我々カウンセラー・心理療法家は、少なくとも「①」~「③」の
方法全てに精通し「①の方法でダメなら、②を。②でダメなら③を・・」
といった柔軟な姿勢が必要だと思います。
何故なら、私は「今の苦しみを取り除く為のお手伝いをする」という事を第一
に考える事が我々カウンセラー・心理療法家の務めだと考えるからです。
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