コラム/2012-10-05
全ての問題を解決する力は自分の中に埋もれている
心理カウンセリングの世界では「クライアントが自分の問題を解決する力を
持ってるので、カウンセラーはその力を引き出す為に少し下がった位置から
リードして手伝う」というふうに考えています。(※学派によって違うとこ
ろもあるかも知れませんが)
でも、ご相談に来られるお客様は「自分の中に問題を解決する力がある」事
を知らなくて、或いは信じられなくて、もしくはその力を引き出す術がわか
らなくていらっしゃる方が殆どです。
でも確かな事はどんな人にでも”その力”備わっているという事です。
人間の脳は大きく分けると「大脳辺縁系」と「大脳新皮質」に分かれます。
そして「大脳辺縁系」は動物にもあって、「無意識」は主にこの部分の働き]
によるものと考えられます。
一方「大脳新皮質」は人間特有のもので「理性」を司り「意識」は主にこの
部分の働きによるものと考えられます。
そして「無意識」の性質としては「否定なし」、「前向き」、「生きていた
い」、「望みに向けて行動を起こす」等、要は常にポジティブで「生きてゆく
上での障壁を乗り越える力」や「問題を解決してゆく為の力」、更には「願
望や目標達成に向けて行動を起こして行く力」を全て兼ね備えてあるのですね。
これは、当たり前で人間だけではなく動物全てが持ってる「生存本能」とも
言えると思います。
⇒だってライオンが「今日は獲物が取れるかな?大丈夫かな?」って悩まな
いでしょうし、シマウマを見つけたのに「自信がないからやめておこう」と
行動を躊躇したりはしないですよね。
逆にシマウマも、ライオンが狙ってるのに「ああ自分なんて、もうどうなっ
てもいいや」と逃げずに身を差し出すはずもないですよね。
そしてこうした動物や人間本来に備わった「生きる力」、「問題を解決する
力」等は無意識の中に誰もが持っているのですが、その力を信じられず悩ん
だり、迷ったり、自己否定したり、といった”ネガティブな考え”は全て、
「意識」の中で作り出されます。
ですから、今問題やメンタルな悩み・症状に巻き込まれている方もそれは氷
山の一角である「意識」の働きに過ぎず、その底にある「無意識」という
”氷山の本体”はとてつもなく大きくて生きてゆく力、前向きな力、問題を
解決する力等、全てを持っています。
そして、その力を引き出す為には「無意識」に働きかければいいわけです。
その「無意識にスポットライト」を当てるやり方は催眠であったり、イメージ
を使ったり、質問を使ったり、身体の感覚を使ったりと色々な方法があります。
我々臨床家は、単にその方法を知ってるだけです。そしてその方法を未だ知
らない方はご遠慮なくご相談やその習得にいらっしゃって下さい。
譬えて言うと(本当は自転車に乗る力を持ってるのに)「自分は乗れない」
と思い込んでる人に、後ろから支えたりコツを教えて乗れるようになって頂
けるのが私達の仕事だと思っています。
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