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コラム/2013-05-27

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アダルトチルドレン?共依存?世代間連鎖?~愛情のもつれを解く

ある町にとても頑張り屋で家族思いの夫と、愛情豊かで献身的な妻がいました。

そしてその夫婦には、愛らしい娘が一人いました。

娘が小学校に上がる前に、夫は上司の酷いパワハラに遭い仕事を辞めざるを
得なくなりました。

退職後、夫は愛する妻とまだ幼い娘の為に必死で職を探しましたが、不景気
も手伝って、履歴書を何百通書いても、面接を何十社受けても仕事が見つからず
2年が過ぎました。

やがて夫は、ふがいない自分を責めはじめ、酒に溺れる様になりました。

妻は「自分が何とかしなきゃ!」という思いで、パートを3つも掛け持ちで
仕事と家事・育児をこなし、文字通り一家の大黒柱の役割を担いました。

娘は、そんな母を見て父への憎しみを心に秘めながらも、時には母の愚痴を
聞いたり、家事を手伝ったりして母と同じ様に献身的で愛情たっぷりの女性
へと成長しました。

娘はやがて適齢期を迎え「お父さんとは正反対で家族思いでお酒を飲まない男性」
と結婚しました。

ところが結婚して数年後、娘の夫は事業が失敗して借金を抱えてしまいました。
彼らの息子がまだ2才の時です。

彼は「愛する家族に迷惑を掛けたくない。何とか返済しなきゃ!」と
ギャンブルに手を出してしまいました

借金は減るどころか、ますます増える一方で、そんな夫を娘はパートを掛け持ち
して支えていましたが、万事休す。夫は「これ以上迷惑を掛けられない」と
離婚して家を出ました・・・。

娘は自分の不幸を呪い、夫を父の姿に重ね合わせ二人を呪いました。

そして、自分の生き辛さの原因を本やネットで調べました。
「アダルトチルドレン」「共依存」「世代間連鎖」・・・。

そして娘は「そうだわ、私はきっとアダルトチルドレンなんだわ!
そしてこの”共依存”的な性格はきっと母から”世代間連鎖”で受け継いだんだわ!」

 そんな風に考えると、あれだけ好きだった母までも憎い存在に感じて
  しまい、さらにそんな感情を持ってしまう自分をも責めてしまう娘の姿
  がありました。

 これはあくまで僕が勝手に作ったフィクションです。

でも、似たような状況で苦しまれてる方も少なくはないと思います。
では、誰が悪いのか?

僕個人としては、ここに登場する人物全員が「家族思いで愛情に溢れた人」
なのだと思います。

勿論、娘の夫や父は「ダメ男」だと思います。

ただ、例えば、彼らの父親も同じ様に、妻に依存してしまう「ダメ男」
だったとしたら?

彼らも「父親の様にはなりたくない」との思いで、必死で頑張ったのかも
知れない。だからこそ「家族の為に」という思いが強く、逆に空回りしちゃった
のかも知れません。

そして彼らの無意識には「妻は夫を支えてくれるもの。最後は依存したらいい。」
という先祖代々のパターンが染みついていたのかも知れません。

逆に「共依存」という観点からすれば、夫の飲酒やギャンブルを支えてる母親や娘
に問題があると言う見方もできるでしょう。

でも彼女達も、無意識の中に染みついた「共依存のパターン」に翻弄されてる
としたらどうでしょうか?

母親もそのまた母親の共依存的な姿を見て育ち、それが先祖代々続いていたら最早
「誰の責任か?」なんて事は無意味だと思います。

ゲシュタルト療法の百武先生が(家族の)”愛情のもつれ”と表現されて
いましたが、僕もその表現がピッタリだと感じます。

 誰も悪くなく、みんな愛情に溢れてるのに、愛情がもつれて絡んで
  しまっている、だけ・・・。

では、どうしたらその「愛情のもつれ」を解く事ができるのでしょう?
 僕はまず、家族の誰かが、それに「気付く」事が大切だと思います。

例えば、父が酒に溺れかかった時に気付けば「あっ!今の俺は、あれだけ
嫌ってた、親父とそっくりな事をやって妻に迷惑を掛けてる!」と気付く。

或いは、娘が「あっ!この状況って、うちの両親と同じパターンだわ!
このまま黙って夫を支えたら、お母さんみたいに苦しい人生を繰り返し
ちゃうかも?」と気付く、等々。

次に、(その無意識のパターンに)気付いたら「それを変えよう!」と決心
して実行して行く

例えば、父親だったら断酒の決心をして、治療を受けて、再び仕事を探すとか
娘だったら、「もういい加減にして!」と夫に言って、ギャンブル資金を
取り上げる、等。

そうした「愛情のもつれ」を解く為に僕らがお手伝いできる部分は、
「気づきの促進」「決心の後押し」だと思っています。

(※怒りや自責、抑うつ感が強ければ、まずそれの解消のお手伝いも
 必要になると思いますが・・・。)

あくまで、愛情のもつれを解くのは、それに気づいたあなたの決心と実行力
にかかっていると思います。

しかも、それは「おどろおどろしい先祖代々の因縁」を解くのではなく、
それに気づいたあなたの無意識のパターンを変えたり、あなたと家族の間の
関係の仕方のパターンを崩してゆく事で実現できると思っています。

「愛情が大きければ大きいほど、憎しみも大きくなる」と言われています。

愛情のもつれが、大きければ、それだけ本当は家族の愛情も深いからだと
思います。

そしてそれを解く事ができるのは、その家族の中でそれに気づいた人です。

逆に、その家族の一員だからこそ「解く事ができる」のだと思います。



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