コラム/2013-08-12
藁にもすがる思い
うちにお越しになるお客様の中には、
「色んなカウンセリングを受けたり、精神科や心療内科に行ってもラチがあかずに
万策尽きて、藁にもすがる思いで来ました」という方もいらっしゃいます。
確かに、僕達は悩みや症状の荒波にもまれ苦しんでいる人が藁をも掴む、
というその”藁”なのかも知れません。
もしそうなら、掴まれて一緒に沈んでしまっては意味がありませんし、かと言って
自分が沈むのを避けようと”溺れている人”を振りほどく事もできません。
ならば藁をもっと沢山集めて、掴まれてもしがみつかれても沈まない様な
”藁の船”を編み込んでゆく必要があると思います。
ー 経験、知識、気力・体力、誠実さ、向上心等、臨床家としての ”体力”
を付けてゆく事が肝心だと思います。
そして荒波にのまれて溺れかけた人が、体力が回復し再び泳ぎだす迄の
藁の船でありたいと思います。
或いは泳ぎ方を知らない人には、泳ぎ方を教えて泳ぎ出してゆく迄の
しばしの教育の場でありたいと思います。
そして時が来れば、「もう大丈夫ですよ。泳いで帰って下さい」
と穏やかな別れを見送る藁の船でありたいと思います。
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