コラム/2013-08-25
ネガティブ思考に”突っ込み”を入れる~認知行動療法的に
「あの人の態度は、私を嫌ってるからに違いない」
「主人が浮気するのは、私に魅力がないからだ」
「子供が反抗するのは、私が甘やかし過ぎたせいだ」
ふとした事がきっかけで自分を責めたり、気分が重たくなるような考えが生じて
苦しくなる事があります。
こういった、何かの出来事がきっかけで自動的に湧き上がって来る考えを
認知(行動)療法では「自動思考」と言います。
そして、この様な自動思考の元になってる信念をビリーフ
(スキーマ、禁止令等呼び名は様々)と言います。
この「ビリーフ」は例えば「自分には価値が無い」等の、主に子供時代に
刷り込まれた極端に偏った信念で、無意識の中で自分の思考や行動を
コントロールしている「絶対君主」の様な存在です。
そして何かの出来事がきっかけで無意識のビリーフから、それに基づいた
自動思考が意識に湧き上がって来て自分を苦しめます。
言ってみれば自動思考は、ビリーフに操られた”手下”ショッカーみたいなもの
です(笑)
では、ショッカーをやっつけるにはどうすればいいのか?
まず、ショッカーはどこからともなく現れるので、その出現を防ぐ事はできません。
ならば、まず我々にできる事は、ショッカーに突っ込みを入れてみる事です。
ー「君たちは、ボスの考えが正しいと思ってやってるんだろうけど、
それはほんまかいな?正しいって言う証拠はあるんかいな?」
つまり、自動思考が出て来るのは食い止められないけど、出て来た時に
今迄はそれを鵜呑みにして漫才のうなずきトリオみたいに「うんうん」と
うなずくだけだったけど「その考えって、ほんまかいな?」と突っ込む訳です。
そうすると、恐らく洗脳されたショッカーは「ほんまや」と応えるでしょう。
では、その後の突っ込み方を私とショッカー(自動思考)の例で。
私「その考えがほんまと言うんなら、証拠を挙げてみろや!」
ショッカー「証拠は○○と××や」
私「ふ~ん。では、その考えが間違ってるという証拠は?」
ショッカー「・・・・。」
私「じゃあ、私が挙げてやる! △△と□□は証拠になるんちゃうか?」
ショッカー「・・・・。」
私「ハハハ。反対の証拠が出て来たっちゅう事は、お前やボスの考え方は
絶対じゃないって事ちゃうんか?」
ショッカー「・・・・。」
私「じゃあ、ボスに言っとけ! お前の考え方は、正しい部分もあるけど、
間違ってる部分もある。だから今後私達に対しての攻撃や行動をどう改めるかを
言ってこい!」と。
以上、ショッカーに譬えてしかも大阪弁ですみません(笑)が、
これが認知行動療法の”さわり”です。
要するにネガティブな自動思考は止められないので、出て来た時に
「ほんまかいな?その証拠は?→なるほど。じゃあこっちは、それが間違ってる証拠
を考えたるからちょっと待ってろよ・・・。」と突っ込みを入れて行く訳です。
そうやって、ショッカーを退治すれば、裏で操ってる首領(ビリーフ)の力も
無くなって行きます。
では、その首領を直接やっつけるには?
→それは、ビリーフチェンジ、スキーマ療法等色々ありますが、まずは皆さんが
簡単にできる事は、首領(ビリーフ)に対しても「それってほんまかいな?
ほんまでっか?」と突っ込みを入れ、相手がそれを裏付ける証拠を突きつけてくれば
それが間違ってるという反対の証拠を揃える事です。
突っ込まれた事のない奴らは、結構突っ込みに弱いですから(笑)。
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