コラム/2013-12-03
愛する人を喪った方へ~愛する人に別れを告げる必要はない
愛する人を喪って「早く吹っ切って前に進まないと・・・。」
と頑張ろうとしても中々吹っ切れずに苦しんでる方。
或いはその人を「忘れよう」、「あの人はもういないんだから・・・。」と
自らを納得させようとしてもできない方。
遺された家族や周囲の人が皆、気を使って敢えて故人の話や名前さえ出さなくなって
余計に悲しさに襲われてしまってる方。
喪った人を「忘れよう」とか、「口に出すまい」と苦しむ必要はありませんよ。
「サヨナラ」を告げる必要はありませんよ。
例えばあなたが逆の立場で、あなたの死後に遺された家族や友人・知人達が
あなたを忘れて、あなたが初めから存在しなかったかの様に振る舞い
彼らの会話の中にあなたの名前すら出て来なくなったのを(天国から?)見れば
どう思うでしょう?
もし僕だったら「何だか淋しいなあ。僕は此処にいるよ!仲間に入れてよ。
忘れないでよ!」って思うかも知れません。
(※勿論、遺族が「失ったもの」だけに目を向けて苦しんでいる姿は見たくありませんが)
「愛とは別れを告げなくてよい事である」
=これはアメリカ最大のホスピス組織「VITAS」のマネージャーで
ナラティブセラピストのロレイン・ヘツキ女史の言葉です。
肉体が存在を終えても、人生において大切だった事は生き続ける。
彼女達ナラティブセラピストは「失ったものに注意を向ける」のではなく、
いかに「失われなかったもの」(例えば人間関係)に注意を向け、
それを生きながらえさせる方法を発見するか?が大切だと主張しています。
では、どうすれば故人を遺された人達の”物語”の中に「生きていてもらう」事
ができるのか?のヒントを以下に書いてみたいと思います。
例えば、あなたが故人の生き方や考え方、故人との思い出の中で
最も印象に残るものは何でしょう?
そして、それはあなたの人生にどういう影響を与えましたか?
更にそれは、過去・現在のあなたが関わってきた他の人達との人間関係に
どういう影響を与えてきたでしょう?
加えて、それはあなた自身の未来や今後あなたが出会うであろう人達
=未来の人間関係にどういう影響を与えて行くと思いますか?
また、あなたの新しい家族(生まれ来る子や孫達、結婚する相手等)や
故人の事を知らない大切な人達に故人の事をどの様に紹介しますか?
ーこの様な事を考えてみるのも役に立つかも知れません。
或いは故人の命日や法事等の席で、集まった人達がこの様な事をお互いに語り合う
のも役に立つのでは、と思います。
また或いは遺影や遺品をいつも身に付けておいて、今後もしあなたが行き詰まったり
何らかのアドバイスが欲しい時に「この人(故人)だったら、何て言ってくれる
だろう?」と、アドバイザー役として「生き続けて」頂くのもいいかも知れません。
そして、この様に「故人の不在を苦しむのではなく、
故人とどのようにしたら親密でいられるか?」と考えて実践していく事が
あなたの人生も、故人の人生も豊かにしてゆく事に繋がってゆくと思います。
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