コラム/2014-01-06
「例外」,「ユニークな結果」②”最悪”から”輝かしい未来”へ
前回はSFA(解決志向ブリーフセラピー)の”例外”についてお書きしましたが、
今回はナラティブ・セラピーの”ユニークな結果”について述べたいと思います。
”例外”と”ユニークな結果”という二つの概念は非常に似ている感じがしますが
ここからはあくまで僕の私見での違いを述べさせて頂きます。
”例外”は「その問題をあなたは解決する力を持ってるよ。既に解決した事が
あるはずだよ。その力をもう一度使ってごらん」と暗示的に理解してもらい
その”力”を今の問題解決に単発的に使って頂く、という考え方だと思います。
つまり、その”力”を未来にどう役立てるか?の枠組みはあまり強くない印象です。
(※勿論、ミラクルクエスチョンや黒沢先生のタイムマシンクエスチョン等は、
未来に眼を向けるのには十分役立ちますが)
一方、”ユニークな結果”は、”問題”に支配されていない時に焦点を当てて
いくまでは、”例外”の考え方と似ていますが、もっと直接的に”例外”を
引き起こした”力”を炙り出して行き、その人個人の新しい視点による歴史
(人生の物語)を紡ぎ出すきっかけとする事ができます。
ー例えば、あなたが「うつ」に支配されていたとして、
「うつ」から自分を取り戻してた時期や瞬間に目を向けて行きます。
そして「うつ」から自分を取り戻す時に使っていた”力”に名前を付けます
(例えば、”未来への希望”等)。
次にその”力”を人生で初めて使った時や今迄に使った歴史(場面)を思い出して
行きます。
そしてそれは誰の影響を受けて身に付けたのか? その”力”の事を知っている
人達は誰で、その人達は、あなたからどういう影響を受けたというだろう?
更にその”力”は今後のあなたの人生でどういうふうに役だって行くだろうか?
・・・、等を考えてゆきます。
そうしてゆくと、あなたが持っている”力”が、単に「今の問題を解決する為に
単発的に使うもの」ではなく、今後の輝かしい人生を創りだしてゆく”力”として
あなたの人生の物語にがっちりと織り込まれていきます。
(※つまり、今迄は「”問題”に支配されてきた過去→現在→未来という自分の物語に縛られ
必然的に”問題に縛られた未来”しか見る事ができなかったものを、問題に対抗してきた”力”を
過去→現在という連続体で見出してゆく事と、その”力”の承認を第三者に受ける事により
その延長戦上にある”輝かしい未来”のストーリーを描く事も可能になってゆく訳です)
そうすれば「うつっぽさからは脱したけど、これから何をすればいいかわからない」
等といった迷い道に光を灯す事ができるでしょう。
もし迷ったら、自分が身に付けて来た”その力”を最大限に発揮してた時は
いつだっただろう? どんな事や仕事をしていた時かな?」と自問したり
「この”力”を発揮できる物事や仕事は何だろう?」と考えて行けば
輝かしい未来へのヒントが見つかるのではないでしょうか?
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