コラム/2014-04-24
自傷行為をする時の心理
リストカットやオーバードーズ(OD=過量服薬)等の所謂自傷行為の誘惑
に襲われて苦しんでおれらる人もうちのルームに来られます。
この時にどんな心理に襲われてしまっているのか?
を主に子供時代に作られた「間違った思い込み・信念(スキーマ)」に沿って
お書きしたいと思います。
例えば子供時代に両親の仲が悪く、母親がつい娘に
「あんたさえいなければ、とっくに離婚してたのに・・」とこぼしてしまった。
→すると「お母さんが辛くても離婚できずに苦労してるのは私のせいなんだ。
私さえいなければお母さんは離婚して幸せになれるのに・・・」と優しい娘は
思い込む。
そして「私は存在してはいけない。生きていてはいけない」という
「間違った思い込み・信念」が出来上がる。
そして「間違った思い込み・信念」に対して自分がどう対処するか?は
「信念への服従」「信念からの回避・逃避」「信念への反撃」の3種類のモード
(対処方法)があります。
まず「信念に服従」するモードの時は、
信念通りに自分を”亡き者”にしようとして自傷行為を繰り返すでしょう。
次に「信念からの回避・逃避」のモードの時には
本当の自分(間違った思い込み・信念で傷ついてる自分)を見ない様にしてるので
生きている実感が湧きません。そしてこのモードの時は「生きてる実感」
を感じる為に自傷行為を行ってしまいます。
更に「信念への反撃」のモードの時には
「私の存在がどれだけ大事だったかを思い知らせてやる!」と
復讐の為に自傷行為を行ってしまいます。
そしてこの3つのモードのどれに入るかは人によってコロコロ代わる人もいれば
長い時間一つのモードに入ってしまう人もいます。
特にBPD(境界性パーソナリティー障害)に襲われてる人等は
このモードの変化が急激で(スプリッティング)まるで人格が変わったかのような
印象を受ける事もあります。
またBPDの人の多くは子供時代に虐待を受けた場合が多いですので
これら3つのモードに加えて「懲罰的な親」を取り込んでしまったモード
を大抵持っています。
このモードは親が自分を傷つけ罰した様に、
その親の代わりに自分を傷つけて罰する訳です。
いずれにしても、自傷行為は生まれついての性格ではなく
間違った思い込み・信念のせいですので、それを修正して行けば
抜け出す事ができます。
例えば、
①認知行動療法的に「信念」に対する反証を挙げてゆく。
②懲罰的な親とイメージの中で対決し、怒りや未完の想いを吐き出し、
「信念でがんじがらめの傷ついたインナーチャイルド」を癒してゆく。
③信念によって生じたビリーフ(禁止令)を緩めてゆく(外堀から埋める)
等の方法で信念自体が崩れて行けば、モードに逃げ込まなくても済む
様になり、自傷行為も必要なくなって行きます。
但し一人では難しいですので、必要な時はお気軽にお問い合わせ下さい。
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