コラム/2014-07-04
クライアントの枠組み(フレーム)に合わせる
僕達セラピストの仕事は、乱暴な言い方をすれば「クライアントさんの持っている
様々な「枠組み」(フレーム)を変えて行く事(=リフレーム)」だと思います。
(※システム論的な言い方をすれば「今ある悩みや症状を維持しているのは
その枠組みやパターンである」と言えるかも知れません)
そしてその際に注意しなければ行けない事は以下の2つであると思います。
①一つ目は、クライアントさんの枠組みにまず合わせて行く事が大切
だという事です。
②二つ目は変える事が可能な「枠組み」には「思考(認知)の枠組み」と
「行動の枠組み」と「無意識の枠組み」の3種類があると考えています。
(※「無意識の枠組み」とは中核信念や記憶されたもの、抑え込まれた感情等)
例えば僕は「今のそのお悩みの原因は何だと思いますか?」と
クライアントさんにお聞きしたり、家族歴や成育歴をお聴きしたりして、
クライアントさんの枠組みを探ります。
そのお答えが「どうも子供時代の辛い経験から来ている様だ」と仰るのであれば、
その枠組みに合わせますし逆に「親子関係は良好だし原因はわからない」という
のであればその枠組みに合わせ、無理に親子関係等を掘り下げる事はしません。
もしここで自分の学派の”枠組み”に合わせて解釈し、そこでリフレームを図った
としてもうまく行かない事が多いのではないでしょうか?
そういった意味では「枠組みを変える前にクライアントさんの枠組みに合わせ、
その土俵で枠組みを変える」という事が大切だと思います。
そして二つ目の3種類の枠組みですが、一つの枠組みに働きかけてうまく行かない
のであれば、違う枠組みに働きかける必要があります。
ところが、上の3つの枠組みに働きかける事ができる一つの学派やアプローチは
僕の知る限りでは存在しないと思います。
(※ヤング博士のスキーマ療法やグリーンバーグ博士の感情焦点化療法は、
一番近いとは思いますが、これらもいくつかの学派の統合です)
それゆえ、今後セラピストを目指す人は一つのアプローチに執着せずに、
様々なアプローチを勉強されてそれを折衷し、クライアントさんの枠組みに
柔軟に対応し、3つの枠組みのどの部分へも対応できるようにする必要がある
と思います。
そしてセラピストやカウンセラーを選ぶ人も、
その様な柔軟に合わせてくれるセラピストを選べば無難だと思います。
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