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コラム/2014-11-02

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辛い嫌な記憶を書き換える

先日来られたクライアントさんは、今の生き辛さの元は子供時代から繰り返された
辛い経験が原因だと確信され、色々な所で催眠(ヒプノ)セラピーを受けられた
らしい。

催眠で、自分では忘れていた様なごく幼い頃の事を想い出して、
「なるほど!こんな事があったから今のこの生き辛くなる様な考え方が
できたんだな」と合点がいったそうです。

ただ「嫌な記憶は思い出せたけど、それを書き換えてくれる所が余りなかった」
という事で、うちにお越し下さいました。

勿論無意識にある(抑圧された)「嫌な記憶」を意識に上げるだけでも
治療的な効果はある人もいると思います。(フロイトの理論の様に)

ただ、それだけでは変化せずに相変わらず今の生き辛くさせる思考や習慣、
トラウマチックな記憶から解放されない人もいます。

では、何が違うのでしょうか?

僕が思うに、その記憶の”意味付け”が変わるか否か?
がポイントだと考えます。

例えば上司に叱られるといつも委縮し、身体が硬直し、何も言い返せないで
「俺はなんてダメな人間なんだ」と激しく自分を責めてしまう男性がいるとします。

その男性は幼い頃厳しい父親に酷く怒鳴られた事があり、
その時には身体が硬直し、言い返せなかった事を思い出しました。

その時に「あれは俺が幼かった頃の事だ。今なら親父に言い返せるし、
親父はその後俺が事故にあった時は真っ先に駆けつけてくれたし、無事を喜んで
くれた。不器用な親父だから怒鳴る事も精一杯の愛情表現だったのかもな。
その親父もめっきり年老いて弱くなった。今度また実家に顔を見せに行こうかな?」

等と自分で”意味づけ”を変える事ができれば記憶を書き換える必要もない
と思います。

ところが、今でも父親が恐くて何も言い返せないとか憎くて憎くて顔も合わせ
たくないという状態なら、自分で意味づけを変える事は難しいかも知れません。

その場合は、我が師である矢野惣一先生がNLPのフォビオ(恐怖症治療)を
発展させた「ビデオ再現法」が役に立つ事があります。

この「ビデオ再現法」は簡単に言うと、嫌な記憶をビデオで観てる様に思い出し、
急速に巻き戻し、好ましい記憶で上書してゆくという方法です。

但しその記憶があまりにトラウマチックであったり、その時の自分にはその体験を
変えるだけの力があるとはどうしても信じられない場合もあるでしょう。

そういった場合は、(これも矢野先生から教わった)
「大人の自分が子供の時の自分を助けるワーク」が役に立つと思います。

これはその記憶の場面に今の大人の自分が入って行って(イメージの中で)
その時の自分を助ける、というものです。

ところが、今の自分にもそれを変えるだけの力があるとは思えないという人
はどうなるのでしょうか?

そんな時には怒り(怒りにはとてつもないパワーがあります)を使って頂いたり、
自我を強化して頂く事がまず必要なのではないかと考え、それに沿ったセラピー
を差し上げます。

更に、それが日常生活で元の記憶に基づいた状態に戻ってしまわない様に
(汎化させる)行動を変えて行って頂く課題に取り組んで頂いたりもします。

ここまでをまとめると、

①現在の状態に影響を与えている嫌な記憶が書き換わる為には
 「意味づけが変わる」必要がある

②その記憶を書き換えるだけの”力”(自信)が無いと思い込んでいる人には
 自我強化をしながら、イメージや言葉・動作によって書き換えて頂く必要がある

③それが定着(汎化)される必要がある

欧米で流行中のナラティブセラピー等も、問題に彩られたその人の人生の物語を
問題に対抗してきた物語に、いわば”書き換えて”ゆくものです。

その場合は”新しい”物語を語る”事によって意味づけは当然変わるでしょうし、
問題を外在化(自分の中に問題がある訳ではない)する事で、自我の弱体化を防ぎ
問題に対抗して来た自分の物語を語る事によって、自我強化を図ってゆく。
更に、観察者(第三者)にその新しい物語りを承認してもらう事と、
その新しい物語に基づく未来をも語ってもらう事で更なる自我強化+汎化させる、
といった、ほぼ完璧に先程の3つの要点を押さえているものだと思います。



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