コラム/2015-01-03
心理教育
カウンセリングや心理療法の目標は本来「今ある不安や悩み、症状の解消」
ではなく「不安や悩みや症状が今後襲って来ても、それを何とか自分の力で
対処できる”スキル”を身に付ける」為のサポートである、と僕は思う。
だって、人間生きている限りはその時々で様々な不安や悩みや症状に見舞われる
だろうし、それに対処する”スキル”を持っていないと
結局はその度にカウンセラーやセラピストに頼る事になってしまうと思うからだ。
そして、この事がカウンセラーやセラピストに”依存”してしまう事に繋がるだろう。
勿論僕の所でも、応急処置的に「今ある不安や症状を和らげる」為のお手伝い
を差し上げる事もある。
ただ、そういった単発的なセッションの中にもなるべく自分で対処できる”スキル”
をお教えしたり、ご自宅でできる「課題」を出して、それを通じての
”スキル”の定着を図ったりする事も心掛けているつもりだ。
これはまるで、習い事を教える先生と生徒の関係の様だ。
だから「心理教育」と言う。
ただ「教育」と言っても、一方的に押し付けるものではなく、
一緒に目標を作っていき、その為の方法も一緒に考えたり、
課題も何をどの程度ならできそうか?やってみたいか?と
常にセラピストとクライアントの共同作業で行ってゆく。
特に、この心理教育を重視し、きちんと構造化されているのが
「認知行動療法」だ。
セッション(レッスン)→宿題→セッション(フィードバック&レッスン)→宿題・・・。
そうやって時間を掛けて、クライアント自身が認知行動療法のスペシャリスト
になって行けば、どの様な不安や悩みが襲って来ても、自分で対処できる様に
なってゆく。
僕の所では、認知行動療法はあくまで一つの技法として使う事が多いが、
もし(時間は掛かっても)心理学のスキルを身に付けて、
今後は自分で対処できる様になりたいと、「心理教育」をご所望される方が
いらっしゃれば、認知行動療法でも他の技法でも「教育」させて頂く事ができます。
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