Google+ で検索

カウンセリング 大阪府大阪市 心理療法  返金保証 超短期  コーチング

コラム/2015-06-09

Top / コラム / 2015-06-09

フロイトの原因論,アドラーの目的論,そんなの関係ない論①

※僕はフロイトやアドラーの専門家ではありませんので
 勝手な考察や誤解が含まれているかも知れません。その場合はご容赦下さい。

最近はアドラーの個人心理学がブームですね。

一方、フロイトは神経症等の症状には原因があると考える立場です。

簡単に言うと幼児期の出来事、状況、記憶とそれに伴う感情の中で
意識に上げると恐ろしいう事になると自身が信じてるものを
自我があの手この手で意識に上がらない様に無意識下に抑え込んでしまっている
事から不具合(症状や対人関係の問題等)が生じると考えます。

そこで自由連想と言って、心に浮かぶものを自由に語らせそれについて
治療者側が解釈や洞察を加え、無意識下に抑圧されている衝動や感情や記憶等を
安全に意識に浮上させる、という方法を採ります。

他方、アドラーは元々はフロイトの理論に賛同し一緒に仕事をしてましたが、
「原因」を探っても症状が好転しないケースが多かったからか、
「原因」がわかりそれが意識化されてもダメだったケースが多かったからか、
はたまた患者さんが寝椅子に何十か月も寝かされるといったお金と時間の
非効率性に気付いたからか(笑)、知りませんが、
フロイトに対抗する「目的論」を打ち立てました。

アドラーは「人間の行動には目的がある」という立場を取ります。

そして彼は行動は対人関係に影響すると考え、
人間の悩みは対人関係の悩みに集約されると考えます。

その対人関係の悩みに即効性があるのが「症状」や「問題行動」です。

どういう事かと言うと、
例えば対人関係を結ぶ勇気がくじかれ自信が育まれなかった人は
対人関係を避ける目的の為に、対人恐怖という症状を作り出すかも知れません。

また例えば、
甘やかされた子供が親の注目を集める目的の為に問題行動を起こす、
等といった考え方がその例です。

アドラーは、症状や問題行動の原因を
無意識下に抑圧されたものに対する何らかの精神力動が絡んでいるとは考えずに
「仕事」、「交友関係」、「恋愛」といった人生の課題を避ける目的
で生じている、と考えます。

では何故人生の課題を避けようとするのか?

それは例えば、課題に立ち向かう勇気をくじかれてしまっていたり
「共同体感覚」(共同体に対する所属感、信頼感・共感・貢献感)が
育まれていないからだ、と彼は考えます。

では、「勇気がくじかれた原因となった出来事は?」
「共同体感覚の育成が阻害されたトラウマとなった出来事は?」
等とは考えずに(それを掘り下げるとフロイトと同じ原因論になってしまう)
「どうしたら人生の課題に立ち向かえるか?」といった方法論を考えます。

そしてそれに必要なのは例えば「勇気づけ」を行ったり、
「共同体感覚」を生起させ、育んでその人のライフスタイルを
より適応的な形に変えて行くといった援助です。

つまり彼の学派のセラピーは、
何らかの目的を持って出て来ている症状や問題に対し、
患者さんにその目的を理解させ、より適応的な方法で目的を果たす様に
援助したり(例えば、親の注目を集めたくて問題行動を使っている子供に、
別の方法で注目を集める様に導き共同体感覚を養う等)、
或いは本当の問題の解決の為の援助をする(例えば、対人関係を結んで行ける様な
勇気づけや共同体感覚を養う)等の心理教育的な色彩が強いものです。

要約すると、
共同体感覚が養われなかったり、勇気がくじかれたり、甘やかされて、
自信が持てない⇒だから人生の課題にも挑戦できない
⇒人生の課題に挑戦しない為に症状や問題行動を作り出す、
といったところでしょうか。

フロイトは症状や問題行動の原因は
無意識に抑圧された個々の或いは一連の体験の記憶とそれに伴う情動だ
と考えました。

それに対して、アドラーはその原因は
「勇気がくじかれたり共同体感覚が養われていないからだ」と一本化しました。

原因が一本化された事によって、治療の目標は原因を探る必要はなくなり、
「勇気づけをしながら共同体感覚を養う事」と明白になったのです。

これで大幅な時間の節約になったであろうし、
何より治療目標が明確です。これで万事めでたしめでたし・・・。

ところが、そうならずに心理教育的な治療が功を奏さない場合も出て来る
と僕は思います。

いくら教育しても、その様な方向に前進せず行動を起こさない人。ー 所謂「無意識の抵抗」です。 

アドラーは「無意識の抵抗」なんて取り上げないでしょうし、
「無意識が抵抗するのも”目的”があるからだ」と、”本筋”に戻すでしょう。

でも短期療法を標ぼうする僕の経験上「無意識の抵抗」を扱った方が早い場合
もあります。でないと治療は長期化するか行き詰ると思います。

ただ、そこに拘り過ぎても同じ結果になると思います。

&size(16){僕の考え方としては、フロイトの誤りは(偉そうに言ってすみません
(笑))};
「無意識下に抑圧されたものが意識化されるだけで事足れり」
と言う部分だと思う。

確かにそういった「気づき」だけで治癒してゆく人も中にはいるだろうし、
アドラーが言う”目的”が意識化されただけで変化する人だっていると思います。

ただ、フロイトの場合はその後の「方法論」が欠けている。

※だからそれを補える様な力動的心理療法や交流分析等が生まれた
 とは思いますが。

僕の場合は、その後の方法論をお陰様で身に付けているから
原因論に沿ったセラピーも短時間で可能になっていますし、
「無意識の抵抗」の扱い方を知っておけば、そこに踏み込んでも
大きなロスにはならないと感じています。

逆に、目的論に沿っていった方がクライアントさんにとってしっくりいく
のであれば、それも使わせて頂きます。

ただ、それでも難しい場合には、「原因論」、「目的論」を無視した
「そんなの関係ない論(笑)」の方向に移行します。

では「そのそんなの関係ない論」とは?

それは、例えばミルトン・エリクソンや彼のセラピーの仕方
(やベイトソンの理論)に端を発した、ヘイリーやウィークランドらのMRI
シェイザーらの解決志向、果ては、ホワイトらのナラティブセラピー等です。

では次回は「そんなの関係ない論」に的を絞ってお書きしたいと思います。



コメント


認証コード(6683)

powered by HAIK 7.0.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional