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コラム/2015-06-15

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フロイトの原因論,アドラーの目的論,そんなの関係ない論②

前回は「フロイトの原因論」「アドラーの目的論」
を取り上げさせて頂きました。

フロイトの原因論では、神経症等の症状や対人関係の問題には原因がある、
原因があるから無意識の中を探って、それを突き止めて意識化する必要がある
と考えました。

そうした場合は、原因なんて無数にあるからそれらを意識化するのに
非常に時間がかかる、また仮に原因が特定でき、それが意識化できても
問題が解決しないという困難に直面していたと思います。

その点アドラーは原因を探る無意味さを感じ、
症状や問題行動の目的に焦点を当てる事で、より効率化を図った。

更に目的を無力化する為の具体的な方法論を提示した、
という部分は注目すべきだと思います。

僕も実際に現場で時々直面する事は、過去のトラウマ等を意識化し解放しても、
相変わらず症状や問題が消えない、という事です。

その場合は、その症状や問題にしがみつく”目的”があるからだと思います。

その場合は、過去をそれ以上探るのはやめて目的を割り出し、
それを無力化する為の方法論に沿ったセラピーを行います。

ただ、それでも症状や問題行動が消失しない、という事もあります。

それは一体なぜなのか?

それは、かつては何か原因になる出来事があり、症状が発生した、
或いは、かつては何かの目的があって症状が生まれた・・・。

でも、今はそれらの原因や目的から症状がひとり歩きしてしまっている。
という事が考えられます。

以前は症状が、因果関係を持ってたり、ある種の目的を持っていたのだが、
今はその必要が無いのに続いてしまっている・・・。

つまり、「原因論」や「目的論」から離れて、維持されてしまっている。

それは、例えば個人や対人関係の思考や言語・非言語、行動のパターンの中で
まるで幽霊の様に形を持ってしまっていると考えられます。

そこに目を付けた一人がミルトン・エリクソンです。

原因がどうであれ、目的がどうであれ症状や問題を維持している力(パターン)
を無効にすれば、最早それらは維持できなくなりますよね?

例えば彼は症状が起きる場所やシチュエーションを変えたり、
症状に対抗せずに逆にそれを強める、といった事で
症状から主導権を取り戻したり等の様々な介入を行いました。
(※詳しくは書籍をご覧下さい)

また彼は「無意識の抵抗」に遭わない様に、
或いはその「抵抗」を逆に利用する事にも細心の注意を払い、更に催眠を使って
無意識の過去の記憶を(意識化するのではなく)”書き換える”といった事
さえ行っていました。

しかも、その患者さんが「人生の課題」に取り組める様な、
現実的な援助も行っていた事は特筆すべきだと思います。

正に、「原因論」や「目的論」を超越した凄さを彼には感じます。

&size(16){彼が脚光を浴びた頃は彼はアメリカの一町医者(精神科医、セラピスト)で
したが、};
彼の元には沢山の精神科医や心理学者は勿論、ベイトソンの様な文化人類学者、
グリンダーの様な言語学者等が日参していた様です。

そんな中から「問題の解決努力が問題だ!」とするMRI
「問題と解決は関係ない!」「抵抗は死んだ!」と唱える解決志向
更にはNLP等が生まれました。

(尤も、NLPの2人の創始者がどちらも心理学の博士号を持っていないのに、
心理学界や精神医学会界を敵に回すような著効を示したせいか、その後
”正当”な学会からは黙殺されています。僕に言わせると勿体ないですが・・。)

※この言い方に沿うと、さしづめフロイト「原因が問題だ!」
 アドラー「目的が問題だ!」と考えたと言えるでしょう。

そして、最近になってからは「問題が問題だ!」と問題のみを取り上げて、
ダイレクトにその影響力を無効にするナラティブセラピー
世界的に台頭して来ています。

これら「MRI」、「解決志向」、「NLP」、「ナラティブ」等は
最早原因論や目的論を超越していますので敢えて「そんなの関係ない論」
とさせて頂き(笑)、僕も現場で使用させてもらってます。

これらは何よりもスピーディーに変化を生じさせる事ができるという特長
があります。

(※アドラーが症状や問題行動の原因を「勇気がくじかれたり共同体感覚が
 養われていないからだ」と一本化したのと同様に 「うまく行かない人間関係は愛の偏りが原因だ」という枠組みを作られた
 矢野惣一先生は、「そんなの関係ない論」に光明をもたらす
 と僕は思うのだけれど・・・)

ただ、それだけでは難しいクライアントさんも確かにいらっしゃいます。

ですから、「そんなの関係ない論」と「原因論」、「目的論」の3つ
をうまく組み合わせて、目の前のクライアントさんにとって
いかにベストなセラピーができるか?を考える必要があると僕は思います。



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