コラム/2017-08-01
行動を妨げているもの
僕達カウンセラーの仕事を極論すれば、
お悩みを抱えた方(や、その周囲の方)の行動を
いかに変えて頂ける様に後押しする事ができるか?
にかかっていると思っています。
その人自身の行動が変化しない限りは、
その人にとっての”問題”を含んだ現実は変化しようがありません。
でも、自分ではその行動を変化させる事ができない為に
多くの方がご相談に来られます。
では、一体何故行動を変化させる事ができないのでしょうか?
その主な要因と思われるものを次に挙げてみたいと思います。
<行動を妨げているもの>
※「絶対に治らない」、「無理だ」と諦めてしまっている
→こういった方はそもそもご相談にも来られないでしょう
※但し、周囲の方が「何とかしたい」とご相談に来られた場合は、
周囲の方の行動を変えるお手伝いを差し上げ、ご本人の行動が変わる様な
間接的な働きかけは可能です。(※例えば不登校に陥ってる子を持つ
親御さんのご相談で多くの方がご来談されています)
①今ある症状や悩みが大きすぎて症状や悩みの解決への行動しか採っていない。
→この様な場合は、大概その解決への行動はうまく行かず
「その悩みが無くなった後の目標」に向けての行動をする事
が妨げられている事が多いです。
②そもそも「どうしたいのか?どうなりたいのか?」の目標を持っていない。
→行動とは目標・目的があってこそ行われますので
目標が無いと当然行動しようがないと思います。
③行動を妨げる力が無意識下で働いている
→例えば、他人と接する勇気がくじかれていて他人と接しなくて済む
様な症状を作り出したり、誰かのせいにし続けて自分は変わろうとしない。
或いは、欲求充足の代償行為として依存に陥ってしまっている、等。
→こういったケースでは、言うならば「症状」や「怒り」、「依存」
に執着してしまっている訳です。
④不安に苛まれて、或いは「どっちを選ぶべきか?」の葛藤で身動きできない
→所謂「考えすぎて頭でっかち」、「引っ込み思案」な状態ですね。
⑤行動したいが、
周りの状況や金銭的な事情等、所謂「環境因」のせいで行動できない
→こういった方は「いかに行動ができない状況か?」を正当化
してしまいがちです。
では、どうすれば行動できる様になるのでしょうか?
そのヒントをお書きしたいと思います。
<行動する為のヒント>
「①」の場合
「今ある悩みを解決した時には、何をしたいのか?」
「それに繋がるほんの小さな行動の中で、
今日から無理なく始まられる小さな小さな一歩は何か?」
を考えて、それを実行する
※もしそれさえも考えられない程、症状や悩みが大きいのでしたら、
まずはそれを小さくする為にお医者さんやカウンセラーの門を
たたかれるのも良いと思います。
「②」の場合
「自分は何が欲しいのか?」を箇条書きで挙げてゆき、
「それを手に入れたとして、どうなりたいか?」と目標を決めてゆき、
「それらを手に入れる為には何から始めたらいいのか?」
を考えて小さな行動から起こしてみる。
※もし「何が欲しいのか?」さえわからなければ、
毎日「何がしたい?」「何が欲しい?」「何食べたい?」等、
自分の欲求を自分に聞いてゆく事から始めた方が良いと思います。
「③」の場合
「仮にこの症状や怒り、依存が無くなったとしたら
今と違うどんな自分になっているだろう?」
「そして、そうなった自分に反対する気持ちや不安・怖れが
どこかに無いだろうか?」と自問し、
もし反対する気持ちや不安・怖れを感じる様であれば
無意識下では、そうなる自分に反対する力が働いている可能性があります。
もしそうなら、その「反対意見」に気付いた上で、
カウンセリングを受けられるのも良いと思います。
「④」の場合
まずは「不安と向き合う」「不安に寄り添う」、
或いは「二者択一の選択肢のどちらかを決める」為に、
カウンセリングを利用されるのも良いと思います。
「⑤」の場合
「周りの方の中で誰にどの部分の力を借りれるか?」
或いは
「環境を変える為に何をすれば良いのか?」と自問し、
「誰かの力を借りる事」や(最終的には)「環境を変える事」
も考えてみるのも良いと思います。
※それでも難しいのであれば、
カウンセラーの力を借りられるのも良いと思います。
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