コラム/2019-03-03
親と子の愛情の行き違い①
「これだけお母さんの為に頑張ったのに、
なんで認めてくれないの?・・・」
「女手一つであんたを一生懸命育てて来たのに
なんで私の言う事にいちいち逆らうの?・・・」
「私がこれだけ貴方に尽くしてるのに
なんであなたはわかってくれないの?・・・」
「ユミの為にと思ってしてあげたのに
なんで喜んでくれないの?・・・」
親子、兄弟姉妹、夫婦、恋人、友人・・・。
人間関係の距離が近づけば近づく程、
「愛情の行き違い」で苦しんだり、
喧嘩して距離が離れてしまう事がよくあると思います。
お互いが好きなのに、何故そうなってしまうのでしょう?
勿論、「性格の問題」や「コミュニケーションの仕方」の拙さ、
等色々要因はあると思いますが、
ここでは「コミュニケーションの仕方」について取り上げたいと思います。
最初に、便宜上
「与え手」=相手に気を使ったり、何かをしてあげる側
と
「受け手」=相手に何かしてもらいたい側
と定義します。
まず「与え手」の注意点として、
①相手(受け手)が望んでいるものを明確にする
②それを与える事によって、自分が得たいものを明確にする
③それらをお互いに合意した上で与える
例えば、
「会社の売上の為に頑張って残業しよう」と会社の為に自分の時間や労力を
「与えよう」と考えた人を例にしてみると、
①相手が望んでいるもの=売上を上げる事
②自分が得たいもの=昇給・昇進等の評価
そして、
それらが(暗黙の上でも)「③」の合意されているものであれば、
何の不満も出て来ないと思います。
ところが、
「③」の合意が不十分な為、
「②」の自分が得たいものが手に入らなかった時には
「これだけ頑張ったのに評価されなかった」
と不満が湧いてくるでしょう。
また例えば、
被災地へボランティアへ行った時を例にして、
「ボランティアをして被災者に感謝されたい、笑顔になってもらいたい」
という気持ちで必要だろうと思って持って行った物資が
不評だった為にがっかりして帰って来たとします。
この場合は
①の相手が望んでいるものを明確にしていなかった事
と
②自分が得たいもの(笑顔・感謝)が手に入らなかった事
が原因で不満が生じた訳です。
ですから、
「愛情の行き違い」を防ぐ為には
基本的にはまず「①」~「③」をはっきりさせておく必要があります。
次回は、ある親子を例にして、
「愛情の行き違い」が生じにくいコミュニケーションの仕方
をお書きしたいと思います。
(次回「親と子の愛情の行き違い②」へ続く)
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