コラム/2020-10-21
ワガママを我慢してる人へ④
<前回からの続き>
今回は
「OKな我慢」(していい我慢)と「NGな我慢」(しない方がいい我慢)
の違いについてお書きしたいと思います。
私の考えでは「OKな我慢」とは、
①その先に報酬(安心やリラックス=セロトニン、欲求充足=ドーパミン)が
得られると感じられるものである事
②客観的に見て(第三者目線で)その報酬を”自分の力で”得られる可能性
が高いもの
③客観的に見て(第三者目線で)我慢する事がその報酬に見合うもの
④自分の自由や権利が侵害されない事
⑤(強制ではなく)自分の自由意志によるものである事
の5点を満たしているものだと定義したいと思います。
これに従って考えた時に、例えば
「彼氏のギャンブル依存による借金をいつも立て替えて
家賃も払えなくなってしまっている女性」の例で言うと
お金を渡すたびに彼から喜ばれる、いつか彼と一緒になれて
愛してもらえる、といった報酬への期待がありますので、
条件「①」は満たされていますし「⑤」も満たされているでしょう。
但し「②」「③」については相手次第ですし、
「客観的な視点」が欠けていると言えるでしょう。
更に「④」に関してもこの女性は生活に困ってる訳ですから
自由や権利が侵害されてしまっている訳です。
故にこれは「NGな我慢」であると言えるでしょう。
また例えば、
受験生やアスリート等、自分の目標に向かって遊びたいのを我慢してる人達は、
5つの条件を満たしている筈です。
ただ、中には親やコーチから「勉強しなさい!ゲームの時間は1時間よ!」
等と強制されて本人からすれば「④」や「⑤」が満たされてない場合は、
NGな我慢になってしまい、やる気を失ったり我慢できずに反発する子
も出てくるでしょう。(NGな我慢への抵抗)
→その場合は親やコーチは
「①」~「③」を繰り返し本人に伝える事で
自ら我慢する方向へ導く事ができると思います。
つまり、
これら5つの条件のうち、「①」~「③」が満たされている
と本人が信じ込めれば、自ずと我慢できてしまうと思います。
(先に挙げた彼氏に貢ぐ女性の例でも、彼女の主観では
「①」~「③」を満たすものであるから我慢し続けちゃう訳です)
※薬物やアルコール依存、或いは性犯罪等を犯した人で
刑務所や病院に入れられている人も
「ここを出たら自由だ!またあの快感が得られるぞ!」と
「①」~「③」を満たす我慢なので我慢できちゃう訳です。
つまり、出所・退院後の報酬の為に我慢してる訳ですから
その報酬を絶たれたら我慢した意味が無くなってしまいます。
その辺りが再犯防止プログラムの難しさでもあると思います。
(そういった方は是非ご相談下さい)
それでは、
次回はいよいよ「OKなワガママ」(許容されるワガママ)なのに、
「NGな我慢」(しない方がいい我慢)をしてしまって苦しくなっている方へ、
どうすればそこから脱する事ができるのか?
のヒントをお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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