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コラム/2021-02-05

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HSS型HSPの人が辛くなる原因

<前回からの続き>

今回は「HSS型HSP」(刺激追究型のHSP)の人が辛くなる原因
今迄の知識と臨床経験を元に、私なりに考えてみました。

エレイン・アーロン博士は「HSS型HSP」のタイプの人の事を
「移り気で、HSPの敏感さとHSSの衝動性の両方を持つ為、
 神経の高ぶりの最適レベルの範囲が狭い。つまりすぐに圧倒されるが、
 同時に飽きっぽい。新しい経験を求めるが、動揺したくないし
 大きな危険は冒したくない(いつもアクセルとブレーキの両方を踏んでる)
 また、自分の内なる葛藤を相手のせいにし易い」と分析しています。


更に博士は
「HSPは主な神経伝達物質をセロトニンとする”現状確認システム”
(行動の抑制・回避)が強く、
 HSSは主な神経伝達物質をドーパミンとする”行動活性システム”も強い」
とも述べています。


だとすれば、

「HSPの敏感さ」セロトニンのトランスポーター(輸送体)や
受容体遺伝子の変異と、

「HSSの新奇探求・刺激追究」は、ドーパミンのそれらの変異と関係
しているのと考えられます。

そしてそれにより「HSP」はセロトニン不足に陥り易く、心が安定しにくいので
セロトニンを補う為の時間や空間(刺激を遮断して、一人でまったりする時間)
が必要なのかも知れません。


一方「HSS」はその変異によって、ドーパミン感受性が低く、
少しの刺激ではワクワクしたり興奮したりできないので、
退屈が嫌いで、より刺激(ドーパミンが放出される事)を求めてしまう
のかも知れません。


もしこれらの推論が正しければ、
「HSP」の人はセロトニンが分泌する様な時間・空間を増やす事
(例えば、刺激をシャットアウトして一人でまったりする時間)が、

「HSS」の人はドーパミンが分泌される様な時間・空間を増やす事
(例えば、人と会う、出かける、趣味に興じる時間)が、
それぞれ必要であると考えられます。

そして「HSS型HSP」の人は、そのどちらも必要と考えられます。


但し、セロトニンはドーパミンの過剰分泌を抑える働きがあり、
この2つの特性が拮抗してしまってどっちつかずになり
苦しむ事も出てくると思います。


つまり「HSS型HSP」の人は、
①セロトニンの分泌を増やす事も、
②ドーパミンの分泌を増やす事も、そして
③それらのバランスを保つ事も必要だと考えられます。

それ故、その3つのうちのどれが欠けてもしんどくなると考えられます。

(思うに、この「HSS型HSP」の人が上の3つのどれかがうまく行かず、
 抑うつっぽくなった場合は、セロトニン系を増強する抗うつ薬を使うと
 ドーパミン系が抑制されてしまうので、効果が出にくいのでは?と思います。

 更にはドーパミン系の活動は直感やインスピレーションの源でもあり、
 それを抑えると、クリエイティブな能力も働かなくなる恐れがありますので、
 その辺りは充分に考慮された方が良いと思います)

加えて、以前お書きしたHSPの部分での「ネガティブ処理のパターン」も、
「HSS型HSP」の人にも当てはまるので、それによって辛くなる
事もあるはずですが、

「非HSS型HSP」の人に比べて「注意の切り替え」が速いですので、
参照するファイルを切り替える事も比較的スムーズにいくと思われます。


そして(特に最近の臨床場面では)
「HSS型HSP」と思しきクライアントさんは、
コロナの影響でテレワークが増えたり、友人との会食や旅行、趣味の時間等が
妨げられ、刺激やドーパミン不足に陥り辛くなっておられると思われるケース
も少なからず見受けられます。

それでは次回は、刺激追究型(HSS)のHSPの人が辛さから脱するヒント
をお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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