コラム/2021-02-13
HSS型HSPと発達障害(ADHD)の違い
<前回からの続き>
今回は「HSS型HSP」と「発達障害(AD(H)D)」の違い
についてお書きしたいと思います。
「HSS型HSP」は、心理テスト等で使われる「感覚プロファイル(SP)」
で言う所の「感覚探求」(=HSS?)と「感覚過敏」(=HSP?)
の傾向が強い人の事を指すと考えられます。
ADHDの場合も「感覚探求」「新奇性探求」とつながりが深いと
考えられる為、混同されるケースもあると思います。
ここで、お医者さんの多くが参考にする(発達障害等の)診断基準である
「DSMー5」の「ADHD」の項を見てみましょう。
<DSM-5におけるADHDの診断基準>
以下の9つの不注意症候(「A1」~「A9」)および
9つの多動性・衝動性症候(「H1」~「H9])を含む。
この基準による診断には,少なくとも1グループにおける6つ以上の症候が
以下(「①」~「⑤」)の条件を満たす必要がある:
①しばしば6カ月以上認められる
②患児の発達水準から予測されるよりも著しい
③少なくとも2つ以上の状況(例,家庭および学校)でみられる
④12歳前に(少なくともいくつかの症状が)みられる
⑤家庭,学校,または職場での機能を妨げている
不注意症状グループ:
A1.細部に注意を払わない,または学業課題やその他の活動を行う際に
ケアレスミスをする
A2.学校での課題または遊びの最中に注意を維持することが困難である
A3.直接話しかけられても聴いていないように見える
A4.指示に従わず,課題を最後までやり遂げない
A5.課題や活動を順序立てることが困難である
A6.持続的な精神的努力の維持を要する課題に取り組むことを避ける,
嫌う,または嫌々行う
A7.しばしば学校の課題または活動に必要な物を失くす
A8.容易に注意をそらされる
A9.日常生活でもの忘れが多い
多動性・衝動性症状グループ:
H1.手足をそわそわと動かしたり,身をよじったりすることが多い
H2.教室内またはその他の場所で席を離れることが多い
H3.不適切な状況で走り回ったり高い所に登ったりすることがよくある
H4.静かに遊ぶことが困難である
H5.じっとしていることができず
エンジンで動かされているような行動を示すことが多い
H6.過度のおしゃべりが多い
H7.質問が終わる前に衝動的に答えを口走ることが多い
H8.順番を待てないことが多い
H9.他者の行為を遮ったり,邪魔をしたりすることが多い
それでは、この「AD(H)D」の診断基準を基に
「HSS型HSP」を当てはめてみます。(勿論個人差があると思いますので、
あくまで私の感覚で行っている点をご了承下さい)
③少なくとも2つ以上の状況(例,家庭および学校)でみられる
⑤家庭,学校,または職場での機能を妨げている
→「不注意」にしろ「多動性・衝動性」にしろHSS型HSPの人は、
学校や職場では周りの目を気にして、相手や周りの迷惑を考えて
不注意に対して準備したり、多動・衝動性を我慢したりする傾向が強い
と考えられます。
ですから家庭ではその傾向が強く出たとしても、公的な場では生じにくい
と考えられますし、
まして(迷惑を掛ける事にも敏感であると考えられますので)、
機能を妨げる程の迷惑を掛けても平気、といった事態は考えにくい
と思います。
(もしそうなら、この時点でADHDから除外されると言えます)
次に「A」グループの「A5」{A6」「A8」「A9」以外の5項目と
「H」グループ「H1」「H4」「H6」以外の6項目も、
やはり職場や学校等の公的な場では、HSSの「感覚探求」よりも
HSPの部分である「そんな事をしたら相手がどう思うか?」
とか
「相手の迷惑にならないか?」とか「ルールに違反してるのでは?」
といった部分に敏感である為、該当しにくいと思います。
この私の感覚が正しければ、HSS型HSPの人はHSPの気質があるが故に、
AD(H)Dの診断基準は満たさない、と考えられます。
※どうしてもはっきりさせたい方は
発達障害に詳しい医師の元で、(除外)診断を受けて下さい。
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