コラム/2021-05-05
相手の顔色を見過ぎてしんどい人の2つのタイプ
「今朝私が声を掛けたら、Aさんは一瞬顔を曇らせた・・・
私が何か気に障る事をしちゃったのかなあ」
「通りすがりの人が私とすれ違った時に小さく舌打ちをした・・・
きっと私の事を変だと思ったに違いない」
HSPの人は「S」(感度の鋭さ)で、相手のちょっとした表情の変化や、
仕草・態度、声・音のいつもとの違いに気が付く筈です。
そして「愛着の問題」や「心の傷」を抱えている場合は、
偏った「D」(深い処理)によって、
「私は嫌われる」「私はダメだ」「私は変だ」等の「結論」に至り、
生き辛さを感じる事になる人も多いと思います。
同様に、
HSPの4大気質のうちの「S」の共感力がそれほど強くはなく
非HSPと思われる人の中にも、
「感覚過敏」と深い処理に匹敵する「こだわりや集中力が強い」
といった気質を持って生まれ、
恐らく「愛着の問題」や「心の傷」を負ったがために、
相手の顔色や言動に敏感に反応し、それをネガティブに捉えてしまい、
苦しんでおられる方も見受けられます。
しかもそういった方は、
(非言語的)コミュニケーションができない訳ではなく、
DSM-5によるASD(自閉症スペクトラム)の診断基準の一つである、
「社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害」には
そこまで強く該当しないと感じます。
エレイン・アーロン博士も
「ASDの知覚過敏は、
社会的な手掛かり(例えば相手の表情等の非言語的コミュニケーション)
になる様な刺激には反応しない」
と述べられておられます。
という事は、
そういった方は共感力はそれほど強くなく、
「自分がどう思われてるか?」といった自己評価にのみ敏感であるが故に
HSPから除外されるが、
上述の理由からASDにも該当しないと考えられます。
精神科医の岡田尊司先生は、
「現在の安全基地(心の拠り所)が無い事(愛着の問題)と
過敏性の亢進は関連性が強い」
「過敏性を持った人は、心の傷を引きずってしまう人が、
過敏性を持ってない人の8倍存在する」
という主旨の事を述べられています。
つまり、
過敏性を持って生まれると、「心の傷」や「愛着の問題」が生じやすく、
逆に「心の傷」や「愛着の問題」を抱えていると、過敏性が亢進し易い、
と言えると思います。
あくまで想像ですが、
「感覚過敏」と「こだわり・集中力」を持って生まれ、
環境によって「愛着の問題」や「心の傷」が生じ、
不安や恐怖を回避する自己防衛から、
脳の特定のニューロンが発達して行ったのでは?と思います。
いずれにしても、
私の臨床経験から、相手の顔色を見過ぎてしんどくなってる人は
①HSP+「愛着の問題」や「心の傷」
=共感+顔色を見て相手の反応をネガティブに捉える
②(感覚過敏とこだわり・集中力を持ってる)非HSP
+「愛着の問題」や「心の傷」
=顔色を見て相手の反応をネガティブに捉える
の二つのタイプに分かれると思います。
もしそうであるならば、
二つのタイプに共通する「愛着の問題」と「心の傷」を改善・解決し、
ネガティブな自己像を変えれば、
持って生まれた高性能センサーの向きが変わり、
センサーの反応も穏やかになり、
感覚過敏や自己否定も治まってゆくと考えられます。
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