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コラム/2021-06-07

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境界性パーソナリティー障害のメカニズム

<前回からの続き>

今回は前回取り上げた架空のA子さんを例にして、

何故その様なパーソナリティー(人格)が形作られたのか?
を私なりの解釈でご説明したいと思います。




①「O」(オキシトシンシステム=愛着・愛情・自他信頼)が脆弱

A子さんの母親は所謂「育児放棄」をしていました。

それ故、A子さんと母親との間では「愛着形成」がきちんとなされずに
「愛しい人(母→そして母をモデルにした恋人)は私を愛してくれる筈だ」
とか

「私は愛しい人(母→そして母をモデルにした恋人)に愛されるに違いない」

といった自他への基本的信頼感が育まれなかったと考えられます。


※人によっては生まれつきオキシトシンシステムが脆弱な人もいる様です
 (=このケースでは母親?)




②「S」「セロトニンシステム」(=安心・安定・幸せ・満足)
 が優位には働かない傾向がある(または脆弱である)

A子さんの母親は家に帰って来ない日も増え、
A子さんは「安心・安全・幸せ」を感じる事があまりなく
常に(見捨てられ)不安を感じていたのだと思います。

それ故「セロトニンシステム」が脆弱になったと考えられます。


但しA子さん「寂しい夜はお布団を被って寝よう」
とか
「ぬいぐるみとお話しよう」等の
「セロトニンシステム」を作動させるタイプではなく

母親に愛される事を求めて、夜のお店へ訪ねて行ったり
母親を理想化し、
「もっといい子になったら大好きなお母さんは帰って来るかも?」
とか

「お母さん可哀相!・・・私が助けてあげなきゃ!」
等といった、

「不安」→「D」(母を自分の理想通りの人にする事を報酬とする)
+「N」(その為の意欲・行動)
といった、

「N」と「D」システムが生まれつき優位なのでは?
と思わせるエピソードが見受けられます。




③「N」「(ノル)アドレナリンシステム」(=不安・怒り・行動化)
 と
 「D」「ドーパミンシステム」(=快の刺激・喜び等の報酬)
 が優位に働いていて、しかもそれが強化されてしまっている

高校生頃からのA子さんは母親とバトルを繰り広げたり、
リストカットしたり、薬を大量に服んだり(O.D)といった
行動化にますます拍車がかかっています。

推測するに、


(1)
「(見捨てられ)不安」を基に「N」「(ノル)アドレナリンシステム」
 が作動する


(2)
「相手に勝つ事や、自分の思い通りに支配する快感」
理想化こきおろし脅し
 や
「不安から逃れてスッキリ感を得る」
自傷行為等)
 事を目的(報酬)として「D」(ドーパミンシステム)が働く


(3)
それを得る手段として
「N」「(ノル)アドレナリンシステム」による「行動化」
(実際に相手へ怒り・非難暴言をぶつめたり、脅したり、自傷行為をする等)
 が繰り返される


(4)
相手を思い通りに支配する事ができれば、
本来であれば「幸せ・満足」といった「S」(セロトニンシステム)や、
「愛してる・愛されてる」といった「O」(オキシトシンシステム)へ
移行する筈ですが、

元々「N」と「D」が優位(刺激を求める傾向が強い)で、
しかもそれが強化されてきたと考えられますから、
退屈な「S」を求める事ができず

しかも「O」システムは幼児期から形成されていないですので、
蜜月は長く続かず相手との関係が穏やかになったと感じればそれを破壊し、
刺激に満ちた状態を自ら作り上げるのではないでしょうか?


そして、そのパターンが固定されどんどん強化されていったのが
「境界性パーソナリティー障害」ではないか?と考えます。




そう考えると、

「お母さん一緒に遊んで!」

「お母さん忙しいから、また後でね!」

「いやだいやだ、今すぐでなきゃ!」

と怒ったり泣いたりする様などこにでもいる様な「少しわがまま」で、
少し「NシステムとDシステムが優位」な子が、
母親との関係で「愛着形成」がなされずに見捨てられ不安を抱えるに至り、

「相手に勝つ事や、自分の思い通りに支配する」という事でしか
報酬を得られない(元々優位な「NシステムとDシステムが満たされない)
といったシステムのパターンが固定されしまったともの考えられます。

ただここで、
「それでは何故システムのパターンが固定化されてしまい、
それを延々と繰り返すのか?」

そして、
「何故どんどんそれがエスカレートしてゆくのか?」
という疑問が生じます。

私なりに考えたその答え
次回「境界性パーソナリティー障害になる4つの要因」
としてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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