コラム/2021-04-12
HSPの人が愛着障害から抜け出す為のヒント②
<前回からの続き>
前回は、
(広義の)「愛着障害」で今も生き辛さを抱えているHSPの人が
そこから抜け出す為のヒント「①」~「④」をお書きしました。
今回からは、
その「①」~「④」のヒントを1つずつ、
より詳しくご説明したいと思います。
<HSPの人が愛着障害の生き辛さから抜け出すヒント(詳細)>
①自分や他者、物事の捉え方を変える
※以下、「自分を生き辛くさせてる信念や記憶のファイル」
を便宜上「黒」の信念・ファイルとし、
「生き辛さから解放してくれる信念や記憶のファイル」を
「白」の信念・ファイルとさせて頂きます
(1)「黒」の信念をあぶり出す
a.自分に対する捉え方を理解する
「どうせ自分は〇〇だ。だから△△しないといけない」
→上の〇〇や△△に部分にはどういった言葉が入るかを考えてみましょう。
例:「どうせ自分は”誰からも愛されない”。だから”嫌われない様に”しなきゃ!」
b.他者(世の中)に対する捉え方を理解する
「どうせ他人なんて〇〇だ。だから△△しないといけない」
→上の〇〇や△△に部分にはどういった言葉が入るかを考えてみましょう。
例:「どうせ他人なんて”信用できない”。
だから”本音を言ったり頼ってはいけない”」
(2)「黒」の信念を突き崩してゆく
a.「例外」的な人を探す
→今まで出会った人の中で「黒」の信念に反すると思われる例外的な人
を思い浮かべましょう。
例:「”どうせ自分は誰からも愛されない”と思ってるけど、
幼稚園の時のA先生からは愛情を感じた」
「”どうせ他人なんて信用できない”と思ってるけど、
母方のお爺ちゃんだけは信用できそうだった」
等々。
※ここで「そんな人なんて一人も居なかった」と思えるのであれば、
「愛された」と思えた”一瞬”を探すか、
下記の「c.」「d.」を実行しましょう
b.”例外的な人”目線で自分を客観視する
→鏡を見ながら、「a.」で思い浮かんだ”例外的な人”に成りきって、
その人なら鏡の中の自分の意見に対してどう言うだろうか?
と想像して鏡の中の自分と対話してみましょう。
例:(鏡の中の自分)「どうせ私なんて誰からも愛されない・・・」
(A先生として)「そんば事無いわ!私はゆかちゃんの事が好きよ」
(鏡の中の自分)「うそ!だってママも私よりも妹の方が好きだもん!」
(A先生として)「どうしてそう思うの?」
(鏡の中の自分)「だって妹と喧嘩して、悪いのは妹なのに、
私ばっかり怒られる」
(A先生として)「それはもしかしたら、”お姉ちゃんなんだから
妹に優しくしなさい”という
ママの”素敵なお姉ちゃんになってね”
というゆかちゃんへの愛情かも知れないよね」
等々。
※この「A先生の考え」は後述の「白のファイルに加えてゆきましょう
C.一番愛して欲しかった人(=親?)目線で自分を客観視する
→一番愛してほしかった人、或いは一番信じたかった人で
その欲求が叶えられなかった人を思い浮かべます。(大抵は親?)
鏡を見ながら例えば母親に成りきって、鏡の中の自分の意見に対して
どう言うだろうか?と想像して、鏡の中の自分と対話してみましょう。
例:(鏡の中の自分)「何でママは私の事を愛してくれなかったの?!」
(母親として)「パパが自分勝手でイライラしてたのよ!
それにあんたを見てるとパパそっくりな所がある
様に感じて余計に腹が立ったのよ!」
(鏡の中の自分)「え~?!それって八つ当たりでしょ?
だとしたら私が問題じゃなくて、ママが問題だわ!」
(母親として)「ごめん、もう昔の事だから許してよ」
※この「母親の考え」も後述の「白のファイルに加えてゆきましょう
d.公平な第三者目線で自分を客観視する
→あなたが「この人なら公平な立場で意見を言ってくれそう」
と思える、歴史上の人物や神様・仏様を思い浮かべます。
その人物が上の「c.」で思い浮かべた愛情で満たしてもらえなかった
と思える人と自分との関係をずっと見て来たとします。
その人物ならどう考えるでしょうか?
例:(聖徳太子?)「あなたのお母さんは、おなたにとってのお祖母ちゃん
から褒められた事がなく、厳しく育てられた。
それしか知らなかったので、そうする事が親の愛情だと
思い込んでいた。だからあなたに対しても否定し、
褒めず厳しく育てて来た・・・
だからあなたが愛されるに値しないという訳ではない」
(神様?)「お父様は帰りが遅く、お母さまは頼れる人が居ない中、
あなたや弟妹を育てないといけなかった。
だからお母様はあなたに頼る目的で、
しっかりしてもらいたくて
あなただけを厳しく育てたのです。
だから、あなたが愛される存在ではなかった
訳ではありません」
(仏様?)「あなたを放ったらかしにして自分の好きな事に
夢中になっていたお母さんは、母親としては未熟で、
その能力が無かったのでは?
だからあなたが子供失格ではなくて、
お母さんが母親失格だったと言える」
等々。
e.「黒」の中の「白」を探す
例えば、「母親は私を全の全てを嫌っていた」(黒のファイル)。
→そのファイルの中身=それを裏付ける証拠となる記憶
(あの時も、そしてあの時も)を書き出します。
そして、嫌っていなかった場面、嫌っていなかった部分を
「白のファイル」の中身=それを裏付ける証拠となる記憶
を思い出して書き出しましょう。(時間と空間を細分化して)
※同様に「私を嫌っていなかった人」も思い出して、
白のファイルに入れる中身を書き出しましょう。
更に例えば、
「お母さんが私に関心が無かったせいで、私は自己肯定感が低くなって、
人に心を開けず、今苦しんでいる」(黒のファイル)
に対しても白を探しましょう。
→「もしお母さんが私に構いすぎていたら、甘えん坊の私の事だから
いつまでも自立できなかったかも知れない。
確かに孤独を感じるけど、人に甘え過ぎず何でも自分でやってきて
自立心は強くなったと思う」等。
物事についても、デメリット(「黒のファイル」)だけではなく、
メリット(白のファイル)を見つけて書き足してゆきましょう。
(3)「白」のファイルを充実させてゆく
→上記の(1)~(2)をしてゆき、
「黒のファイル」(例:「私は誰からも愛されない」)に対して
「白のファイル」(例:「私は誰からも愛されない訳ではなさそう」)
を作り、
上の(1)~(2)で新しく得た洞察を基に、その中身を書き込んでゆきましょう。
※その結果、「愛してくれない人もいるけど、そうじゃない人もいる様だ」
とか、
「愛されない部分もあるけど、愛される部分もあるかも知れない」
等の「グレー」の考え方が出来るようになれば、
生き辛さは少なくなるでしょう。
それでは次回は、「②安全・安心の基地を作る」為のヒントを
より詳しくお書きしてゆきたいと思います。
<次回へ続く>
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