Google+ で検索

カウンセリング 大阪府大阪市 心理療法  返金保証 超短期  コーチング

calendar コラム/2021.03

Top / コラム / 2021.03

<< 2021.3 >>
[コラム]
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

2021/3/31 (水)

HSS型HSPの人は何故モチベーションを維持しにくいのか?

「好きな彼女を口説き落として結婚した途端に冷めてしまった」


「ギャンブルで勝てないとわかっていながら止められない」


「痩せなきゃ!と思っても過食が止まらない」・・・。

特に刺激追究のHSS型HSPの人は、常に新しい刺激(ドーパミン)を
求めていると思われます。

そして、自分にとって「快」を感じる刺激を求めている時
モチベーションが高まっていますが、
それを得てしまうと急速にモチベーションが下がってしまうと思われます。


では一体、何故そうなってしまうのでしょうか?

私の推測ですが、その鍵は快感をもたらす「ドーパミン」
心を安定させる「セロトニン」という2つの脳内神経物質の働きが
関係しているのでは?と思います。


「これをすれば自分の目標が叶う」という時にはドーパミンが出て
モチベーションが高まりますが、
その目標を達成すれば「満足」=セロトニンが出ると思われます。

そしてこのセロトニンはドーパミンを抑制しますから、
ドーパミンは満足した瞬間に減少するでしょう。

となると、また新たにドーパミンを求めないといけなくなります。


上の例で言いますと、

 彼女を口説いてる時には、”この女性を手に入れたら・・・”
 目標に向かってドーパミンが出てる訳ですが、
 手に入って満足した途端にセロトニンによってドーパミンが
 抑制されます。

 だから、別の女性を新たな目標にして、
 ドーパミンが出る方向へ向かうのではないでしょうか?


ギャンブル過食も同様で大当たりして借金返済したり、
食事制限して目標体重に達したとしても満足してはいけない訳です。

何故なら満足した時点でドーパミンを得る術がなくなりますから。

しかもドーパミンに対しても「馴化」(慣れ)が起き、
より沢山の報酬(ドーパミン)を得られないと満足できなくなると思われます。

ですから「もっと(借金して)稼がなきゃ」とか
「もっと(体重を増やして)痩せなきゃ」等といった無意識の働き
によって、そこから抜け出せなくなるのでは?と思います。


そしてそれが簡単に手に入るものであれば、
そこまでモチベーションは高まらないでしょうし、

逆に「絶対に無理だ」と自分で思える目標に対しても
モチベーションは維持できないでしょう。


それは恐らく、
簡単に手に入るものであればドーパミンも一瞬しか得られないですし、
絶対無理な目標に対してはそもそもドーパミンは出ないでしょう。

つまり
「その目標を達成する可能性が高すぎてもダメだし、可能性がゼロでもダメ」
という事だと思います。


例えば前回の県大会で3位に入ったアスリートを例にすると、
「次の県大会で優勝するぞ!」可能性はゼロでは無いが簡単では無いから
ドーパミンを得て、練習し続けるモチベーションが維持できる訳です。

でも県大会で優勝しちゃうと、それ以上のドーパミンが出なくなります。

だから「今度は国体で優勝しよう!」更に可能性が低い目標を掲げ
(困難な目標を達成すれば、より多くのドーパミンが得られますから)
ドーパミンの馴化を防いでモチベーションの維持を行うでしょう。

そしてそれも達成して「今度はオリンピックでメダルを獲るぞ!」
更なるドーパミンを求める

そしてそれをも達成してしまうと(その目標の延長線上でのドーパミン
を得る手段が無くなるので)モチベーションが下がってしまい、
引退してしまうかも知れません。


※私見ですが、強迫性障害も「安心したいから強迫行為を行う」
 と考えられていますが、「安心」という目標の為の強迫行為には
 ドーパミンが関わってるのでは?と考えています。

 だとすれば、何故強迫がどんどん酷くなってゆくのか?
(=目標が高くなってゆく)、
 何故日に何度も安心を求めるのか?(=一瞬でドーパミンが出なくなる)
 がドーパミンの馴化で説明できるのでは?と思います。

 だとすれば抗うつ薬等でセロトニン(安心)を増やすだけでは片手落ちで
 ドーパミンを増やす必要もあるのでは?と考えたりします。



それでは次回は「HSS型HSPの人がモチベーションを維持するには?」
についてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2021/3/29 (月)

HSPの悩み解消:打たれ弱さを克服するには?

<前回からの続き>

今回は、前掲④のケース

「何度転職しても職場にパワハラ的な上司が居て、
 耐えられなくなって辞めてしまう・・・私って本当に弱い人間だ」

というお悩みに対して、その解消のヒントをお書きします。

<打たれ弱さを克服するには?>

①「自分は(打たれ)弱いという認識を変える


→以前、私のルームに同様なお悩みに苦しまれ「今迄40回も転職しました。
 逃げてばかりで私って本当に弱いです」と仰る方がお見えになりました。

 私は
「え?!という事は40回も面接に受かったんですね?・・・
 あなたのどういう所が評価されたんでしょうか?・・・
 ボクシングで言うと、40回ダウンを喰らっても立ち上がる強さは
 何なんでしょう?」

 と感動して申し上げた事がありました。

 そういった方は「よし!転職のギネス記録を更新してやる」と思って
 「私って実は強いのかもしれない」と何度も自分に言い聞かせてみませんか?


 ※「でも私はもうこれ以上転職する勇気が無くて、
   1週間仕事を休んでしまっています」という方は

  そんな中でもノックアウトされずに、何とかしようと
  この記事をご覧になったり、カウンセリングを受けられてる訳です。

  つまり簡単にはKOされない強さを持っているのではないでしょうか?

  もしそう思えるのであれば「私って意外と負けず嫌いなのかも?」
  と自分に言い聞かせてみませんか?




②自分に「逃げてもいい」という許可を与える


→例えばライオンが居る檻に放り込まれ、逃げる事が許されないとすれば
 どうなっちゃうでしょうか?
 恐らく恐怖の余りパニックになってしまうのではないでしょうか?

 でも、いつでも逃げられる車の中ならライオンが近づいて来ても、
 少し恐怖を感じながらもそれを楽しむ余裕があるかも知れません。

 つまり、
「逃げ場が無い」状態でいると強い恐怖に襲われ続け、
 対応策を考える余裕も無いまま心身に異常をきたす可能性も出てきます。

 また例えば、思い悩んで故郷のお母さんに電話で窮状を訴えた時に
 「何を言ってるの?!どんな事があっても仕事を辞めちゃダメ!」
 と言われたら、追い詰められて益々苦しくなるのではないでしょうか?

 逆に「そんなにしんどいのなら、いつでも帰っておいで」と言われたら、
 安心して余裕ができ今の現状に立ち向かう勇気が出るかも知れません。

 ですから自分に「最悪逃げてもいっか」と許可を与えてみませんか? 




③防御態勢を整える



(1)物理的な防御:
 もし可能であれば自分のデスクの端に書類等を積み上げたり、
 衝立や筆箱、ペン、お守り等で”結界”を作り、「部長の悪霊」等から
 身を守る

 或いは(可能であれば)席替えや部署異動を申し出る。


(2)イメージでの防御:

 前々回お書きした「シールディング」を行う。




④(ネガティブな)ファイルを整理し直す



(1)「部長が怒ってる」

 →過去に自分が怒られて否定されたファイルを参照する

 →「私が仕事ができない奴だと否定してるに違いない」

 →(そのファイルを参照し続け)
 「あの時、あの人も私を否定した、あの時のあの人も・・・」

 →「みんなが私を否定する」

 →「私はダメ人間だ」

 →「だから怒られる」

 →結果、「また怒られるんじゃないか?」と常にびくびくしながら
  部長が自分を怒ってる場面に意識を集中し続ける。

  更には「みんな私を否定する」という結論から
  他の人の否定にのみ意識を集中し続ける・・・

 これじゃあ、そこに居られなくなっても当然だと思います。

 ですから、
 以前お書きした要領で「ネガティブ(黒)ファイル」の中身を書き出して、
 「ポジティブ(白)ファイル」も加えてゆきましょう。


(2)ここでは特に、「私がダメだから部長は怒る」ファイル
 と「みんなが私を否定する」ファイルを再度吟味する必要がある
 と思います。

 例えば「部長が怒ってる他の理由として考えられる事は?」とか
 「私の事を否定してなさそうな人は?」等と考えてみて、以前お書きした
 「相手の立場に立って考える」「自分や相手を客観視する」方法
 を駆使して、「ポジティブ(白)ファイル」を作ってゆきましょう。



 
⑤自分にとっての安全基地を作る



(1)新たな視点を見つける

 「④」の方法で「ポジティブ(白)ファイル」が加われば、
 「部長は同じミスをしてもAさんには怒らず、私にだけ怒る。
  部長にとって私が怒り易いからかな?・・でもそれって”見せしめ”?」

 「部長は私が仕事で同じ事やっても、その日の部長の気分によって
  怒られたり怒られなかったりする・・・それって”八つ当たり”?」

 「AさんとBさんはいつも私を否定するけど、Cさんは励ましてくれたり
  気にかけてくれてる・・・」等といった新たな視点が見つかる
  かも知れません。


(2)自分が自分の安全基地になる

 もし新たな視点が見つかれば、その視点で「D=深い処理」
 を行ってみましょう。

 「部長は私をみせしめにしたり、機嫌が悪い時に八つ当たりしてくる。
  それって、上に立つ人としてはどうかと思う・・・」等々。
 (この考え方も白のファイルに書き加える)

 仕事から帰ってきてから、「黒のファイル」に基づいて
 今の苦しさをノートに書きます

 「あ~、今日もミスして部長に怒られた・・・本当に私ってダメだなあ~
  この会社には必要じゃないんだ」

 ノートの反対側に「白のファイル」に立って、自分が優しいお母さん
 になったとして、その返信を書いてみましょう。

 「この前は、Cさんに”よく頑張ってるね!”って言ってもらったじゃない。
  今日の部長は朝から機嫌が悪かったから、きっと八つ当たりじゃない?
  しかもあそこまで酷く怒らなくてもいいのにね」

 もしできるのであれば、こういった交換日記をしてみませんか?


(3)自分以外の安全基地を見つける

 例えば「Cさんや彼氏なら味方になってくれるかも知れない」
 と感じたのであれば、思い切って今の苦しみを少しずつ打ち明けて
 みませんか?


 ※ここでもし「そんな事打ち明けたら迷惑かける」という考えが出てきたら
  「もし私が相手の立場だったら、そんな事私に相談しないでよ!迷惑よ!
  と思うだろうか?」「相手の立場に立って考える」事も必要
  だと思います

 ※また、もし聞いてもらえなかったり力になってもらえなかったら
  「やっぱり私の味方なんて誰もいない」といった「過度の一般化」
  を避けて、次のターゲットを探してみましょう




⑥自己主張してゆく


「安全基地」ができたら自分の意見・考えを伝えてゆきましょう


(1)相手に「NO」と言ったり、自分の要求を伝える

 「部長、私にだけきつく言われてる様に感じて辛いんです。
  大きな声で怒鳴るのは苦手なのでそれだけはやめて頂けないでしょうか?」
  等。


(2)助けを求める
 持ち前の「=感度の鋭さ」で信頼できそうな人を選び
 思い切って相談してみませんか?

 「専務、ご相談がありますので
  ちょっとお時間を頂いても宜しいでしょうか?・・・」等。

※お一人では難しい場合は、お気軽にお問い合せ下さい。



パーマリンク

2021/3/26 (金)

HSPの悩み解消:二度見知りを解消するには?

<前回からの続き>

今回は前掲のケース:
「初対面の時は割と話せるのに、会う回数が増えてゆくと
 次第に話せなくなってしまう・・・私って”二度見知り”?」

というお悩みに対して、その解消のヒントをお書きします。

<二度見知りを解消するには?>

①相手の立場に立って考える


(1)特に「あの人から嫌われたくない」とか「あの人から良く思われたい、
 馬鹿にされたくない」と思える様な”今、気になる相手”
 一人思い浮かべましょう。

(2)その人はどんな考え方・感じ方をする人で、
 どんな性格でどういった表情や姿勢・仕草をよくする人でしょうか?
 どんな声でどういった話し方をするのでしょうか?

(3)自分の姿を鏡(姿見)に映して、鏡の姿を見てる自分側は
 ”その人の体にすっぽり入って、”その人の脳みそ・ハート”、
 ”その人の目・耳・鼻・口”をできるだけ忠実に再現して、
 その人に成りきりましょう

(4)その人に成り切って、鏡の向こうの自分をよく観察してみましょう。

 鏡の向こうの自分は「こんなつまらない自分がばれたら、きっと嫌われる」
とか「うまく話ができないと馬鹿にされる」等と戦々恐々としているせいか
二度、三度と会ううちに段々言葉少なになってよそよそしくなってきます。

その人に成り切った自分側としては、
鏡の向こうのそんな自分の事をどう思いますか?

(5)気づいた事や感じた事をメモしましょう。




②自分や相手を客観視する


(1)ぬいぐるみか指人形2つ用意します。

(2)そのうちの1つは自分と全く同じ気質・性格・考え方の
  我が子や弟妹、後輩、ペット等の愛しい存在だとします。

  もう1つは今自分が気になる人だとします。

(3)2つのぬいぐるみを手に持ち、向かい合わせて
 実際の会話のやり取りをしてみましょう。

 但し、各々の考えてる事や気持ち等も声に出してみましょう。

(4)ぬいぐるみのやり取りを観察して、どう感じましたか?

(5)気づいた事や感じた事をメモしましょう。




③相手と会ってる時に相手のポジティブな反応に目を向ける


(1)どんな時に相手が笑顔になったり、自分に好意や興味を持ったと感じたか?
 を観察します。

例:「私が好きな映画の話をしている時には興味深く聞いてくれた」

  「共通の趣味のゲームの話題の時はテンションが上がっていた」

  「相手の人が飼ってるペットの話をする時は凄く嬉しそうに話してた」
等々。

(2)「(1)」で得た情報を基に相手がポジティブでいる時間を増やす工夫をする。

 (※HSPの人は相手がポジティブな感情なら、その影響を受けて自分も
   ポジティブな感情になるでしょう)




(それでも)相手のネガティブな反応を拾ってしまったら、
 その意味を考え直す


(1)相手がもし急に真顔になったり、つまんなさそうに見えたり、
 機嫌悪そうに見える瞬間を拾ってしまったら、

 お家に帰ってから場面毎に「何故あの時相手がそんな反応をしたか?」
 の思いつく理由を紙の左半分に書いてみましょう。

 例:「私が好きなジャニーズの話をした時、相手が一瞬暗い表情になった」

   「きっとあんたみたいな可愛くない子があの人を好きなんて生意気よ」
   と思ったんじゃないのかな?(紙の左側に書く=”黒”のファイル)

(2)次に上の「①」をやってみて、相手側からの視点でそれとは違う理由を
 (できるだけ沢山)紙の右半分に書いてみましょう。

 例:「え~だって私はあの子は推しメンじゃないし・・・」等々。
   (紙の右側に書く=”白”のファイル)

(3)そして上の「②」をやってみて第三者の視点を紙の真ん中下辺りに
 書きましょう。

 例:「確かに、同担拒否の嫉妬から”あんたみたいな子が・・・”
    と思ったかも知れないけど、もしそうだったとしても
    そんな事を表に出す人かなあ?

    可能性としては、単に推しメンではなかったからという理由
    の方が当てはまるかも知れないなあ・・・

    でもいずれにしても、その話題はしない方がいいだろうな」
    (紙の真ん中下に書く=グレーのファイル

(4)過去の同様の(嫌われたと感じた、相手がつまんなさそうにしていた等の)
 場面を思い出し、同様に”白”と”グレー”のファイルを作ってゆきましょう。




⑤会話の中から、相手が興味・関心を持ってるものと共通の話題
 になるものを把握する

相手の興味・関心がわかればその話題を振ってゆきましょう。
 相手自身が興味・関心がある訳ですから、多弁に喋ってくれるでしょう。

 もし自分が全然知らない分野であれば、相手に興味を持って知らない事を
 教えてもらう”聞き役”というスタンスに徹するのも良いと思います。

 何故なら、相手にすれば”自分に興味を持ってくれる人”には好意を持ち易い
 ですし、それを聞いてくれる人がいれば心地よさを感じる筈ですから。

 また共通の話題が見つかれば、相手と会う前に、それに纏わるネタを
 一つ二つ用意をしておいて、後は聞き役に徹してみるのが良いと思います。
 (自分も興味がある訳ですから、素晴らしい相槌が打てると思います)

  

それでは次回は、
「④」のケースの仕事が続かない等の「HSPの打たれ弱さ克服のヒント」
をお書きたいと思います。

<次回へ続く> 



パーマリンク

2021/3/24 (水)

HSPの悩み解消:人が多くても喋られる様になるには?

<前回からの続き>

今回は、前掲②のケース

「グループ(職場・会社・集まり)の中では、
  喋れなくなってしまいます」

というお悩みに対して、その解消のヒントをお書きします。

<人が多くても喋られる様になるには?>

①ネガティブファイルを整理し直す


→こういったお悩みを抱えている方は「私が喋った時の相手の反応」
 というファイルにはネガティブな記憶が沢山書き込まれてると思われます。

 だとすれば相手がポジティブな反応を示した場面をなるべく沢山思い出し、
 その記憶を収めるポジティブファイルも作りそこに書き加えてゆきましょう

 (※ポジティブファイルの作り方は以前お書きしました)

②シールディングで相手の望まない感情をブロックする


→以前”メカニズム”の部分でお書きした通り、ジュディス・オルロフ博士は
(HSPとほぼ同義と考えられる)エンパスの人について

 「エンパスとは、周り(他人)のエネルギー(感情・苦痛・感覚)
 をすべて取り込んでしまう」と仰っています。

そこで、博士がそれを防御する方法としてお書きになっておられる
「シールディング」を少しアレンジして行ってみるのも良いと思います。


(1)目を瞑り深呼吸して、今迄に自分が周りを気にせずにリラックスして、
 或いは熱を込めて話ができた場面をできるだけ沢山思い出します


(2)その中の最も印象にのこってる一つの場面を思い出し、
「何故その場面に限って自分の思いを語れたのか?」を考えてみます・・・

「相手を元気づけようと必死だったから?」

「笑顔の相手にリラックスできていたから?」

「どうしても伝えたい思いがあったから?」等々


(3)その場面をありありと思い浮かべると、その時の感情が出てくる
 と思います。

 そして、「この感情は体のどこにあるのかな?」「・・・胸の辺り」
 →「それに色がついてるとすればどんな色かな?」「・・・淡いピンク」

 といった様に出てきた感情が現れる体の部分を探りそこに集中し、
 色を感じてみます

 そして、聞いてくれた相手を思い浮かべながらその部分に向かって
「聞いてくれて有難う」と心の中で呟きます


(4)次に、その色が広がってゆき全身を包んでゆくイメージをします

 この光の層は数センチあり、あなたを守るシールドであなたが望まない感情
 やストレス、毒、侵害してくるものから守っていると意識しましょう

 そしてこのシールドに守られてる限りは、心身共に落ち着きハッピーで
 エネルギーに満ちている。望まない感情はブロックされてるが、
 ポジティブなものや愛は沢山流れ込んでくると意識します


(5)そしてそれができたら「守ってくれて有難う」と心の中で言いながら、
 掌で最初にその感情を感じた体の部分を「トントン」と軽く2回叩きます


(6)深呼吸して目をゆっくりと開けます


(7)それとよく似た感情が出てきた他の場面でも同じ事を繰り返し、
 それを日々行いましょう


(8)実際に皆の前で話す場面が近づいてきて不安な時や話す直前に
 深呼吸して「トントン」をして、そのシールドを意識しましょう

③自分が喋る相手を選ぶ


「みんなの為に喋ろう」とか「みんなが喜んでくれる様に」
等と考えてしまうと、
持ち前の高性能センサーが”刺激過多”になって壊れてしまうでしょう

ですから、「②」で思い出した場面と同じ様な感情の人を見つけて
その人だけに話すように意識するのが良いと思います

(例):「あの時はA子が落ち込んでると感じたから、
    元気づけようと必死で喋った」

   →持ち前の感度の鋭さ(S)を使い”みんな”の中の”落ち込んでそうな人”
    を探して、A子さんにしたのと同じような気持ちでその人だけに
    集中して喋る

    (※事前にある程度の台本を準備しておいてもいいかも知れません)

④シールディングを強化する


その日うまく喋れたら、その日の場面を思い出して「②」の手順に沿って
シールディングを行います

それでは次回は、「③」のケースの「HSPの人の二度見知り解消のヒント」
をお書きたいと思います。

<次回へ続く>   



パーマリンク

2021/3/22 (月)

HSPの悩み解消:彼(夫)にだけキレるのを防ぐ

<前回からの続き>

今回からは、以前揚げた「①」~「④」の個々のケース毎に、
HSPの人の人間関係の悩み解消のヒントをお書きしてゆきたいと思います。

今回はまず、
前掲①のケース:「他人には異常に気を遣ってしまうのに、
 彼(夫)にだけきつい言い方をしてしまい、罪悪感にかられてしまいます」

というお悩みに対して、その解消のヒントをお書きします。

<彼(夫)にだけキレるのを防ぐヒント>


①自分と相手の良い所(好きな所)と悪い所(嫌いな所)を整理してゆく


→以前、このケースの”メカニズム”でお書きした通り、

 エレイン・アーロン博士は、

「(「愛着の問題」や「心の傷」によって)自己肯定感の低いHSPの人は
 白か黒かの見方をする事で自分の良い面や資質を分裂(否認し抑圧する)し、
相手に投影(それが自分には備わっていなくて相手に備わってると思いこむ)
し、相手を極端に理想化し過剰に服従してしまったり、或いはそれが故の嫉妬
によって権力闘争が生じ、相手と戦って破壊しようとしてしまう」

「一方、自らが否定的に捉えて”自分の悪い面・欠点”としてる部分も同様に
自分から”分裂”させ、相手に”投影”し、相手を否定したり攻撃してしまう」

という主旨の事を述べておられます。


つまり簡単に申しますと、

相手を「真っ白だ」と理想化し過ぎると、自分の劣等感(コンプレックス)
が誘発され卑屈になりフラストレーションを爆発させたり、相手に嫉妬して、
相手の価値下げを行おうとしてやり込めてしまう、と理解できます。

或いは、最初は相手が「真っ白だ」と理想化しておいて、
「黒」が一つでも見つかると、途端に相手は「真っ黒」になり、
許されざる存在になってしまう、と言えるでしょう。

※「自分の事は棚に上げて・・・」とか「自分に甘く他人に厳しい」
 という人は、パートナーが犯したミスを自分がやったら許し、
 相手がやったら許さない、という事がよく起きると思いますが、
 恐らくキレてる場面では、自分は「真っ白」で相手は「真っ黒」と思ってる
 訳です。


だとすれば、こういった「否認→抑圧・分裂→相手への投影」を止めるには

まず自分の無意識に上記の様なパターンがあると認識する事

そして
自分と相手のネガティブファイル(黒)とポジティブファイル(白)の中身を
しっかりと考えて書き出して、日々整理してゆく事が大切だと思います。


但し、相手の「黒」い部分や、自分の「白」い部分が中々思い浮かばない時は
前回お書きした「C」相手の立場に立って考える事
「D」自分や相手を客観視する事が役に立つでしょうし、
相手自身の黒い部分や自分の白い部分を相手に聞いてみてもいい
かも知れません。

②親や養育者等の転移が生じてないか?を考える


→これも以前お書きした”メカニズム”の中で述べましたが、
親や心の傷を与えた相手に対する抑圧された怒りがあって、
パートナーを本当の怒りの対象者とダブらせて(転移)ぶつけてしまう事
もよくあると思います。

ですから、パートナーに怒った直後に
「こんな気持ちを本当にぶつけたい相手は誰だろう?」と深く考えてゆき、

例えばその相手が親だと感じたら、キレそうになった場面で
「この人は私の親じゃない、この人は私の親じゃない・・・」
落ち着くまで唱えるのもいいと思います。

※親等、本当の怒りの対象者への完了していない想いの解消の仕方は
 また別の機会にお書きしたいと思います。

③セロトニンやドーパミンを増やす工夫をする


→これも以前”メカニズム”で述べた通り、セロトニンやドーパミンが
 不足するとキレ易くなると思われます。

ですから二人で話し合って、各々がそれらを得られる時間・空間を確保
する事が必要であると思います。

1)セロトニン:一人でまったりできる時間・空間の確保

(2)ドーパミン:熱中できる趣味等

3)オキシトシン:ハグやマッサージ等身体をくっつける(アタッチメント)、
  SEX等によって愛情ホルモンの分泌が期待来ます。


エレイン・アーロン博士も「カップルのトラブルの多くは
「退屈」が引き起こしてる。”心地よい”だけではダメで
”一緒にワクワクできる活動”を行う事が必要」と述べておられます。

恐らくそれを行う事で、ドーパミン・セロトニン・オキシトシンの3つ共、
分泌が促されると考えられます。

それでは次回は、
HSPの人の「人が多いと喋られなくなる」悩み解消のヒントをお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2021/3/19 (金)

HSPの人の人間関係の悩み解消のヒント②具体策

<前回からの続き>

今回は、HSPの人の人間関係の悩み解消のヒントとして前回取り上げた
「A」~「E」の具体的な実践方法をお書きしたいと思います。

<HSPの人の人間関係の悩み解消のヒント②具体策>

・「A」「二分法的思考」(白黒思考・「全か無か思考」)をやめる

・「B」過度の一般化を避ける」


→私が思うに、白と黒に分ける「二分法的思考」が悪い訳ではなく、
 自他に対して「黒」ばかり集めるから

「みんな私の事を嫌っている」とか「何をやってもダメな私」という様に
ネガティブな見方を過度に一般化し

「だから、嫌われない様にしなきゃ」とか「完璧にしなきゃ」等の
「べき思考」に縛られてゆくのだと思います。

(※逆に相手に対して「白」ばかり集めると、極端に相手を理想化し、
  距離が近づいてその幻想が崩れると、相手を攻撃したり距離を取って
  避けてしまうのではないでしょうか?)

ですからまず、あなたが無意識のうちにいつも参照してるファイルを整理
する必要があると思います。


例えば、
「自分が自分の事をどう評価してるか?」フォルダーを整理してみましょう。

そしてもしその中にネガティブな評価を下した「黒」の記憶が入っている
ならば、それを残らず書き出してみましょう。

「あの時はお母さんに”あんたって本当にダメね!”と言われた」

 「またあの時は、失敗してみんなに笑われた」

 「そしてあの時ミスしてしまった・・・」等々。

(これらは恐らく「自分はダメ」ファイルの中の記憶)


次に、自分に対してネガティブではない評価を下した場面や下した人
を思いだして「白」の記憶として書き出してみましょう。

(「自分はダメじゃないかも?」ファイルを作る)

「妹の面倒を見た時にお母さんが”助かるわ”と言ってくれた」

 「あの時は私なりには頑張った」

 「あの時あの人は私の事を褒めてくれた」等々。


要するに、「黒」の記憶ばかりが書き込まれてるファイルに加えて
「白」の記憶が詰まったファイルを書き足してゆく訳です。


ここでもし、「そんな事言ったって、自分で評価できる所なんて何も無いし、
私を評価してくれた人なんていなかった!」と感じるのであれば、

整理しようとするファイルの時間空間をもっと細分化・拡大してゆく
のが役に立つと思います。


どういう事かと言いますと、

〇「お母さんは私を全否定してた」

「お母さんが私を肯定してくれた瞬間」(時間の細分化・拡大)


〇「私は自分の容姿の全てが嫌い」

「身体の中で嫌いじゃない部分は?」

「髪の毛は嫌いじゃない・・・でも顔は嫌い」(空間の細分化・拡大)

「じゃあ、顔の中でも嫌いじゃないパーツは?」(更なる細分化)

「顎のラインかな・・・」

等の様に時間空間を細分化・拡大してゆき、細かなファイルを作り、
「黒」の記憶や部分に加えて「白」の記憶や部分を書き出してゆきます。

※例えて言うと、一見「黒一色」に見える壁に近づいてよく見る
 (空間の細分化・拡大)と白い点や他の色の部分が混じってるのが見える、

 或いは夕日が当たると黒じゃない色に見える(時間の細分化・拡大)
 といった事が起きるでしょう。


同様に下記のファイルも細分化・拡大してファイルに「白」を書き加えて
ゆきましょう。


〇「みんなが自分の事をどう思ってるか?(黒と白)」

→(細分化・拡大)>「Aさん、Bさん、Cさんが
  自分の事をどう思ってるか?(黒と白)」

→(細分化・拡大)>「自分の事をよく思ってない(黒)と感じるAさん
  の中で自分に対して悪く思ってる所(黒)はどこで、
  そこまでは悪くは思って無い所(白)はどこか?」


〇「自分はみんな(世の中の人)の事をどう思っているか?(黒と白)」

→(細分化・拡大)>「自分はAさんBさんCさんの事をどう思ってるか?」

→(細分化・拡大)>「自分が苦手だと感じているAさんの部分で、
  苦手な部分(黒)とそこまで苦手では無い部分(白)はどこか?」


〇「自分に起きる出来事の事をどう思ってるか?(黒と白)」

→(細分化・拡大)>「過去に起きたA、B、Cの出来事の事を
  どう思ってるか?(黒と白)」

→(細分化・拡大)>「よくない出来事と感じてるAの中で
  プラスの面はどこか?(黒と白)」


〇「自分はこれからどうなって行くと思うか?(黒と白)」

等々。


そしてこの「白」を見つける作業の中で役に立つのが、

・「C」相手の立場に立って考える

・「D」自分や相手を客観視する

事だと思います。


「自分の視点」一辺倒だと、いつも答えが決まってきて
行き詰ってる思考から抜け出しにくいと思いますので、

「相手の視点から見る」
事と
「それをも超越した第三者の視点から見る」

という事も必要だと思います。


例えば、

「私がAさんになり切ったとしたら、私の事をどう感じるだろう?」
とか
「私がもし神様だとすれば、Aさんと私の事をどう思うだろう?」等。


そしてファイルに「白」の記憶が加わり、自分視点オンリーから離れる事
ができれば、

・「E」の新しい思考による行動を行う

できる相手に、できる部分から少しずつ行ってゆきましょう。

次回からは、以前揚げた「①」~「④」のケース毎に、
HSPの人の人間関係の悩みを解消するヒントをお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2021/3/17 (水)

HSPの人の人間関係の悩み解消のヒント①基本編

<前回からの続き>

今回からはHSPの人の人間関係の悩みの解消のヒント
をお書きしてゆきたいと思います。


まず今回は「HSPの人の人間関係の悩みの解消のヒント」の基本的な考え方
からお書きしたいと思います。

<HSPの人の人間関係の悩み解消のヒント①基本編>


HSPの人(特に「愛着の問題」や「心の傷」がある場合)の人間関係の悩み
解消するヒントとしては、以下のポイントが重要だと思います。


「A」.「二分法的思考」(白黒思考・「全か無か思考」)をやめる


以前述べた様に、HSPの人の中でも特に「愛着の問題」や「心の傷」
を抱えている場合は、参照するファイルは恐らく「黒」の証拠
「否定された」「嫌われた」「怒られた」「私はダメ」等)ばかりが
沢山入っている筈ですので、

そのファイルだけを参照にして深く意味づけをしてゆくと
自分や相手は「白」が全くない「真っ黒」になってしまう訳です。

しかもそれは浅薄な考えから出た結論ではなくて、
沢山の(黒い)証拠から導き出された結論ですので、
それは容易には覆らないでしょう。

(その人を犯人だと裏付ける証拠が沢山集まれば、
 ほぼ犯人だと確定してしまい、弁護士が頑張っても覆らないのと同じです)

「B」.過度の一般化を避ける


(特に「愛着の問題」や「心の傷」を抱えた)HSPの人は

 「あの人は私の”全てを”否定してる筈だ!」
とか
 「”みんな”私の事を嫌っている」
とか
 「私は”良い所なんて一つも無い”ダメ人間だ!」

等と、過度に一般化してしまう事が多いでしょう。

それは、
HSPの人は深い処理(D)によって過去から今までの記憶のファイルを
参照しながら起きた出来事を深く意味づけしてゆくが故に、
確固たる結論を出してしまうからだと考えられます。

例えば、
「愛着の問題」や「心の傷」があるHSPの人の場合は

職場の上司が自分が作成したレポートを見て眉をひそめた

”相手がそういった反応を示した時”をキーワードに脳内の記憶を検索し
 似たような場面の記憶が入ってるファイルを開く

そして恐らくそこには”今迄の人生で否定されたと感じた場面”の記憶
 が沢山入ってる

そのファイルを参照に意味づけしてゆくので、「否定された」と感じる

→そして、尚も深い処理は続き「あの人も私のこういう所を否定した」、
 「あの人は私のああいう所をダメ出しした」
 「あの人もそうだった、この人も・・・」

そうなってゆくと、自分の全てが否定され全ての人が自分を否定している
 様に感じる(あらゆる人が自分のあらゆる部分を否定してるファイル
 を参照してるから、そうなります)

そして確固たる結論である「私に良い所なんてない」
 「みんな私を否定してる」
 等といった「過度の一般化」思考ができあがるでしょう。

「C」.相手の立場に立って考える


「D」.自分や相手を客観視する


→ここまでの流れで”私は”こう感じた」「”私は”こう受け取った」
 ”私は”こう思った」等の「私視点」でしか結論を出していない、
 悪く言えば「一人よがりな結論」しか出していないと言えると思います。

だとすれば「相手の視点」「客観視」をしない限りは、
「一人よがりな結論」を覆すのは難しいと思います。

「E」.新しい思考による行動を行う


上の「A」~「D」の実践によって感じ方、受け取り方、思考、結論
等が変われば、新しいそれらに基づいた行動を行ってゆくと
現実(の人間関係)を変化させてゆく事ができるでしょう。

次回は、「A」~「E」の具体的な実践方法をお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2021/3/15 (月)

HSPの人は何故打たれ弱い(と感じる)のか?

<前回からの続き>

今回は、「HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム⑤」
として「④」のケースを取り上げてみたいと思います。

<HSPの人は何故打たれ弱い(と感じる)のか?>


④「何度転職しても、職場にパワハラ的な上司が居て、
  耐えられなくなって辞めてしまう・・・私って本当に弱い人間だ」


こういったケースで考えられる事として、

まず

(1))HSPの特徴の一つである「S」(感度の鋭さ・敏感さ)によって
 怒ってる人大きな声の人威圧的な人大きく反応してしまう事
 が考えられます。

 これは例えば、1ミリグラムの誤差を計れる高性能のハカリの上に
 重さ数十キロの人間が乗ると、壊れてしまう事に譬えられると思います。


次に

(2)特に「愛着の問題」「心の傷」を抱えてるHSPの人は、
 「人は怖い」「人は信頼できない」「人は私を傷つける」
 といったファイルを作っていると考えられ、

 そのファイルには怒られて怖かった場面や信頼できない人、
 傷つけられた場面等の記憶がぎっしりと入っていると思われます。


そして、

(3)そのネガティブファイルを開き、過去のネガティブな記憶を参照しながら
 深い処理(「D」)を行ってゆき、

 「きっと部長は私の事を怒ってるに違いない」
とか
 「私は信頼されてない筈だ」
とか
 「きっとあの人は私を傷つける」

等と意味づけ→結論を出してしまうでしょう。


そうなると、

(4)より相手を警戒しネガティブセンサーの精度が増してゆき、
 益々相手の怒りや嫌悪、否定・軽蔑等に敏感になってゆくでしょう。


しかも

(5)HSP「D」の深い処理によって、
 「こんな事を言ったらどう思われるだろう?」
 等とネガティブな想像を膨らませて行って、

 相手に直接確認したり、文句を言ったり、他の人に相談したり
 助けを求める事ができないので、自分一人で抱え込んでしまい、
 刺激過多(「O」)になり、強い感情反応(「E」)が生じ、
 耐えられなくなって(自分を守るために)
 職場を辞めたり、休んでしまうと考えられます。


しかも

(6)それを繰り返すと「私はダメだ」「私は弱い」等という
 自分に関するネガティブファイルに沢山書き込まれてゆき、
 益々自分を守る力が無くなってゆくでしょう。

※このケースの解決のヒントは
 後述の「HSPの人の人間関係の悩み解消のヒント」
 の中でお書きしたいと思います。 

<次回へ続く>



パーマリンク

2021/3/12 (金)

HSPの人は何故二度見知りするのか?

<前回からの続き>

今回は、「HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム④」として
「③」のケースを取り上げてみたいと思います。

<HSPの人は何故二度見知りするのか?>

③「初対面の時は割と話せるのに、会う回数が増えてゆくと
  次第に話せなくなってしまう・・・私って”二度見知り”?」


こういったケースで考えられる事として、
まず

(1)初対面の時は、相手の情報(例えばどんな感じ方や考え方を持っていて
 どんな人や話題が好き/嫌いか?等)がとても少ないですので、
 思い切って何でも話せる訳です。

=丁度野球のピッチャーが相手のバッターの強い/弱いコースや高低、球種
 等の情報が少ないので、(手探りながら)思い切って投げたい球を
 投げられる事と似てるでしょう。


次に

(2)所が(特に「愛着の問題」や「心の傷」を抱えた)HSPの人は、
 持ち前の「S」(感度の鋭さ)がネガティブな方向に偏ると考えられますので、

 「私が自分の事を話したら、今この人はつまんなさそうな顔をした」
 とか

 「私の意見を言ったら、眉をしかめられた」
 等と、
 ”ネガティブセンサー”全開で相手の反応を読み取ってしまうでしょう。

 =ピッチャーで言うと、

 「カーブ」を投げたら悠然と見送られた」

 「内角直球を投げたら、睨まれた」

 「外の真っすぐは、ファウルになったけど、タイミングが合ってた」 
 等々。


 そして

(3)ネガティブセンサーで得た情報を「D」の深い処理によって
 深く考えてゆき、意味づけをしていきます。

 即ち
 「こんな事言ったら、私はつまんない奴と思われるに違いない」
 とか

 「自分の意見を言ったら、怒るんじゃないか?」
 等々。

 =ピッチャーで言うと、

 「カーブを投げたら、手を出してくれない」

 「かと言って、内角直球を投げれば怒るんじゃないか?」

 「でも外角ならヒットを打たれるだろうし・・・」

 等と考え込んでしまう状態と言えるでしょう。


(4)そしてその情報をネガティブファイルに書き込んでゆきます。

 即ち、

 「こんな事言ったら、機嫌を損ねてしまう」

 「この話題をすると相手が退屈し、嫌われる」

 「これを言うと相手が辛そうになる」

 等々。

 =ピッチャーで言うと、「投げてはいけないボール」
 をファイルに書き込んでゆく訳です。


 ですから、

(5)相手と会えば会うほど、ネガティブな情報が増え
 安全な会話・振舞いが無くなってゆき、刺激過多(「O」)になり、
 強い感情反応(「E」)が生じ、フリーズしてしまったり、
 ドキドキしてその場から逃げたくなったり、会うのが苦痛になってきたり
 するでしょう。

 =ピッチャーで言うと、「投げてはいけないボールの情報」
 が増えれば増える程、「どんなボールも投げられなくなる」
 ので追い詰められてゆくのと同じだと思います。

※このケースの解決のヒントは後述の
 「HSPの人の人間関係の悩み解消のヒント」
  の中でお書きしたいと思います。

次回は、「④」のケースにおける
「HSPの人は何故打たれ弱い(と感じる)のか?」
を見てゆきたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2021/3/10 (水)

HSPの人は何故人が多いと喋られなくなるのか?

<前回からの続き>

今回は、「HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム③」として
「②」のケースを取り上げてみたいと思います。

<HSPの人は何故人が多いと喋られなくなるのか?>


前掲②のケース:
「グループ(職場・会社・集まり)の中では、喋れなくなってしまいます」 


こういったケースで考えられる事とすれば、
まず

(1)HSPの特徴の一つである「S」(感度の鋭さ)によって、
 相手の表情や声(言い方、トーン、大きさ等)、態度、行動、雰囲気等
 非HSPの人なら気が付かない些細な部分まで気が付いてしまう

 そして特に「心の傷」「愛着の問題」を抱えているHSPの人は
 相手のネガティブな反応に対してその”高性能センサー”を働かせている
 と思われます。

 ですから例えばその場に10人居れば、10人分の(特にネガティブな)
 感情を読み取ろうとしてしむでしょう。

 「AさんとBさんは機嫌が悪そう・・・」

  「CさんとDさんは馬鹿にしてそう」

  「Eさんは冷たい目で見てるし、Fさんは興味なさそう・・・」

  「そしてGさんは落ち込んでそうだし、Hさんは緊張してそう・・」

  等々。


次に

(2)そこで感じたそれぞれの感情に対して「D」の深い処理
(深く考えて意味づけしてゆく)を行い、
「相手の感情の意味づけ」を行うと考えられます。

(例)「きっと私が〇〇だからAさんは怒ってるんだ・・・」
  とか
   「私の〇〇な所をCさんは馬鹿にしてるんだ・・・」
  とか
   「Eさんは私の事なんて興味ないんだ・・・」

  等々。

 そして、もうこの時点で(10人分の刺激を強く受け取っていますので)
 「O」の刺激過多になり、「E」の強い感情反応が生じてドキドキしたり
 頭がのぼせてしまうかもしれません。

 
そして、

(3)「何を喋ったら全員が私をこれ以上否定せずに受け入れてくれ、
   同時に誰一人嫌な想いをさせずに済むだろうか?」
  と深い処理(D)によって

  「こういったらAさんがより怒るんじゃないかな?」

  「かといって、こんな風に言ったらGさんはより落ち込むだろうし・・」

  「だからと言ってこう言ったらEさんはもっと冷たくなりそうだし・・」

  等と”あっちを立てればこっちが立たず”の状態になっちゃうと
  何も言えなくなると思います。

  それはまるで泣いてる子、ふざけてる子、怒ってる子、落ち込んでる子等
  様々な感情を出して混乱してる10人の園児達に対して、
 「一言で全員の感情が落ち着くように話しなさい」
  言われている様なものです。

 →実際そんな事は不可能だろうし、そんな言葉は無いので
  言葉が出てこなくなるのではないでしょうか?


更には

(4)ジュディス・オルロフ先生が
 (HSPとほぼ同義と考えられる)エンパスの人について
 「エンパスとは、周り(他人)のエネルギー(感情・苦痛・感覚)
 をすべて取り込んでしまう人」と定義されています。

 もしそうだとすれば相手の人数が増えれば増える程、
 様々なエネルギーを受けて混乱し、消耗してしまうでしょう。

 ※だから沢山人が居る場所は、しんどくなってしまい避ける事が多くなる
  と思います。

※このケースの解決のヒントは
 後述の「HSPの人の人間関係の悩み解消のヒント」
 の中でお書きしたいと思います。

次回は「③」のケースにおける
「HSPの人は何故二度見知りするのか?」
を見てゆきたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2021/3/8 (月)

HSPの人は何故彼(夫)にだけキレてしまうのか?

<前回からの続き>

今回からは、前々回挙げた「①」~「④」の個々のケース毎に、より詳しく
「HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム」を見てゆきたいと思います。


今回はまず「HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム②」として、

前掲①のケース「他人には異常に気を遣ってしまうのに、
         彼(夫)にだけきつい言い方をしてしまい、
         罪悪感にかられてしまいます」

を取り上げたいと思います。

<何故彼(夫)にだけキレてしまうのか?>


エレイン・アーロン博士は、

「HSPは非HSPの相手に対して、自分に無い価値を讃える傾向がある。

 この「白か黒」の見方をする事で、最初に自分の良い資質を”分裂”させ、
 相手に投影し自分の長所と相手の欠点が見えなくなり、
 相手に権力を渡し過ぎる。

 そして過剰に服従してしまうと、相手はあなたを支配し批判し続け
 それを当然と思うようになる。

 相手をそこまで理想化しておきながら、自己肯定感が低いHSPは
 ひどい嫉妬を抱えてしまい、善い人を奴隷にするか、
 それに失敗すると、善い人もろとも善いものまで破壊してしまう事がある」

と述べておられます。


更に博士は、

「抑圧されているもう半分のコンプレックス(シャドー)は
 いつも”分裂”を起こしていて、特にそれをパートナーに投影した時に
 トラブルの大きな種になる」

とも述べておられます。


つまり、
「自己肯定感の低いHSPの人」は、自分の良い面や資質を分裂
(否認し、抑圧する)し、
 相手に投影(それが自分には備わっていなくて相手に備わってると思いこむ)

 し、相手を極端に理想化し過剰に服従してしまったり、
 或いはそれが故の嫉妬によって権力闘争が生じ、
 相手と戦って破壊しようとしてしまう」

という事です。


一方、
自らが否定的に捉えて、”自分の悪い面・欠点”としてる部分も同様に
自分から”分裂”させ、相手に”投影”し、相手を否定したり攻撃してしまう、

という事です。


ですから博士も、

「特に幼少期に両親に失望した事があるHSPは、
 現実が迫ると(相手との距離が縮まると)批判的になり、
 相手の欠点や癖がものすごく細かく見えてきてあら捜しをしてしまう
 事があり、
 相手の自己肯定感が脅かされてしまうと、非HSPは防衛体制に入る。

 そして、HSPの”幻滅”と”決めつけ”+ 非HSPの”防御”で2人は
 ”分裂”(相手の全てが悪い等の白黒思考思考になる)してゆく。」

と述べられています。


上記の博士のご意見に加えて、私見を述べさせて頂くと、
(特に「愛着の問題」や「心の傷」を抱えた)HSPの人は)

抑圧された親や心の傷を与えた相手に対する怒りがあって、
パートナーを本当の怒りの対象者とダブらせて(転移)ぶつけてしまう事
もよくあると思います。


更に、脳科学的な観点からも私の推論を述べますと、

「仕事や学校、育児やママ友との付き合い等で、刺激過多になり、
 扁桃体が過剰興奮の状態に陥る」

「それを抑える為に、心を安定させるGABAやセロトニンが消費された結果、
 GABAやセロトニン不足に陥る」

「加えてノルアドレナリンやアドレナリンの放出が増え
 それらの材料である(快の刺激と関係する)ドーパミンも不足する」

「こうして、(帰宅した時など)パートナーと一緒の時には
 GABA・セロトニン・ドーパミンが不足してるので、
 それを求める傾向が強まる

「その時にもし相手が心の安定(GABAやセロトニン)を妨げる
 と感じた場合は、
 相手を無視して部屋に引きこもったり(GABAやセロトニンを求める行動)
 するが、

 それに対して相手が良い反応をしてくれない場合や、
 快の刺激(ドーパミン)をもたらせてくれないと感じた場合は、
 ”権力闘争”によって、ドーパミンやセロトニンを得ようとする
 (※直接、権力闘争に持ち込む人もいる)

「相手との”権力闘争”の勝利を目指して怒りをぶつける事
 ドーパミンが得られ
 ”権力闘争”に勝った、と思った瞬間にセロトニンが得られる

「ところが(特にHSPの人は)罪悪感によって、
 ドーパミンやセロトニンは一瞬で消費されてしまう」

「しかも恒常的にその状態が続けばストレスホルモンのコルチゾールが増え
 よりドーパミン・セロトニン不足になり、より”権力闘争”を求める様になり、
 言わば”怒り依存”の状態に陥る」

※このケースの解決のヒントは
 後述の「HSPの人の人間関係の悩み解消のヒント」
 の中でお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2021/3/5 (金)

HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム①

<前回からの続き>

今回からはHSPの人の人間関係の悩みのメカニズム
詳しくお書きしたいと思います。

まず今回は「HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム」の全般的なものから
お書きしたいと思います。

<HSPの人の人間関係の悩みのメカニズム①>


(1)相手の否定や拒絶に気が付きやすい


 =HSPの特徴の一つである「S」(感度の鋭さ)によって、
 相手の表情や声(言い方、トーン、大きさ等)、態度、行動、雰囲気等
 非HSPの人なら気が付かない些細な部分まで気が付いてしまう

 そして特に「心の傷」「愛着の問題」を抱えているHSPの人は
 相手のネガティブな反応に対してその”高性能センサー”を働かせている
 と思われます。

 ですからそれに基づいて、「この人、私の事嫌いなのかな?」
 →「何故嫌われたんだろう?」「きっと私が昨日〇〇と言ったからかも?
 そういえばあの時も・・・」「だから私は嫌われちゃったんだ!
とか

「私が怒らせたのかなあ?」「何故怒らせたのかな?」
「あれかな?或いはあの時かな?・・」「だから私の事を怒ってるんだ!」
 とか

「私の事を軽蔑してるんじゃないのかな?」「何故軽蔑してるんだろう?」
「あの時私あんな事しちゃったし、
  またあの時はあんな事言っちゃったし・・」
「だからきっと軽蔑してるに違いない!」

という様に、ネガティブなファイルと記憶を参照しながら
「D」の深い処理(深く考えて意味づけしてゆく)を行う事によって
「きっと私は嫌われてる」
とか
「私の事を怒ってるに違いない」
とか
「きっと私は軽蔑されてる」

等と自分に対するネガティブな結論を強化し続けるから
不安や恐怖がどんどん強くなってゆくと考えられます。


 
(2)相手に確かめない


 =自分に対する相手の怒りや軽蔑・嫌悪感・理不尽さ等を感じた時、
  非HSPの人ならば(相手や場面にもよるが)
 「怒ってるんですか?」
  とか
 「私の事嫌ってるんですか?」
  とか
 「馬鹿にされてると感じて不愉快です」

  等と相手の真意や感情を確かめる手段を採る事もあるが、

  HSPの人の場合は、「D」(深い処理)によって、「こんな事聞いたら、
  相手はもっと私の事を嫌う(怒る・軽蔑する)に違いない」等といった
  結論を出しちゃう事が多いと思われますので、相手に真意を確かめる事が
  できずに益々妄想的に不安や恐怖が膨らんでゆくと考えられます。

(3)助けを求められない


 =同じような状況に置かれても、非HSPの人なら他人に相談する事が多い
  でしょう。

  例えば、「ねえねえ、今朝の部長、何怒ってたのかしら?・・・
  朝からテンションが下がっちゃうわ」
  →「なんか聞いたんだけど、部長は最近奥さんとうまく行ってない
    みたいよ。八つ当たりじゃない?」
  →「え!本当?八つ当たり?・・・ならムカつくよね」
  で終わる所が、

  HSPの人の場合は「D](深い処理)によって、
 「A子に相談したら、どう思われるだろう?・・・
  細かい事を気にする神経質な奴と思われるんじゃないかな?・・・
  もしメンヘラと思われたらどうしよう?」

  或いは「こんな事を親や友人に相談したらどうなるだろう?・・・
  きっと重たい空気になって余計な心配や迷惑かけちゃうだろうな」

  等と、
  相談しない方向での結論が出ちゃう事の方が多いのではないでしょうか?

(4)自己否定の悪循環に陥る


 =前回お書きした「①」~「④」の例も、今回の「(1)~(3)」についても
  全て「HSPの持って生まれた気質」である「D」「O」「E」「S」
  説明がつきます。(※特に「心の傷」「愛着の問題」を抱えている場合)

  なのに
 「彼(夫)にだけきつく当たる自分」「人数が多いと話せなくなる自分」
  「耐えられなくなって転職を繰り返す自分」
  「すぐ否定・拒絶されたと思ってしまう自分」「相手に聞けない自分」
  「自分一人で抱え込んでしまう自分」
   更に「D」の気質で深く考え、意味づけしていって、

  「私は嫌われる人間だ」「自分はダメだ」「私なんて必要ない」
  「誰からも愛されない」等といった「自己否定的な結論」
   を出してしまいがちだと思います。

  そしてそうなれば益々「S」の感度の鋭さに用いられる”高性能センサー”
  ネガティブなものへ集中してゆくでしょう。

次回からは、
(前回揚げた「①」~「④」のケース毎に)より詳しくそのメカニズム
を見てゆきたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2021/3/3 (水)

HSPの人の人間関係の悩み

<前回からの続き>

①「他人には異常に気を遣ってしまうのに、彼(夫)にだけ
  きつい言い方をしてしまい、罪悪感にかられてしまいます」


②「グループ(職場・会社・集まり)の中では、喋れなくなってしまう」


③「初対面の時は割と話せるのに、会う回数が増えてゆくと
  次第に話せなくなってしまう・・・私って”二度見知り”?」


④「何度転職しても、職場にパワハラ的な上司が居て、
  耐えられなくなって辞めてしまう・・・私って本当に弱い人間だ」

「恋愛」「夫婦」「親子」「職場」「学校」「友人」・・・。

カウンセリングにお越しになる方の半数以上は、
(広い意味での)人間関係のお悩みでお越しになられるという実感があります。

そして、そういった方の中の多くがHSP的な気質を持っておられる
と感じます。(中でも「心の傷」「愛着の問題」を抱えた方)


勿論、非HSPの人(HSPの気質を持っていない人)も
「人間関係で悩んだ事など一度もない」という人の方が少ないと思います。

それでは、
何故HSPの人は非HSPの人に比べて、カウンセリングを受けないといけない程の
深刻な悩みに陥ってしまうのでしょうか?

それは恐らく、エレイン・アーロン博士が定義されてるHSPの人の4つの特徴

即ち「D」(=深い処理・受け止め方の深さ)、「O」(=刺激に過敏)、
「E」(=強い感情反応と共感)、「S」(=感度の鋭さ)に加えて、

最近アーロン博士が5つ目の特徴としてあげられてる「D」
(=感受性差、差次感受性)、 
つまり変化や違いに敏感で、ポジティブな変化(良い環境)からは
ポジティブな影響(良い影響)を

ネガティブな変化(悪い環境※幼少期の環境等)からは
ネガティブな影響(悪い影響)を受け易い

という5つの要素が絡んでいると考えられます。


特に幼少期の「愛着の問題」「心の傷」を抱えている場合は、
「D」(=感受性差、差次感受性)によってネガティブな影響を受け、
対人関係にもそれが影響してしまうと考えられます。


現にアーロン博士は

HSPの半数が幼少期に問題があり、成人してからの愛着スタイルが不安定型
だとインタビューに答えていて、ストレスの多い不幸な家庭で育ったHSPは
同条件下で育った非HSPよりも・悲観的、・自己肯定感が低い、
・落ち込みやすい、・抑圧されてる、・不安症、・愛着スタイルが不安定型
という特徴がある事がわかった」

「そして(その様なHSPの人は)”相手と親密になる事””衝突する事”の両方を
尋常じゃない程恐れる事もある」

と述べられています。


それでは、次回はHSPの人の人間関係の悩みのメカニズム
詳しくお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



パーマリンク

2021/3/1 (月)

HSPの人が依存症・過食を克服するヒント

<前回からの続き>

前回は私なりの仮説で(HSPの人が)依存に陥るメカニズム
をお書きしましたが、

今回はこの仮説を基に「HSPの人が依存症・過食を克服する為のヒント」
をお書きしたいと思います。

<HSPの人が依存症・過食を克服するヒント>


①深い処理(意味を深く考えてゆく)を行う時に参照するフォルダーや
 ファイルを変える


→前回の「②」の部分で「愛着の問題」「心の傷」があるHSPの人は、
 深い処理を行う時に参照するフォルダーやファイルとその中の記憶は
 ネガティブなものに偏ると考えられる、とお書きしました。

 ならば、過去の記憶が沢山入っているフォルダーやファイルを整理し直し、
 今までとは違うそれらを参照する方向に持ってゆく事で、
 そこから導き出される感情も「恐怖」や「不安」、「怒り」、「自責」
 とは違ったものになる筈です。

 ※詳細は以前のコラムをご参照下さい。

②ドーパミンやセロトニンを別の方法で増やす


→前回の「⑤」~「⑨」でお書きした様に、
 不足したセロトニンやドーパミンを補おうとする行動が依存になって
 しまっていると考えますので、別の形でそれらを補う事を考えてみます。

例:〇ギャンブルの代わりに旅行、スポーツ、ゲーム、趣味等の
   自分の好きな事をする時間を作る

  〇買い物の代わりにウインドショッピングをしたり、
   ネットショップで欲しいものを吟味して”買い物かご”に入れてゆく

  〇恋愛依存の場合は、好きなアイドルにはまる

  〇過食の場合は(過食は気にせず)腹筋トレをし、”筋肉の鎧”
   をまとって身を守る、或いは激辛料理(刺激)に無理矢理挑戦する
  等々。

 ※上に挙げたのはあくまで一例です

 ※ポイントとしては、それをする事で快の刺激が得られ、
  満足感があるものを選ぶことです

 ※別の方法が見つからない時は、
  今の依存に時間やお金や量の制限を設けた目標を立て、
  それを周囲やSNS等で宣言をし、目標を達成できれば
  自分や他者から承認や賞賛を受ける等の仕組みを作る

 →例:「ギャンブル依存克服の記録」としてブログを始め、
    「1ケ月に1回だけ」、とか「月に2万円まで」等の
    制限を設けた目標を作り、その目標を宣言し、
    それを達成すれば「コメント下さい」等と承認される
   (或いは自分にご褒美を与える)様な仕組みを作る
   (承認や賞賛によってもドーパミンやセロトニンが分泌される)

③自責や不安を減らしてゆく


→前回の➉でお書きした様に、自責や不安はドーパミンやセロトニン
 を減らしてしまうと考えられます。

 ですから、
「依存に陥ったのはHSPという持って生まれた気質のせい
 =自分のせいではない」

「不安や恐怖等のネガ感情を感じるのは愛着の問題や心の傷のせい
 =自分のせいではない」

「依存に走るのは、足りない脳内物質を補う為
 =意志が弱いからではない」

等と書くなり唱えて自責をしない事。

そして不安に対しては、以前「HSPの人が不安障害に対処するヒント」
でお書きした方法で軽減してゆきましょう。

次回からは、HSPの人の人間関係の悩みとその改善方法
をお書きしてゆきたいと思います。


<次回へ続く>



パーマリンク

powered by HAIK 7.0.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional