コラム/2023-03-06
愛着形成と愛着の回路⑦愛着の回路を形成するヒント(2)
<前回からの続き>
前回、
(大人になってからの)愛着回路の(再)形成に必要な「相互調整」は、
「自分(のある部分)」と「自分(の別の部分)」といった二者間で行う必要
がある
といった私の考えをお書きしました。
今回からは、その具体的な方法をお書きしたいと思います。
⑦愛着回路を(再)形成する(2)
(2)自分を”親の部分”(大脳皮質側)と”子供達の部分”(大脳辺縁系側)に分ける
”自分”を「自分(のある部分)」と「自分(の別の部分)」の二つに分ける、
とはどういう意味なのでしょうか?
例えば、(架空の)A子さんは動物が大好きで、
いつもワンチャンの事を考えています。
「ワンチャンが淋しがるだろうから」と外泊は避け、
仕事が終わると真っすぐに帰って来てワンチャンと触れ合い、
休日はずっと一緒に居ます。
彼氏とのデートで家を離れる時は「ごめんね!」と抱擁して、
少し後ろめたい気持ちを抱えながら出掛けます。
そしてワンチャンが少しでも元気が無いと心配になり、
あらゆる手を尽くします。
ところが、彼氏に対しては・・・。
彼氏がラインや電話をマメにくれなくなったり、
「会社の飲み会があるから・・」と
デートを断ったくせに、彼のSNSをチェックしたら
宴会で職場の女性と楽しそうに盛り上がっている画像がUP
されていたりすると、
「なんで私の事を一番に思ってくれないの?!!」
「どうせ私の事なんて、大切だと思っていないんでしょ?!!」
と彼氏にキレてしまう事を繰り返してしまいます。
上のA子さんの例では、
ワンチャンに対して主に出てきているA子さんの部分は
「理性的で愛情溢れた養育的な部分」で、
彼氏に対して主に出てきている部分は
「感情的に怒ったり拗ねたりしている子供っぽい部分」
と言えるでしょう。
この様に人は誰でも
理性的で養育的な「親の部分」(大脳皮質側)
と
感情的で保護や感情調整が必要な「子供達の部分」(大脳辺縁系側)
に、
(大きくは)分けられると思います。
そして分ける為には、
それぞれの部分(「親の部分」と「子供達の部分」)に
アイデンティティーを付与する、つまり名前を付ける事が有効だと思います。
例えば、
「私の親の部分は、えっと・・・”A子ママ”で、子供達の部分は・・・
そうだ!”怒りんぼちゃん”と”拗ね子ちゃん”、”甘えたちゃん”かな?」
等々。
<次回へ続く>
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