コラム/2023-03-20
統合失調症④急性期の症状の特徴~具体例
<前回からの続き>
今回は
「統合失調症」の急性期に多く見られる”症状”についてお書きします。
(2)急性期に多く見られる症状
幻覚(特に幻聴や幻視)や妄想、自我障害をはじめとする
”陽性症状”が強くなる
”意味”を見出さないとその混乱から脱出できないので、
脳はそれらに意味付けをしてゆく。
たとえば、
「あのバイクの音や通りすがりの人の咳は、きっと私を馬鹿にしてるからだ!」
「でもみんなが私の事を知ってるのは何故か?・・・
私の知らないネット上で、私のプライベートな情報が拡散してるのかも?
・・・いやきっとそうだ!」
等と疑惑が確信に変わる。
※この段階で”病識”は無くなってゆく
(これは全て事実だ!絶対に~に違いない!)
幻覚の例(幻聴):
・「自分への悪口が聞こえる」
・「〇〇しろ!と常に命令する声が聞こえる」
・「隣人が誰かに自分の事を”今、SNSを見てます”等と逐一報告してる
のが聞こえる」
・「誰かが話しかけてくるので、それに応えて会話してるんです!」
・「私が何かを考えると同時に誰かがその考えを
そっくりそのまま言ってきます」
幻覚の例(幻視):
・「壁の模様が動き出して、意味のある絵や文字に変わってゆく」
・「どこに居ても壁や天井のシミに”死”という文字が浮かび上がる」
・「血管が皮膚の下でミミズの様にウネウネと動くんです!」
妄想の例:
・被害妄想「電磁波で攻撃をされている」
・迫害妄想「ホームで電車を待ってると後ろから突き落とされる」
・関係妄想「近所の人が全員自分を馬鹿にして笑っている」
・注察妄想「いつ覗いても、家の外に私を見張っている車が停まっている」
・追跡妄想「出かけるといつも誰かに後をつけられている」
・誇大妄想「私は神だ!自分は特別な存在だ!」
更には、
自分と他人の境界がわからなくなって、
誰かにコントロールされているような感覚(自我障害)
が見られることもよくあります。
自我障害の例:
・思考吹入「他人の考えが勝手に入ってきて、その人の考えを吹き込まれる」
・思考奪取「自分が考えている事が他人に抜き取られてしまう」
・考想伝播「自分の頭の中で考えてる事が相手にわかってしまう」
・作為体験「他人に操られている」
次回は
「統合失調症」の「休息期」に多く見られる”症状”についてお書きします。
<次回へ続く>
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