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calendar コラム/2022.07

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2022/7/29 (金)

家庭内別居・冷戦の改善

<前回からの続き>

今回は、
ほんの些細な事がきっかけで、夫婦関係に亀裂が入り、
何年もの間言葉を交わさなかったり、同じ家に住んでいながら
顔を合わせない様にしてしまっている・・・。

所謂”冷戦”や”家庭内別居”に陥っているご夫婦に向けて、
その関係の改善の為のヒントをお書きしたいと思います。




<家庭内別居・冷戦の改善のヒント>

①何故離婚しないのか?を考えてみる


→相手の事(ある部分)が嫌なのに、何故離婚しないのでしょうか?

 それは自分にとっての離婚するデメリット離婚しないメリット
 があるからではないでしょうか?

 それを整理してみませんか?


(1)相手と離婚しないメリットを書き出す


夫側の例:
「それでも妻は朝食やお弁当を作ってくれ、洗濯もしてくれる」

「子供をちゃんと看てくれる」「家計をちゃんと廻してくれる」・・・
等々。


(2)相手と離婚した場合のデメリットを書き出す


夫側の例:
「妻と別れ孤独になる」「最愛の子供の成長を間近で見られない」
「独身時代の様に家の事や家計がいい加減になる」
「親や会社の人にどう言ったらいいのか?」・・・等々。




②結婚後、今迄の間に「相手がやってくれた事」と
 「自分が相手にやってあげた事」を書き出す


(1)相手がやってくれた事を書き出す


夫側の例:
「ご飯を作ってくれた」「掃除・洗濯をしてくれている」
「子供を育ててくれている」「家計を廻してくれている」
「自分側の親とも良好な関係を築いてくれている」・・・等々。


(2)自分が相手にやってあげた事


「給料を渡している」「たまに家事や育児を手伝っている」
「記念日のプレゼント」「たまに旅行に連れて行ってる」・・・等々。




③「してくれて当たり前」を省みる


恋愛結婚の場合は、お互いに最初は恐らく「この人と一緒に居たい!」
と思ったから結婚したのではないでしょうか?

ところが、
その望みが叶った途端に「一緒に居るのが当たり前」になってしまい、
相手に対する次の要求が生まれ、それが満たされると更に次の要求が生まれ
・・・
といった際限の無い状態になってしまっているのかも知れません。

もしそうなら、
今一度(譬え口をきいてくれなくても)「一緒に居てくれている事」
の有難さを考えてみるのも良いでしょう。




④相手と自分への意識の焦点を逆にする

家庭内別居・冷戦をされているご夫婦の場合は、えてしてお互いに
「相手が自分にしてくれない部分」「自分が相手にしてやった部分」
に意識の焦点が当たっていると考えられます。

ならば、それをにして「相手が自分にしてくれた部分」
「自分が相手にしてあげてない部分」意識を向けて書き出してみませんか?




⑤相手への謝罪と感謝を伝える


上の「①」~「③」をやってみて、やはり離婚はしたくないと感じて、
且つ、相手に謝罪したい事や感謝を伝えたい事がある場合は、
相手に謝罪と感謝を伝えてみませんか?

勿論、今更面と向かっては難しければ、手紙に書いて渡す等をしてもいい
と思います。




以上、
家庭内別居・冷戦の改善のヒントをお書きしましたが、
難しい場合は、ご夫婦お二人で、或いはどちらか一方の方だけでも
カウンセリングを受けられる事もご検討されてみるのも良いと思います。



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2022/7/27 (水)

夫婦間の悩み~②家庭内別居・冷戦

「下の子が産まれてから、妻は僕の事をないがしろにしている様に感じた。

 ・・・残業で遅く帰ってもご飯も作ってない時もあったし、
 翌朝”昨夜はゴメンね”の一言も無い。

 そんなイライラが募っていた時に妻が
 ”今度の週末に好きな歌手のコンサートへ行くから子供を見てて”
 等と、こっちの都合も聞かずに一方的に言って来た。

 僕は”自分の都合だけで俺の事を気にもせず勝手な事ばかり言うな!!”
 とキレてしまった。

 妻は”何よその言い方・・・”と不機嫌になり、
 僕の事を無視したり冷たい態度をとる様になった。

 僕も”そっちが悪いのになんだその態度は?”と腹が立って、
 こっちも妻を無視する様になった。

 いつしか会話が全くなくなり、
 もうここ何年も意識してお互いに顔を合わせない様にしている。

 これが家庭内別居というやつだろう・・・。

 子供にとっても良くないとはわかっているが、
 ”向こうが謝らないのに何で俺が折れなきゃいけないんだ”
 と意地になってしまっている・・・」

ほんの些細な事がきっかけで夫婦関係に亀裂が入り、
何年もの間言葉を交わさなかったり、同じ家に住んでいながら
顔を合わせない様にしてしまっている・・・。


所謂”冷戦””家庭内別居”に陥っているご夫婦
もいらっしゃると思います。


それでお互いが問題を感じていないのならまだしも、
ご夫婦のどちらかが「このままではマズい」と思われてる場合は、
問題を感じておられる方が関係改善を図ってみませんか?
(お二人共問題を感じておられるのならお二人で)


そんな方の為のヒントを次回お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/7/25 (月)

夫婦喧嘩を減らすには?

<前回からの続き>

今回は夫婦喧嘩が絶えずに悩んでおられるご夫婦に向けて
喧嘩を減らす為のヒントをお書きしたいと思います。

前回、
「夫婦喧嘩はお互いの”恐怖・脅威”に対する防衛反応の結果である」
という私なりの考察をお書きしました。

それを前提に、以下に夫婦喧嘩を減らす為のヒントをお書きします。




<夫婦喧嘩を減らす為のヒント>

①自分の恐怖・脅威、デメリットと向き合う


(1)お互いに、相手に対する恐怖・脅威を書き出す

妻側の例:「自分の思い通りに動いてくれない」「言う事を聞いてくれない」


(2)相手のその行動の原因を自分なりに突き詰めてゆく
(「それは何故か?」)

妻側の例:
(それは何故か?)
「私の事を否定しているから」「軽んじているから」
(それは何故か?)
「私の事を大切に思ってくれていない」「愛してくれていない」


(3)上の”(2)”を「裏付ける証拠」と「そうではない証拠(反証)」
 を書き出す

妻側の例:
「夫が私を愛してない証拠」
「言う事を聞いてくれず、私のやり方を否定する」
 「優しさが無くなった」「大きな声で怒鳴る」・・・等々

「夫が私を愛している証拠」
「私の体調が悪い時には心配してくれる」
 「記念日のプレゼントは欠かさない」
 「真面目に働いて、少ない小遣いでも文句を言わない」・・・等々


(4)相手との今の関係によって生じる自分側のデメリットを書き出す

妻側の例:
「言う事を聞いてくれず、役に立たず、自分の負担が減らない」
「大きな声を出されて、ストレスが溜まる」・・・等々




②夫婦喧嘩を続けた場合の恐怖・脅威、デメリットと向き合う


(1)このまま夫婦喧嘩を続けた場合の最悪の結末を突き詰めてゆき、
 お互いに書き出す(「そうなったら最悪どうなるか?」)

妻側の例:
(このままだったら最悪どうなるか?)
「離婚になる」
(そうなったら最悪どうなるか?)
「仲が良くない母親の元へ帰って、
 仕事と実家での両方のストレスがかかり、メンタルの病気になりそう」
(そうなったら最悪どうなるか?)
「子供に当たってしまい、傷つける」
(そうなったら最悪どうなるか?)
「母が児相に通報し、最愛の娘と引き離される」
・・・等々。

(2)その「最悪の結末」によって生じる自分側のデメリットを書き出す


妻側の例:
「帰りたくない実家に戻る」「母からストレスを受ける」
「お金と時間の自由が制限されて趣味を楽しめなくなる」
「お金の面で娘がしたい事をさせてやれない」
「私はメンタルの病気になる」「娘と引き離される」・・・等々。




③もし夫婦喧嘩を続けた場合の方がお互いにデメリットが大きい
 と感じたならば、話し合って新たなルールを決める


ルールの例:
「妻は夫が言った通りにできない事は頼まず、夫ができる事だけを頼む」
「(夫が承知した事で)妻の思い通りにできなかった場合は夫は謝る」
「(できて当たり前と思わずに)要望通りに夫がしてくれた事について
妻は感謝する」・・・等々。




④二人で決めたルールを実行し、毎週フィードバックする


意識しても守れなかったルールはハードルを下げて、
より守れる可能性の高いルールに随時変更してゆく

例;「夫にゴミを分別して捨てる様に頼んだが、夫の分別が不十分だった」
「分別は妻がやり、ゴミ出しのみ夫がやる」・・・等々。



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2022/7/22 (金)

夫婦間の悩み~①何故夫婦喧嘩が絶えないのか?

A子「何で洗濯物を言った通りに畳まないのよ?!!
   何度言ったらわかるの?!本当に学習能力がないんだから!」


A男「いや、言われた通りやってるつもりなんだけど・・・」


A子「違うでしょ!!
   こことここをまず合わせてからって何度も言ってるでしょ?!」


A男「要はシワにならずに、タンスに入ったらいいんだろう?!」


A子「あなたは本当に”我流”でいい加減なのよ!
   食器の洗い方もいい加減だし・・・
   あ~こんないい加減な人だとわかってたら、
   結婚なんてしなかったわよ!」


A男「何だと?!お前こそ感謝が足りないんじゃないのか?!
   こっちは仕事で忙しいのに家の手伝い迄やってやってるのに!」


A子「何よ?!その恩着せがましい言い方は!
   そんな気持ちならもう手伝ってくれなくても結構です!
   あなたに任せると却って二度手間になって大迷惑なのよ!」


A男「何だと、こら!!もう一度言ってみろ!!」


A子「出た~モラハラ男!!モラハラする夫なんて最低よ!
   もうあなたとは暮らせないわ!明日子供を連れて実家に帰るから!」


A男「勝手にしろ!」




何故夫婦喧嘩が起きるのでしょうか?

中には、
喧嘩によってしかコミュニケーションが取れないという理由から、
或いは、
刺激不足のストレス解消の為、喧嘩による”刺激”を求めて
無意識では喧嘩を望んでいる夫婦もあると思います。


ただ多くの場合は、
お互いの”恐怖・脅威”に対する防衛反応の結果
として喧嘩に発展するのだと思います。


上の「A子さん」「A男さん」のご夫婦の場合は、

お互いに
「自分の考え方への拘りが否定される事」
「相手が自分の思い通りに反応しないというコントロール不全」
といった恐怖・脅威に対する防衛として
「戦う」という反応が出てきてしまっていると言えるでしょう。


それでは、
どうすれば夫婦喧嘩を減らす事ができるのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/7/20 (水)

精神疾患と心理療法④原因をどこまで遡ればいいのか?

<前回からの続き>

精神疾患や症状、お困り事
「原因と結果」「それを維持するもの」についてお書きしてきましたが、

それでは一体、原因をどこまで遡れば治癒・寛解・解決に導く事ができる
のでしょうか?

私の考えでは、
原因を深堀りすればするほどクライアントさんへの負荷も増える
(特にトラウマに触れると)ので、

なるべく深堀りせずに治癒・寛解、解決へと持ってゆくといった
非侵襲的な方法がベストだと思います。


そういった意味では、
お医者さんの薬剤でよくなるに越した事はないと思いますし、
思考(認知)や行動、コミュニケーションのパターンを変える事
で改善できるのなら、まずそれを目指します。

ところが、

「長年、お医者さんでの服薬治療を受けてるけど、よくならない」
とか

「色々なカウンセリングや心理療法を受けてきたけど、悩みが解消されない」

等と感じておられる方は、
更なる「原因」の追究や、症状を維持するものの特定、トラウマの解消
も必要になってくるかもしれません。

もし、

「薬ではよくならない」
とか

「カウンセリングや心理療法を色々受けてもよくならない」

とお感じの方がいらっしゃれば、お気軽にお問合せ下さい。



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2022/7/18 (月)

精神疾患と心理療法③症状を維持するもの

<前回からの続き>

多くの症例の場合、
「仮説」が的を射ていれば、それに基づいた介入(治療)は功を奏する
と思います。

(例えば、
「認知行動療法」ならば、思考と行動を変える事を目標に働き掛ける、
「家族療法、ブリーフセラピー」ならば、コミュニケーションや行動等の
 ”パターン”を変える事を目標に働き掛ける等)


ところが、
中々それがうまく行かない、所謂「難治例」に直面する事もあると思います。


私の考えでは、そういった場合には往々にして「原因」→「結果」
といった直線的な因果律だけではなく、
その症状を維持する事に寄与する因子があるのでは?と推測します。

そしてその症状を維持する因子の一つがトラウマとそれに対する防衛反応
だと想像します。


例えば、
前掲のA子さんのトラウマを探ると、
幼い頃、90点のテストを母親に見せた時に、

「何やってるのよ?!何で100点じゃないの?!」
怖い顔をした母親に金切声で怒られ
片や妹は90点の時でも母親に褒められている光景が蘇ったとします。

その記憶が出て来ると、
今でも恐怖や絶望感を感じ、お腹の辺りが締め付けられるといった反応が出る
とすれば、これはもう立派なトラウマと言えます。

(トラウマになるか否か?は起こった出来事×感受性の鋭さ
 によって人それぞれです)


そして、
こうした出来事によって「妹と違って、ありのままの私では愛されない」
といった恐怖と絶望を感じるでしょう。

そうなると脆弱な幼い自己を守る為に
「愛される為にはお母さんの期待に完璧に応えるしかない」等といった
防衛反応による「スキーマ、中核信念」等の認知(の歪み)が形成される
でしょう。


そしてこのトラウマと防衛反応を伴った「感情・感覚・認知」
普段は無意識下(わかり易く”右脳”としておきます)に格納されています。

そうしてその後の人生において、
「期待に完璧に応えなきゃ嫌われる、自分の価値がなくなっちゃう」
と意識(わかり易く”左脳”側で意識するとします)する場面で、

それが引き金となって、右脳側に格納されていた感情・感覚・認知が
一気にあふれ出しコントロール不全をきたすでしょう。


もしそうだとすれば、いくら左脳側の認知や行動を変えようとしても、
右脳側が氾濫すると手がつけられなくなるでしょう。

そして、その氾濫は引き金が引かれる度に起きるので、
結果として症状はいつまでも消失する事はないのかも知れません。


譬えて言うと、
大雨の時だけ右側の池から左側の池に向かって流れる地下水路が有って、
普段の水位の時に、左側の池を掃除して「きれいになった」と思っていても、
大雨後には右側の池のゴミや汚れが流れ込んで、左側の池はまた汚れてしまう。

「何でだろう」と思いながらまた左側の池だけを掃除しても、
また大雨後には・・・。
という事が繰り返される訳です。

それでは、一体どこまで”原因”を遡れば良いのでしょうか?

次回はそれについてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/7/15 (金)

精神疾患と心理療法②原因を探り仮説を立てる(2)

<前回からの続き>

今回も引き続き、
前回お書きした抑うつ症状に陥っていると思われる
架空のA子さんの例で彼女のストレスの原因の仮説を立ててみます。




<A子さんにうつ症状をもたらしているストレスの原因(仮説)

・幼い頃の厳しい母親像を取り込んで「優秀でなきゃここに居られない」
 「完璧にできなきゃ、私はダメな姉だ。そうなったら愛されない」
  等といった根底の思考が形成された(中核信念、スキーマ=認知


・「上」の立場に立った事で「優秀(な”姉”)でないとダメだ」という
 思考パターンが益々強くなり、自分のミスを益々許せなくなった


・それ故毎晩自分のミスをチェックし、結果としてよりダメ出しが増えた
 (自己否定思考の反芻)


・また仕事で行き詰っても「甘えちゃいけない、迷惑かけちゃいけない」
 上司や周囲に頼れず、独りで抱え込んでしまい、ストレスが増えた
 (思考→行動)


「もっと完璧に仕事しなきゃ!」益々仕事に没頭する様になり、
 ストレスを緩和する趣味の時間も取らなくなった(行動)


「優秀でなきゃいけないのに優秀じゃない自分」(思考)
 VS「でも、もうこれ以上頑張れない」(思考)葛藤により
 涙が溢れ出て来る(感情)




一旦仮説ができれば(仮説はいつでも修正・追加できる柔軟なものでないと
いけないと思います)、それに基づいて介入(治療)を始めます。

例えば、
上のA子さんの例で言いますと、「否定的な自他に対する思考」(認知)
を変え、頑張り過ぎたり趣味の時間も取らない事、周囲に頼らない事(行動)
を変える、「認知行動療法」がオーソドックスな手法だと思われます。


ただ、
それでも改善しない、或いはドロップアウトしてしまうのであれば
「症状を維持するもの」に焦点を当てて、新たな仮説を考える事も大切
だと思います。

次回は
「症状を維持するもの」について(の仮説)お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/7/13 (水)

精神疾患と心理療法②原因を探り仮説を立てる(1)

<前回からの続き>

前回、
「精神疾患による症状や困り事に対して、
 科学的にはまだはっきりしていない部分に踏み込んで仮説を立て、
 その奥にある原因を想像し、その原因を変える事によって
 より根本的な治癒・寛解を目指すのが(少なくとも私の)
 心理療法である」

と述べました。

今回は、
(私の)心理療法における仮説の立て方、原因の探り方の一例
をお書きしたいと思います。


例えば、
「今年の春くらいから仕事中にふいに涙が出てきて、仕事のミスも増え、
上司に注意される事も増え、朝起きると体が動かなくて
会社へ行けない日も出てきた」
といった架空のA子さんの例。


恐らく、
抑うつ症状と考えられるので、セロトニンが不足していると考えられます。


→セロトニンの不足は(原因は多岐に渡りますが)この場合は、
 ストレスホルモンであるコルチゾールの増加によると仮定します。


→もしそうだとすれば、A子さんにとってのストレスは何か?を探ります。


→お話をお伺いした所、

・真面目で優秀な仕事ぶりを認められて、この春から部門の責任者になった

・「私はダメな人間だ・・・だから頑張らないと認められない」
 という自己認識がある

・それ故、他人の評価を素直に受けとめられない

・仕事で行き詰った時でも、上司や周りに頼る事ができない

・毎晩、今日の仕事のミスやダメだったところを反省している
 (責任者になってより反省の時間が増えた)

・家に帰ってからも、休日も仕事の事で頭が一杯で、
 好きだった趣味も控えて仕事の準備や勉強に時間を費やしている
 (責任者になってから、より仕事オンリーになった)

・教育熱心で厳しい母親の元で育った長女で、優秀な妹と比べられ、
 劣等感を持っている

という事がわかりました。

それでは次回は
これらの材料を基にA子さんのストレスの原因の仮説を立てみましょう。

<次回へ続く>



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2022/7/11 (月)

精神疾患と心理療法①原因と結果

「夜に眠れずに、早朝に目が覚めてしまい、常に気分が沈んでいる・・・
 時々ふいに涙が出て来てきてしまうし、
 食欲も落ちて仕事に行く事もできず、趣味を楽しむ気持ちにもなれない。
 心療内科で”うつ”と診断されて薬を服用してるが、中々良くならない」

上の例で言いますと、

「眠れない」「早朝に目が覚める」

「気分が沈んでいる」「涙が出る」

「食欲が落ちる」「仕事や趣味をする気力が湧かない」

・・・これらは、表面に出ている症状
つまり何かそうなる原因があっての”結果”だと言えるでしょう。


精神科心療内科では、その”結果”を引き起こしている
直接的な(科学的に根拠があるとされている)原因に対して薬剤を処方
します。


例えば

「眠れない」(結果)←「脳の神経が興奮している」(原因)

=「抑制系の神経伝達物質GABAの流量を増やす睡眠(導入)剤を処方する」


「気分が沈んでいる」「気力が湧かない」(結果)

 ←「精神を安定させるセロトニンややる気を出すノルアドレナリンの不足」
                            (原因)    
                           
 =「セロトニンやノルアドレナリンの濃度を高める抗うつ薬を処方」

等々。

では、
「何故脳の神経が興奮しっ放しになってるのか?」
とか
「何故セロトニンやノルアドレナリンが不足してしまっているのか?」
についての原因には触れないでしょう。

それは何故なら、「科学的には原因はわからない」からです。


脳というものは構造が細かく複雑すぎて、殆どの事がわかっていません。

例えば、腹痛を訴える患者さんに対して、
内科医は問診の後に、エコーやレントゲン、МRI、内視鏡等を駆使して
腹痛の原因を突き止めようとするでしょう。


ところが、
脳に関しては、そういった科学的な検査が今の所不可能に近く
原因を特定できないのが現状です。


譬えて言うと、
100年前の医療技術では腹痛の原因を特定する事ができず
「痛み止め」を処方する事しかできないのと同様だと言えると思います。

(よく、「心療内科へ行っても話を聞いてくれない」と仰る方が
 いらっしゃいますが、それは話を聞いても科学的な処置には
 余り役に立たないからだと言えます)


ただ、”腹痛”に痛み止めが効けば良いのですが、
効かなかったり、薬が切れると痛みがぶり返す状態が何年も続く様なら
その「痛みの原因」に踏み込まざるを得ないと思います。


そして、
そういった”科学”的にはまだはっきりしていない部分に踏み込んで
仮説を立て、その奥にある原因を想像し、その原因を変える事によって
より根本的な治癒・寛解を目指すのが(少なくとも私の)心理療法
だと思っています。


それでは一体、
心理療法ではどの様に”原因”を類推し探ってゆくのでしょうか?

その辺りを次回お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/7/8 (金)

場面緘黙症にはどう対処すれば良いのか?

<前回からの続き>

今回は、
「場面緘黙(かんもく)症」に悩んでいる方ご自身や、その親御さんが
「では一体、どう対処すれば良いのか?」のヒントを
私の経験と知識に基づいてお書きしたいと思います。




<場面緘黙症への対処法のヒント>

①自分や子供を責めない

前回お書きした通り、(私の推測に依れば)場面緘黙症の原因が感覚過敏
だとすれば、「持って生まれたもの」「成育環境によるもの」ですので、
いずれにしても本人に責任はありません

ですからそんな自分や我が子を責めたり否定しないで頂きたいと思います。

②心の安全基地を作る

「場面緘黙症」に襲われている人が、その”場面”において、
常に「脅威」や「恐怖」を感じているのなら、
「心の安全基地」を作る事が先決になると思います。

例えば学校なら先生、ご家庭なら(譬えお父さんが暴言を吐く人だとしても)
お母さん等、ご自分の「脅威」や「恐怖」を安心して話せ、
それに寄り添ってくれる人を見つけましょう。
(逆に親御さん側は子供の「安全基地」になれる様に心がけましょう)

また、(ある程度の年齢に達した)ご自分自身も「安全基地」の自分を作る
のも良いでしょう。

例:自分の「脅威・恐怖」を紙の片側に書き出す
それに対して「優しく頼れるお母さんだったらどう言ってくれるか?」
 を考えて
「理想のお母さんの言葉」として紙の反対側に書き出す

③脅威・恐怖を和らげる

「脅威」「恐怖」を感じる場面に出くわす度に「②」の安全基地を利用
それらを和らげてゆく。
(脅威・恐怖を書き出す→理想のお母さんの言葉を書き出す
 といった事を繰り返す事も、脅威・恐怖を和らげ、
 同時に安全基地を強化する事に繋がるでしょう)

※トラウマとなっている「脅威・恐怖」については、ご自分での解消は難しい
 と思いますので。カウンセリングを受けられる事をお勧めします

④「場面緘黙症」を「相手限定緘黙症」へ移行させる

例えば、
お家の中でお父さんが怖くて一言も喋られなくてもお母さんとなら話せる、
というのは「場面緘黙」ではなく「相手限定緘黙」と言えると思います。

ですから、
学校や職場でも「苦手な人」(=防衛反応が強く働く)とは喋る必要は
ありませんので、
「苦手ではない人」限定でコミュニケーションを図ってゆく
を目指してみませんか?

その為にはまず、
その”場”にいる人達をよく観察していって、
「この人は優しそう」とか「この人なら大丈夫そう」と感じる相手
たった一人でもいいので”選ぶ”事が大切だと思います。

そうして選んだ人に興味を持っていって、
まずは「お早う」等の挨拶や「消しゴム貸してくれない?~~有難う!」
等の簡単な会話から始めてみませんか?

※お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい。



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2022/7/6 (水)

何故場面緘黙症になるのか?

<前回からの続き>

特定の場面でのみ話す事ができなくなる「場面緘黙(かんもく)症」の原因は
まだはっきりとしていませんが、
今回は私の経験と知識からその原因を推察してみたいと思います。




<場面緘黙症の原因(推測)>


①感覚過敏を有している

生まれつき、もしくは成育環境によっても、大脳皮質の視覚野、聴覚野、
体性感覚野、嗅覚野、味覚野等の所謂「五感」を司る部位
委縮や肥大といった”変形”をきたす事が明らかになってきました。

それにより「感覚過敏」「感覚鈍麻」といった状態が現れ易くなる
と考えられます。

そうなると(特に感覚過敏があると)例えば”相手”の発する声や
ちょっとした表情の変化をも過敏に拾ってしまうでしょう。


②自分なりの「傷つき体験」を有する

DV・暴言等の被虐待的な環境に育った場合はもとより、
感覚過敏を有している子供は、

例えば
「僕がA君に喋ったら、笑われた・・・。B君に話しかけたら
 強い口調と怖い顔で”あっちへ行け!”と言われた」

「幼稚園の初登園日に、沢山の子達が騒いでる声や表情、姿を見て
 凍り付いてしまい、みんなの輪の中へ入って行けなかった・・・

 お母さんから”なんでみんなの輪の中へ入っていけないの?”と
 困った顔で言われて、とても恥ずかしく情けない思いをした」

等は、感覚が鋭い子供にとっては「大きな傷つき体験」となるでしょう。


③「回避・逃走」といった防衛反応が働く

「脅威」「恐怖」に直面した時には動物も人間も
自動的に防衛反応が生じます。

例えば「傷つき体験」をした子供は、それ以上傷つかない様に
「回避・逃走」(避ける・逃げる)する事が多くなるでしょう。

その結果として、「傷つき体験」を経て今や「脅威・恐怖の的」である
クラスメイト等に対してコミュニケーションを避けたり、会話から逃げる
状態になると考えます。
※無意識の防衛反応なので、意志ではコントロール不可

そしてその状態を客観的に見た人からは「場面緘黙」と評価される
と思います。

(中には、「お母さんの期待に応える為、弱虫と思われない為に
 みんなの輪の中へ入れるくらいに強くなろう!」と
 果敢に”脅威”であるクラスメイトに近づこうとしては失敗し、
 より傷つき体験が増えて、より「感覚過敏」が強くなり
 最終的に「回避・逃走」の反応へと移る子供もいると思います)

それでは、この「場面緘黙症」に悩んでいるご自分自身や
親御さんはどうすれば良いのでしょうか?

次回はその対処のヒントをお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/7/4 (月)

場面緘黙症とは?

「家族とは普通に話せるのに、
 学校のクラスの中では話す事ができない・・・。
 情けないなあ・・・こんな僕ってどこかおかしいのかな。」

うちのルームでも、
所謂「場面緘黙(かんもく)症」に悩まれているご本人自身や
お子さんのそういった様子に悩まれておられる親御さんのご来談も
少なくないです。

そもそも「場面緘黙症」とは何なのでしょうか?

お医者さんが診断の拠り所とする米国精神医学会が定めた「DSM-5」
という診断基準で申しますと、

①他の状況で話しているにもかかわらず、話すことが期待されている
 特定の社会的状況(例:学校)において話すことが一貫してできない。

②その障害が学業上、職業上の成績、または対人的コミュニケーションを
 妨げている。

③その障害の持続期間は、
 少なくとも1ヶ月(学校の最初の1ヶ月だけに限定されない)である。

④話すことができないことは、
 その社会的状況で要求されている話し言葉の知識、または
 話すことに関する楽しさが不足していることによるものではない。

⑤その障害は、コミュニケーション症(例:小児期発症流暢症、吃音症等)
 ではうまく説明されず、また自閉スペクトラム症、統合失調症、
 または他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではない。

と定義され「不安症」にカテゴライズされています。

つまり、
特定の状況下ではちゃんと話してコミュニケーションを取る事ができる
訳ですから、話す事やコミュニケーション能力の不足ではない訳ですし、
「場面緘黙症」=「自閉スペクトラム症」や他の精神疾患であるとは
必ずしも言えないという事になります。

それでは何故ご自身や我が子は「場面緘黙症」になるのでしょうか?

その原因を私の推測に基づいて次回お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/7/1 (金)

陰キャラをやめたい人はどうすれば良いのか?~下

<前回からの続き>




<”陰キャラ”を変える為のヒント~下>

④周りの人を評価してゆき、ターゲットを決める

例えば、
自分の中の「陽子」「この場所で友達を作りたい」
とか

「この人と楽しい会話をしたい」思える場や相手を選んでゆきます。

(例:例えば”推し”のサークルのオフ会の中で、
   AちゃんとCちゃんとは仲良くしたいな)


但し、
自分の中の「影子」にも聞いてみて、
「影子」反対が無い事が条件です。

でないと
「陽子」「影子」の葛藤で「陽子」の個性が発揮できず
キャラ変は失敗に終わるかも知れません。

⑤自分の中の様々な部分に力を与え、バランスを取る

例えば、
「陽子」がお気に入りの場所・相手に対しては
「陽子」の個性をもっと発揮してもらう。

(例:もっとその相手とのLINEや会話を増やしたり、
   遊んだりして距離を縮めたり、好きな服や髪形をしたり、等)


※「影子」の防衛反応が引き出されない程度に、
 「影子」に確かめながら少しずつ行う事

 「影子」を疎かにしない様に、
 「影子」がリラックスできる時間を必ず確保する事



以上、
”陰キャラ”からの卒業のヒントをお書きしましたが
お一人では難しい場合はお気軽にご連絡下さい。



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