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2022/11/30 (水)

トラウマ・感覚過敏を抱えた人が自由に生きる為のヒント③

<前回からの続き>




<トラウマ・感覚過敏を抱えた人が自由に生きる為のヒント>

B.自分の中の”親の部分”が安全基地となる


上記の「A」の方法等によって”親の部分”を強化できれば
その部分が安全基地としての機能を果たせる様にしてゆく必要がある
と思います。

では、
その為にはどういった考え方や方法が必要になるのでしょうか?

例えば、
幼い我が子が自分の失敗に落ち込んでうつむいて涙を流していたり(低覚醒)
不安や恐怖が嵩じてパニックになって大声をあげていたり(過覚醒)
した場合・・・。

親が我が子と一緒になって落ち込んだり叫んだりすると
収集がつかなくなります。

或いは、
親が我が子に「泣くのをやめなさい!」等と子の感情を抑えつけようとしたり
我が子のそんな状態を無視して買い物に出かけたら、
子は落ち着きを取り戻せないのではないでしょうか?

つまり、
「子の感情に巻き込まれる」
「子の感情を無理やり抑え込もうとする」
「子の感情を無視する」
という事は何の解決も生まないと考えられます。

それではどうすれば良いのか?

それは親御さんなら普通にやっている様に、
親は親としての意識を保って、子の感情に巻き込まれずに
子の感情に寄り添って、落ち込んでる子(低覚醒)には慰めたり
勇気づけたり、励ましたりして、
パニックや興奮している子には安心を与え、
落ち着かせる等を念頭に入れた言葉がけやスキンシップを行うでしょう。

それと同じように、
不安・恐怖、寂しさ・虚しさ・怒り・絶望・自己否定や心の傷・パニック等が
何かが引き金となって無意識下から意識へと突然出て来た場合、

その感情や心の傷、身体感覚等を「我が子」だと意識し、
親は親としての意識を保って、子の感情に巻き込まれずに
子の感情に寄り添って落ち込んでる子(低覚醒)には慰めたり
勇気づけたり、励ましたりして、パニックや興奮している子には
安心を与え、落ち着かせる等を念頭に入れた言葉がけやスキンシップ
を行ってみましょう。
(独りでは難しい場合はご相談下さい)

それを繰り返す事によって、
うまくいけば自分の中の「親」(大脳皮質側)と「子」(大脳辺縁系側)の間
愛着の神経回路が出来、大脳皮質側が安全基地として機能する様になります。

<次回へ続く>



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2022/11/28 (月)

トラウマ・感覚過敏を抱えた人が自由に生きる為のヒント②

<前回からの続き>

今回からは、
トラウマ・感覚過敏を抱えた人が自由に生きる為のヒントの詳細
をお書きしてゆきます。




<トラウマ・感覚過敏を抱えた人が自由に生きる為のヒント>

A.自分の中の”親の部分”を強化する


トラウマによる傷を抱えていたり、感覚過敏特性の為に
不安や恐怖を感じ易いのは、恐らく無意識の座である大脳辺縁系の
過覚醒や低覚醒によるものだと推測されます。

そして、
そういった心の傷や不安・恐怖に対して、癒しや安心を与えたり、
勇気づけたり励ましたりして覚醒状態をコントロールする機能は
誰しも有している筈です。

例えば、
自分にとって大切な人が傷ついていたり、落ち込んでいたり、
不安に襲われている時に、殆どの人はそうした機能を使って
癒しや安心を与えたり、勇気づけたり励ましたりするのではないでしょうか?

これは言ってみれば、意識の座である大脳皮質の働きによる
「今・ここ」に根ざした”親の部分”とも言えると思います。

ところが、
その機能が弱かったり、自分に対しては働かなかったりすると
辺縁系の覚醒状態をコントロールできなくなると思われます。

だとすればまずはその”親の部分”を強化する必要があると思います。


例えば、
「子供時代にはできなかった事で、今ではできる様になった事」

「子供時代と比べての心身の成長」

「自分が今迄達成して来た事」

「今の自分を支えてくれたり尊重してくれる存在」

「ほんの少しでも誰かの為を思ってした行動や役に立った事」
等、
要するに「今の自分は心身共に無力なあの頃の自分とは違う」
という”証拠”をできる限り書き出してみるのも良いと思います。

<次回へ続く>



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2022/11/25 (金)

トラウマ・感覚過敏を抱えた人が自由に生きる為のヒント①

<前回からの続き>

前回までに
「自分の欲求がわからない人」「自由に生きられない人」は、
「自分の欲求に従って自由に生きる事に不安や怖れを感じているから
 自分の欲求がわからなくなってしまっている」のではないか?

そして、
「自分の欲求に従う生き方」や「自由に生きる事」が怖いと感じる人は、
「幼少期のトラウマ」や「生来の感覚過敏」、「トラウマ+感覚過敏」
が原因ではないか?

といった私見をお書きしました。

もしそうだとすれば、
そういった人達はどうすれば自由に生きる事ができるのでしょうか?


今回からはそのヒントをお書きしてゆきたいと思います。




<トラウマ・感覚過敏を抱えた人が自由に生きる為のヒント>

A.自分の中の”親の部分”を強化する

B.自分の中の”親の部分”が安全基地となる

C,”過去”を清算する

D.”今”に生きる

E.未来に目を向ける

F.未来⇒今にフィードバックする

次回からは、一つ一つ詳しくご説明してゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/11/23 (水)

何故自由になるのが怖いのか?

<前回からの続き>

前回、
「自分の欲求に従って自由に生きる事に不安や怖れを感じているから
 自分の欲求がわからなくなってしまっている」人もいらっしゃるのでは?
といった私見をお書きしました。


今回は私がそう考える理由をお書きしたいと思います。




<”自由に生きる事が怖い”(考えられる)原因

①幼少期のトラウマ


例えば幼少期に
自由に発言したり行動すると親等の養育者から厳しくたしなめられたり、
「あ~しなさい」「こうしてはいけません」等といった
過干渉的な親に逆らうと痛い目に遭った経験がトラウマとなった場合。

或いは、
学校などの社交の場で、自分の(自由な)言動を非難・否定されたり、
無視されたり仲間外れされた事がトラウマとなった場合。

そういった場合は「もう二度と傷つけられたくない」
自由な言動や自分の欲求を抑え続けるでしょう。

そして、
それが続くと自由な言動や欲求をを抑える神経回路が脳に形成されて
無意識下でその回路が働く為、遂には自分のしたい事、言いたい事、欲求
までもが感じられなくなる、つまり意識上に上がって来なくなるのでは?
と思われます。

②感覚過敏から来るもの


遺伝的に生まれつき、ある種の感覚過敏を有していると、
答え・解が無数にあって「正解」がなかったり、選択肢が無限にあって
「何を選んでも良い」となれば、
カオス(混沌)の世界に放り込まれた様に感じ、不安が強まるのでは?
と考えます。

例えば、
算数で「1+1の答えは自由に決めていいよ!」と言われたら
「39」と決めたとしても「本当にそれでいいのか?」と、
とまどうでしょうし、
好きな食べ物を何百種類も並べられて、「好きな物を選んでいいよ」
と言われても却ってパニクってしまい、すぐには選べないでしょう。

特にある種の感覚過敏を有している人は情報が多すぎると圧倒されてしまい、
時に恐怖さえ感じるのかも知れません。

加えてそういった”過敏”の特性を持っている人は、
「周りと比べて自分だけが違う」事にも敏感な場合も多いと思われますので、

「39を選んだのは、私だけだ・・・私はみんなと違う」と感じれば
途端に不安に襲われる事もあるのでは?と思います。

ですから、
答えや選択肢が決まっていた方が見通しがよくなって不安が軽減されるのでは?
と考えます。

だとすればそういった人にとっては「自由」は恐ろしいもの
なのかも知れません。

例えば登山する時に、登山ルートが無い所で「どこを通ってもいい」
 よりも、人が沢山通った跡があるルートの方が誰しも安心できる
 のではないでしょうか?



③幼少期のトラウマ+感覚過敏の合わせ技


例えば遺伝的に生まれつき、ある種の感覚過敏を有している子
親の言う事に従わない兄や姉が親にきつく叱られてる様子を見たとします。

鈍感な子(そこまで敏感ではない子)なら、
「お姉ちゃんはまた怒られてやんの」で済む所が、
怒ってる時の親の表情や声が(自分が怒られてる訳ではないにもかかわらず)
トラウマとなり、その子は自由な言動に対する怖れを強く感じて、
それ以降は自分の意志を抑え込んで、親の言う事に従い続ける
かも知れません。

或いはまた、
そういった”過敏さ”を有してる子は他人の顔色や雰囲気にも超敏感ですので
自分の意志を貫いた結果、親が不機嫌な表情や口調になったり、
残念そうな様子を見せたら、「ママに嫌われたかも?」等と
それがトラウマとなり、嫌われる事への恐怖から
今後、自由意志を抑えつけるかも知れません。

それでは、
そういった人達はどうすれば「自由に生きる事」が出来るようになる
のでしょうか?

そのヒントを次回からお書きしたいと思います。


<次回へ続く>



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2022/11/21 (月)

自由になるのが怖い人

カウンセラー:
「今の悩み・苦しみが無くなれば何をしたいですか?
 どうなりたいですか?」


クライアントさん:
「・・・わかりません。」

「自分が何をしたいのか?わからない」

「自分がどうなりたいのか?わからない」

「自分は何が好きなのかかわからない」

「自分は何が楽しいのか?わからない」

そういった自分の欲求や感情がわからなくなってしまっている方
少なからずお見受けします。


勿論、
「今の悩み・苦しみで一杯一杯になってしまって、それどころではない」
という方もいらっしゃると思います。

ただ私が思うに
「自分の欲求に従って生きる事(=自由)に対して、無意識が不安や怖れを
 感じているから今の悩み・苦しみに留まってしまっている」
といった場合もあるのかも知れません。


もしそうだとすれば、
何故自分の欲求に従って自由に生きる事に不安や怖れを感じるのでしょうか?

私がそう考える理由を次回お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/11/18 (金)

不安・恐怖に襲われ続ける人はどうすれば良いのか?③

<前回からの続き>


今回も前回に引き続いて、
「不安・恐怖が無くなる為のヒント」をお書きします。




<不安・恐怖が無くなる為のヒント~下>

④絶望ではなく、望みの方向へシフトしてゆく



”その子”(「我が子」か「幼い頃の自分」に見立てたぬいぐるみや人形)
  落ち着いたと感じたら、

 「本当はどうなりたかったの?・・・どうしたかったの?」
 と訊いてみましょう。

「本当は・・・幸せな家族を作りたかった・・・」
 「本当は、たとえ離婚しても子供と幸せに暮らしたかった・・・」
等々。


「じゃあ、もし過去に戻ってやり直せるとしたら、
  その絶望的な気持ちにならずにあなたの希望を叶える為には、
  どのタイミングでどうすれば良かった?」


ここで「①本当の不安・恐怖まで掘り下げてゆく」で書き出した
 「もしその不安・恐怖が現実になったとすれば、最悪どうなるのが心配?」
 の紙を読み返してみましょう。


「もっと夫に優しくしてあげて、監視するのを我慢しとけばよかった
 ・・・」

 「離婚した時、保育園や母に頼ってでも、
  自分が一杯一杯にならないようにすれば良かった・・・」
 等。


それがわかれば、
 その時代(今は子と心中しちゃった時ですので過去に遡る事になります)
 「その子」''(ぬいぐるみや人形)を抱いて連れてってあげます''。
 (実際に「その子」を抱いて部屋を移動する等)


そうして過去のその時に戻ったとして、実際に夫や母に対しての言動を
 シミュレーションしてみましょう。


ここでもし「その子」が「そんなのできないよ!」等と抵抗する様なら、
 「私は二度とあなたにあんな辛い想いはさせたくない!」
 強く抱きしめてあげましょう。




これらのやり方の詳細をお書きしようとすると
 本1冊分になってしまうでしょう。
 ですから、
 更なる詳細をお知りになりたい方はカウンセリングを受けられるか、
 私の今迄のコラム(ブログ)をお読みになってそれを繋ぎ合わせれば、
 ヒントとなると思います。



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2022/11/16 (水)

不安・恐怖に襲われ続ける人はどうすれば良いのか?②

<前回からの続き>

今回は、
前回に引き続いて「不安・恐怖が無くなる為のヒント」をお書きします。






<不安・恐怖が無くなる為のヒント~中>

③心を安定させる

→前回「②」”最悪”が現実になった時の感情を感じ切る事ができれば、
 その心に寄り添います。

 
例えば前回の例で言うと、
「悔しい!・・・許せない!・・・悲しい!・・・やるせない!・・・
 情けない!」等と書き出した感情を読んでみます。

次に、
「我が子」や「幼い頃の自分」が、
その”感情”に苛まれて嘆き苦しんでいると想像します。

そして、
ぬいぐるみか人形を用意して、それを「その子」に見立てます。


あなたならどうやって、「その子」の気持ちに寄り添うでしょうか?

「一緒に泣いてあげる」「強く抱きしめてあげる」等。

次に、
どうやって慰めてあげたり、落ち着かせてあげるでしょうか?

「手を握りながら傍に居てあげる」「頭をナデナデしてあげる」
 「優しい言葉を掛けてあげる」等。

それをぬいぐるみか人形にしてあげます。
 (”その子”が落ち着いたと感じるまで)


<次回へ続く>



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2022/11/14 (月)

不安・恐怖に襲われ続ける人はどうすれば良いのか?①

<前回からの続き>

前回までに

「不安・恐怖等を感じやすい人は生まれつき不快刺激に対して敏感で、
 不安・恐怖に集中し続ける事で、心身の安心・安全を保とうとしている、
 言わばそれが生きる術、リスクマネージメントであると考えられる」

「そして、不安・恐怖には希望が含まれている。
 だから闇雲に不安・恐怖を無くそうとすると、
 無価値感といった究極の自己否定から来る絶望を感じたり、
 ”死の恐怖”といった不可避の恐怖に直面して絶望を感じてしまう。」

といった私の考えをお書きしました。


かと言って、
不安・恐怖に襲われ続けて、現実生活に支障が出てしまっている人
「何とかしたい」と思われるでしょう。

それでは、不安・恐怖に襲われ続ける人はどうすれば良いのでしょうか?
今回からはそのヒントをお書きしてゆきたいと思います。

これらのやり方の詳細をお書きしようとすると本1冊分になってしまう
 でしょう。
 ですから、
 更なる詳細をお知りになりたい方はカウンセリングを受けられるか、
 私の今迄のコラム(ブログ)をお読みになってそれを繋ぎ合わせれば、
 ヒントとなると思います。




<不安・恐怖が無くなる為のヒント~上>

①本当の不安・恐怖まで掘り下げてゆく


→「もしその不安・恐怖が現実になったとすれば最悪どうなるのが心配?」

 といった質問を自分にし続け、根源にある不安・恐怖をあぶり出す。
 (注:紙に書き出してゆく事)

 例えば前述の「例」で言うと・・・

「旦那は今日も帰りが遅い・・・”仕事だ”って言ってるけど、
 本当は浮気してるんじゃないのかな?この前も携帯にGPS付ける
 と言ったら怒っていたけど、本当に潔白ならそんなムキにならないはずだ。
 浮気の証拠を掴もうと、旦那のパソコンや携帯のチェックをやめられない。」


Q:「もし本当に夫が浮気してたとすれば最悪どうなっちゃうのが心配?」

A:「夫と別れて、子供に辛い思いをさせてしまう・・・」

Q:「もしそうなっちゃったとすれば、最悪どうなっちゃうのが心配?」

A:「色んな事情で実家には頼れないし・・・
   独りで子を育てないといけなくなる」

Q:「もしそうなっちゃったとすれば、最悪どうなっちゃうのが心配?」

A:「仕事と家事・育児に追われ一杯一杯になって、私がそうされてきた様に
    子にストレスをぶつけてしまうかも知れない・・・」

Q:「もしそうなっちゃったとすれば、最悪どうなっちゃうのが心配?」

A:「私の母親みたいになってしまった自分を責めて絶望を感じる」

Q:「もしそうなっちゃったとすれば、最悪どうなっちゃうのが心配?」

A:「最悪、子と心中しちゃうかも・・・」

Q:「もしそうなっちゃったとすれば、最悪どうなっちゃうのが心配?」

A:「心中したら・・・
   なんでこんな事になったんだろうと、悔いが残ると思う」

②その”最悪”が現実になった時の感情を感じる



「もし、心中しちゃって悔いが残ったのがたった今だとすれば
 どんな気持ちになる?」
 と、
その時の自分に身を置いて、出て来る感情を感じてみます。

例えば、「悔しい!・・・許せない!・・・・」

(もっとその感情に浸り続けて)
「悲しい!・・・やるせない!・・・情けない!」

→感情を感じ切ったら、それを紙に書き出しておきましょう。

注:その感情を感じきる事。但し圧倒されそうであれば、
   出て来る感情を一つずつ紙に書き出してゆく事)




次回は、この続きをお書きします。

<次回へ続く>



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2022/11/11 (金)

不安・恐怖を無くすとどうなっちゃうのか?

<前回からの続き>

前回までに

「不安・恐怖等を感じやすい人は生まれつき不快刺激に対して敏感で、
 不安・恐怖に集中し続ける事で、心身の安心・安全を保とうとしている、
 言わばそれが生きる術、リスクマネージメントであると考えられる」

といった私見をお書きしました。


もしそうであるなら、
こういった人達から不安や恐怖を取り上げてしまうとどうなるのでしょうか?


その答え
恐らく大きく分けて以下の2つに集約されるのではないでしょうか?


①無価値感といった究極の自己否定から来る絶望感


例えば、所謂「醜形恐怖」に襲われている人は、
「整形さえすれば(綺麗になれば)、私は愛される(受け容れられる)
という”希望”が持てる訳です。

或いは、「見捨てられ不安」が強い人は、怒りや脅し・優しさ・監視等で
相手を束縛する事で大好きな人に見捨てられずに居られる
といった”希望”が持てる訳です。

ところが、そういった不安・恐怖が無くなるという事は、
同時に”希望”も失ってしまう事になるでしょう。

そして、「ありのままでは愛されない自分」「本当は価値が無い自分」
といった根っこにある無価値感が浮き彫りになって絶望へと至る
かも知れません。

②”死の恐怖”といった不可避の恐怖に直面して絶望を感じる


例えば、
「常に身体の不調に対して感覚を研ぎ澄ませ、重大な病気に結び付け
不安や恐怖に陥っている人」(所謂”心身症”)は、

徹底的に検査をしてもらって、”異常なし”と言ってもらったら
”安心”が得られる、という”希望”がある訳です。

でもその不安・恐怖が無くなると
絶対に避けられない”死の恐怖”に直面してしまうのかも知れません。

そうなると心身の不調を感じる度に、
治しようが無く、逃れられない”死の恐怖”を感じるとすれば、
そこには絶望しか無いのかも知れません。


つまり、どちらにしても最終的には絶望=望みを絶たれる訳です。


ただ、そうは言っても
「不安や恐怖に襲われ続けて現実の生活に支障をきたしてる人」
はどうすれば良いのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/11/9 (水)

何故不安・恐怖に襲われ続けるのか?

<前回からの続き> 

前回、
「不安・恐怖はある意味では”生きる術”であって、
それらを無くす事は一概には賛成できない」
といった私見をお書きしました。


今回は、
私がそう思う理由を不安・恐怖の意味付けを基にお書きしたいと思います。




人(や動物)は何故不安・恐怖を感じるのでしょうか?


それは恐らく、
「このままでは心身の安心・安全が脅かされるよ!
だからそれから身を守る準備をしなさい」
という意味があるのだと思います。


例えば酷いパワハラやいじめに遭っている人が、
毎朝会社(学校)に行く恐怖や不安に”打ち勝って”無理して行き続けると
ある日突然体が動かなくなり行けなくなってしまう・・・。


これは「危険な場所から逃げて生き延びろ!」
 という恐怖・不安が発する”警告”を無視し続けた結果だと思います。

それ故、そういった”警告”を無視し続けると
取り返しがつかなくなる事もあるでしょう。


ただ、前回お書きした「例」の様な人達は、
周りから見れば「考え過ぎよ!」とか「気にしない様に!」
言われてしまったり、

医者へ行くと「心身症」「パーソナリティー障害」「醜形恐怖」
「社交不安障害」「不安神経症」等といった
所謂”病気”とみなされる事もあるでしょう。


そしてそんな周りの反応に、
「気にし過ぎる私、そしてそれをやめられない私は”普通”じゃない」
「私は病気。メンヘラなんだ!」等と、
どんどん自己効力感や自己肯定感が失われてゆく恐れもあります。


そしてそうなると益々「私の力ではどうする事もできない」とか
「私は周りの人に比べて劣っている」等といった信念が強められ、
不安・恐怖も益々強くなってしまうでしょう。


ところで、
こういった不安・恐怖に襲われ続ける人は、
何故”普通の人”ならやり過ごせる不安・恐怖を異常に強く感じてしまう
のでしょうか?


それは恐らく遺伝的な要素が強い「刺激(特に不快刺激)に対する感度の差」
だと思います。


例えば、
鳩に恐怖を感じる人もいれば、鷹や鷲を飼いならしている人もいます。

或いは、
高い所が苦手な人もいれば、スカイダイビングを趣味にしている人もいます。


つまり、
恐怖・不安等を感じにくい人は不快刺激に対して生まれつき鈍感で、
逆にそれらを感じやすい人は不快刺激に対して生まれつき敏感である
と言えると思います。


例えば、
そういった不快刺激に対して生まれつき敏感な人が飛行機事故の映像を見て、
「飛行機は落ちるから怖い」といった信念が刷り込まれたとします。

そんな人が
”飛行機で出張してくれ”と言われたら、
出張の日まで恐怖・不安に襲われ続けるでしょう。

そして搭乗した飛行機が乱気流に巻き込まれて大きく揺れたら、
強い恐怖を感じて、無事目的地に着いたとしても「もう二度と乗らない」と思うでしょう。

それからは”あの時の恐怖”を反芻し続けて、飛行機での出張を拒否したり、
どんなに遠くても電車や船を利用する等、恐怖・不安を避け続けるでしょう。
”鈍感な人”にはできない(笑)、万全のリスクマネージメントです)

それでは、
そういった生まれつき不快刺激に対して敏感な人にとって、
不安・恐怖が無くなるという事は一体どういった意味になるのでしょうか?


その事について、次回お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/11/7 (月)

不安・恐怖を無くしてはいけない事もある

「ここ最近時々頭痛がする。
 もし、なんかの怖い病気だったらどうしよう・・・

 この前、喉に違和感があって”咽頭ガンかも?”と恐ろしくなって、
 色んな病院で診てもらって扁桃腺が腫れているだけと言われたけど、
 本当はガンで、頭に転移したんじゃないのかなあ・・・?
 早く病院を捜さなきゃ!」(所謂”心気症”)

「以前はLINEを送ったらすぐに彼から返信があったのに、
 この何日かは、すぐに返信が来ない・・・。

 前彼の時もそうだった。やっぱりこんな魅力の無い私とは
 別れようとしてるのかなあ・・・でもだからと言って許せない!」
                    (所謂”見捨てられ不安”)

「クラスの女の子達はみんな小顔で二重瞼で可愛いのに、
 私はみんなみたいに小顔じゃないし腫れぼったい瞼してるし・・・

 もう鏡を見るだけで嫌になっちゃう・・・
 こんな顔じゃあ、生きて行けない!
 親は反対すると思うけど、お金を貯めて整形するしかないなあ」
                      (所謂”醜形恐怖”)

「旦那は今日も帰りが遅い・・・”仕事だ”って言ってるけど、
 本当は浮気してるんじゃないのかな?

 この前も、携帯にGPS付けると言ったら怒っていたけど、
 本当に潔白ならそんなムキにならないはずだ。

 浮気の証拠を掴もうと、
 旦那のパソコンや携帯のチェックをやめられない。」




誰しも不安恐怖に襲われる事があると思います。

ところが、不安や恐怖がずっと続き心身に異常をきたしたり、
一つの不安が無くなっても、まるで不安の材料を捜しているかの様に
次から次へと不安に襲われ続ける人も居るでしょう。

そんな人は、
眠れなくなったり食欲が落ちたり、楽しいと感じる事がなくなったり、
キレ易くなったり等の所謂”抑うつ状態”となる事も多いでしょう。

そしてその多くの人は”限界”を感じた時には心療内科へ行って
薬をもらったり、本やネットで克服法を調べて、
なんとか不安や恐怖を無くそうとする人もいらっしゃるでしょう。


私は数多くの臨床経験から、
不安や恐怖に襲われ続ける人は(その全ての人に当てはまるとは申しませんが)
「不安や恐怖があるからこそ生きていられる」
とも言えるのではとないか?と感じています。

もしそうだとすれば、
「生きる術」である不安・恐怖を無くす事は一概には賛成できません。

私がそう考える理由を次回からお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/11/4 (金)

強迫行為や自傷(他害)行為が無くなる為のヒント②

<前回からの続き>

今回は前回に引き続き、

「強迫行為や自傷(他害)行為が無くなる為のヒント」
をお書きしてゆきたいと思います。




<強迫行為や自傷(他害)行為が無くなる為のヒント②>

②「強迫行為」,「自傷・他害行為」に”代わる”ものを見つける介入


 以前
「強迫行為や自傷・他害行為が生じるメカニズム」でお書きした様に、

 不快刺激から生じた不快記憶や不快感情から
 自分の身を守る為の防衛反応として
 「強迫行為」(不快記憶・感情から逃げる)
 や
 「自傷・他害行為」(不快記憶・感情と戦う)
 が起動するのであれば、

 それを無くそうとする事に大きな抵抗が生じるでしょう。


 譬えて言うと、
 戦地で銃を持った敵に周りをぐるっと囲まれて、逃げ場を失った時に
 「怖くても我慢しろ」と言われたらどうなるでしょうか?
 
 また同じ状況で自分の銃を取り上げられて、
 相手をやっつける事も自害する事もできなくなったら
 その恐怖に耐えられるでしょうか?

 上の例は、
 「逃げる」事も「戦う」事もできない状況下では、
 恐怖や不安等の不快感情がピークに達してしまうという事を表しています。

 言ってみれば、
 「強迫行為」はそんな状況下での「逃げるルート」であり、
 「自傷・他害行為」は「戦う為の武器」であって、
 それらを失う事は自分の命を守る為の唯一の望みが失われる事になります。

それでは、どうすれば良いのでしょうか?


 先程のたとえ話で言いますと、
 絶望して、ふと足元を見ると小さな穴が空いてます。

 必死で手で土を掘り返すと、地下へ通じる道が見つかりました。

 泥だらけになりながらその穴を進んでゆくと、
 途中で最新式のマシンガンを見つけ、
 自分の中に勇気や活力が戻って来るのが感じられました・・・。

 そうです、
 代わりになる「逃げるルート」代わりになる「戦う武器」が手に入れば、
 希望が持てて救われる訳です。

 「強迫行為」(逃げる)、「自傷・他害行為」(戦う)で言いますと、

 「強迫行為」に代わる(不快記憶・感情から)逃げる行為
 「自傷・他害行為」に代わる(不快記憶・感情と)戦う行為を見つけて
 そちらへと移行してゆくのがスムーズな方法だと思います。

 だとすれば、
 その新たな”移行先”はどうやって見出せばよいのでしょうか?


 思うに、この”移行先”は個々人によって異なると考えられます。

 それ故、より”適切な移行先”を見出す為のカウンセリングが必要である
 と思いますので、
 ここでは、その「見つけ方」のヒントをお書きしたいと思います。


 例えば、以下の質問を自分に問うてみるのも良いでしょう。
「今迄に”スイッチ”が入ったと感じたけど、
 強迫行為や自傷・他害行為に繋がらなかった場面は無かっただろうか?
 ・・・。
 少しでもそんな場面があったのであれば、
 それは何を考えたり、何をした時、どんなシチュエーションだったのか?」

等と過去の”例外”的な状況を思い出し、その状況を再現してみる。


→例えば、
「そう言えば、”スイッチ”が入った時にたまたまLINEの着信があって
 その時は強迫行為をしなかった」であれば、
 スイッチが入った時に誰かにLINEを送る、等。

「或る日突然、強迫行為や自傷・他害行為をやる気が全く起きなくなった
 とすれば、それに囚われていた時間の代わりに何をしたいだろうか?」

 等と、未来のそういった行為に”代わるもの”の探索をします。

 もしその答えが、
「好きなゲームをしたり、”推し”の動画を見る」であれば、
 スイッチが入った時にそれをやってみるのも良いでしょう。


つまり、
その行為を無くすのではなく、その行為に代わるものを見つけて、
そちらの方向へ移行する方が、
無意識の抵抗が少ない分、スムーズに行く場合が多いと思います。


お一人で難しい場合はお気軽のご相談下さい。



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2022/11/2 (水)

強迫行為や自傷(他害)行為が無くなる為のヒント①

<前回からの続き>

前回までの私の推察に基づいて、
今回と次回で

「強迫行為や自傷(他害)行為が無くなる為のヒント」
をお書きしてゆきたいと思います。




<強迫行為や自傷(他害)行為が無くなる為のヒント①>

①心を安定させる介入

誰しも、
何かのきっかけがあってそれが引き金になるとスイッチが入った様に
過去の後悔や心の傷、或いは将来の不安に襲われる時があると思います。

そんな時、生まれつき(生得的に)不快刺激・不快感情に敏感な感覚過敏
を有している人(後天的な場合もありますが)は、
それらの不快刺激(記憶や感情)に対して、非常に強い反応が生じるでしょう。

そして余りにも強い反応の為、その不快刺激(記憶・感情)から逃れられずに、
大脳皮質(=意志・意識)が大脳辺縁系(=無意識)に凌駕され、機能停止
してしまう。

その為、
注意がそこへと集中し続ける事を止められなくなる(意志の力は無力になる)
と考えられます。

即ち、
「過去の心の傷がずっと消えない」「後悔や他者への許せない気持ちが続く」
「まるで不安の材料を探しているかの様に、次から次へと不安が浮かぶ」
・・・等々。

そして意志の力の機能停止により
容易に(無意識の)防衛反応が自動的に起動して、

不快刺激(記憶・感情)から「逃げる」反応として「強迫行為」

「戦う」反応として「自傷・他害行為」が生じるのだと考えます。


※1:この辺りは前々回の「メカニズム」をお読みください。

※2:防衛反応としては他にもありますし、「逃げる」=「強迫行為」、
   「戦う」=「自傷・他害行為」とは限りませんが、
   それらは他の”疾病”と言われるものに属しますので、
   今回は取り上げません。


ここで、介入(変化)が難しい部分としては、
「感覚過敏」の部分だと考えられますので、
それ以外に的を絞って改善に向けての変化を狙います。

即ち、以下のポイントです。

(1)環境を変える


 現在の環境が不快刺激・不快感情を誘発し易いのであれば、環境を変える。

 例えば、
 家で個室を作る・部屋替え・転居・転校・転職・部署異動・席替え・
 保健室登校・登校しない・独り暮らし・別居・・・等々。

(2)大脳皮質の機能停止を防ぎ、
 不快刺激・不快記憶・不快感情への集中の持続を避ける
 (イライラ・不安・絶望感や「強迫観念」、反芻思考等の解消
 へと繋がります)


 何かのきっかけでスイッチが入り、
 無意識の”座”であると考えられる「大脳辺縁系」に
 意志・意識の”座”と考えられる大脳皮質が凌駕され、
 機能停止に追い込まれる事を防ぐ必要があると思います。

 その為にはまず、特にスイッチが入ったと感じた時には
 大脳辺縁系から生じる不快記憶・不快感情に圧倒されずに
 意志・意識を失わない様な工夫が必要であると考えます。

 例えば、
 「スイッチが入った」と感じた時には、アラームをセットし、
 3分毎に「不快記憶・感情」への集中

→難しいゲームや誰かと話す、LINEをする、家事や趣味をする、
 子供の相手をする、ヨガのポーズなど運動をする

→「不快記憶・感情」へ集中する

→難しいゲームや誰かと話す、LINEをする、家事や趣味をする、
 子供の相手をする、ヨガのポーズなど運動をする

→「不快記憶・感情」へ集中する

といったルーティンを繰り返す。
 (※つまり、意志・意識を使わないとできない事をやる)

 そして、「不快記憶・感情」への集中する時間を徐々に減らしてゆき
 意志・意識を使わないとできない事への集中する時間を増やしてゆく

 
 ※他にもマインドフルネスや湧き出してくる不快記憶・感情を
  実況中継の様に言葉にし続けたり、文字で書き出して行ったり、
  絵に描く、それを歌にする、

  楽しかった過去のシーンやなりたい未来の自分、
  理想のパートナー等についての空想・妄想を膨らませてゆく、

  等も意志・意識の働きが必要ですので
  大脳皮質の機能を停止させない工夫と言えるでしょう。

(3)防衛反応のベクトルを変える


 これについては、
 次回の「②強迫行為、自傷・他害行為に”代わる”ものを見つける介入」
 で詳述します。

<次回へ続く>



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