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2023/2/27 (月)

愛着形成と愛着の回路④愛着の回路について

<前回からの続き>

前回までに、
「何らかの要因によって、乳幼児期に親(主養育者)との間で
 愛着が形成されていないと、その後の人生が生き辛くなる、
 所謂”愛着障害”になる事が多い」

「但し愛着が形成されていなくても、
 何歳になってからでも”愛着の(再)形成”は可能である」

「その為には、脳に”愛着の回路”とも言うべき神経回路を形成する必要
 がある」

と述べました。

今回は、私が考える”愛着の回路”についてお書きしたいと思います。




④愛着の回路とは?

”愛着の形成”を脳の働きから見た場合、

親(主養育者)は、ストレスから子供の興奮が高まったら、
安心を与え落ち着かせたり

逆に子供の気分が落ち込んでいる時は、
気分転換させたり元気づけたりして活力を取り戻そうとするでしょう。

こういった、子供の自律神経系の調整をする事を
「相互調整」(他者によって落ち着く)と言います。

そして、
こういった感情と身体の体験を繰り返してゆくと、
それが潜在的な手続き記憶となり、
子供の脳の右眼窩前頭前野の発達が促進され、

自己慰撫力や感情の耐性、
つまり「自動調整」(自分独りで落ち着く)する能力が身について来る
と考えられています。


つまり、
親(主養育者)による相互調整が繰り返された結果、
それが潜在的な手続き記憶となり、「自動調整」できる様になる・・・。

私はこの「自動調整」できる様に働く脳の神経回路の事を
”愛着の回路”であると考えています。


ところが、
2~3歳までに、親(主養育者)との間で
「相互調整」が行われていなかった場合は、

当然「自動調整」に繋がってゆく潜在的な手続き記憶がありませんので、
成長してからも、不安・恐怖、怒り、落ち込み等に耐える力や
自分で感情を調整する事ができなくなるでしょう。

そして、その事で様々なメンタル不調や〇〇障害に苦しんで
「自分ではどうしようもない」状態に陥り易くなるでしょう。

それは「自動調整」してくれる”愛着の回路”が形成されていないから
だと思います。

それでは、
乳幼児期に”愛着の形成”が成されなかった人は、
一生この”愛着の回路”を形成できないのでしょうか?

私はそうは思いません。

”愛着の回路”はいくつになってからでも形成可能だと考えています。

次回は、私がそう考える理由をお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2023/2/24 (金)

愛着形成と愛着の回路③何故愛着障害になるのか?

<前回からの続き>

前回お書きした様に、
乳幼児期に愛着形成がうまく成されないと、
愛着スタイルが「不安定型」(「回避型や両価型」,「無秩序型」)
の所謂「愛着障害」に陥ってしまう可能性が高まります。


そして、
成長してからも人間関係で苦しんだり、「〇〇障害」や「××症」
と呼ばれるメンタル不調に悩まされるリスクが大きくなるでしょう。

それでは、
「何故愛着が形成されずに愛着障害になってしまうのか?」

今回はその原因について私見をお書きします。




③愛着障害になる原因

(1)親側の要因

親(主養育者)の育児放棄や虐待、激しい夫婦喧嘩怒鳴りつける等の
子の面前でのDV・モラハラ等、
「安全基地」である筈の親が、その役割を果たせない環境であったり、

親が気分屋であったり、
条件付きの愛情(例:子が言う事を聞く時のみ優しく、
言う事を聞かない時はキレる等)で育った場合。

※親が仕事で忙しかったり、病気であったり、
 母親自身も夫からDVを受けていて子の安全基地にはなり得なかった、
 等の不可抗力的な理由の場合もあるでしょう。

(2)子供側の要因

子供側がもし、先天的或いは成育環境によって「感覚過敏」を有していると、
例えば、
母親に抱っこされる事が、決して”快”を感じられず安心感を得られない
かも知れません。

また、
母親が疲弊していたり、不安や悩みを抱えていると、
いくら無理して笑顔で接しようとしても、子はそれを見抜いてしまう
かも知れません。

或いは、
感覚過敏によって外部の刺激が過多になって、子の脳が圧倒されてしまい、
母親の愛情を感じるどころでは無くなってしまうかも知れません。

それでは、
その様な原因によって、所謂「愛着障害」になってしまったとすれば、
その子はこの先も「安全基地」が無い、生き辛い人生を送らないと
いけないのでしょうか?

私は、そうは思いません。


何故なら、
乳幼児期に様々な事情で「愛着形成」が成されていなくとも、
脳の可塑性によって、何歳になっても「愛着の(再)形成」が可能だと
推測されるからです。


但し
「愛着を(再)形成」するには、まず親(主養育者)との関係性によって、
子供の脳の中に「愛着の回路」とも言うべき、神経回路が形成される必要
があるはずです。


でないと、子はいくつになっても親離れできなくなるでしょう。

子が親元から離れ自立してゆけるのは、
子の脳の中にこの「愛着の回路」が形成されているからだと思います。

次回はこの「愛着の回路」についてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2023/2/22 (水)

愛着形成と愛着の回路②愛着障害とは?

<前回からの続き>

それでは、
「愛着障害」とは何なのでしょうか?

今回はそれについてお書きしたいと思います。




②愛着障害とは?

前回お書きした「愛着形成」がうまく行われた場合は、
「愛着スタイル・パターン」は「安定型」を示し、

何らかの事情でこの愛着形成がうまくなされなかった場合は、
(ボウルビィの共同研究者のエインスワースによる分類によれば)
「不安定型」である「回避型や両価型」を示します。
(※後に「無秩序型」も加えられた)


そして、
子供の時に身についたこの「愛着スタイル」(安定型か不安定型か?)は、

多くの場合大人になってからも続き、
その後の人生が「生き辛くなるか、否か?」を左右すると考えられます。


例えば、
或る女性の子供時代の母親が、
その人に「あんたなんか産むんじゃなかった!」等と時々暴言や暴力・DV
を行っていたり、家から締め出したり、時に外出先で置き去りにしたりした
とします。


でも、
一方ではお弁当を作ってくれたり、病気の時には看病してくれたり、
母親の優しさを感じた事もあった・・・。

更にはシングルマザーで女手一つで苦労して育ててくれてる姿
目の当たりにしていたとします。


こういった場合は、
この人にとって愛着の対象である母親は、
ある時は安心・安全をもたらす「理想的な優しいお母さん」で、
「助けてあげなきゃ!」「良い子でいなきゃ!」と感じ、

またある時は恐怖や危険をもたらす「恐ろしい存在」であって、
脅えて凍り付いたり、逃れようとしたり、でも逃れられない苦しみから
死を意識したり、「いつか復讐してやる!」等と感じたかも知れません。


やがて
その女性成長して大人になって、恋人ができたとします。


最初は「理想的な優しい彼」(安全基地)とみなして、
彼に甘えたり、気遣ったり、尽くすかも知れません。

ところが、
彼が自分の思い通りにラインの返信をすぐくれなかったりすると、
見捨てられる恐怖等から不安定になり、猛烈な罵倒のラインを送り続ける
かも知れません。

また、
それに業を煮やした彼がその女性から距離を取れば
その気配を感じた女性は、その恐怖からまたも不安定になって
「死んでやる!」と自傷行為を行うかも知れません。
(※その女性を精神科へ連れて行ったとすれば
 「境界性パーソナリティー障害(BPD)等と診断されるかも知れません)


また、
別の女性の子供時代では、
何らかの事情で親に放ったらかされて育ち、いつも淋しくて不安な夜を過ごし

親がたまに帰って来た時に「ねえねえ!ママ、学校でね・・・」
と話し始めても、
「また今度にして!ママは忙しいの」とそそくさと化粧を整える親に
「行かないで!ずっと傍に居て!」と言えずに
また苦しい夜を過ごす事になってしまったとします。


やがてその女性が成長して、
友達や彼氏と親しくなればなる程、何故か不安になって
関係を絶ってしまったり、離れて行ってしまう事を繰り返して、
いつも孤独を感じているかも知れません。


ですから、
子供時代における「愛着形成」はそれほど大切なものだと思われますが、
私はこういった典型的なケースではなくても、
根っこに愛着障害と思しきものを抱えて生き辛くなっておられる方
とも数多く接して来ました。

(同じ親・成育環境の許でも、兄弟姉妹によってはそうなる人とならない人
 が居らっしゃると思います)


それでは、
何故「愛着障害」になってしまうのでしょうか?

次回は
「愛着障害になる原因」を私の推察に基づいてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>

<次回へ続く>



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2023/2/20 (月)

愛着形成と愛着の回路①愛着とは?

見捨てられ不安社交不安醜形恐怖、等所謂不安障害強迫性障害

或いは、何らかの心身の”症状”が出る事によって、
親の許で生活する事になったけど、より症状が酷くなってゆく息子・娘達。

学校や職場等、社交の場に行けずに家の中で暴れたり親に暴力を振るう子供達

普通の日常生活が送れなくなる程の酷い抑うつに襲われている人達。

或いは妻や彼女にDVを行う夫や彼氏

我が子を否定し続けたりキレてしまう親達

更には、
ギャンブルやアルコール、過食・拒食、買い物、ゲーム等に依存
してしまっている人達

パーソナリティー障害解離性(同一性)障害双極性障害(Ⅱ型)と診断
された方。

そして心のどこかで「死にたい」といつも生き辛さを抱えている人達
・・・。


そんな苦しみに襲われている人の(全てとは言いませんが)多くは、
恐らく「愛着の形成」の部分に問題があると私は推測しています。


それでは、
ここで言うところの「愛着」(アタッチメント)とは何なのでしょうか?




①愛着(アタッチメント)とは?


「愛着」はイギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが提唱した
愛着理論の中での定義で、簡単に申しますと

「乳幼児が危機的状況に瀕したりそれを予知し恐れや不安を強く感じた時に
 特定の他者(主に親)への近接(くっつく事)を通して、
 不安・恐怖を鎮め、安全・安心の感覚を回復・維持しようとする傾性」

という事です。


つまり、乳幼児の心身の不快な事柄や危機的状況に対して、
養育者(主に親)が安全・安心の基地になってあげる事
その後の子供の発達にとって不可欠であるという事です。

そして、
その様な愛着を基に、子供は安心して外の世界に対する探索行動
(友達や他者との交流や遊び、学習等)を行ってゆく事ができ、
健やかな自我の発達が成されてゆく
という事です。


子供側からすれば例えば、
お腹が空いて「オッパイが欲しい!」と泣いたら、オッパイがもらえたり

淋しかったり不安を感じたり神経が高ぶった時に泣いたら、
優しい笑顔で抱っこされ、そういった不快感情を和らげてもらえたり、
安心・安全や落ち着きを与えてもらったり・・・。


言ってみれば、
「自分が欲する通りの反応」を継続的にしてくれる相手
乳幼児には必要だと言う事だと思います。


ところが、子供時代にその様な「愛着形成」が成されていないと、
後の人生が生き辛くなったり、様々な疾病や障害に繋がると思われる、
所謂「愛着障害」と呼ばれる状態に陥ってしまう可能性が生じます。

次回からはこの「愛着障害」についてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2023/2/17 (金)

”問題や症状”から離れ、ポジティブな未来を創造してゆく

<前回からの続き>

前回までにお書きした事をヒントにして、

今度は(”問題や症状”から離れた)ポジティブな未来を創造してゆきましょう。


但しここで注意が必要なのは、

過去のトラウマや心の傷が解消され、
過去のネガティブな情報がポジティブな情報に書き換わっている事

そして、今現在、”新たな集中先”に向けて集中する時間を取り、
それに向けて行動を起こしているという事が前提条件になると思います。
(つまり、今迄お書きした事をクリアされている事)


何故なら、
人間は「過去がこうで、今がこうだから、きっと未来はこうなるだろう」
といった予測によって、心を安定させるといった脳の機能を有しているから
だと考えられるからです。


だとすれば、

過去のトラウマが解消されず、
過去と現在のネガティブな情報に圧倒されているのに、
「プラス思考になりましょう!」
「幸せな未来を思い浮かべましょう」
等と言われても無理があると思います。




<”問題や症状”から離れ、ポジティブな未来を創造してゆく>

⑥ポジティブな未来へ集中してゆく

(1)ポジティブな未来を想像する


独りになれる時間を確保し、
以前書き出した過去のポジティブな情報を読み返し、
その感覚を五感で味わってみましょう。


例えば、
カフェで相談に乗ってあげて、
「助かった!こんな相談ができるのは由美しかいない・・・有難う」
と言ってくれた時の親友の声、表情や周りの景色、温度や空気感、
コーヒーの香や味、座っている椅子や床の感じ、胸にこみあげてくるもの
や涙があふれそうな感覚」等を

今、その場に居てそれが今起こっているかの様に感じてみましょう。


次に
今、”新たな集中先”に取り組んでいる時に感じている事も
同様に五感で感じてみます。

そして、
「今取り組んでいる事を続けて、幸せになったとすれば、
 どんな未来になるだろうか?」
自問します。

そしてそうなった未来の自分の或る日の一日の自分を密着取材したビデオ
(情熱大陸の様に)を観るかの様に、思い浮かべましょう。

更に、
その「或る日の自分の一日密着ビデオ」をイメージで見終わったら、
それをストーリーで書き出してみましょう。


例えば、
「朝7時に起きて、お気に入りの家具をそろえた部屋を見まわしている。
 隣に居る優しい旦那さんは今日は休みでまだ寝息を立てている・・・。
 旦那を起こさない様に気を付けながら、パンを焼いてコーヒーを淹れている。

 少し顔がほころんでいる。お気に入りの服を着たり用意をして、
 電車に乗って山へ向かっている。
 自然豊かで誰も居ない山は晴れ渡っていて、綺麗な花々が咲き乱れてい る
 ・・・。そこでスケッチをして・・・」
等々。

(2)ポジティブな未来へ集中する

上の「(1)」に従って、
ポジティブな未来をイメージし、それを書き出す事ができれば、
今度はそこへ集中してみましょう。


ここで大切な事は
「自分がその(未来の)場に居て、今それを行っている」と想像して、
その時の自分に成りきって、その感覚をしっかりと五感で感じる事
だと思います。


何故なら、
意識(大脳皮質)は(過去・現在・未来といった)「時制」を持っている
と考えられるので、
いくらポジティブな未来を想像しても、
「今がこんななのに、そんな未来なんて本当に来るのか?」
と拒否してしまう事もあるでしょう。

ところが、
無意識(大脳辺縁系)は「時制」を持たないと考えられますので、
未来に起きている事なのか、今起きている事なのか?を判別できないので、
イメージと五感を使って無意識に落とし込み、
それが「今起きている事」として認識してくれれば、
その実現に向けて働き始めると考えられます。

つまり、
「いかに意識の”門番”を通り抜けて、無意識にアプローチできるか」
が鍵で、
その為にはイメージと五感をフル活用する必要があると思います。

(引き寄せの法則等でうまく行かない場合は、この辺りが原因である
 と私は考えます)




以上、”問題や症状”から脱出し、ポジティブな未来を創造してゆくヒント
をお書きして来ましたが、お独りでは難しい場合はお気軽のお問合せ下さい



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2023/2/15 (水)

”問題や症状”への集中から脱出する為のヒント⑤

<前回からの続き>

前回お書きした手順によって新たな集中先をが見つかれば、
そこへ集中してゆきましょう。


     
<”問題や症状”への集中から脱出する為のヒント⑤>

⑤新たな集中先に集中してゆく

前回見つけた新たな集中先の候補へ集中し、
そこへ一歩でも近づく為に今できる事から始めてみましょう。


ここでの注意点は、

「自分の顔の気に入らない所」や「強迫的な思考・行為」や「不安」
等といった”問題や症状”への集中をを減らそうとするのではなく、
”新たな集中先の候補”へ集中する時間を増やしてゆく事だと思います。

そしてもし候補が複数あれば、
全て試してみて、一番集中したい対象を見つけてゆきましょう。


例えば、
「え~っと、まずどんなペットがいいか?ネットで調べてみよう。
 観葉植物なら育てやすいし、今度の休みにでも買いに行こう。
 難民への寄付なら今すぐできそうだけど、ボランティアは・・・
 まずボランティアを募集してる所を探してみよう」
等。


そして、”小さな一歩”を踏み出してみて、
「何に集中している時に自分が一番心地よいか?」を考えて、
それに集中する時間を増やしてゆきましょう。

(複数あれば、器用な人はそれぞれに集中する時間を区切って、
 並行して集中して行くのもいいと思います)



<次回へ続く>



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2023/2/13 (月)

”問題や症状”への集中から脱出する為のヒント④

<前回からの続き>

前回お書きした手順に沿って、ポジティブな情報収集を行ってゆき、
今の(症状や問題と繋がる)集中先が変わり

最早無意識から湧き出して来るネガティブな情報に
圧倒されなくなって来れば
新たな集中先を見つけてゆきましょう


以下、そのやり方のヒントをお書きします。




<”問題や症状”への集中から脱出する為のヒント④>

④新たな集中先を見つける

(1)過去からヒントを得る


前回お書きした手順に沿って書き出したポジティブな情報
(特に「A」と「B」)を読み返してみましょう。


どこで誰と居る時、そして何に意識を集中して何をしている時
ポジティブな気分(安心・安らぎ・幸福感、誇らしさや自尊感情・貢献感、
楽しさ・喜び・ワクワク等)になっていた事が多かったでしょう?

そして、その時の感情・感覚・記憶・思考・信念は?

それを何パターンか書き出してみましょう。


例えば、

 A「過去の自分に纏わるもの」


  「あの時の出来事で恥の感情と罪悪感を感じ、
    自分はダメ人間だと思った」


 B「過去の他者に纏わるもの」


  「母にあんな事を言われて悲しかった。もう誰も信じられないと思った」

というネガティブな情報に対して、

 A’「家で、病気になった猫を”この子を救ってあげなきゃ!”に集中し、
   独りで必死で看病して、元気になった時・・・
   ホッとして、”私でも役に立てた!”と感じて、喜びで何か暖かいものが
   胸の中から湧き出てきた感じがした」

   
 B’「カフェで親友の相談に乗った時に、
   ”こんな私にいつも付き合ってくれて有難い!
   何とか恩返ししなきゃ!
   ”親友の気持ちが少しでも楽になる様に聴こう”に集中して

   ”助かった!こんな事を相談できるのは由美だけだから・・・
   有難うね”と言われた時・・・

   認めてもらえたと感じ、親友との繋がりを強く感じ、
   信頼できる人が居てくれるという安心感や喜びで、
   胸が熱くなって涙が出そうになった」

等とポジティブな情報を書き出してみます。


他にも
  「独りで自然の中で好きな絵を描いている時は、
   心地よい風や鳥の鳴き声を感じながら絵と自然の美やに集中して、

   気持ちいい!こんなに贅沢な時間を過ごしたのは久しぶりだな~
   私はやっぱり自然と絵が好きなんだなあと感じ、
   ほっこりした気持ちになった」

等々。

(2)”今”集中したい事をみつける


上記の(1)を参考にして
今、同じような感情・感覚・思考になれそうな事を
いくつか書き出してみましょう。


例えば、

A”「もう一度ペットを飼おう。植物を育てるのもいいかな・・・。
   難民の人へ寄付したり、ボランティアするのもいいかな・・・。」


B”「友人に連絡を取って、また話を聞いてあげたい。
  妹の相談にも乗ってあげたいかな・・・。
  元彼はとんでもない人だったけど、優しい彼氏が欲しいなあ」


他にも
  「また時間を作って自然の中で絵を描きたいな・・・。
   あ、そうだネイルアートも勉強してみたいな」

等々。

<次回へ続く>



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2023/2/10 (金)

”問題や症状”への集中から脱出する為のヒント③

<前回からの続き>

前回お書きした手順に従って、

「無意識から意識に上がって来る膨大な記憶に巻き込まれない様に、
 距離を取る事」ができる様になれば、

集中する対象を”問題や症状”に繋がるものから別の対象に移行
させてゆきましょう。


ここで、
”集中する対象”としては、

・「ネガ(ティブなもの)」と「ポジ(ティブなもの)」の2方向


・「自分」「他者」「それ以外(仕事・趣味・勉強・家族・世の中/世界
 ・ペット等の興味の対象)」の3方向


・「過去」「現在」「未来」の3方向

といった、18種の方向が考えられます。


新たな”集中先”を考える時の基本としては、

「今の(症状や問題と繋がる)集中先とは違う方向に集中する」という事です。


但し、
今現在の集中先が次々と苦しみをもたらす”情報”を意識上に登らせてきて
それに圧倒されている状態だとすれば、

それを放っておいて、
「素敵な未来を想像して、そちらに集中しましょう!」
というのは通用しないと思います。


ですから、まず前回書き出した
無意識から湧き出して来るネガティブな感情・感覚・記憶。思考・信念
''等の情報に対して、
ポジティブな情報を集める事へ集中対象を移行する事''から始めた方が良い
と思います。

以下、その手順をお書きしまう。




<”問題や症状”への集中から脱出する為のヒント③>

③集中する対象をポジティブな情報収集へと変える


例えば、前回の「A」の例で言うと、

A 「あの時の出来事で恥の感情と罪悪感を感じ、自分はダメ人間だと思った」


これに変わるポジティブな情報収集として、

過去の出来事で、誇らしさや自尊感情、貢献感等を少しでも感じ、
「私って、そんなにダメじゃないかも?」と感じた場面
をできるだけ沢山書き出し、
その時の感情・感覚・記憶・思考・信念等の細かい情報も
併せて書き出してゆく。

加えて、
今日から毎晩、一日を振り返って同様に感じた場面の詳細を書き出す等。


同様に「B」~「F」に対するポジティブな場面と
 感情・感覚・記憶・思考・信念等の細かい情報も
併せて書き出してみましょう。


そしてこれを繰り返し、今の(症状や問題と繋がる)集中先が変わり、
最早無意識から湧き出して来るネガティブな情報に圧倒されなくなって来れば、
新たな集中先も見つけてゆきましょう。

<次回へ続く>



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2023/2/8 (水)

”問題や症状”への集中から脱出する為のヒント②

<前回からの続き>

前回お書きした「①」によって、
トラウマ等の心の傷や不安を解消できれば、
集中する対象を”問題や症状”に繋がるものから別の対象に移行させましょう。


但し、その前に今現在の心を安定させる必要があると思います。
まずはそのヒントから。




<”問題や症状”への集中から脱出する為のヒント②>

②意識(大脳皮質)が無意識(大脳辺縁系)に圧倒されない様にする

「心を安定させる集中の対象を
 ”問題や症状”に繋がるものから別の対象に移行させる」

・・・言うのは簡単ですが、実行するのは難しいと思います。


何故なら、
そもそも心を不安定にしているもの
「感覚過敏」によって収集された
無意識下の過去・現在・未来の自分や他人に纏わるネガティブな記憶
(五感で感じたものや思考・信念、その時々の感情)が、

膨大な情報として、意識・理性を司る大脳皮質を常に圧倒し続けている
と考えられるからです。

ですから、
例えばゲームや動画に集中しようとしても
無意識下の膨大な記憶に圧倒されるとすぐに集中が妨げられるか、
ゲームや動画を見るのをやめれば、すぐにまたカオスの状態に戻って、
元の対象に集中してしまうでしょう。

だとすれば、
まず無意識から意識に上がって来る膨大な記憶に巻き込まれない様に、
距離を取る事から始める必要があると思います。

それでは、
どうすれば意識が無意識に圧倒されない様に距離を取る、
つまり自分を客観視したり俯瞰で見る事が出来る様になるのでしょうか?

今流行のマインドフルネス等も意識が無意識と距離を保ち、
巻き込まれない様にする方法ですが、
簡単な方法としては、「紙に書き出す」という事が役に立つと思います。

以下、その手順をお書きします。

(1)無意識から湧き出して来るネガティブな感情・感覚・記憶。思考・信念
 等を都度書き出してゆく


(2)書き出したものを下記の6つに分類・仕分けしてゆく

 例えば、
 A「過去の自分に纏わるもの」

  「あの時の出来事で恥の感情と罪悪感を感じ、
    自分はダメ人間だと思った」


 B「過去の他者に纏わるもの」

  「母にあんな事を言われて悲しかった。もう誰も信じられないと思った」


 C「今の自分に纏わるもの」

  例「私はコミュニケーションが苦手で、他人と関わるのが怖い!
    こんな私なんて生きている価値が無いと感じる」


 D「今の他者に纏わるもの」

  「彼は今日もすぐに返信をしてくれない。
    ”他の女の子と会ってるのかな?”と思って胸が締め付けられる。
    淋しいし、情けないし、ムカつく!
    あれだけ”好きだよ”と言ってた癖に、
    やっぱり私の事なんてどうでもいいんだ・・・」


 E「未来の自分に纏わるもの」

  「また、会社がしんどくなって辞めちゃった・・・。
    もう何回目だろう?
    このままじゃあ、私の将来どうなっちゃうんだろう?・・・
    こんな私なんて誰も必要としてくれないんだ、と思うと
    不安と恐怖と絶望に襲われる」


 F「未来の他者に纏わるもの」

  「最近、彼は”忙しいから”と、会ってくれる回数が減ってきた
    ・・・。
    もしかしてフェイドアウトしようとしてるのかな?
    と考えると、胸が苦しくなって、今夜も眠れそうにない。
    結局私なんて誰からも愛されないんだ・・・」


 
ここまでできれば、
集中する対象を”問題や症状”に繋がるものから別の対象に移行させる
為の準備完了です。

次回からは、「集中先を別の対象へ移行させるヒント」
お書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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2023/2/6 (月)

”問題や症状”への集中から脱出する為のヒント①

<前回からの続き>

前回までに、

(先天的・後天的に)”感覚過敏”を有してると情報(刺激)過多に陥り易く、
 そうなると脳が混乱し、心が不安定になる。

 そして脳の働きとして、混乱を収拾させる為に何かに集中する事
 によって心を安定させる。

 その集中先が(元来感覚過敏な人は不安になり易く、傷つき易いので)
 何かのきっかけで”問題や症状”となる対象に向かってしまい、
 心を安定させる為に、
 それ(こだわりや信念、常同行動、儀式等)に集中し続けるのだが、
 逆に苦しみ続けてしまう。」

という私の推論をお書きしました。

だとすれば、
様々な症状や障害と言われる状態になって、苦しんでいる人
どうすれば良いのでしょうか?


今回からはそこから脱出するヒントをお書きしたいと思います。




<”問題や症状”への集中から脱出する為のヒント①>

①トラウマ等の心の傷や不安を解消する


そもそも「感覚過敏」を有しているのであれば、多くの場合は
(情報過多から来る混乱を避ける為に)「並外れた集中力」を持っている
と考えられます。

ですから、その集中力を薬でごまかしたり(笑)するのは勿体ないと思います。

例えば、
その「並外れた集中力」を活かせば、研究・発明・芸術・創作等の
大切な資源になりますし、
”信念の人”として名を残す業績を成し遂げる可能性もある訳です。

或いは、
ギャンブルやアルコール、過食/拒食等に集中して安定している人
入院させる等して、物理的に集中の対象をシャットアウトしてしまうのも
いかがなものか?

入院中は(集中する対象が物理的に無くなるので)我慢できても、
退院後はまた元に戻ってしまう事もあるでしょう。

何故なら物理的に刺激をシャットアウトしても、
記憶や思考や感情からの情報で心的に圧倒されるので、
常に心(脳)の中では、依然として集中対象を渇望していると思われるからです。

ですから私は集中力を削ぐ事や集中先を無くそうとする立場には
(緊急の場合は別ですが)余り賛同できません


私の推論が正しければ、
(感覚過敏によって)「並外れた集中力を持っている人」
心の傷や不安等の何かのきっかけで、
結果として自分や周囲が苦しむ方向へ集中し続けているとすれば、
まずは心の傷や不安を解消する事が先決だと思います。

認知行動療法等は確立されたエビデンスのある技法で、
 次にお書きする新たな集中先(新たな信念、新たな行動等)への移行には
 素晴らしいと思いますが、
 時間が掛かったり、ドロップアウトしてしまう人がいらっしゃるのは、
 この部分が弱いからだと思います。

具体的なトラウマケアや心の傷の修復、不安の解消等の方法は
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<次回へ続く>



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2023/2/3 (金)

何故”問題や症状”となる対象に集中し続けるのか?

<前回からの続き>

前回、
「情報(刺激)過多に陥ると脳が混乱し、心が不安定になる。
 そして脳の働きとしては、混乱を収拾させようとする。

 その一つの手段(傾向)として何かに集中する事によって心を安定させる。

 ところが「感覚過敏」を有している人は、そうでない人に比べて
 情報(刺激)過多に陥り易い

 それ故、
 より一つの事に集中する必要性が出て来るから並外れた集中力を持つ
 事が多い」
といった私の推論をお書きしました。


もしそうだとしても、そういった「並外れた集中力」を持っている人が、
何故”問題や症状”となる対象に集中し続け、苦しまれているのでしょうか?

今回は私なりに考えるその”理由”をお書きしたいと思います。




<何故”問題や症状”となる対象に集中し続けるのか?>

例えば前々回お書きした所謂”醜形恐怖”のA子さんの例で言いますと、

A子さんが子供時代、
仲良しの友達「ねえねえA子、(アイドルグループの)〇〇ちゃんは
目がパッチリした二重で可愛いよね!」と言ったとします。

ここでもしA子さんが感覚過敏を有していると、
その言葉を言った時の友達の微妙な声のトーンや表情、雰囲気等の
情報を沢山拾ってしまい混乱するでしょう。

A子(・・何故一重瞼を気にしてる私に敢えてそんな事を言って来たのかな
  ・・・。
  もしかしたら嫌味?、そう言えば時々私の事を冷たい目で見てる時が
  あるよな。

  でもこの前は私の悩みを聴いてくれたし、そうじゃないのかも・・・

  いや、体育祭の時もずっこけた私を見て笑ってたよな~

  あ~もうわかんなくなってきちゃった、
  私の事どう思っているんだろう?・・・)

等と情報(刺激)過多に陥ってしまい、
仮の”答え”として「友達は本当は私の事を嫌っているのかも?」
という考えを導き出す。

そしてA子が友達に接する態度がぎこちなくなってしまった結果、
その友達はA子より、他の友達と一緒に居る時間が増えた。

A子は傷つき、
「何で友達に嫌われちゃったんだろう?私のどこが悪かったのかな~

 私があの時、宿題を写させなかったからかなあ~、
 それとも、私の暗い性格が嫌になったのかなあ~・・・」
と再び混乱に陥り、

「いや、きっと私の顔が好きじゃなかったのに
 無理して付き合ってくれてたんだ。
 そうだ!この一重の瞼がダメなんだ・・」
等と、
仮説が確信に変わり、ひとまず混乱が収拾する訳です。

そうなると、
「整形してより綺麗になる事」が「他人から嫌われて傷つく」事を防ぐ、
或いは「他人から愛される」希望を叶える唯一の手段となるでしょう。


そしてそこに集中し続ける訳ですから、
「あんたは今のままでも綺麗だよ」と母親が言おうが、
「気にし過ぎよ」と言われても、聞き入れないでしょう。

何故なら、
その”確信”を手放してしまうと、再び混乱に陥り、
同時に「他人から嫌われる恐怖」や「他人から愛されない絶望」
の世界に戻ってしまうからです。


譬えて言うと、
借金が返せなくなり、混乱して心が不安定になった人が
「ギャンブルで稼いで返そう!」とそれに集中する事によって
心は安定するけれど、
結局借金が更に増えて、より苦しむ事になる、

つまり、
安定を求めて集中している対象が、結果として苦しむ方向性に偏っている
と言えるでしょう。

それでは、
そういった”問題や症状”となる対象に集中し続けて苦しんでいる人は
どうすれば良いのでしょうか?



次回からは、
そこから脱出するヒントをお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2023/2/1 (水)

何故並外れた集中力を持っているのか?

<前回からの続き>

前回、例に挙げた様な
”醜形恐怖”や”強迫性障害”、”不安障害”等で苦しんでいる人達は
(恐らくそれ以外の”症状や問題”を抱えている人の多くも)、

「並外れた集中力を有し、それを”症状や問題”に向け続けている」
といった私見をお書きしました。


もしそうだとすれば、
何故こういった凄い人達は、並外れた集中力を持っているのでしょうか?

今回は私が考えるその理由をします。




<何故並外れた集中力を持っているのか?>

例えば、
騒がしいカフェに入ったとして・・・

周りの人の話し声や笑い声、スマホの着信音や車が行き交う音。
眉間にシワを寄せて物思いにふけっている年配の男性。
地悪そうな表情を浮かべ、友達に上司の悪口を言ってる若い女性。

誰かが咳をしたりスプーンが落ちる音、
周囲の人達から感じる独特の生活臭や体臭や香水や柔軟剤の匂い、
・・・。

何となく心がざわざわし、
「注文したモカが早く来ないかな~」とスマホをいじりながらそわそわする。

そんな時「お待たせしました」とモカが来て一口味わうと、
その香りと味、暖かさにホッとし、
「うん、やっぱりここのモカは最高だなあ~、私は酸味がなきゃダメ。
 深煎りなんて苦いだけだわ・・・

 そう言えば、今の旦那と初めてデートした時も私はモカを頼んで、
 彼は紅茶だった・・・。懐かしいなあ」
と暖かい気持ちに満たされて自然と顔がほころんでゆく。


上の例では、
情報が沢山入り込んで来て脳が混乱して心が不安定になっている時に、
コーヒーとそれに纏わる記憶や感覚に集中する事により、
心の安定を取り戻したと言えるでしょう。

つまり、
脳は情報(刺激)過多によって不安定になった時には、
安定させる為に、集中させる傾向があるのでは?と思います。


別の例では、
人の名前が思い出せそうで、出て来ない時・・・。

そんな時には、
「〇〇さんだっけ?いや違うな、△△さんだっけ?それも違う・・・」
と、脳はあらゆる可能性を検索してフル回転、
つまり、
情報(刺激)過多に陥り、モヤモヤしたりいらだったりといった
心が不安定な状態になってしまうでしょう。

そして、”答え”が見つかった時には、最早可能性を検索する必要が無くなり、
”答え”に集中すれば良いので心は安定するでしょう。


私が考えるに、
「並外れた集中力を持っている人」
恐らく先天的或いは成育環境等、後天的に拾う情報量が多い
のではないでしょうか?

例えば、
人が気にならない刺激(五感から入って来る音や声、表情や態度等)
の情報の量が多い、所謂「感覚過敏」を有していると、

刺激過多で圧倒されたりカオスの世界に入ってしまい、心が不安定になり易い
と想像します。

それ故、
そこまで敏感でない人に比べ、安定させる必要性がより高くなり、
何かに集中する必要性も、より高くなるのでは?と考えます。

それでは、
この様な理由で「並外れた集中力を持っている人」
何故”問題や症状”となる対象に集中し続ける事になってしまった
のでしょうか?



次回は、
私が考えるその”理由”をお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



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