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コラム/2022-04

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2022/4/29 (金)

DV,モラハラ,ギャンブル,性依存,性犯罪をやめるには?①

<前回からの続き>

今回と次回で
DV・モラハラ、ギャンブル・性依存、性犯罪をやめる為のヒント
をお書きしてゆきたいと思います。

前回までにお書きした様に、
それらの”問題行動”をやめられない人

①快・不快に対する感受性が(生れつき)とても鋭い

②それ故、自分の思い通りにしたい(不快を避けて快を求める)
 という欲求が人一倍強い

③それに加えて、(自己)実現傾向や自己効力感が強く
 その欲求を叶える為の行動を採る事ができる

といった生来の傾向・能力を持っていると考えます。


もしそうだとすれば、それらの”問題行動”をやめさせる為の
以下の方法は効果が余り期待できないのでは?と感じます。




<”問題行動”をやめさせる為の効果が期待薄な方法>


A,教育や理屈、法律や道徳、情に訴える方法


例えば、生まれつき音に敏感な子が居たとして、
 その子はうるさい教室に入れないとします。

 その子に対して、先生が「教室で授業を受けるメリットや
 受けなかった時のデメリット」を教育しようと理屈を並べたり、

 「学校の決まりだ」と言い聞かせたり、「お母さんが悲しむよ」
 等と情に訴えても、「不快なものは不快」なので、
 効果は期待できないのではないでしょうか?

 


B.脅し等で我慢させ、強制的にやめさせる方法


「教室で授業を受けないと、将来君が困る事になるよ」
 等と言った脅しや、「授業を受けない生徒は許しません!
 我慢して座っていなさい!」と強制しても、

 やはり「不快なものは不快」なので、より不快度が増して、
 どこかに反動が生じてしまうかも知れません。


それと同じで、”問題行動”を起こしてる人が私の推測通り
持って生まれて(快・不快の)刺激に超敏感だとすれば、
これらの方法では、余り効果が期待できないのでは?と思います。


それでは一体どうすればそれらの”問題行動”を
やめ(させ)る事ができるのでしょうか?


次回はそのヒントをお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



勿論私は断固として犯罪は許しません。
 ただ、性犯罪の被害者の人達の心のケアは勿論、
 加害者の人達の更生の為のお手伝いも数多く差し上げて来ました。



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2022/4/27 (水)

何故性犯罪をやめられないのか?

<前回からの続き>

前回、
性犯罪をしてしまう人達の架空の例をお書きしましたが、
何故その人達はそういった”問題行動”をやめられないのでしょうか?

今回も私なりの推論でその理由をお書きしたいと思います。




<何故性犯罪をやめられないのか?>




①快・不快に対する感受性がとても鋭い




「彼女は僕が求める特殊なプレイをしてくれない」

「本当は自由に仕事をしたいのに、稼ぐ為には自由を束縛されて
 嫌な奴の指示に従うのが本当にストレスだ」


これらの出来事は多かれ少なかれ誰にでもあって
多くの方は諦めたり我慢してやり過ごせるのだと思います。

でも、「快・不快」に対する感受性が人一倍強い人にとっては
耐えられない不快・不自由さとして受け止めてしまうでしょう。




②快を追求し、不快を避けるという傾向がとても強い


それ故、「自由に、自分の思い通りに性欲(=快)を満たそう」
という気持ちも強くなるでしょう。

そして、

「快を追求し、不快を避ける」という傾向がとても強いと
不快を避けるアドレナリンシステムと
快を求めるドーパミンシステムが非常に作動し易いとも言えるでしょう。


ここで、そういった傾向を持つ人の多くは、
「犯罪を犯したくない」との思いで、犯罪行為を行う代わりに
妄想したり、動画や漫画、エロゲー?小説等の代償行動で快を満たす
方向へ行くと思います。

ところが(自己)実現傾向や自己効力感が非常に強い
実際に「不快」(不自由)を避けて「快」(自分の思う通りの
性欲の満たし方)を求める行動を採ってしまうでしょう。


特に「犯罪」は背徳感も合わさって、「ワクワクドキドキ感」が
 より得られる、つまりアドレナリンシステムとドーパミンシステム
 がより強く働き、スリルとサスペンスといった強い刺激になると思いますし、
 露出や痴漢や暴行は相手を”思い通りに”反応させたり、支配するといった
 より強い「快の刺激」が得られるのだと思います。


そしてそれを繰り返してゆくと、脳の神経回路の可塑性によって、
その傾向が強化されて、譬え逮捕されようが、起訴されて実刑を喰らおうが、
その不快を埋める為にも益々性犯罪による快の刺激を求める事が
止められなくなるのでは?と思います。 

それでは次回からは、

①どうすればDV・モラハラ・パワハラやギャンブル依存・性依存、性犯罪
をやめて、

②(1)「自分の思い通りにしたい」という類まれな確固たる信念と意志の強さ

 (2)「快・不快」に対する感受性
と、
 (3)誰が何と言おうとも、どんな手段を使ってでも
 「不快を避けて快を追究する」(自己)実現傾向や自己効力感の強さ
 を活かしてゆけるか?のヒントをお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>



勿論私は断固として犯罪は許しません。
 ただ、性犯罪の被害者の人達の心のケアは勿論、
 加害者の人達の更生の為のお手伝いも数多く差し上げて来ました。



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2022/4/25 (月)

自分の思い通りにならないと気が済まない~性犯罪

”自分の思う通り”のターゲットに狙いを定め、
盗撮したり、下着を盗ったり露出したり、痴漢したり、
挙句の果てには暴行迄してしまう人達・・・。

被害者の恐怖や人権を考えられずに、
ただ”自分の思い通りに”欲求を満たそうと行動してしまう人達。


こういった性犯罪を犯してしまう人達も
「自分の思い通りにしたい」という、”類まれな確固たる信念と意志の強さ”
を持った人と言えると思います。


勿論私は断固として犯罪は許しません。
 ただ、性犯罪の被害者の人達の心のケアは勿論、
 加害者の人達の更生の為のお手伝いも数多く差し上げて来ました。

では、
そういった人達は何故犯罪だとわかっていてもやめられないのでしょうか?

そうなってしまう考えられる理由を次回、お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/4/22 (金)

何故性依存症になるのか?

<前回からの続き>

前回、
性依存症と思しき人の架空の例をお書きしましたが、
何故その人達はそういった”問題行動”を起こすのでしょうか?

今回も私なりの推論でその理由をお書きしたいと思います。




<何故性依存症になるのか?>




①快・不快に対する感受性がとても鋭い


「子が言う事をきかずに思い通りにならない」
「夫が思い通りに優しくしたり手伝ってくれたり、自分を喜ばせてくれない」

・・・これらは「不快」に対する感受性がとても強いと耐えられなくなる
でしょう。

また

「私の理想通りに優しく接してくれる」
「SEXでも私を満足させてくれる」

・・・これらは「快」に対する感受性がとても強いと、
それ無しではいられなくなるでしょう。




②快を追求し、不快を避けるという傾向がとても強い


これも前回のギャンブル依存症の人と同様に
「快を追求し、不快を避ける」という傾向がとても強い
不快を避けるアドレナリンシステムと
快を求めるドーパミンシステムが非常に作動し易いとも言えるでしょう。

加えて(自己)実現傾向や自己効力感が非常に強いと
実際に「不快」(=夫や子)を避けて「快」(不特定多数の人との
密会・性行為)を求める行動を採ってしまうでしょう。

※仮に”外れ”の相手に当たったとしても、次回はまた別の相手だと
 希望が持てるわけです(夫婦関係が硬直しちゃうとその希望も持てない)

そしてそれを繰り返してゆくと、脳の神経回路の可塑性によって、
その傾向が強化されて、益々不倫や不特定多数の相手との性行為
にはまってゆくと考えられます。



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2022/4/20 (水)

自分の思い通りにならないと気が済まない~性依存症

結婚して5年、子供もできて嬉しい反面、
言う事をきかず”思い通り”にならない子にイライラする事も増えてきた。


夫も仕事が忙しい事を口実に家事・育児も非協力的だ。

しかもそんな不満げな私の様子を感じたせいか、
ここ最近は夜の営みはおろか、会話する時間も減った・・・。

「私が”思い描いた結婚生活”ってこんなんじゃなかった」

そんな寂しさや満たされなさを埋める為に始めた出会い系のアプリ。

初めて会った男性は優しく気を遣ってくれ、会話も楽しく、
SEXもとても気持ちが良かった・・・。

それからというもの、子を保育園に預けている間に
ほぼ毎日の様に見知らぬ男性と逢い、行為を行った。

夫や子への罪悪感も感じるが、
その快感を止める事ができなくなってしまった。

所謂「性依存症」「自分の思い通りにしたい」という、
”類まれな確固たる信念と意志の強さ”を持った人が陥り易い”問題”
だと思います。

では、そういった人達は何故そうなるのでしょうか?

そうなってしまう考えられる理由を次回、お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/4/18 (月)

何故ギャンブル依存症になるのか?

<前回からの続き>

前回、
ギャンブル依存症と思しき人の架空の例をお書きしましたが、
何故その人達はそういった”問題行動”を起こすのでしょうか?

今回は私なりの推論でその理由をお書きしたいと思います。




<何故ギャンブル依存症になるのか?>




①快・不快に対する感受性がとても鋭い


前回お書きした、DV・モラハラ・パワハラをしてしまう人と同様に
ギャンブル依存になる人達も、持って生まれて(快・不快への)
感受性がとても強い人であると考えます。

例えば子供時代に欲しいゲーム機を買ってもらった時や
ゲームでステージをクリアしたりレアアイテムをゲットできた時、
対戦型ゲームで勝った時(=快)などは、えもいわれぬ快感を感じ、

逆にそれらの自分の欲求が叶わない時(=不快)には、
とてもイライラしたり落ち込んだりしていたのかも知れません。




②快を追求し、不快を避けるという傾向がとても強い


これも前回のDV・モラハラ・パワハラをしてしまう人と同様に
「快を追求し、不快を避ける」という傾向がとても強い
それを実行に移し、

「絶対に大当たりしてお金を稼いでやる!」(=快の追究)
とか
「大当たりして今迄の負け分を取り返してやる!」(=不快からの脱出)
等といった、
易刺激性によるアドレナリンシステムとドーパミンシステムの作動のし易さ
が関係している様に思われます。

そしてそれを繰り返してゆくと、脳の神経回路の可塑性によって、
その傾向が強化されて、益々ギャンブルにはまってゆくと考えられます。



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2022/4/15 (金)

自分の思い通りにならないと気が済まない~ギャンブル依存症

仕事が”思う様に”はかどらなかったり、家庭が自分の”理想通り”
にはなっていない・・・。

「俺の人生、何だか”思い通りに”なっていないなあ~」
とストレスを感じ、気が付けばギャンブルにはまってしまっている。

球をはじき、自分の”思い通りに”大当たりになれば天国にいる様な快感
を感じる。

でも、負け続けると悔しくて「取り返してやる!」と”意地になって”
借金してまでギャンブルにのめり込む・・・。


この前、妻にまた借金しているのがばれて
「3年前に”もうギャンブルはしない。今度やったら離婚”
 と誓約書に書いたわよね?!!
 裏切ってばかりのあなたとはもう暮らせません!今度こそ離婚よ!」
と怒られたし泣かれた。


「今は妻子を失いたくない!と強く思うけど、
 そのうちにまたやってしまうんだろうな・・・俺は病気なのかな?」




「自分の思い通りにしたい」という、”類まれな確固たる信念と意志の強さ”
を持った人が陥り易い”問題”のうち、次に挙げられるのは
ギャンブル等の依存症でしょう。

では、そういった人達は何故そうなるのでしょうか?

そうなってしまう考えられる理由を次回、お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/4/13 (水)

何故DV・モラハラ・パワハラをするのか?

<前回からの続き>

前回、DVやモラハラ・パワハラをする人達の架空の例をお書きしましたが、

何故その人達はそういった”問題行動”を起こすのでしょうか?

今回は私なりの推論でその理由をお書きしたいと思います。




<何故DV・モラハラ・パワハラをするのか?>

①快・不快に対する感受性がとても鋭い

よく、DV・モラハラ・パワハラをする人達は自己愛傾向が強く
(自己愛性人格障害の人が多いとも言われたりする)
それは劣等感への反動(形成)と考える人が多いと思います。


私の考えはそれとは少し異なります。


例えば、国内外への国家的なDV・モラハラ・パワハラを行っている
某国のリーダー達は劣等感を持っているとは考えにくいでしょう。

恐らくDV・モラハラ・パワハラをする人達は持って生まれて
(快・不快への)感受性がとても強い人なのではないでしょうか?

それ故、「馬鹿にされた」「嫌われた」とか「あいつに負けた」といった
自分にとっての不快な刺激に対して敏感で、
傍から見れば何でも無い程度の刺激を殊更に強く焼き付けてしまう
・・・。


だから例えば、
「子供の頃、俺が母親に話しかけても面倒くさそうな顔をしてたのに、
 妹が話しかけた時の母親は満面の笑みだった」等と感じたら、

「俺の事を大切に思ってくれていない。俺より妹の方が可愛いんだ」
みたいな不快感を強く感じ(”たまたま”とか”親の事情”等を考慮する事無く)
あくまでその結果として”劣等感”を形成してしまうのかも知れません。


逆に、自分にとっての”快”の刺激にも敏感で、
「自分の思い通りになった」時や「相手に勝ったり、相手に認められた」時の
快感も殊の外強く感じるのかも知れません。

つまり「絶対に不快を避けたい!」「絶対に快を感じたい!」が人一倍強い
訳ですから、
その為に「自分の思い通りに」事を進ませる事に拘る
のではないのでしょうか?




②快を追求し、不快を避けるという傾向がとても強い

但し、「①の快・不快に対する感受性がとても鋭い」だけでは、
形作られた劣等感にさいなまれ、自信無げにうつうつと暮らしたり、
「理想の自分」を思い描き、空想・妄想の枠から出ない人も居る
のではないでしょうか?

ところが、「快を追求し、不快を避ける」という傾向がとても強いと
それを実行に移し、他者への言動に表わしてしまうのかも知れません。
(例「俺が一番!お前らは最低!」「俺を馬鹿にするな!舐めんなよ!」)

だとすればそれは易刺激性が高く、不快を避けるアドレナリンシステムと
快を求めるドーパミンシステムが非常に作動し易いとも言えるでしょう。

これは言葉を変えれば、所謂(自己)実現傾向や自己効力感が非常に強い
とも言えると思います。


そしてそれを繰り返してゆくと、脳の神経回路の可塑性によって、
その傾向が強化されて、益々言動がエスカレートしてゆくと考えられます。



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2022/4/11 (月)

自分の思い通りにならないと気が済まない~DV・モラハラ

「何で俺の言った通りにできないんだ?!お前、舐めてんのか?!
 誰のお陰で飯喰えてると思ってるんだ!!」
と妻の胸倉を掴む夫。

そして、そんな父親に脅えながらも真っすぐに見つめて来る娘にも
「お前!!なんだその目は?!俺に文句あるのか?!・・・
 誰がこの家で一番偉いのか思い知らせてやる!」
と娘の髪の毛を掴んで引きずり廻す夫。

「やめて!この子にだけは手をあげないで!」

「うるさい!お前が言う事をきかないからこうなるんだ!」
と反省もしない夫。

「何回言ったらわかるんだ?!人の話を聞いてるのか?!
 今度ミスしたら、飛ばすぞ!」
と部下をなじる管理職。

「す、すみません・・・」
と泣き出す部下に

「泣いて済むと思うなよ!
 お前の様な能無しはうちの部署には要らないんだよ!」
と人格否定迄して追い打ちをかける管理職。

「自分の思い通りにしたい」という、”類まれな確固たる信念と意志の強さ”
を持った人が陥り易い”問題”のうち、
真っ先に挙げられるのはDV・モラハラ・パワハラでしょう。

では、そういった人達(某国のリーダー達も同様だと思います)
何故そうなるのでしょうか?

そうなってしまう考えられる理由を次回、お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2022/4/8 (金)

何でも自分の思い通りにならないと気が済まない人へ

「洗濯物はこうやって畳むのよ!何回言ったらわかるの?!」

と夫に怒る妻。


「自分で散らかしたものは自分で片づける癖を付けなきゃダメだ!
 なのに何でお前は手を貸してしまうんだ?!」

と、子供が散らかしたおもちゃの片づけを手伝う妻を怒鳴る夫。


「私がLINE入れたらすぐに返信してと言ったでしょ?!
 何ですぐ返信できなかったのよ?!」

と彼氏をなじる女性。

「こうすべき」という確固たる信念を持っていて、
自分のその信念に沿うように相手に強いてしまう人達・・・。

ここで、相手がそれに従うと怒りが収まるでしょうが、
もし相手がその強制に反論したり、守らなかった場合は、
「意地でも従わそう!」と、益々攻撃の手を強めてしまうかも知れません。

そこには、「何としてでも相手を思い通りにコントロールして、
自分の信念に従わせよう」といった断固とした意志の強さを感じます。

勿論、誰だって「自分の思い通りにしたい」という気持ちは持っている
と思いますが、
争いになりそうだったら、それを引っ込めたり、相手の意志を尊重したり、
といった譲ったり諦めたり妥協する、といった事をする場合もある
のではないでしょうか?

ところが、譬え人間関係が壊れても絶対に自分の信念を曲げないといった
類まれな確固たる信念と意志の強さを持った人もいらっしゃいます。

もし、あなたやあなたの身近な人がそんな「強い意志」の持ち主であるが故に
”問題”が起きているのであれば、そんな人たちに向けてお書きしてゆきたい
と思います。

<次回へ続く>



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2022/4/6 (水)

でもあなたはそんな中、生き抜いて来た②ネグレクトサバイバー

※注1:トラウマに触れる内容も含まれますので、
    過去の記憶がフラッシュバックしそうな方は読まないでください。

    また、読んでいて苦しくなった方はカウンセリングを受けられた方が
    良いでしょう


※注2:これはフィクションで、あなたの過去の状況とは異なる
    と思いますので、その点はご了承下さい




「ママは、いつ帰って来るんだろう?」・・・そんな会話さえタブーに思う
様になり、今日も弟と二人、母親が置いていったカップ麺を黙々とすする。

何の味も感じられず、それどころか何の感情も感じられなくなっていた。

ただ、無邪気に食べている弟を愛おしく思い、
ティッシュで口の周りを拭いてやるとほんの少し自分の胸が熱くなる
のを感じた。


そんな夜を幾日か過ごした或る日、ママが帰って来た。

喜びを抑えつつ、思い切って話し掛けた。

「ママ、クラスの恵理ちゃんがね・・・」

母親は、「ママは今忙しいの!」と話を遮り、
そそくさと着替えを済ませて荷物を持ってまた出て行こうとした。

「週末には帰るから・・・これでまた何か食べといて」

いつもの様に、くしゃくしゃになった千円札が2枚。
それはただインクの匂いがするだけだった。


そんなある時、学校でイジメられてたまらなくなって、
弟を寝かしつけた後に雨の中家を飛び出した。

気が付いたら「来ちゃだめよ」と言われていたママが働く夜のお店に
来ていた。

扉を開けると、見た事も無い様な笑顔のママがそこに居た。

「ママ~!」と呼びかけるとお店の外に出て来たママは
いつものママに戻っていた。

「何で来たの?!お仕事の邪魔になるから早く帰って!」
と怖い顔で睨まれた。

何も言えずに嗚咽をのみ込んだ。


「ママのお仕事の邪魔をして、私は悪い子なんだ・・・」
そう言い聞かせて何度も電柱に頭を打ち付けた。

不思議と痛みは感じず、やがて涙も流れ出なくなっていた。


6年生になった或る週末、熱が出てボ~っとなっていた時に
ママが帰って来た。

「ママ、風邪で熱があるみたい・・・」

ママは面倒くさそうに、「これでも飲んどいて」
薬箱から風邪薬の瓶を出してくれた。

ママが居なくなって、弟が寝た後に
「これ全部飲んだら、この苦しさにサヨナラできるかな?」
と、一瓶飲んで布団を被った。

次の日は体がだるくて起き上がれなかったが、
苦しさはそこにあるままだった。

それからだった・・・腕をカッターで切る様になったのは。


中学生になった時に、髪の毛を染めて学校に行ってない友達を作った。

「私の家は親が居ないから来なよ」

そのうちに夜な夜な友達やその友達が家に集まる様になって、
お酒やシンナーをやりながら馬鹿話で盛り上がった。

こんな楽しい時間は初めてだった。

「騒いじゃって、弟に悪いな」と思いながらもやめられなかった。


休みがちだった中学を出た頃に初めての彼氏ができた。
友達の兄だった。

現場で働く彼の為に、毎朝早く起きてお弁当を作って届けた。
せがまれるままにバイト代を彼の小遣いとして渡した。

彼が他の何人かの女性とも付き合ってる事も知っていた。
それでもよかった。

でも「仕事で遅くなる」という彼の言葉に嘘を感じた時は、
薬を沢山服んだり、吐くほど過食したり、リストカットする事を
やめられなかった。

そんな中でもあなたは生き抜いて来た。

「譬え報われなくても相手に尽くしたり」
「淋しさを過食やリスカで紛らわしたり」
「現実から離脱したり」「麻痺させたり」・・・

あの手この手を使ってでもあなたは生き抜いて来た。


そんな苦しみを抱えながらも、
バイトして、学校に通って、友達と遊んで、弟の面倒を見て、
今日もあなたは生き抜いている。



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2022/4/4 (月)

でもあなたはそんな中、生き抜いて来た①被虐待サバイバー

※注1:トラウマに触れる内容も含まれますので、
    過去の記憶がフラッシュバックしそうな方は読まないでください。

    また、読んでいて苦しくなった方は
    カウンセリングを受けられた方が良いでしょう


※注2:これはフィクションで、あなたの過去の状況とは異なる
    と思いますので、その点はご了承下さい




母親のイライラした様子を、扉を閉めるいつもより大きな音や眉間のしわ
に感じ取ったあなたは、心臓の鼓動が激しくなり、窒息しそうなくらい
胸が苦しくなり、頭もボ~っと真っ白になって、最早身動きできずに
抵抗する気力さえ奪われ、その”裁き”を待ったのかも知れない。


知らない少女がその母親に髪の毛を掴まれて引きずり倒され、殴られ蹴られ
ている様をあなたは”別の世界”から、ただ眺めていたのかも知れない。


「お前なんか死んでしまえ!産むんじゃなかった!
 私が苦しんでるのはお前のせいだ!」

狂った様に罵声を浴びせ続ける”その人”がお母さんだとは思えなかった
・・・。


普段は優しい所もあるお母さん、大好きなお母さん・・・

「ごめんね!私が悪い子だからだよね・・・だからもっと良い子になる。
 勉強も頑張るしご飯も残さないで食べるから、大好きなお母さんに戻って!」

あなたは母親の期待に応える為に勉強を頑張り、険悪な父母の関係を
和まそうと、ピエロになって笑顔を振りまいたのかも知れない。


中学生になったあなたは、友達のお母さん達と母親の違いに気が付いて、
「この野郎!殺してやる!」と母の首を絞めたかも知れない。

でもそうする事はお母さんからの愛情をも諦める事になってしまう・・・

ふと気が付いて、その手を緩めたあなたは「死んでしまいたい」
ベランダから飛び降りようとしたかも知れない。


またシンナーやアルコールを使ったり、男性に溺れる事で
苦しみを麻痺させたかも知れない。


そんな中でもあなたは生き抜いて来た。

「凍り付いたり」「従順になったり」「怒りを爆発させたり」
「死のうとしたり」「現実から離脱したり」「麻痺させたり」
・・・あの手この手を使ってでもあなたは生き抜いて来た。


大人になったあなたは、母親と似た上司の怒声に凍り付き、何も言えなくなり、
会社に行けなくなったかも知れない。

或いはピエロを演じ、従順な奴隷の様に振舞って、
自分がわからなくなっているかも知れない。


常に”霧”がかかった様に感じ、今この世界に生きているといった
「現実感」が感じられなくなっているのかも知れない。


なのに、彼氏には従順になって優しく尽くしたかと思えば、
こらえきれずに怒りを爆発させたり、死のうとしたり、しがみついたり
・・・


「私っていったい何なの?」

死にたい程の苦しみを抱えながらも、
仕事をして、買い物をして、子供を育て、今日もあなたは生き抜いている。



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2022/4/1 (金)

対人恐怖・醜形恐怖等を克服するヒント②恐怖を和らげる

<前回からの続き>

今回は
「対人恐怖・醜形恐怖等を克服するヒントの②」として
”恐怖を和らげる”についてお書きしたいと思います。




<対人恐怖・醜形恐怖等を克服するヒント②恐怖を和らげる>

①恐怖から逃げない


恐怖や不安を避ける努力(例:もっと綺麗になろうとする、
 嫌われない様にする、人を避ける、等)をすればする程、
 恐怖や不安は往々にしてより強くなります。

 ですから例えば、あなたが苦手な相手(例:「自分を馬鹿にしてる」
 と感じる相手や「僕の事を嫌っている」と感じる相手)に敢えて近づき、
 その相手を認めようとしたり好きになろうとしてみませんか?

 もしその苦手な相手を好きになったり認める事ができれば、
 恐怖が和らぐでしょう。

②相手の自由を認める


⇒「①」を行おうとしても、「そんな事できない!」と感じたり、
 努力しても無理ならば、その相手をもっと避けたり、益々距離を取る
 様になるでしょう。

 もしそうなったら、あなたはその相手の事を認める事ができず、
 嫌ってしまっている訳です。

 それと同じ様に、相手もあなたの事を認める事ができなかったり、
 嫌ってくる事を認めてあげませんか?

 だって「私(僕)は自由に人を嫌う事が許されても相手が私(僕)を
 嫌う事は許さない」としたらフェアではないですよね。

③例外的な相手を大切にする


そんな中でも、あなたの事を大切に思っている人(少なくとも
 そこまで嫌っていない人)を見つけて(例:父母、祖母、兄弟、
 幼馴染、先生等)その人を大切に思い、
 その人が喜んだり、よりあなたを大切にしてくれる様な言葉を掛けたり、
 行動をしたりしてみませんか?

 たった一人でもいいから、あなたの理解者、ファンを作る事から始める
 のもいいでしょう。

 

④自分の良い所を見つけて伸ばす


恐らく、日々自動的に自分のアラ捜しをしてしまっていると思いますので、
 自分の長所やまだ自信がある部分、一度でも人から褒められた部分等を
 思い浮かべ、そこを伸ばす努力をしてみるのも良いでしょう。
 (整理の為に書き出すのもいいでしょう)

 加えて、日々自分が頑張った事、褒めてあげたい事、小さな進歩等も
 毎日カレンダーやスマホに書き出してゆくのも良いと思います。



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