強迫性パーソナリティ障害の特徴

強迫性パーソナリティ障害の特徴

<前回からの続き>

 
 
今回は、

「強迫性パーソナリティ障害」の特徴
ついてお書きしたいと思います。




<強迫性パーソナリティ障害とは?>


強迫性パーソナリティ障害の人は、
規則や手順、形式に極端にこだわり
本来の目的(例えば締め切りや納期等)を達成できないことが少なくない。


つまり、
秩序完全主義、また自身や状況のコントロールに対してとらわれて
自分の活動について柔軟性がなく、頑固であり、
あらゆる物事が特定の方法で行われなければならないと考え、

コントロール感を維持するために、規則、取るに足らない些細なこと
手順、スケジュール、リスト等を重視し、
違う考え方を受け容れるという柔軟性に欠ける

プライベートでも、
ちょっとした息抜きの時間ももったいないと考え、仕事に没頭する。

家族や友人と出かける時には、自分で入念な計画を練り
他人にも自分の行動基準を守るように厳しく求める

また、
極端に物を集めて捨てられなかったり、将来のお金の不安に備えて、
極端な倹約家である。

更には自分のやり方が正しいと思い込んでいるので、
人に仕事を任せられない

対人交流に於いても、
論理や知性を重んじ、感情表現を抑え、厳格な道徳的原則を自他に課し、
「気難しい」「頑固」といった印象を与える、

等といった特徴があります。

※「強迫性障害」の様な強迫行為と強迫観念は必ずしも存在しない




◎DSМの診断基準(以下の項目の4つ以上の該当による)

※強迫性パーソナリティ障害の診断を下すには、
 秩序、完全主義、また自己、他者、状況のコントロールに対する
 持続的なとらわれが認められる事と、
 症状は成人期早期までに始まっている必要があります


細部、規則、スケジュール、秩序、及びリストに対するとらわれがある


仕事の完成に支障があってもある物事を完全に行おうとする(完全主義)


仕事や生産的活動に過度に没頭し(経済的必要性によるものではない)
 結果的に余暇活動や友人をないがしろにする


倫理的、道徳的問題や価値観に関して過度に誠実、厳格で融通が効かない


感情的価値のないものであっても、使い古されたものや不要なものを
 捨てたがらない


他者が自分のやり方通りに従わなければ、
 他者に仕事を任せたり、一緒に仕事できない


お金を将来の災害・破局の為に取っておくべきものと考えている為、
 自分や他者に対して金銭を出し惜しむ


柔軟性がなく、頑固である




<強迫性パーソナリティ障害の例>

「専業主婦のK子さん。企業の事務職として働いていた頃は
 ”自分”が決めたスケジュールに則って完璧さに拘った事務作業を
 行い続ける余りに、納期に間に合わない事が多かった。

 上司に注意されても”じゃあ、ミスがあってもいいんですか?!”
 等と詰め寄ったり、同僚のミスを指摘したりしていた。

 更には、譬え先輩でも”私語を謹んで下さい”と注意する事もあり、
 周りから””融通が効かない頑固者”と思われていた。

 結婚して専業主婦になっても、家中を自分が決めた通りの手順で、
 毎日チリ一つ無い様に念入りに掃除するが、

 いらなくなった子供のおもちゃや服は”いつか必要になる時が来るかも”
 と捨てずに物が溢れている。

 家族で出かける時も念入りに計画を立て、例えば公園で5歳の息子に
「今日は逆上がりができる様に練習しなさい!」等と”無駄な”遊びを
 させなかったりする。

 家計簿の管理も厳密で、夫がお金を使った場合は、
 全てレシートを添付しないといけないというルールに夫も従っている。

 夫から見れば、妻がゆっくりくつろぐ時間が無い様に感じて、
 洗濯物や食器洗いを手伝うと、”何でこんな干し方したの?”
 ”何よ、この畳み方!”等と妻の決めた通りにできないと責められ、
 ”あなたには何も任せられないわ”と結局夫は手伝えなくなった。」

<次回へ続く>