自傷行為・他害行為を無くそうとしてはいけない
自傷行為・他害行為を無くそうとしてはいけない
「心が苦しくて、ついリスカしてしまう・・・。
リスカすると落ち着くのにママはやめさせようとするからウザい。
どうせママは私の苦しみなんてわかってくれない。」
「娘が自分で髪の毛を抜いているみたいです。
最近は頭のあちこちが薄くなってきて心配で”やめなさい”と
言ってるのですが、言う事を聞きません。
どうすれば良いのでしょうか?」
「ここ最近息子は部屋に籠って、壁に何度も頭を打ち付けたり、
注意すると凄い顔で睨んできたり、胸倉を掴んできたり、
物に当たって壊したりします。
夫は”放っておけ!”と言うだけで頼りになりません・・・。
どうすれば良いのでしょうか?」
うちのルームにも、
「リストカット」や「腕や脚を切る」、「髪の毛を抜く抜毛症」、
「壁に頭を打ち付ける」等の所謂”自傷行為”や
暴力的になったり等の所謂”他害行為”を繰り返すお子さん達や
その親御さんがお越しになる事も多いです。
そういったお悩みの場合も、一般的には
A精神科や心療内科へ行って抗うつ薬や抗精神病薬等を処方してもらう
B認知行動療法等の心理療法で、段階的に自傷・他害行為を減らしてゆく
といった事が考えられます。
勿論、それらの方法は効果が確かめられているものですが、
自傷・他害に囚われている当人が来られない場合は治療できませんし、
薬や療法よりも、それに抗う力の方が強い場合は、効果が表れない場合
もあります。
(所謂「難治例)
私は今迄の臨床経験や知識から、
「自傷・他害行為は無くそうとするのではなく、
自然に無くなる方向へ導く事」
が大切だと思っています。
こんな事を書きますと、
「放っておいたら余計酷くなるじゃないか?」
と思われる方もいらっしゃると思いますが、そうではありません。
放っておくのではなく、
①心を安定させる介入
②自傷・他害行為に”代わる”ものを見つける介入
の2つが大切だと思います。
それでは、
何故、自傷・他害行為が生じるのでしょうか?
そして
何故それらを無くそうとしない方が良いのでしょうか?
更には
どうすれば自傷・他害行為が無くなるのでしょうか?
その辺りの私なりの考えを次回からお書きしたいと思います。