我慢する事について⑧何故我慢できない人が増えてるのか?(2)
我慢する事について⑧何故我慢できない人が増えてるのか?(2)
<前回からの続き>
今回は、
私が考える「我慢できない人が増えている原因」の2つ目である、
「情報過多」についてお書きしたいと思います。
②情報過多
つい、20~30年前までは
「何故こうなるのだろう?」という好奇心が湧いたり
モヤモヤが募った場合は、
本を読んだり文献を調べたりして
それに集中して自分なりの結論を出したり、
(こうした手間と時間をかけた思索は好奇心を満たしたり、
モヤモヤを解消する為の我慢と言えるでしょう)
「この学校や会社を辞めたら、人生がダメになってしまう」と、
自分にとって辛い環境を変える事がはばかられたり、
(その先の強い不快を避ける為の我慢)、
「俺には野球しかない!」とひたすら厳しい練習に明け暮れたり、
(その先の大きな快/報酬を得る為と強い不快を避ける為の我慢)
といった事がよく見られたと思います。
ところが
今の時代は、ネットやスマホ等の普及によって、
瞬間瞬間におびただしい情報がもたらされています。
そうなると、
「何故こうなるのだろう?」と感じたら、
ネットで検索すればすぐに”答え”が出て来ますから、
時間と手間をかけて我慢して思索する必要も無い訳です。
そして、こうした情報は”無数の選択肢”を与えてくれますので、
「私にはここしかない」
とか
「俺にはこれしかない」
といった考えには陥りにくくなるでしょう。
この無数の選択肢が提示される事で救われる人が多いと思いますが、
同時に、
目標や興味への執着が減少し、我慢する機会も減少してゆくでしょう。
更には、
「他人との交流で心を安定させる傾向が強い人」は
”推し”の動画を観る事によって、
また
「快刺激を得る事で心を安定させる傾向が強い人」は
お気に入りの面白い動画を観る事によって、
それぞれインスタントにそれを叶える事ができるでしょう。
ただ、
それらはあくまでも一方通行であったり、受動的であったり、
と感情や神経系の自己調整には繋がらないと思いますので、
感情を我慢(制御)できずにキレてしまう人の増加にも
影響を与えているのかも知れません。
次回は
「③」の刹那主義についてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>