発達障害の本当の原因を探る④ASDの特性はなぜ出現するのか?(1)
発達障害の本当の原因を探る④ASDの特性はなぜ出現するのか?(1)
前回までに、
神経発達症(ASD,ADHD等)の根本原因の一つは
強度の感覚過敏から来るものであり、
診断基準にある様な、様々な特性や気質は、ほぼ全て、
この強度の感覚過敏を持った人の防衛反応で説明がつくのではないか?
といった私の推察をお書きしました。
もし、そうだとしても
診断基準にある様な様々な特性や気質は
どの様に出現してゆくのでしょうか?
今回と次回では、
まずASD(自閉スペクトラム症)について、
そのメカニズムをお書きしたいと思います。
まずは、
「診断基準」のAの項目から見てゆきましょう。
診断基準A
社会的コミュニケーションおよび相互関係
における持続的障害(以下の3点で示される)
①社会的・情緒的な相互関係の障害。
②他者との交流に用いられる非言語的コミュニケーションの障害。
③年齢相応の対人関係性の発達や維持の障害。
↓
<特性出現のメカニズム>
・「①」について
⇒社会的・情緒的な交流は
安心・安全の感覚を感じている時にのみ行える。
ところが強度の感覚過敏を持っていると、
容易に相手に恐怖や脅威を感じてしまい、
防衛反応が働き続ける。
そうなると対人交流を行う事自体が難しくなるし、
そもそもそれを避けようとする。
(そして強度の感覚過敏故、ちょっとした事がトラウマとなり、
益々防衛的になって、過敏さがより強くなる
という事も起こるでしょう)
例:例えば、
普段は優しいお母さんが、たった一度怖い顔をして
声を荒げて我が子を叱ったとします。
そしてその子が強度の感覚過敏を持っていたとすれば、
それがトラウマとなってしまい、母を避ける様になったり、
本音を言わなくなったり、深い交流ができなくなってしまう
といった事もよくあります。
そして、
子は親や家族との関係性の中で人との距離感や交流の仕方
を学んでゆきますので、
それが防衛反応を伴うものであった場合は
学校や社会での交流も「感情や本音を出せない」、
「そもそも他人との交流を避けてしまう」等、
防衛的になるでしょう。
・「②」について
⇒他人とのコミュニケーションで、
身振り手振りや顔の表情、姿勢や態度、声の感じ
等の非言語的なコミュニケーションで
伝えようとか読み取ろうというものは、
「相手に自分の考えや気持ちをもっとわかってもらいたい」
とか
「相手をもっとわかってあげたい」といった、
ポジティブな交流を望んでいる事が前提になっている
と思います。
ところが、防衛的になっている為に、
そもそもが相手との交流を望んでいなかったり、
望んで居たとしても、
相手の表情や声色、態度に恐怖や脅威を感じてしまうと、
そこに引っ掛かってしまい、
言語的、非言語的なヒントを読み取る余裕が無くなって、
相手の言っている意味さえ理解がままならなくなる、
という事も起き得るでしょう。
或いは、そこまで防衛的ではない人の場合でも、
強度の敏感さのせいで、相手の雰囲気や態度、特徴等
「気になる部分」に引っ掛かると、
それにのみ集中してしまい、
それ以外の情報が入って来なくなる事もあるでしょう。
※以前お書きした様に、
私は①感覚過敏に纏わる神経系の部分と、
②相手の快不快を感じる部分、
③共感/思いやりや内省等の”想像力”が
必要な部分とはまた別のメカニズムがあると考えております。
もしそうなら、「②」「③」の部分が生まれつき少ない場合は、
他人は”得体の知れないもの”、或いは”興味の対象でないもの”
になりますので、
そもそも他者との交流を望まない、
という場合もあると思います。
・「③」について、
⇒上の「①」「②」で述べた様に、
強度の感覚過敏から防衛的な対人交流の様式を
繰り返し続けた場合、
年齢相応の対人関係性の発達は妨げられるでしょうし、
友人や恋人ができたとしても、
一度の不快な出来事で恐怖や脅威を感じてしまい、
防衛反応が働いて、その関係をあっさり断ち切って
しまうでしょう。
診断基準B
限定された反復する様式の行動、興味、活動
(以下の2点以上の特徴で示される)
①常同的で反復的な運動動作や物体の使用或いは話し方。
②同一性へのこだわり、日常動作への融通の効かない執着、
言語・非言語上の儀式的な行動パターン。
③集中度・焦点づけが異常に強くて限定的であり、
固定された興味がある。
④感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性、
或いは感覚に関する環境に対する普通以上の関心。
↓
<特性出現のメカニズム>
・「①」「②」「③」について、
⇒強度の感覚過敏を有している人は防衛反応が働きやすく、
すぐに不安/恐怖を感じたり、パニック/混乱状態に陥ったり、
すぐに傷ついたり、といった
交感神経系が優位な状態になります。
そして、同じ事を繰り返したり(常同行動)、
(興味の有る)一つの事に集中する事によって、
副交感神経系が優位な状態に持って行く、
つまりそれを落ち着かせる事ができる訳です。
・「④」について
⇒お書きしてる様に、
私は強度の感覚過敏が”特性”を形作っている一つの要因
だと考えますが、
感覚過敏から来る恐怖や不安、混乱等から逃れる防衛反応
のひとつとしての「凍り付き反応」が
常態戦略になっている場合は、
「何も感じない」といった”感覚鈍麻”と呼ばれる状態
になっている人も居ると思います。
つまり、「感じすぎて辛いから感じなくさせてる」訳です。
次回は、この続きの
ASD(自閉スペクトラム症)の診断基準「C」「D」に関して、
その特性出現のメカニズムを考察したいと思います。
<次回へ続く>
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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