反社会性パーソナリティ障害の原因

反社会性パーソナリティ障害の原因

<前回からの続き> 

 

前回の(架空の)でこの人は、

他者の不利益や社会的規範よりも、自身の利益や快楽を最優先している
 事から、自分にとっての「快刺激を求める」傾向が強く感じられます。

また、衝動的な行動を制御する能力が極めて弱いと考えられます。

反省をしない事、他人のせいにする事、相手の立場に立てないところから、
 自身を俯瞰で見る(メタ認知)共感力といった能力が極めて弱い
 と考えられます。

子供時代から一貫して「素行不良」が治らない事から、
 自分独自のルールや法律・規範・常識への(偏向した)拘りが持続している
 と考えられます。

 
 
以上の事から、

「反社会性パーソナリティ障害の原因」として、
以下の事が考えられると思います。




<反社会性パーソナリティ障害の原因>

(恐らく持って生まれて)「快刺激を求める」傾向が強い

②快刺激の方向性が「他人や物を自分の欲するがままに扱う事」に偏り、
 そこへの拘りが持続し固着してしまっている

 (まるで「俺が法律だ!」と、自分にとって都合の良い法律を作って、
 他人の制裁与奪の権利や物欲を満たす自由と権力を握った独裁国の王様
 の様です)

③自分を俯瞰する能力(メタ認知)の欠如、行動の制御不全、共感力の欠如
 が強くみられる

脳科学の研究では、

メタ認知=前頭前野と頭頂葉を含む高次脳ネットワークの関与

行動の制御=頭頂葉の頭頂間溝領域の関与

共感=内側前頭前野の関与

が明らかになりつつあります。

だとすれば、
前頭前野頭頂葉、それらを繋ぐ神経回路等に(先天的に?)特異性
を持っているのでは?と考えられます。 

この快刺激への衝動性や「支配欲」や「物欲」等を持っている事自体は
 珍しくないでしょうが、
(例えば昔散々やんちゃした人が「昔は無茶してたな~」と
 すっかり紳士になっている人も沢山居ると思います)
 大人になってもその傾向が持続する人は、
 この「③」の能力が極めて弱いからだと思います

もしそうだとすれば、
反社会性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

<次回へ続く>