夫や子供,部下の話を聴く技術①言葉の意味を理解し共有する
夫や子供,部下の話を聴く技術①言葉の意味を理解し共有する
目次
「夫とはいつも口論になってしまい、イライラがどんどん増えていき、
ストレスが溜まってしまいます」
「部下や子供が言う事を聞かないので、困っています」
口論や、相手が話を聞いてくれないという問題はお互いのコミュニケーションが
うまくいってない訳ですから、相手が「聞き方」や「伝え方」を変えようと
しない限りはこちら側の「聞き方」や「伝え方」を変えてゆくしか打開策はない
と思います。
そしてまずこちら側の「聞き方」を変えれば、相手の「伝え方」や
「話す内容」が変わり、それを受けてのこちら側の「伝え方」や「話す内容」も
自ずと変わってゆき、コミュにケーション自体も変わってゆくでしょう。
カウンセラーにとっての「お客様の話を聴く技術」は家族や職場、友人関係でも
役立てる事ができると思います。
カウンセラーの業界では「傾聴術」等の本や講座が沢山ありますが、
ここではその中でも皆さんがすぐに使える技術をお伝えしたいと思います。
<例題①相手の言葉の意味を理解し、共有する>
新婚家庭のA夫妻。妻は毎晩腕によりを掛けて手料理を作って夫の帰りを
待っている。
でも、夫はほぼ毎晩帰宅が遅くなるし、月に何度かは外食して帰って来る。
しかも妻が料理の準備をし終えた頃に「今日は晩御飯は、いらないよ」
という連絡が入るので、妻はイライラが募って来ている。
ー
妻「何で、毎晩そんなに遅くなるのよ!?それに外で食べて帰るのなら、
何でもっと早く連絡をくれないの!?」
夫「ごめんごめん。色々事情があって・・・」
妻「あなたはいっつも、そうやって言い訳ばかりして・・・。
私がどんな思いで独りで待ってるかなんか全く考えてくれないのね!。」
ー
新婚早々これでは、お互いにしんどくなりますよね。
まず「相手が使ってる言葉の意味」と「自分が考えてるその言葉の意味」は
違うんじゃないかな?」と疑ってかかり、相手の言葉の意味を理解する事が大切
だと思います。
例えばカウンセラーなら、
「職場の人間関係が辛いんです」というお悩みを抱えたクライアント様に
「職場の人間関係がお辛いんですね?」と伝え返すだけでは終わりません。
もっと情報を集めないと相手が言ってる「人間関係」や「辛い」という意味が
正確に理解できないからです。
→例えば「人間関係」とは「誰との関係なのか?」、「どういう人間関係なのか?」
「その人間関係はいつでも同じなのか?」、「本当はどういう人間関係になりたい
のか?」・・・等の情報を聞かない限りは理解できませんし、「辛い」という言葉も
「どう辛いのか?」、「どんな気持ちになって辛いのか?」、「その辛さによって
どんな支障が出てるのか?」、「どれくらい辛いのか?」・・等の情報が必要です。
そこでカウンセラーは、それらの言葉の理解を深める為に
「人間関係っておっしゃいますと?」と話を膨らませる質問を投げかけたり
「辛い、というお気持ちについてもう少し詳しく聞かせて頂けませんか?」
等と理解しようとする訳です。
上の例では夫の「事情」という言葉の意味の共有がされてないのかも知れません。
(※妻は事情=言い訳という意味で捉えていて夫が意味したい内容とは違う
のかも知れませんね)
もしここで妻が「事情って?」とか「あなたの事情を聞かせて」と言うと
夫側の事情が語られ、妻は「それなら仕方がない」と諦められるかも知れません。
それでは次回は母と子の間で、コミュニケーションがうまく行かない例題を基に
②相手の気持ち、目的を理解しようとするという事についてお書きしたいと思います。
夫や子供、部下の話を聴く技術②相手の気持ち、目的の理解
<例題②相手の気持ち、目的を理解しようとする>
母親Bさんは、いつも息子が嘘をついて勉強をサボるので困っている
ー
(※息子は自室でゲームに夢中)
母「今日の勉強終わったの?」
息子「うるさいなあ。終わったよ」
母「嘘おっしゃい!ノート見せなさい!」
息子(ゲームから目を離さず無視)
母「どうしてあんたはいっつも嘘ばかりつくの?!」
息子「うるさいなあ、出て行けよ!」
母「まあ、親に何て口のきき方するのよ!勉強もせず嘘ばかりついてると、
あんた自身が将来苦労するのよ!何でお母さんの気持ちがわからないの?!」
ー
何か、自分の子供時代を思い出して気恥ずかしさがありますが(笑)
このままだと母子どちらもストレスが溜まる一方ですよね。
何故そうなるのか?と言いますと、この母子の会話には「相手を理解しようとする事」
が欠けているからだと思います。
人は相手に自分の気持ちを理解して欲しくて言葉で伝えようとします。
「自分の気持ちをわかって欲しい」、 「どうしたい、どうしてほしい、
どうなりたい、という事を伝えたい」等々。
(※我が師匠の矢野先生は、相手の「feel」「do」「be」を常に理解しようとしながら
話を聴きなさい、と仰っておられました)
コミュニケーションがうまく行くコツは「相手がどんな気持ちをわかって欲しい
んだろう?」、「この話をされる事でどうしたいのか?どうしてほしいのか?
どうなりたいのか?」という事を頭のスミに置きながら、相手の話を聴く事です。
(※勿論相手を完全には理解する事は不可能ですが、その努力をする事が大切
だと思いますし、努力してる事が相手にも伝わるから、よりコミュニケーション
がうまく行く様になると思います。
ただ、「理解しよう」と思って聴いていても、中々うまく行かないのであれば
相手に聞いてみるのも一つの手段です。
⇒例えば、先程のBさん母子がカウンセリングに来られたとしたら
カウンセラー「今日の勉強は終わったの?」とお母さんが聞かれるのは、
どんな気持ちからですか?」
母「それは、勉強をして欲しいからです」
カウンセラー「お子さんが勉強しないとお母さんはどんな気持ちになりますか?」
母「そりゃあ、辛いですよ」
カウンセラー「辛いというのは?」
母「この子が学歴がない為に、主人の様に苦労するのは可哀想ですから」
カウンセラー「苦労させたくない、というお気持ちは息子さんに対するお母さんの
どんな気持ちからですか?」
母「息子を本当に大切に思っているからです」
カウンセラー「〇〇君。お母さんの今の言葉を聞いて、どう感じた?」
息子「・・・・」
カウンセラー「君が嘘をつくのはどんな気持ちからかな?」
息子「そうしないと、またしつこく怒られるから・・・」
カウンセラー「しつこく怒られるとどんな気持ちになる?」
息子「どうせ僕は兄ちゃんに比べてバカだし・・・」
カウンセラー「そう思ったらどんな気持ちになる?」
息子「悲しいっていうか、この家では僕なんかどうでもいい子なんだと」
カウンセラー「お母さん。〇〇君はどうでもいい子なんでしょうか?」
母「ま、まさか・・・。私にとっては大事な子です」
カウンセラー「じゃあ、〇〇君はお母さんにどんな風に言ってもらったら、
どうでもいい子だなんて勘違いせずに済むかのかな?」・・・。
カウンセラー「お母さんの方は、”本当に大切に思ってるよ”という事を伝える為には、
どういう言い方をしたらいいと思いますか?」
ー
これはあくまで架空の例ですが、相手の気持ちを聞く為の質問や
相手が何を伝えたいのか?の目的を知る為の質問は、ご家庭でも職場でも役に立つ
と思います。
(※ただし、しつこく詰問調にならない様にお気を付け下さい(笑))
それでは次回は子供の不登校を巡って夫婦の間で「お先真っ暗」のコミュニケーション
が続いてる例題を基に③聴く時の思考の枠を変える=リフレーム、によって
ネガティブな会話をポジティブに変えるという事についてお書きしたいと思います。
夫や子供、部下の話を聴く技術③思考の枠を変える=リフレーム
今回は相手の話を聴く時に自分の思考の枠を変える事によってネガティブな会話を
ポジティブに変える、という事を例題を基にお伝えしたいと思います。
<例題②聴く時の思考の枠を変える=リフレーム>
中二の息子が不登校でいつもその事を巡って父母の間でネガティブな会話が
繰り広げられて、二人ともうつっぽくなってしまっている。
ー
父「明夫は今日も学校行かなかったのか?」
母「ええ。朝起きれなくて・・・。もう半年になるわ」
(母の思考=そうよね、ずっと学校行ってないものね、とネガティブな部分に
焦点を当てている)
父「あいつは小さい頃から逃げてばかりだったよなあ」
母「ええ。スイミングや塾も厳しくされたら辞めちゃったし・・・。」
(母の思考=ここでもやはり、息子が逃げてきた場面に焦点を当てて考えている)
父「全く! 明夫の事はお前に任せてるんだから・・・。お前が甘いから
じゃないのか?」
母「・・・。」
父「このまま学校に行けなければ、あいつの将来はないんだぞ!」
母「そんな事わかてるわよ!私だってパートしながら一生懸命頑張って来たのよ!
あなたこそ全部私に任せっきりじゃない!」
(母の思考=そうだ、息子の将来はないんだ。でも自分の事を棚に上げて
私ばっかり責めてる旦那に腹が立つ)
父「何を!・・・」
ー
→このままでは、父は増々イライラして、母は夫との関係性も悪くなるだろうし、
自分を責めてうつっぽくなるかも知れない。
しかも、夫婦間でネガティブな会話が続く限りは解決策に目が行かず、
子供への働きかけも変化せずに、不登校は維持される可能性は高いでしょう。
では、どう思考の枠を変えてポジティブな会話に持って行けるのでしょうか?
例えば「母」側で考えると、
ー
父「明夫は今日も学校行かなかったのか?」
母「ええ。朝起きれなくて・・・。でも先週は3か月ぶりに学校に行ったのよ」
(母の思考=「学校に行った日」というポジティブな面に焦点を当てている)
父「でも、一日だけだろ?あいつは小さい頃から逃げてばかりだったよなあ」
母「でも、習字は最初全然ダメだったけど、頑張って賞を取ったじゃないの!」
(母の思考=息子が逃げずに達成した場面に焦点を当てて考えている)
父「あれは・・・。 でも明夫の事はお前に任せてるんだから・・・。
お前は少し甘いんじゃないのか?」
母「あなたも心配なのはわかるけど。」
(母の思考=夫も息子の事を大切に思ってるから腹が立ってるんだ)
父「でも、俺はあいつの将来が心配なんだ!」
母「勿論よ! あの子は習字がうまいから、芸術系かなあ?
ねえ、あなたはあの子は将来何で食べて行けると思う?」
(母の思考=息子の将来に目を向けて、息子の長所や”ウリ”を探そうとしている)
父「芸術系か・・・。そう言えば、あいつこの前俺が昔弾いてたギターを
勝手に触って壊したよなあ。そうだ、今度俺がギター教えてやるか!」
母「いいわね!是非お願いするわ!」
ー
とまあ、実際にはこんなにうまく行くかはわかりませんが(笑)
息子への見方や働きかけが変われば息子自身が変化する可能性が高まります。
カウンセラーもクライアント様の思考の枠を変えるのではなく、
まず自分の思考の枠を変えて行くから、自ずとクライアント様の思考の枠も
変わってゆくのだと思います。
意欲に欠ける生徒や部下を持った人へ
「あの子は学習に取り組む意欲が全くない」
という親や先生や
「私の部下は仕事に対する意欲が感じられない」
という上司。
「意欲」とは、「欲求」と「意志」が揃って働いて
初めて目に見える言動に現れてくるものです。
そして「欲求」とは「快」の感情を求め、
或いは逆に「不快」な感情を避ける為に行動に駆り立てる力の事を言います。
一方「意志」とはその欲求を行動として現すか、それとも抑えるか、を決定する
ものです。
ですから、単に「意欲がない」と言っても「欲求」がそもそも無い場合と
「意志」がそれを抑えようとしてしまってる場合とがあるはずです。
そしてこの「欲求」は動機づけがきっちりなされているか?にかかってくる
と思いますし、「意志」は不安の影響を受けると思います。
(※そもそも「欲求」自体が本人のものではなく、親や教師、上司のもの
である場合は、本人の欲求としていかに動機づけがなされるか?が大切
だと思います。
ただ、いくら動機づけをしようとしてもできない場合は、
親や教師、上司の欲求自体を変えてゆく必要があるでしょう)
ー 例えば、
「勉強しないと、あなたの望む人生は手に入らないわよ」
というスタンスで子供を励ましてきた親がいるとします。
これでこの子は「不快」な感情を避ける為に「意欲」が出て勉強する訳です。
所が、そのうちに「親の言う通りにしている自分て何なんだろう?
将来どうなっちゃうんだろう?」という不安や
「確かに勉強はできる様になったけど、クラスで浮いちゃってる。
どうしたら友達できるんだろう?」等と、それ以上の不安が頭をもたげて来て
「意志」が「欲求」に”待った”をかける訳です。
その様に、そもそもの動機付けの段階で「〇〇しないと△△になってしまうぞ」
とやってしまうと(負の動機付け)「不快」を避ける為の欲求ですから、
常に不安と隣り合わせになってしまいます。
というのは「欲求」という前提自体が不安に支配されていますから、
「意志」も不安ばかりを拾って、それを避ける為に”負に動機づけられた”欲求
ばかりを増やしてゆくでしょう。そして身動きできなくなる・・・。
※勿論そんな中でも意欲を失わず目標を達成する ”強者”もいるでしょうが・・。
では、「欲求」自体を「快」の感情を求めるといった「正の動機づけ」に
変えれば意欲は保ち続けられるのでしょうか?
これも、一概にそうだとは言えないと思います。
確かに「〇〇をすれば△△が手に入る」という動機付けはいいとは思いますが、
それが手に入らなさそうだと感じたり、興味を失ったり、逆に手に入ってしまった時
に「意志」が待ったを掛け、「欲求」がしぼんでしまうでしょう。
そういった時には
「それをしたらどうなれる?何が手に入る?」
「それをしなかったらどうなっちゃう? 何を後悔する?」等と
再度動機づけを促すか、
「本当はどうしたいの?どうなりたいの? 何が欲しいの?」
「そうなったとしたら、どんな気分になる?」
等と、新たな欲求を喚起させるか、という援助が必要だと思います。
そして、動機付けされた「欲求」が作られれば
「それを達成する為に行動するとして何が不安?」
「その不安を少しでも減らす為にはまず何ができる?」
等と「意志」の不安を取り除く援助も必要かも知れません。
つまり、大切な事は常に「負」の動機づけ一辺倒や「正」の動機づけ一辺倒
にならない様にバランスを取り、必要とあらば再度「欲求」を見直してゆき
変えて行く事。 「欲求」に”待った”をかける「意志」の不安をあぶり出し、
その不安を少しでも和らげる策を一緒に考えて実行してもらう、
という事だと思います。
#人間関係の悩みのカウンセリングについては、
こちらにおお書きしてますので、ご参照ください
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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