発達障害の悩み/苦しみから抜け出す方法⑧環境調整
発達障害の悩み/苦しみから抜け出す方法⑧環境調整
<前回からの続き>
障害者差別解消法によって
発達障害も含めて
障害のある方が他の人と同じように社会参加できるように、
その特徴に応じた支援や調整を行うといった
「合理的配慮」が定められ、
2024年4月からは行政機関だけでなく
事業者にも義務化されました。
この合理的配慮とは支援側に過度な負担をかけずに、
可能な範囲で障害に起因する困難を解消すると言うもので、
発達障害と呼ばれる人にとっても朗報であると思います。
ここで
私が少し違和感を感じるのは、
例えば
ご高齢の方や身体にハンディキャップを持っている方に配慮する、
というのは高齢者が若返ったり、車いすがいらなくなったり、
目が見えたり耳が聞こえる様になるのは殆ど不可能に近い事
だと考えられますので、当然の事だと思いますが、
こと発達障害に関しては、これまで述べてきた様に、
「遅滞している神経系を発達させる事ができる」
と考えておりますので、
まるで「発達させる事は不可能」といった前提がある様に
感じてしまうのが
その違和感の原因だと認識しております。
ただ、
私が述べてきた発達障害、つまり発達が遅滞していると考えられる
神経系の発達を促す為には、
今置かれている環境では難しいという場合もある
と思います。
そういった場合は、
一旦環境を変えてあげる事や
発達障害から来ていると考えられる二次的な症状を
薬で一旦抑えるという事も有効だと思います。
例1:
(架空の中学生男子の例)
中学受験を経て入学した学校には
知っている子が居なくて馴染めず、
休み時間に話せる級友もいなかった。
吹奏楽の部活に入ったがそこでも孤立し、
おまけにある事で顧問の先生に大声で叱られて
恐怖で凍り付いてしまった。
その事があってからは朝目が覚めても体が動かなくなり、
学校へ行く事ができなくなった。
⇒適応障害やうつ等の可能性があるので、
一旦休ませて投薬治療やカウンセリングを受けさせ、
また、親御さんが担任や顧問の先生とも相談する。
それでも改善しないのであれば、休部/退部、転校等の
”環境を変える”働き掛けが必要かも知れません。
けれども、
そればかりに頼っていれば、
発達遅滞を起こしている神経系の発達は”生じない”とは言いませんが、
遅々として進まないという事になってしまう恐れもあります。
そうなると、
環境を変え続けて、また違う環境でも同様の
或いはまた別の苦しみが続いてしまう等、
”逃げ場”の選択肢が無くなり、
より行き詰ってしまうかも知れません。
また、
薬物で二次的な症状を一時的に抑えても
本質的な部分(発達遅滞を起こしている神経系)が
変わらない限りは、その人が本来持っている能力が
充分発揮されずに終わってしまう、
といった大変勿体ない事が起きてしまうのでは?と思います。
例2:
(架空の事務職の女性の例)
どこの会社へ入っても、自分に対して素気なかったり、
冷たく注意してくる人やイライラしてる人が気になって
「私は嫌われてるんだ」
と、いたたまれなくなり、
その度に会社を辞めて転職を重ねている女性。
今の会社でも、誰も話し掛けてくれないし、
歓送迎会などの行事に自分だけ誘われず、
周りはみんな自分に興味が無い様に感じて、
「やっぱり私はここでも必要とされていいないんだ」
と感じ、
朝起きると動悸がする様になった。
或る日、
上司に自分のミスを厳しく叱られ、
周りの先輩や同期の人達から見下される様な目で見られた。
その夜帰宅すると、
「あんたは仕事ができないのになんでこの会社にいるのよ!」
「あんたは邪魔なのよ!」「そうそう、私達の足を引っ張るのなら、
居なくなったらいいのに!」(⇒皆の”クスクス”といった笑い)
といった声が聴こえる様になった。
⇒統合失調症というよりも、
恐らくASDやHSP等の
過度の感覚過敏から来る妄想性障害等
に当たると思いますが、
まずは会社を休んで
抗不安薬等の投薬治療が必要だと思います。
但し、
どこへ行っても同じ様な状態に陥るのであれば、
不安/恐怖等の感情を自己調整したり、認知を変える
といった働きかけを行う事ができるカウンセリング
を受けた方が良いと思われます。
※障がい者雇用枠で働く時の注意
ASDやADHD等「発達障害」と診断された方が
障がい者雇用枠で働こうと思われる場合は、注意が必要です。
といいますのは、雇用する側の会社や現場の社員は
必ずしも発達障害に理解が深い訳ではありません。
データの入力や転記、軽作業等の所謂「単調な仕事」
を任せられる事が多いと思います。
ここで、
ASDの特性が強い人は、前述の様に
(感覚過敏から来る不安定さを)”刺激を無くす事で安定させる”
傾向があると考えておりますので、
静かな環境で黙々とルーチンワークをこなす、
といった刺激が少ない環境は合っていると思います。
ところが、
ADHDの特性の方が強い人は、
(感覚過敏から来る不安定さを)”刺激を得る事で安定させる”
傾向があると考えておりますので、
誰も話さない静かで単調な刺激が少ない環境では、
安定しないと考えられます。
ですから、
特にADHDの特性の方が強い人は入社前に
「単調な仕事ばかりでは無いか否か?」
「和気あいあいとできる職場か?」「仕事を頑張れば承認や
労い、褒めてもらえるのか?」等、
快刺激を得られるか否かをチェックしておく事
が望ましいでしょう。
(はからずも刺激が少ない職場に入ってしまったら
仕事終わりや休日に快刺激(ご褒美)を沢山用意しましょう)
<次回へ続く>
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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