発達障害の悩み/苦しみから抜け出す方法④感情の自己調整力の習得

発達障害の悩み/苦しみから抜け出す方法④感情の自己調整力の習得

<前回からの続き>

 

 

前回までのヒントを基に、

「メタ認知」(自分を客観視する)に纏わる神経系の発達を促す事が
(ある程度)進めば、

発達障害の寛解(診断基準から外れる事)
や

二次的な症状や主観的な生き辛さから抜け出す為に、

これも発達遅滞を起こしていると考えられる
「感情の自己調整」に纏わる
神経系の発達
を促してゆきましょう。

 

ASD(ADHD)やHSPといった極めて敏感な人は、
些細な事で傷つき、トラウマを非常に受けやすい
と考えられます。

そうした場合は、
「逃げる」「戦う」「凍り付く」等の防衛反応が起動しやすく、
常に、
自分を害する可能性や不利益をもたらすと感じられる相手や物事に対して

恐怖や不安を感じて、「敵の襲来」に対して準備し続ける
でしょう。

 

ここで、
それらの恐怖/不安、怒り、恥等の感情の調整ができずに、

ずっと続くと社会生活に悪影響を及ぼすでしょう。
(以前お書きしたRSD=拒絶過敏症や
  対人恐怖、誰かを恨み続ける、等も)

 

もしそんな事が生じているのであれば、
感情の自己調整機能に纏わる神経系の発達遅滞が考えられます。
(※愛着の形成不全=愛着障害でも、そうなる事が考えられます)

ですから、
「感情の自己調整」に纏わる神経系の発達を促す(または新たに造る)
事が大切だと思います。

以下にその具体的なヒントをお書きします。

 

 

 

<④「感覚過敏」や「トラウマ」による過度な反応
          を抑える為の「
感情の自己調整」に纏わる
    神経系の発達を促す
(または新たに造る)>

 

 

(1)”自分”と感情/感覚を区別し、
     それらにアイデンティティを与える

前にもお書きしましたが、
「僕が不安だ!」とか「私が腹が立ってる!」等、
自分=感情/感覚になると自分でそれらを調整できなくなります。

ですから、
自分と感情や感覚を区別してゆく必要があります。

その為には、
「僕の中に居る”イライラ君”」
とか

「私の胸の中に”不安ちゃん”が出て来た」
等と、

感情/感覚に全て親しみやすい名前を付けてゆきましょう。

感情/感覚に名前を付ける(=アイデンティティを与える)と
自分と区別でき、ケア(感情調整)しやすくなります。

 

 

(2)感情/感覚が出て来た時に”自分”で気づく

自分=感情/感覚になった途端に感情の自己調整は不可能
となりますので、

自分の中の感情/感覚の調整をし終えるまでは、
”自分”と感情/感覚が
一体にならない様に、
常に分け続ける必要があります。

ですから、
何かの刺激(引き金)で感情/感覚が出て来たと感じたら、
それに気づきましょう。
(一体化してないから気づける訳なので、
  常に気づく様に意識しましょう)

 

例「あっ!イライラ君が今出て来た!」 
        等。

 

 

(3)感情/感覚を”自分”が理解しようとする

以前にもお書きしましたが、

ASD等の所謂発達障害と言われる人は
相手の立場や気持ちを想像し、理解しようとする
「考える共感」(認知的/社会的メタ認知/心の理論)
に纏わる神経系の発達が不十分だと考えられています。

ただ、
「共有する共感」(情動/感情的)
と
「配慮する共感」(思いやり/慈悲的)
に関しては
定型発達の人とそう変わらない様ですので、

「考える共感」に纏わる神経系を発達させれば、
「配慮する(思いやり/慈悲的)共感」がうまく働く

と考えられます。
(スミス (2009)の不均衡な共感仮説)

ですので、
まずは自分の中の感情/感覚を理解してあげる事
から
始めてみましょう。

その為には、
彼ら彼女達の訴えを聴いてあげましょう。

例:自分「あっ!イライラ君が出て来た!」
  ⇩⇩ ⇩⇩
  (「イライラ君は僕の身体のどの辺に居るかな?」と感じてみる)

  ⇩⇩ ⇩⇩
  (この場合は後頭部にイライラ君を感じたとすれば)
  自分「(後頭部のイライラ君に)何でイライラしてるの?」
  ⇩⇩ ⇩⇩

  イライラ君「だって、学校へ行くのがどれだけ辛いかって
  ママは全くわかってくれなくて、
       ”また休むの?”と怖い顔で
訊いてくる!」

 

 

 

(4)感情/感覚に思いやり(配慮する共感/慈悲) 
      を向ける

 

上の「(3)」を通して、

自分の中の感情/感覚達が「何故そう感じているのか?」
を理解出来たら、

その子達に思いやり(配慮する共感/慈悲)を向けてみましょう。

※思いやり(配慮する共感)とは、
    相手が置かれた辛い状況を理解した上で、

 少しでも状況を良くしたり楽にさせようと、
 具体的に心を配ってアクションしようとする事です

 

例:自分「そっか~それでイライラ君はイライラしてるんだよね」
  ⇩⇩ ⇩⇩
  自分「じゃあ、どうすれば君は楽になれる?
                    僕は君を助ける為に
何でもするつもりだけど、
                    どうして欲しい?」
  ⇩⇩ ⇩⇩

  イライラ君「まずは僕の気持ちをわかって欲しい!」
  ⇩⇩ ⇩⇩

  自分「一番わかって欲しい人にわかってもらえなくて辛かったよね!
     そりゃ、イライラするよ! 
                    でも僕がわかってるから大丈夫だよ!」

    と、(イライラ君を感じる後頭部を撫でてあげる)
  ⇩⇩ ⇩⇩

  イライラ君「君にわかってもらえた事は嬉しいけど、
                本当はママにもわかって欲しい!」
  ⇩⇩ ⇩⇩

  自分「そうだよね!
                    ママにもわかってもらえたら、もっと楽になるよね!

     そうだ! 口で伝えにくかったら、
                  ”どれだけ学校が辛いか?”を
言ってくれたら、
                    それを僕が書き出して、まとめたのを

      ママにLINEで送ってあげるよ!」     

 

※これを行う為には、 
 前述の<③「メタ認知」(自分を客観視する)に纏わる神経系の
 発達を促す>がある程度なされていないと難しいと思いますので、

 そういった場合は「③」の神経系の発達を優先してください  

※これを行う事は、
 先天的なASD(やADHD)と呼ばれる人が苦手な

 「相手の立場に立って考える事」、
 即ち
 「考える共感(=社会的メタ認知)/心の理論」
 に纏わる神経系の発達を促す事
にも繋がってくると思われます。

 何故なら、
 自分の感情達を自分と切り離して”他者”とし、

 その感情達の立場に立って考える事が訓練されてゆく
 と考えられるからです

 

 

次回からは、
発達障害(特にASD)と言われる人に特徴的な
「相手の立場に立って
考える事ができない(苦手)」事
の要因であると考えられている

「考える共感」(=社会的メタ認知/心の理論)
に纏わる神経系の発達遅滞に関して、

その神経系の発達を促す具体的なヒント
をお書きしたいと思います。

 

<次回へ続く>

 

#発達障害のカウンセリングについては、こちらをご参照下さい

プロフィール

のぶさわ 正明
のぶさわ 正明心理カウンセラー・自己実現コーチ
・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
  心理療法カウンセラー
  不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員

2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。

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