発達障害は発達させる事ができる

発達障害は発達させる事ができる

<前回からの続き>

 

私は、

発達障害(ASD/ADHD/(S)LD等)は、
 ある部分の神経系の発達の遅滞によるものであり、

 それを発達させる事ができれば
 診断基準にある様な様々な”病態”や
 発達障害から来る二次的な障害の解消が可能であり、

 結果として診断基準から外れるという意味での
 寛解や
生き辛さからの脱出が可能である」

と考えております。

 

そこで今回からは、

「いかに発達遅滞を起こしている神経系を発達させたり、
 新しく造る事によって生き辛さを解消するか?」

についてのヒントをお書きしてゆきたいと思います。
  

まず初めに
今迄もお書きしてきましたが、

数多くの所謂「発達障害=ASD/ADHD/(S)LD等」
と診断を
受けた人達

「グレーゾーン」と言われた人達の臨床経験を基にした

その原因に対する私の推察を改めてお書きします。

 

 

●ASDの原因

(1)極めて強い感覚過敏を持っている
 
 (自分にとっての)快/不快といった
 刺激に対する過敏さを持っている為に、
 (不快)刺激によって不安定になり易い。

 ※.感覚鈍麻が見られる場合もあるが、
  これは
 強い不快刺激に対する
  ポリヴェーガル理論で言うところの

   背側迷走神経系による「凍り付く」
  といった防衛反応なのでは?

  と考えております

 

(2)「考える共感(=社会的メタ認知)」や
      「メタ認知」に纏わる
神経系の発達遅滞

相手の立場や気持ちを想像する「社会的メタ認知(考える共感)」

自分が周囲にどう見られているか?どう思われているか?
等と自分を俯瞰(客観視)する「メタ認知」といった
”想像力”に
纏わる神経系の発達が滞っている

※.先天的に感覚過敏を持っている場合(HSPを含む)で、
 何らかの理由で愛着の形成不全(愛着障害)が生じた場合は、

 (対人交流等の)社会的適応におけるトラウマを負い易く、
 感覚過敏と防衛反応が極端に強くなり
 不安や恐怖や”恥”、
怒り/恨み、希死念慮等の
 ネガティブな感情も生じ易くなる。

 しかも、
 愛着障害によって感情の自己調整機能を働かせる事ができず、

 感情や思考をコントロールできなくなり

 「(2)」の神経系の発達が滞っていなくても
 ASDの診断基準を満たしてしまう事もある
 (後天的なASD)でしょう

※.虐待やネグレクト等のマルトリートメントを受けて育った人も、
 トラウマを受けて(後天的に)感覚過敏になるでしょうし、
 愛着形成が成されないケースも多いでしょう。

 そんな状況ですから、必然、防衛反応が強くなり、
 感情のコントロール不全に陥ったり、

 (他人の事よりも自分が生きながらえる事で精一杯になるので) 
 「(2)」の「社会的メタ認知(考える共感)」に関連する
 「心の理論」を形成する神経系の発達が後天的に滞ってしまう
  場合もあると思います。

 そしてそうなるとASDの診断基準を満たしてしまう
 事もある(後天的なASD)でしょう

  

(3)先天的に(不快)刺激を無くそうとする事で
   安定する傾向が強い

 強い感覚過敏、つまり
 (自分にとっての)快/不快といった
刺激に対する過敏さ
 を持っている為に、
(不快)刺激によって不安定になり易い。

 だから
 心を安定させるパターンを強く必要とするが、

 ASDタイプの人は先天的に
 ”(不快)刺激を無くそうとする事で安定する”
 という傾向性
を多く持っていると考えます。
 
 ※.例えばASDの人にとっては、
   慣れない場所や見知らぬ人との交流、

   馴染みの無いルール・規範、ハプニング等は
   新規の強い(不快)刺激になります。

   だからそういった
  (脅威を含んでいるかも知れない)馴染みの無い刺激

   を無くす為に、

  「常同行動」や「こだわり」、
   何か(興味がある事等)への過集中といった
   自分なりの武器である行動や思考のパターン
         を作り上げ、

   心を安定させているのだと思います

 

 ※.敏感なのですぐ不快を察知し、しかも
   (不快)刺激を無くす事が優先されますので、

   例えば「不安」という不快刺激に対して
         逃げずに取り組む訳ですから、

   老後の不安の為に節約してコツコツ貯金したり、
   テストで悪い点を取って怒られたり恥ずかしい思い
         をする事が
不快な人は、

   好きでもない科目の勉強もコツコツする、
         といった努力や我慢
ができる人もいるでしょう。

   但し、
   自力で無くす事のできない不快や不安等については、
   その不快を回避しようとしたり(不登校や引きこもり等)、

   対処不能な不安を無くそうとする余りに
   却ってそこに集中し続けてしまい、  
   頭の中をぐるぐる廻ってしまう事もあると思います。
  (不安障害やうつ、強迫性障害等等に繋がる場合もある)

   更に、トラウマ等の
  どうしても自力で無くす事ができない不快
に対しては、

   特にADHD(=衝動性)がミックスされていた場合は
   それを無くす為の極端な行動、例えば自傷行為や
   家で暴れる等で逃れようとする場合もあると思います
 

 

●ADHDの原因

 

(1)極めて強い感覚過敏を持っている
 
 (自分にとっての)快/不快といった
 刺激に対する過敏さを持っている為に、

 特に「不快刺激」と「無刺激」(刺激が無い状態=退屈)
    によって不安定になり易い

 

(2)「考える共感(=社会的メタ認知)」や
      「メタ認知」に纏わる
神経系の発達遅滞

相手の立場や気持ちを想像する「社会的メタ認知(考える共感)」

自分が周囲にどう見られているか?どう思われているか?等と
自分を俯瞰(客観視)する「メタ認知」といった”想像力”

に纏わる神経系の発達が滞っている

※.先天的に感覚過敏を持っていて
 且つ下記の「(3)」を満たす人(HSS型HSPを含む)で、

 愛着の形成不全(愛着障害)+対人交流等でトラウマを負った場合
 や
 虐待やネグレクト等によって後天的に感覚過敏になった人は

  (上のASDの「(2)」で述べた様に)
    この神経系の発達が
後天的に滞る事もあるでしょうし、
 たとえ滞っていなくても
 ADHDの診断基準を満たしてしまう事もあるでしょう
 (後天的なADHD)

 

 

(3)先天的に(快)刺激を得る事で安定する傾向が強い

 強い感覚過敏、つまり(自分にとっての)快/不快
    といった
刺激に対する過敏さを持っている為に
 不快刺激や無刺激によって不安定になり易い

 だから心を安定させるパターンを強く必要とするが、

 ADHDタイプの人は先天的に
    ”()刺激を得る事で安定する”
    という傾向性
を多く持っていると考えます。
 
 ※.例えばADHDの人にとっては、
   自分にとって興味の無い話題や
   退屈な授業、冷めきった夫婦関係、
   ルーチンワーク等は無刺激や不快(ストレス)を感じて

   安定する為に快刺激を必要とするでしょうし、
   それが難しければ、
          何でもいいから刺激を作り出そうとするでしょう。

   例えば、
   (自分にとって)面白い話題で皆を笑わそうとしたり、
   或いは自分の考えを話をす事(言語化)に快を感じる人は
   TPOをわきまえず(場の空気を読まず)
   一方的に話し続けたり、

   退屈を感じた時に、
         貧乏ゆすりやペン廻し等の刺激に興じたり、

   冷めきった夫婦恋人関係(無刺激)に対して、
         刺激を作りだす為に
喧嘩を吹っかけたり、

   ルーチンワーク(無刺激)でストレスが溜まり、
   頻繁にタバコを吸いに行ったり、

         空き時間や休日にギャンブルやお酒等で刺激を得て
         何とか安定させる、

   等といった事も出てくると思います。

 ※.ADHDタイプの人は、
       「今の(快)刺激」が
何よりも優先されますので
         ”常識的”な優先順位や約束を
守る事が難しかったり、

   先行きや物事の成り行きを想像した時に
   それが不安等の不快であったりした場合は、
   それにすぐさま蓋をして、
          衝動的に今の快刺激に飛びつくでしょう。

   またASDタイプの人も
     「(不快)刺激を無くす事」が最優先され、

   その為の自分なりの考え方や行動のルール(=こだわり)
         を
持っていると考えられますので、

   それが学校や会社等の外的なルール・常識
         と異なった場合は、

   結果として優先順位やルールを守れない、
   といった事も出てくると思います
  
※LD(学習障害)の原因については
     前回お書きしましたので省略します 
 

   

 

 

以上、
発達障害の原因に纏わる考察を基に、

「いかに発達障害の診断基準にある様な病態から外れ、
 二次的な障害から抜け出して生き辛さを解消するか?」
を考えますと、

①発達(寛解/治癒)へのモチベーション(動機づけ)
    を高める

 

②安心・安全の場を確保し、防衛反応を緩和する

 

③「メタ認知」(自分を客観視する)に纏わる神経系
     の発達を促す

 

④「感覚過敏」や「トラウマ」による過度な反応
    を抑える為の「
感情の自己調整」に纏わる
 神経系の発達を促す
(または新たに造る)

 

⑤「考える共感(=社会的メタ認知)/心の理論」
 に纏わる神経系の発達を促す

 

(その上で必要に応じて)SSTや認知行動療法等の
 教育/訓練
によって社会的な適応を目指す

 

(それでも難しい場合は)環境調整や薬物治療を検討する

という事が大切だと思います。

 

 

次回からは
発達障害の病態や症状等の生き辛さから抜け出す為の
具体的なヒント
をお書きしてゆきたいと思います。

 

<次回へ続く>

 

#発達障害のカウンセリングについては、こちらをご参照下さい

プロフィール

のぶさわ 正明
のぶさわ 正明心理カウンセラー・自己実現コーチ
・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
  心理療法カウンセラー
  不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員

2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。

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