学習障害(LD)=限局性学習症について②原因
学習障害(LD)=限局性学習症について②原因
前回は、
「学習障害(LD)=限局性学習症」の診断基準と定義
をお書きしましたが、
今回は
その(考えられる)原因についてお書きしたいと思います。
<学習障害(限局性学習症)の原因>
●読字障害(ディスレクシア)の原因
fMRI(脳機能イメージング)で
ディスレクシアの脳を調べた研究報告では、
この文字と音を結び付ける「デコーディング能力」に関わる
「左頭頂側頭部(縁上回、下頭頂小葉)」の活動の弱さと、
文字のカタチを捉えたり、
文字列をひとまとめの単語として認知する
「視覚認知機能」に関わる「左下後頭側頭回(紡錘上回など)」
の活動の弱さ等、先天的な脳機能の問題が挙げられています。
●書字障害(ディスグラフィア)の原因
音を文字の形態として想起するのに必要な
角回や縁上回(下頭頂小葉)の働き、
書字運動を想起するのに必要な頭頂間溝の働き、
書字運動として出力するのに必要な補足運動野や運動前野の働き、文字を”形”として想起するのに必要な側頭葉の紡錘状回の働き、
文字の形と音との整合性を確認する角回の働き、
文字の配列や文法に関わるブローカ野の働き、
文字の大きさを決定する大脳基底核の働き
等のうち、
脳のどこかの認知処理の部分に問題がある為と考えられますが、
まだはっきりとはわかっていません。
●算数障害(ディスカリキュア)の原因
数を数として認識するのに必要な
視覚情報処理・空間認知に関わる脳部位の働き、
短期記憶に関わるワーキングメモリー等の脳部位の働き、
筋道や見通しを立てる(推論する)事に関わる脳部位の働き、
等の問題が考えられますが、
これもまだはっきりとはわかっていません。
●※その他の考えられる原因
国立精神・神経医療センターでが行った研究では、
学習障害と診断を受けた人のうちの53%に
ADHD(特に不注意優勢型)が見られ、
12.5%にASDが見られたとの事です。
ADHD傾向が強い人は、
衝動性が強く、学習に集中できない事があったりしますので、
結果として「学習障害」の診断基準に当てはまる様な
様々な”症状”が出現する可能性は高まると思います。
(以前もお書きしましたが)私は、
「ADHDと呼ばれる人は、(自分にとっての)快/不快といった
刺激に対する過敏さを先天的に持っている為に、
不快刺激によって不安定になり易い。
加えて、
先天的に”(快)刺激で安定する”といった傾向が強いと
考えられる。
その為、
常に(快)刺激を得る事にアンテナを張り続けている。
それ故、
不快/無快から来る不安定さから逃れる為に
(快)刺激を探し続けている時は、注意散漫/不注意になり、
(快)刺激が見つかった時には衝動的にそこへ向かい、
短時間ではあるが、そこに過集中する。
だから不快なものへの集中は困難となる」
と考えております。
(HSS型HSPにも当てはまる)
だとすれば、
例えば
「文章を読むのが嫌(不快)」であったり、
「字を書く事が面倒くさい(不快)」であったり、
「数字を見ただけで虫唾が走るほど嫌い(不快)」
「英語の授業はつまらない(退屈=無快)」
と感じていているとすれば、
そこへ集中できず、
五感や頭の中では、それらの不快から逃れる為の
快刺激を求めてフル回転してるでしょうから、
覚えたり積み上げてゆく、つまり学習してゆく事も難しくなる
のではないでしょうか?
一方、
ASD傾向が強い人はどうでしょうか?
私は
「ASDと呼ばれる人は、(自分にとっての)快/不快といった
刺激に対する過敏さを先天的に持っている為に、
(不快)刺激によって不安定になり易い。
加えて、
先天的に”(不快)刺激を無くそうとする事で安定する”
といった傾向が強い。
その為、
常に(不快)刺激を検知するためのアンテナを張り続けて、
いち早く(不快)刺激をキャッチする。
そして
(その不快刺激が自分のキャパを超えた時は
それから逃れようとするが)
多少の不快であれば、不快を無くそうとそこへ集中し、我慢・努力
する事ができる。」
と考えております。
(HSPにも当てはまる)
だとすれば、
ASDと呼ばれる人は
文章を読む事や書く事、英語や算数が苦手だとすれば、
その苦手意識(不快)を無くす為に、
それの習得に集中する事ができる為、
学習障害にはなりにくいのかも知れません。
但し、
不快を無くす事への集中(こだわり)が強すぎる場合、
例えば
「私は文字が汚いのが恥ずかしい(=不快)。だから綺麗に書こう!」
と、
一文字一文字や線の一本一本を綺麗に書く事に拘り過ぎると、
漢字や英語の単語を覚える余裕が無くなったり、
ノートを取る時の字に拘り過ぎると、
ノートは綺麗に仕上がっていても内容を覚えていない、
とか
「この前、先生に”文章の意味を理解できてない”と言われて
落ち込んだので(=不快)、一言一句丁寧に読もう!」
と
そこだけにこだわり過ぎるあまりに、
文章全体の意味が益々把握できなくなったり、
今、何行目を呼んでいるのか?がわからなくなってしまう、
等という事も起きるかも知れません。
※何割かでもADHD的な「(快)刺激で安定する」
といった要素を持っているASDの人は、
不快への集中もできるでしょうが、
不快が増えて対処が難しくなって来ると
自分にとっての快への集中の方が優先されると思います
もう一つ考えられる要因としては、
特にASDやHSPの人によくみられる
「視覚」「聴覚」「体感覚」等の
「特定の感覚の過敏さ」もあるかも知れません。
例えば、
個性的な服装と声をした先生や自分の好みの先生が
黒板に板書しながら説明してる時に
「視覚」に関する感覚過敏が強い人は、
基本は「見て覚える事」が得意でしょうが、
刺激が強すぎると先生の服装や顔や表情に
意識が集中して、話の内容が頭に入ってこない
事があるかも知れませんし、
(聴覚や体感覚はそれほど敏感でなければ)
「相手の話を聴いて覚える」事や
「書いて覚える」というのは苦手かも知れません。
また
「聴覚」に関する感覚過敏が強い人は、
基本は「聴いて覚える」事が得意でしょうが、
刺激が強すぎると
先生の特徴的な声や話方だけに意識が集中し、
板書をノートに写す事が疎かになったり、
肝心な話の内容に意識が向かなかったりする
かも知れません。
(視覚や体感覚はそれほど敏感でなければ)
「ノートや参考書を見て覚える」
とか
「書いて覚える」という事は苦手だと思われます。
同様に、
「体感覚」に関する感覚が過敏な人は、
見たり聴いたりして覚える事よりも
「書いたり触ったり」で覚える事の方が得意でしょう。
そして、例えば
視覚過敏なのに「話をちゃんと聴いて覚えよう」
とか聴覚過敏なのに「ノートに書いて覚えよう」
等と
自分の特性に合わない学習方法を続けると、
学習障害的な状態に陥る可能性もあると思います。
いずれにしても、
「学習障害」といった特性を持った子供本人は、
理解が無い先生や級友等の周囲の人から(時には親からも)
否定されたり、バカにされたり、時にはいじめに遭ったり、
等、大変辛い思いをする事もあるでしょうし、
親御さん自身も大きな不安を抱えてらっしゃる方が多い
と思います。
ただ、
学習障害にしてもASDやADHD等にしても
発達障害と呼ばれるものは特定の神経系の発達が滞っているのが原因
と考えられますので、
その発達を促せば改善できる筈です。
次回からは
発達障害を発達させ、生き辛さから脱出する為のヒント
をお書きしてゆきたいと思います。
<次回へ続く>
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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