何故、恐怖/不安を避けてはいけないのか?①
何故、恐怖/不安を避けてはいけないのか?①
目次
「外に出ると”汚染”されてしまう。
”汚染”された服で自分の聖域である部屋を汚したくないので、
外出から帰ると必ず服を洗濯し、念入りにシャワーを浴びます」
といった、「強迫性障害」に襲われている人。
「鳩(セミ)が怖いので、鳩(セミ)がいる場所を避けて通らないとダメです」
といった「恐怖症」に襲われている人。
「電車(バス)に乗ると、過呼吸を起こしたりパニック発作が起きるので、
電車(バス)に乗る事を避け続けています」
といった「広場恐怖症」(パニック障害)の人。
「皆の前で話す時に緊張で頭が真っ白になり、赤面・発汗・声や手の震え
が酷くなるので、そういう場面を避けています」
といった「社交不安障害」(社交不安症)の人。
「外に出ると、近所の人にどう見られるか?が怖くて・・・」
とずっと「引きこもり」を続ける人。
「こんな事言ったら、相手に嫌われるのでは?」
と不安で、自分の意見が言えない人。
「頭が痛いのは”脳梗塞”だ!・・・胃が痛いのは”胃癌に違いない”」
と体の不調を探してしまっては検査を受けまくり、「異常ナシ」と言われても、
次々と重い病気の心配をし続ける「病気不安症」(心気症)の人。
「彼は、私を見捨てようとしてるのでは?」
と不安で不安で、日に何十回もLINEや電話をしてしまう「見捨てられ不安」
が強い人。
・・・
不安や恐怖が強い人は殆どの場合、そうなる状況を避けたり、
安心する為の行動を取る事が多いです。
こういった行動を「回避行動」や「安全行動」と言いますが、
それらの行動を取り続ける限り、不安や恐怖が無くなる事はないでしょう。
と言いますのは、「回避行動」や「安全行動」をとればとるほど、
不安や恐怖は持続してしまうといった、悪循環が確認されているからです。
ですから、
「不安症」や「恐怖症」に苦しんでおられる方へのアプローチとして、
「(認知)行動療法の暴露療法」(「回避行動」や「安全行動」を避けて、
不安や恐怖に少しずつ身を晒してゆく)
や
「森田療法の恐怖突入」(恐怖から逃げずに対峙してゆく)等が有効です。
(※詳しくは、お気軽にお問い合わせ下さい)
それでは次回は、脳科学的な側面からも
不安や恐怖を避けない事の有効性についてお書きしたいと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
何故、恐怖/不安を避けてはいけないのか?②
前回お書きした様に、不安や恐怖に対して
「回避行動」
(例:パニック発作を避けて電車やバスに乗らない、恐怖の対象を避ける等)
や
「安全行動」
(例:汚染された手や体を念入りに洗う、病気の不安を無くす為に何度 も
検査を受ける、彼に見捨てられる不安を無くす為に頻繁に電話する等)
をとればとるほど、不安や恐怖は持続してしまうとお書きしました。
今回はその理由を最新の脳科学的な知見からご説明したいと思います。
理化学研究所の研究チーム等の報告によれば、
「感覚刺激++嫌悪刺激で恐怖条件付けを繰り返し続けると、
嫌悪刺激に対する扁桃体の反応が減少してゆく。
これは、
「予測誤差」が少なくなり、その予測が正確になればなるほど、
扁桃体の神経活動(興奮)がこのフィードバックによって弱まってゆく
と考えられる」
つまり、
恐怖を呼び起こす刺激を避けずに続けてゆき、
その度に不快感や恐怖、ドキドキ・バクバクを感じる事を繰り返してゆくと、
扁桃体の興奮、つまり「恐怖」(やその結果の反応)が弱まってゆく
というものです。
「予測誤差」が大きい=思いもかけない事が起こった時に
扁桃体が興奮して恐怖が強くなり、
逆に「予測通り」に恐怖や(やその結果の反応)が出てくれば、
扁桃体の興奮は弱まり、恐怖も小さくなる、という事です。
(初めて行くお化け屋敷は、どこからどんなお化けが出て来るか?
予測できないから怖いですが、
同じお化け屋敷に2度、3度行くと「次はあそこからああいうお化けが
出て来るぞ!」と予測ができますから怖さが減りますよね?)
例えば、
電車に乗るのが怖い「広場恐怖症」(パニック障害)の人は、
一番最初のきっかけは「予測外」のパニックだったのかも知れません。
そして、その時のあまりの恐怖に電車に乗る事を避け続けたとすれば、
「予測誤差」の修正が行われず、「いつまで経っても怖いまま」になる、
という事です。
それでは、「どうすれば恐怖/不安を克服できるのでしょうか?」
そのヒントを次回からお書きしたいと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
どうすれば恐怖/不安を克服できるのか?①
今回からは、
「どうすれば恐怖/不安を克服できるのか?」
について、脳科学的な知見を交えてお書きしてゆきたいと思います。
まず最初にお断りしておくべき事として、
恐怖/不安の克服には、「正しいやり方」を「根気強く」行う必要がある、
という事です。
と言いますのは、
例えば、電車に乗って、何度かパニック発作が起きた
→電車に乗る事を考える度に恐怖が襲ってくる、
→それ以来、電車に乗る事を避けている、
といった場合は、
「電車に乗る事や乗るのを考える事」(感覚刺激)
+
「恐怖を感じて胸がドキドキする」(嫌悪刺激)
→電車に乗る事=恐怖/パニックが起きる、
といった「恐怖学習」による「恐怖記憶」が形成されている訳です。
そして、
「電車」=「怖い」というイメージを繰り返す事で、
脳内の神経細胞の結合や神経伝達物質の伝達が強化されてゆきます。
(これを「長期増強」と言います)
これを覆してゆくためには、
「電車」=「何も起こらない」といった「消去学習」によって、
脳内の神経細胞の結合や神経伝達物質の伝達を弱めて行く作業が必要です。
(これを「長期抑圧」と言います)
ですから、長期的に”増強”された恐怖を抑圧(=減少)させてゆく為にも
時間がかかる訳です。
但し、
脳の神経細胞には「シナプスの可塑性」というものがあって、
時間はかかっても変化させてゆく事が可能である事が証明されていますので、
ご安心下さい。
※恐怖や不安を感じながらの根気強い訓練が必要ですので、
できればカウンセラーとご一緒に進めて行かれる事がベストだと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
どうすれば恐怖/不安を克服できるのか?②
今回からは、
「恐怖/不安を克服する為の具体的な方法」
をお書きしてゆきたいと思います。
まず、
脳科学的な知見も鑑みた上での私なりのポイントをお書きしたいと思います。
<恐怖/不安を克服する為のポイント>
①恐怖/不安から逃げない
→恐怖/不安から逃げる事になる「回避行動」や「安全行動」は
恐怖/不安を増強してしまう事に繋がる事がわかっています。
②スモールステップの原則=(例えばイメージから初めて)少しずつ
→いきなり大きな変化を求めると、扁桃体等が過興奮してしまい、
所謂パニック様になり、すぐに回避行動や安全行動をとってしまい、
課題の実行を妨げてしまいます。
③「予測誤差」を小さくしてゆく
→前々回お書きした様に、「予測誤差」を小さくしてゆけば、
扁桃体の過興奮が収まってゆく
=恐怖/不安やそれによる反応が減少してゆくと
考えられます。
④前頭前皮質(前頭前野)の活用
→恐怖/不安等の強い感情(情動)やその反応は
記憶や情動に関与する主に扁桃体等の過興奮によるものと考えられます。
加えて、それらの強い感情をコントロールするはずの
前頭前野の働きが妨げられているから、コントロールできずに
呑み込まれてゆく訳です。
以上のポイントを踏まえて、次回からはその一つ一つについて、
より具体的にお書きしたいと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
どうすれば恐怖/不安を克服できるのか?③
今回は、
「恐怖/不安を克服する為の4つのポイント」のうちの
①恐怖/不安から逃げない
について詳しくお書きしたいと思います。
例えば「強迫性障害」のせいで、何かに触れたら
何度も手を洗うのを止められない人は、
何度も手を洗う事が恐怖/不安を避ける為の「安全行動」
と言えますので、それをやめる事を目標にしないといけません。
或いは、
家族を巻き込んで「もうきれいになったよ」との
家族の保証を求める場合は、それも「安全行動」ですので、
家族は巻き込まれない様にしないといけないでしょう。
更に、
「近所の人に危害を加えたかも知れない」と、一軒一軒確認しようとする人や
「我が子を殺すんじゃないかしら?」と不安で刃物を全部しまってしまう
お母さま・・・
こういった「加害恐怖」に襲われた方の「安全行動」も
やめてゆく事を目標にする必要があります。
また例えば、電車に乗るとパニック発作が出てしまうのが怖くて、
電車に乗る事を避け続けている「広場恐怖症」に襲われてる人は
その「回避行動」をやめ、敢えて電車に乗る訓練をしてゆく必要があります。
同様に、
鳩やセミ等が怖くて避けてる人は、その「回避行動」をやめないと
恐怖から解放される事はないでしょうし、
外に出る事が怖くて、家の中に引きこもっている人は
その「回避行動」をやめてゆく、
皆の前で話すのが怖くてそんな場面を避け続けている人も、
その「回避行動」をやめてゆく、
同様に「こんな事言ったら嫌われるんじゃないか?」
と自分の意見を言わないといった「回避行動」を続けている人は
怖くても自分の意見を言ってゆく方向に持ってゆく必要があるでしょう。
また、彼氏に浮気される心配で、何度も何度もスマホで
彼の行動を確認する人も、その「安全行動」をやめてゆく
必要があるでしょう。
ただ、そうは言ってもその「恐怖/不安」に立ち向かってゆくのは
大変な事です。
ですから「少しずつ、できる部分から」といった
次のポイントである、「スモールステップの原則」が必要となります。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
どうすれば恐怖/不安を克服できるのか?④
今回は、
「恐怖/不安を克服する為の4つのポイント」のうちの
②スモールステップの原則
について詳しくお書きしたいと思います。
皆さんは自転車に乗る事ができるでしょうか?
生まれ持って自転車に乗れる人は殆どいないと思われますので、
自転車に乗る事ができる方は、バランスを取ったり、こけそうになったら
地面に足をつく、等の一連の行動の練習を繰り返す事によって、
脳内(この場合は主に小脳)の神経細胞の結合や神経伝達物質の伝達が強化
されたと考えられます(=長期増強)。
ですから、
わざとこけようとしたり、こけそうになっても地面に足をつけない、といった
(前頭前皮質による)「意志」は長期増強された神経細胞の働きに反する事になり、
大きな抵抗を受ける為に中々通用しない筈です。
同様に、
恐怖/不安に対する「確認行動」や「安全行動」によって長期増強された
パターンを「意志」の力で覆す事は非常に難しい訳です。
但し、
以前にもお書きした通り、脳の神経細胞には「シナプスの可塑性」というもの
があって、その”抵抗”を少なくしながら変化させてゆく事が可能です。
例えば、
電車に乗るのが怖くて、電車に乗らないといった「安全行動」で長期増強
された神経細胞も、
「電車に乗るイメージをする」
→
「ホームで電車を眺める」
→
「電車の中に一歩踏み込む」
→
「1駅だけ電車に乗る」
・・・
等と、少しずつ恐怖/不安を少し我慢すればできそうな範囲で行動してゆけば、
「消去学習」が行われ、「長期抑圧」によって電車に乗れる様になってゆく
でしょう。
また例えば、
「強迫性障害」によって”手を何度も洗わないといけない”といった「安全行動」
や
”鍵を掛けたかどうかを何度も確認しないといけない”といった「確認行動」
によって「長期増強」されたパターンも、
「手洗いや鍵の確認を5回までに抑える我慢」
→
「4回までに抑える我慢」
→
「3回までに抑える我慢」
・・・等によって克服してゆく事が可能です。
そしてこの時のポイントとしては、
①「これができる確率は何%かなあ?」
と自問し、70~80%できる自信がある事を目標にしましょう。
そして、
②その目標ができなかったら、もう少しハードルを下げる
③できなかった時には反省せず、逆にできた時には
ご家族や恋人・親友やカウンセラー・お医者さん、そしてご自分で
「怖いけどよくやった!」と褒めてあげたりメモやカレンダーに
書き込んでゆく
のもよいと思います。
それでは次回は、
「恐怖/不安を克服する為の4つのポイント」の3つ目の
③「予測誤差」を小さくしてゆくについてお書きしたいと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
どうすれば恐怖/不安を克服できるのか⑤
今回は、
「恐怖/不安を克服する為の4つのポイント」のうちの
③「予測誤差」を小さくしてゆく
について詳しくお書きしたいと思います。
以前お書きした様に「予測誤差」を小さくしてゆけば、
扁桃体の過興奮が収まってゆく=恐怖/不安やそれによる反応が減少してゆく
と考えられます。
例えば「電車に乗るとパニック発作が起きるので怖くて乗れない」
といった「広場恐怖症」(パニック障害)の方は、
「②」のスモールステップの原則に基づいて訓練してゆく時に、
(1)予め予測を立て、それをメモに書き込んでゆく
→例:「電車に乗って〇秒後に"恐怖"が襲ってきて、その〇秒後に
頭がくらくらしてきて、〇秒後に胸がドキドキしてきて、
心拍数(や脈拍)が恐らく100を越え、
同時に呼吸が20回を超えるだろう・・・」等々
(2)実際に電車に乗った時に、その”予測”と照らし合わせながら、
時間を計り、心拍数(脈拍)や呼吸数等を正確に測り、
それをその都度細かくメモしてゆきます。
(かなり忙しい作業になるでしょう)
(3)そして”訓練”が終わる度に事前の予測とメモを照合し誤差を修正し、
”新しい予測”を書き直します。
(4)そうして修正した新しい予測を持って次の訓練をし、
同様に実際の数値をメモし、電車から降りたら予測と照合し、
誤差を修正してゆく、といった事を繰り返してゆき、
最終的には誤差がなくなる事を目標にします。
また例えば、
「何かに触れる度に何度も手を洗わないといけない」
といった「強迫性障害」(不潔恐怖症)に襲われている方は
(1)(手洗いを3回までで我慢したら)どうなってゆくか?
の予測メモを作っておきましょう。
例:我慢して〇秒後にとても嫌な気持ちが出てくるだろう。
そしてその嫌な気持ちは100のうちの90くらいの強さのまま
〇分くらいは続くだろう。そうして耐えられなくなって〇分後には
また手を洗いたいという気持ちが100のうち95くらいの強さで
襲ってくるだろう・・・。
(2)実際に我慢した時にメモと時計を片手に時間を計りながら、
嫌な気持ちや手を洗いたい気持ちの強さを変化がある度に
メモしてゆきましょう。
(3)そして”訓練”が終わる度に事前の予測とメモを照合し誤差を修正し、
”新しい予測”を書き直します。
(4)そうして修正した新しい予測を持って次の訓練をし、同様に実際の数値を
メモし予測と照合し、誤差を修正してゆく、といった事を繰り返してゆき、
最終的には誤差がなくなる事を目標にします。
それでは次回と次々回は、
「恐怖/不安を克服する為の4つのポイント」の4つ目の
④前頭前皮質(前頭前野)の活用についてお書きしたいと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
どうすれば恐怖/不安を克服できるのか⑥
今回と次回は、
「恐怖/不安を克服する為の4つのポイント」のうちの
④前頭前皮質(前頭前野)の活用
について詳しくお書きしたいと思います。
以前お書きした様に、
恐怖/不安等の強い感情(情動)やその反応は
記憶や情動に関与する主に扁桃体等の過興奮によるものと考えられます。
加えて、それらの強い感情をコントロールするはずの
前頭前野の働きが妨げられているから、コントロールできずに呑み込まれてゆく
訳です。
強い恐怖/不安に巻き込まれてしまった時には
それをコントロールできないという感覚があると思います。
それはつまり(大雑把に言うと)、
大脳新皮質、特に思考・意志を司る前頭前野(頭=顕在意識)が働かずに
感情・情動や記憶を司る大脳辺縁系(心=潜在意識・無意識)が
活発に働いてる状態、と言えると思います。
ですから、
「いかに前頭前野(=頭)を働かせて、大脳辺縁系(=心)に巻き込まれずに
距離を取り、心を客観視できるか?」
が重要になって来ると思われます。
但し、「怖くなくなってから恐怖/不安に立ち向かおう」
という方法は余りお勧めできません。
というのも最近の研究では、
(恐怖/不安の)「消去学習」は「青斑核から前頭前野へ伸びてる
ノルアドレナリン性ニューロンが前頭前野へノルアドレナリンを放出する
事で学習され、消去記憶となる」
という事がわかって来ました。
つまり、ノルアドレナリンが扁桃体に放出されれば「恐怖学習」がなされ
「恐怖記憶」となるが、
同じノルアドレナリンが前頭前夜に放出される事によって、
「消去学習」がなされ「消去記憶」(=怖くない)が生じる、
という事です。
ですから、ノルアドレナリンを抑えて”訓練”するのではなく、
ノルアドレナリンを抑えずに、放出先を前頭前野に持ってくればいい
とも言えるでしょう。
要は
「怖いまま恐怖に向かってゆき、その時には前頭前野を活性化させる」
という事が大切なのでは?と思います。
それでは次回は
④前頭前皮質(前頭前野)の活用
について具体的な方法をお書きしたいと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
どうすれば恐怖/不安を克服できるのか⑦
今回は、
「恐怖/不安を克服する為の4つのポイント」のうちの
④前頭前皮質(前頭前野)の活用
について、具体的なやり方をお書きしたいと思います。
前回お書きした様に、
ノルアドレナリンを抑えて”訓練”するのではなく、
ノルアドレナリンを抑えずに、放出先を前頭前野に持ってくれば良い、
つまり、
「怖いまま恐怖に向かってゆき、その時には前頭前野を活性化させる」
事が大切だと言う事を前提にお書きしてゆきたいと思います。
まず初めにお断りしておく事として、
「イメージ」を使う方法(リラックスしてるイメージ等)は
余り良くないかも知れません。
何故なら、
「イメージ」は連想を呼び、そこには記憶や感情と言ったものがついて来る
でしょうし、そうなると必然的に扁桃体が関与してしまい、
前頭前野が働かなくなる恐れが強いからです。
だとすれば、
なるべく扁桃体の関与を避けて、前頭前野にフル回転してもらう必要がある
と思われます。
そして前頭前野をフル回転させる為には、
「文字を読んだり書いたりする」(特に書くという作業)
「誰かと会話する」(特に話すという作業)
「詳細な計画を立てて書き出してゆく」
「呼吸の”数”だけに意識を集中させる」
等は扁桃体の関与を最小限に抑えられると考えられます。
ですから、前回お書きした
「メモを見ながら、実際の数値を計測しそれを書き込んでゆく
事を繰り返し、”予測誤差”を修正してゆく」
という事は、正に前頭前野の活性化につながると思われます。
他にも例えば、
怖いまま電車に乗っている時や
手洗いを我慢して嫌な感じを感じている時に、
携帯電話の「LINE」等で家族や恋人や友人と会話する、
また例えば、
そういった恐怖や嫌な感じを感じている時に、
週末の旅行の計画や今日の仕事の段取り・優先順位を細かく書き出してゆく、
等も有効だと思われます。
或いはそういった場面で自分の呼吸数に意識を向け、
例えば「”5”数えながら息を吸い、”7”数えながら息を吐こう。
そして、それが10回できた毎に、吸うときも吐くときも今度は
”1”ずつ増やしてゆこう」等と、
複雑なルールにすればするほど前頭前野はフル回転してくれるでしょう。
(但しこれは”強迫”に繋がる恐れもありますので、ご自分に合うか否か?
でご判断下さい)
以上、ここまで「恐怖/不安を克服する方法」をお書きしてきましたが、
個人差が当然ありますし、根気が必要な事ですので、
難しければいつでもお気軽にご相談下さい。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
雑感「依存症も恐怖症も同じ”扁桃体依存”なのか?
「ギャンブル依存」、「買い物依存」、「恋愛依存・性依存」、
「物質依存(アルコール、薬物、過食等)」
等の所謂「依存症」と呼ばれるものと、
「不安障害」や「恐怖症」等は共通点がある様に思います。
どういう事かと言いますと、
どちらも意志(前頭前野)の力で制御できない衝動や情動を伴うからです。
つまり前頭前野の働きが妨げられて、扁桃体をはじめとする大脳辺縁系
が活発に働き、扁桃体が過剰に興奮している状態だと思われます。
そして、
「依存症」と「不安障害・恐怖症」のいずれも”報酬系”が絡んでいるのでは?
と思います。
依存症等では、報酬系の神経伝達物質であるドーパミンが扁桃体を興奮させ
(=快感)、
それを繰り返す事によって、その神経回路が「長期増強」され、
「やめたくてもやめられない」状態になる事がわかっています。
一方、「不安障害・恐怖症」は、ノルアドレナリンが扁桃体を興奮させ、
恐怖反応が起き、それを繰り返す事で同様にその神経回路が「長期増強」
されてゆく、と考えられています。
ところが最近の研究では、ドーパミンも(恐怖反応を生じてる)扁桃体を
より興奮させ恐怖反応を亢進させている、という事がわかってきました。
人間をはじめ全ての動物は、
「自分の遺伝子をコピーして遺してゆく」事が至上命題ですので、
その為に必要な食欲や性欲等には必ず「ドーパミン(=快感)」
というご褒美(報酬)が用意されていて、それに抗う事ができない
といった脳の構造になっている訳です。
そういった意味では、
「依存症」は”モロ”にドーパミン(やその代替物質)を希求した結果、
扁桃体が興奮して”衝動”が抑えられなくなる、という点ではわかりやすい
と思います。
そして「不安障害・恐怖症」もドーパミンが関与してるとすれば
その恐怖・不安を想起する事も回避する事もやめられないのも腑に落ちます。
だとすれば、
「不安障害・恐怖症」には一体どんな”報酬”があるのでしょうか?
(ここからは私の勝手な妄想ですが)
例えば、色々な事を感じすぎて、しかもそれを脳内で深く処理し過ぎる
といった持って生まれた気質をお持ちのHSP(繊細さん)等の方は、
それが為に生じ得る心身の危機的な状況(例えば人の多い電車内等)
をパニックによって避けるといった”報酬”に繋がっているのかも知れません。
或いは
不安を感じやすい気質(愛着形成の問題も絡んでる事もありますが)
の為にその不安を避けたり現実の不安を回避し、別の象徴(例えば、
私の体が汚れているから何度もシャワーを浴びないといけない、等)
に置き換える事によって、
「本来コントロールできない現実的な不安をコントロールできる形にする」
といった”報酬”を得てるのかも知れません。
これらは所謂”疾病利得”と呼ばれるものとも通じる気がします。
いずれにしてもそれらのメカニズムは、
心身の危機を避け、自らの遺伝子のコピーを遺してゆく、
といった緻密な遺伝子の戦略に基づいたものであると思います。
だとすれば、
「依存症」であろうが、「不安障害・恐怖症」であろうが、
”完璧”な戦略に基づいてる訳ですから、
決して自己否定や自己嫌悪されない様にして頂きたいと思います。
ただ、
それらによってお辛い状態にあって、”戦略”を修正する事を望まれる方は、
いつでもお越し下さい。
#依存症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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