対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)について

対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)について

うちのルームにも「社交不安障害」SAD)、所謂「対人恐怖」
に苦しんでお越しになる方も多いです。



その内容も、「スピーチ恐怖」「会食恐怖」「電話恐怖」「視線恐怖」
「書痙」「赤面恐怖」「発汗恐怖」「振戦恐怖」等様々です。



また、
「自分が人を見る視線が相手を不快にしているのではないか」という
「自己視線恐怖」と、それによって正面を見られずに
代わりに周りをチラチラ見てしまうという、「脇見恐怖」に悩んでおられる方
も少なからずいらっしゃいます。

※他にも「自己臭恐怖」、「醜形恐怖」(DSM-5ではこれらは妄想性障害
 または醜形恐怖症と診断されますが)等もここに含まれると思います。

私は、こういった症状で苦しまれておられる方に共通している事
以下の部分ではないか?と考えます。

イ.「他人に対する欲求」や「対人関係における欲求」が強い

  「それを人並にうまくやりたい」
  とか
  「嫌われたくない、迷惑を掛けたくない」

 「他人に受け入れて欲しい、愛して欲しい」という
  「繋がり・所属と愛の欲求」

  「人以上にうまくやりたい、馬鹿にされたくない、
   笑われたくない、見下されたくない」

 「他人に認めて欲しい、勝っていたい」という
  「承認欲求・優越感への欲求」

といった欲求を強く求めている(が叶っていないと感じている)と言える
と思います。

(※他人に無関心でそういった欲求を感じていない人は、
  この様な症状は出ないと思います)






ロ.感覚過敏を有している

 「あの人は私の視線を感じて、迷惑そうな顔してる」

 「私が赤面したら、あの人は馬鹿にした様な表情で一瞬笑った」

等の相手の表情や反応に対する過敏さは「感覚過敏」の傾向を有している
と言えると思います。





 
ハ.「劣等感」を有している

 「イ」の欲求を叶えようとしても「劣等感」によって
  欲求充足への行動が阻止・邪魔されてしまうと考えられます。






ニ.「こだわりの強さ」を有している

  同じ一つの欲求「受け入れて欲しい」とか「認められたい」等)
  にこだわり続け同じ不安にもこだわり続けるが為に
  症状が益々酷くなってゆくと考えられます。





  
ホ.「N」(ノル)アドレナリンシステムと「D」ドーパミンシステム 
  や「S」セロトニンシステムが亢進し続けている

 「欲求充足」については 「受け入れられたい、愛されたい」
 (=「S」セロトニンシステムの”安心”
 や
 「認めて欲しい、勝っていたい」」
 (=「D」ドーパミンシステムの”喜びや優越感”
 を求めていると考えられます。



 また、
 「N」(ノル)アドレナリンシステム「恐怖・不安」
→「(そういった事態を)回避する
とか
 「N」(ノル)アドレナリンシステム「恐怖・不安」
→「闘って(努力して)克服し勝とうとする

 というパターンが出来上がっていると考えられますので、

 元々それらのシステムが優位な人が、「ニ」のこだわりの強さによって
 同じパターンを繰り返す事す事で、益々そのパターンが強化・亢進
 され続けているのでは? と考えます。

それでは次回は、これらの私の推論に基づいて
対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)のメカニズム
について私見をお書きしたいと思います。

 

#社交不安障害(対人恐怖等)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

#恐怖症のカウンセリングについてはこちら

 

 

対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)のメカニズム

 

今回は、前回お書きした私の推論に基づいて
対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)のメカニズム
について私見をお書きしたいと思います。

まずそういった症状に悩まされる方の多くには
以下のメカニズムが働いてるのでは?と思います。

①「安心、愛情、繋がり」や「承認、優越感」を求める気持ちが強いが
 不安・恐怖も感じ易い人

 即ち、
 「N」「(ノル)アドレナリンシステム」(=恐怖・不安)
「S」「セロトニンシステム」(=安心・繋がり・所属と愛の欲求)
 や、

 「N」
「D」「ドーパミンシステム」(=快の刺激・承認、優越感等の報酬)

 といった「N]→「S」または「N」→「D」のシステムが優位な人
 であると考えられます。 (恐らく生まれつき)

「誰からも嫌われたくない。みんなと仲良くなりたいなあ~。」
                              (「S」)
 「でも、人前で顔が赤くなる私なんて嫌われるんじゃないかしら・・・」
                              (「N」






②感覚過敏を持ってる(恐らく生まれつき?)が故に
 相手の不快な表情や態度に気が付く



「この前私がみんなの前で発表した時、A子は冷たい顔をしてたし、
  B子は馬鹿にした様に笑ってたなあ~。
  C子もきっと”情けない奴”と思ったに違いない・・・
  だからあの後、少しよそよそしい態度してるもんなあ~」
 (感覚過敏






③こだわりの強さを持っている(恐らく生まれつき?)



 一つの欲求や不安・恐怖とそれの克服にずっと集中し続けている状態
 というのは「こだわりの強さ」が根底にあると考えられます。 


 
「みんなから嫌われたくないのに、A子もB子もC子も
  最近では他の子も私に対する接し方が冷たくなってきた気がする・・・
  どうすればいいんだろう?・・・このままじゃ学校に行けなくなりそう」
  と四六時中、不安に集中し続けている






④劣等感を持っている(または作り出している)



 例えば、「相手が私の事を嫌うんじゃないか?」とか
 「馬鹿にしてるんじゃないか?」等は劣等感からくるものと考えられます。

 但し、
「(愛されている)安心を感じたい」とか「(馬鹿にせず)認めて欲しい
 等の欲求を叶える為には前提として「嫌われてるんじゃないか?」
「認められていないかも?」等の「不安」や「劣等感」が必要です。

 ですから特に刺激や欲求を求める傾向が強い人「N」システム
 →「D」システム優勢の人)は不安や劣等感を作り出してでも、
 そのシステムを作動させるのでは?と考えたりもします。



例1:「私はA子みたいに可愛く無いし・・・自分の顔なんて大嫌い!
                           (劣等感)
    きっとみんな私の事を”不細工な癖に”と思ってるんだろうなあ。
                           (感覚過敏)
    きっとみんな心の底では私の事を嫌ってるんだろうなあ・・・
                       (「N」による不安)
    整形したらみんなから好かれるかな・・・」
                       (「S」による欲求)
    という事ばかりを考えている。
                        (こだわりの強さ)

例2:「勉強できない俺の事をみんな馬鹿にしやがって!
            (創り出された?劣等感への集中・こだわり)
    俺を馬鹿にする奴は許さない!
                        (「N」による怒り)
    お前何メンチ切ってるんだよ!
                            (感覚過敏)
    殴られたいのか!?」と喧嘩を吹っ掛ける
                  (「D」による優越感を求めての行動化)

   その行動を繰り返し日々喧嘩にあけくれる不良(ヤンキー)
                          (こだわりの強さ)



※例2の場合は「対人恐怖」とは言えませんが、
 ある意味よく似ていませんか?

 違いは「劣等感を自ら作り出している」事と、

 「不安・恐怖」→「安心を求めた回避」(「N」→「S」)ではなく
 「不安・恐怖」「闘争による勝利を求める」「N」→「D」
 というパターンの違いだと思います。






⑤ パターンが固定化される



 「不安・恐怖」(N)「安心という報酬を求める」
                    (D・S)

→その為に不安・恐怖に対して「安心を求める回避行動を採る」
                 (D・Sを求めてのN)

「益々不安・恐怖が増強される」・・・という様に、

「安心」(報酬)を求めるが故に益々不安が強化されてゆくというパターン
が出来上がっていると言えると思います。



例:「私の一重の目が嫌い・・・きっと可愛くないと思われてるだろうなあ
                            (「N」)
   だからプチ整形して二重にすれば、あの娘みたいになれるかも」
                        (Dを求めてのN)

  「目は整形したけど、鼻筋が通ってないから余計に不釣り合いになった。
   これじゃあ、益々変な顔だと思われちゃう・・・」
                  (新たな不安を作り出す「N」)



  
「④」の例と同様に、「安心」や「優越感・承認・勝利」等といった
 ”報酬”を手に入れるには、「不安や恐怖」「劣等感」に集中したり、
 或いはそれらを作り出さない限りは手に入らないというパターン
 ができてしまう。

 そしてそこには「ドーパミン」「セロトニン」といった報酬が絡むので、
 言ってみれば「ドーパミン」や「セロトニン」依存

 もっと言えば「不安・恐怖」依存「劣等感」依存とも言える状態になる
 のかも知れません。

 だとすれば、
 その依存パターンから抜け出すのが難しくなり固定化するのも頷けます。

 (※やめられない事や繰り返される不快な事=依存には、
   おしなべて報酬系が絡んでいると私は思っています)  


  

◎要するに

「安心、愛情、繋がり」「承認、優越感」を求める気持ちが強い人が

その”報酬”(「D」や「S」)を得る為に、「N」システムを起動させて
「劣等感」にこだわって(或いは作り出して)、

自分(の視線、表情や言動、容姿等)に意識を集中し、
その部分にのみ感覚過敏を集中し続け、  

そのこだわり故、パターンが固定化されてしまっているている状態
とも言えると思います。 






それでは次回は私の推論に基づいて、
対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)克服のヒント
をお書きしたいと思います。

 

#社交不安障害(対人恐怖等)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

#恐怖症のカウンセリングについてはこちら

 

 

対人恐怖症(社交不安障害・SAD)
克服のヒント(概要)

 

今回からは(私の推論に基づいて)、
対人恐怖症(社交不安障害・SAD)克服のヒント
をお書きしてゆきたいと思います。





       
前回お書きした様に、
私が思うに「対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)」に陥っている方の特徴
として、

①「安心、愛情、繋がり」や「承認、優越感」を求める気持ちが強いが、
 不安・恐怖も感じ易い人である

即ち、
 「N]「(ノル)アドレナリンシステム」(=恐怖・不安)」
「S」「セロトニンシステム」(=安心・繋がり・所属と愛の欲求)
または

 「N」
「D」「ドーパミンシステム」(=快の刺激・承認、優越感等の報酬)
のシステムが優位な人






②感覚過敏を持ってる(相手の自分へのネガティブな評価を敏感に感じる)






③こだわりの強さを持っている



=一つの欲求不安・恐怖とそれの克服にずっと集中






④劣等感を持っている(または作り出している)






⑤ パターンが固定化される



 「不安・恐怖」

「承認・安心という報酬を求める」D・S

→その為に不安・恐怖に対して「承認・安心を求める回避行動を採る」
                        (D・Sを求めてのN

「益々不安・恐怖が増強される」 



 
という5つの要素が考えられます。



要約すれば

<安心、愛情、繋がり」や「承認、優越感」を求める気持ちが強い人が
 その”報酬”(「D」や「S」)を得る為に、「N」システムを起動させて
「劣等感」にこだわって(或いは作り出して)、

 自分(の視線、表情や言動、容姿等)に意識を集中し、
 その部分にのみ感覚過敏を集中し続けている。

 そのこだわり故、パターンが固定化されてしまっている状態>

 であると推測します。

この考え方を基に、その克服のヒントをお書きしてゆきます。






<対人恐怖症(社交不安障害・SAD)克服のヒント(概要)>

①自分(の欲求や不安・恐怖・劣等感等)を客観視する



 対人恐怖症の人は(不安障害全般に言える事ですが)
 不安や恐怖に呑み込まれてしまっていて、

 自分=不安・恐怖、

 自分=「劣っている」という状態になっているとも言えるでしょう。

 その主観的な見方を変化させる為には客観視する事が有効
 だと考えられます。






②「こだわりの強さ」や「感覚過敏」の方向性を変える

 「私は劣っている」「私は変だ」「私は誰からも認められない」
  の一つの考え方に拘って、そこにのみ感覚過敏を集中している状態
  だと考えられますので、その方向性を変える事が有効だと考えられます。






③システムの固定化されたパターンを変える

「不安・恐怖」)→「承認・安心という報酬を求める」D・S

→その為に不安・恐怖に対して「承認・安心を求める(回避)行動を採る」
                        (D・Sを求めてのN

「益々不安・恐怖が増強される」「N」の増強) 

といった、固定化されたパターンに対しては、

(1)対人関係以外の違う対象に向けてシステムを起動させる

(2)「N」(不安・恐怖)→「D・S」(欲求)→「N」(回避行動)
→「N」の増幅、というシステムのパターンそのものを変える

といった、2種類の働きかけも有効だと考えられます。






それでは次回からは

「対人恐怖症(社交不安障害・SAD)のヒント(詳細)」
をより詳しくお書きしたいと思います。



 

#社交不安障害(対人恐怖等)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

#恐怖症のカウンセリングについてはこちら

 

 

対人恐怖症(社交不安障害・SAD)
克服のヒント(詳細)①

 

今回からは、

「対人恐怖症(社交不安障害・SAD)のヒント(詳細)」
をお書きしたいと思います。

(今回は「詳細」①~③のうちのまず①をお書きします)






<対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)のヒント(詳細)①>

①自分(の欲求や不安・恐怖・劣等感等)を客観視する

a.自分の欲求(対人恐怖を克服して「どうなりたいか?」「何をしたいか?」
 を紙に書きます

「私の事を受け入れて欲しい」

b.その欲求をできるだけつきつめてゆき、それも書いてゆきます。

(受け入れてもらったとしたら、どうなりたい?何がしたい?)

 →「そうなったら・・・何でも相談できる人になって欲しい」

 (そんな相手ができたら、どうなりたい?何がしたい?)

 →「そんな人ができたら・・・私が抱えている今の悩みを聞いて
   寄り添って欲しい」

c.それ以上突き詰められなくなったら、そうなった時の自分の気持ち
 を想像してそれも書きましょう

(そうしてくれたら、どんな気持ちになる?)

 →「そうしてくれたら・・・嬉しいし、ホッとする」

d.自分の不安・恐怖も書いてゆきます

「他人から変な奴と見られるのが怖い」

e.不安・恐怖も同様にできるだけつきつめてゆき、それも書いてゆきます

(もし変な奴と見られたら、どうなっちゃうのが怖い?)

「変な奴と見られたら・・・誰からも相手にされなくなるのが怖い」

 (誰からも相手にされなくなったとしたら、どうなっちゃうのが怖い?)

「誰からも相手にされなくなったら・・・寂しくて寂しくて死んじゃいそう」

f.自分が感じている「劣等感」(他人より劣ってる所、嫌いな所)
 も書き出しましょう。

「私の暗い性格」、「口下手な所」、「自分の意見をはっきり言えない」
 「「あがり症」、「ぽっちゃりした体形」、「細い眼と一重のまぶた」
 ・・・。






以上、書き上げたらよく読んで、何を目的にし
自分の「こだわり」「感覚過敏」どこに固定し
どの様な固定化されたシステムのパターンを繰り返してるのか?

を分析してみましょう。

この「例」の場合は、



◎目的:悩みを聞いて寄り添ってくれる人を作る

  ※感情の目的は「嬉しい、ホッとしたい」(S)「セロトニンシステム」
   (=安心・繋がり・所属と愛の欲求)

◎「こだわり」「感覚過敏」を固定している場所
「劣等感」「それを裏付ける相手の反応」

◎固定化されたシステムのパターン

(1)「何でも相談できる人を作って、嬉しさやホッとする安心感
  という報酬を得る」事を目的として(S)「セロトニンシステム」 
 (=安心・繋がり・所属と愛の欲求)が働く

(2)安心を得る為に不安を作り出す事を目的として
 「N]「(ノル)アドレナリンシステム」(=恐怖・不安)」を起動し
 「劣等感」「それを裏付ける相手の反応」に意識を固定する。

(3)その「恐怖・不安」といった”不快”を避ける為の回避行動
 (例「性格を明るくしなきゃ」とか「話し方を勉強しよう」等)
 に注力する(=これも「N」システムの働きによる)

(4)それを繰り返す事で、「N」による恐怖・不安が益々強まり、
 益々「S]を求める傾向も強まり、益々「N」も強まる・・・
 といった固定化された(悪循環の)システムが形成される






以上、自分の傾向がわかれば、それを基に次回は
②「こだわりの強さ」や「感覚過敏」の方向性を変える
についてお書きしたいと思います。

 

#社交不安障害(対人恐怖等)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

#恐怖症のカウンセリングについてはこちら

 

 

対人恐怖症(社交不安障害・SAD)
克服のヒント(詳細)②

 

今回は、
「対人恐怖症(社交不安障害・SAD)克服のヒント(詳細)」つ目
として

②「こだわりの強さ」や「感覚過敏」の方向性を変える

について前回お書きした「例」を基にお書きしたいと思います。






<対人恐怖症(社交不安障害・SAD)克服のヒント(詳細)②>

②「こだわりの強さ」や「感覚過敏」の方向性を変える

前回の「例」の場合、この人の対人恐怖のメカニズムとして、

◎目的:悩みを聞いて寄り添ってくれる人を作る
    ※感情の目的は「嬉しい、ホッとしたい」

 =()「セロトニンシステム」(=安心・繋がり・所属と愛の欲求)

◎「こだわり」「感覚過敏」を固定している場所

 :「劣等感」「それを裏付ける相手の反応」



という傾向があると想像できました。



そしてこの固定化されたパターンが(対人恐怖の)システムを
より強化していると考えます。



この考え方に基づいて、「こだわり」や「感覚過敏」の方向性を変え
それを打破するヒントを書いてゆきたいと思います。






a.自分が劣等感を感じる部分が露呈されたと感じた時に、
 相手が予想外の反応をした場面を毎晩書き出す。

''例「今日の発表で頭が真っ白になった・・・」''
 「きっとみんな私の事を笑うだろうな」(予想)

 「あれ?、A子は”苦しそうだったけど、大丈夫?”
  って本気で心配してくれた」(予想外)

劣等感を裏付け”ない”相手の反応へと
 「こだわり」や「感覚過敏」の方向性を変える






b.自分の長所と思える部分をできるだけ沢山書き出す。

 (思いつかなければ、家族や友人、恋人等にも聞いてみる)

「よく気が付いて優しい所」(と母に言われた)、
 「アニメやアイドルの知識が豊富」(と友人に言われた)
 「真面目で頑張り屋」(と部活の顧問に言われた)等々。






c.それらの”長所”を常に意識し、それらが発揮された場面と
 その時の相手(周囲)の反応を見逃さないでおいて毎晩書き出す。

「授業中B子が困ってる様子で、消しゴムを忘れたみたいと気が付いて
  貸してあげたら、”有難う!”ってニコッとしてくれた」

 (長所と、それを裏付ける証拠へと
  「こだわり」や「感覚過敏」の方向性を変える






d.よく接する人を思い浮かべ、その人の「長所」「短所」を書き出す。
 
「C子の長所は・・・私と同じで良く気が付く所と、優しい所。
  短所は・・・これも私と同じで口下手な所、人見知りな所・・・」






e.それを基に、その人の「長所」や「短所」が発揮された時の
 自分の反応(考えや気持ち)を毎晩書き出す。

「今日、C子が落ち込んでた私に気を遣って声を掛けてくれた・・・」
     (有難いな!・嬉しい)

「C子が男子に話しかけられて顔を真っ赤にしてモジモジしてた・・・」
     (可愛いな!・守ってあげたい気持ち)

(”自分の”劣等感やそれを裏付ける証拠に向いていた
 「こだわり」や「感覚過敏」を”相手の”それらへと方向性を変える






次回は
③システムの固定化されたパターンを変える
についてお書きしたいと思います。

 

#社交不安障害(対人恐怖等)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

#恐怖症のカウンセリングについてはこちら

 

 

対人恐怖症(社交不安障害・SAD)
克服のヒント(詳細)③

 

今回は、
「対人恐怖症(社交不安障害・SAD)克服のヒント(詳細)」
の3つ目として

③システムの固定化されたパターンを変える

について前回、前々回お書きした「例」を基にお書きしたいと思います。






③システムの固定化されたパターンを変える

以前お書きした様に、対人恐怖症の方には、

 「不安・恐怖」(N)

「承認・安心という報酬を求める」(D・S)

→その為に不安・恐怖に対して「承認・安心を求める(回避)行動を採る」
(D・Sを求めてのN)

「益々不安・恐怖が増強される」(「N」の増強)
 
といった、固定化されたパターンがあると考えられ、



(1)対人関係以外の違う対象に向けてシステムを起動させる

(2)「N」(不安・恐怖)→「D・S」(欲求)→「N」(回避?行動)
 →「N」の増幅
というシステムのパターンそのものを変える

といった2種類の働きかけが有効ではないか?とお書きしました。

私のその考え方を基にヒントをお書きしたいと思います。






(1)対人関係以外の違う対象に向けてシステムを起動させる






a.対人恐怖以外の「不安」「恐怖」を書き出してみる



「将来結婚できるのか?」「家族や友人等、周りから見下され続ける
  んじゃないか?」

 「一生、うだつが上がらないまま死んでしまうのでは?」・・・等。






b.その中で、最も「不安・恐怖」を強く感じるものを選び、
 その不安・恐怖を突き詰めて考えてゆき、強く実感する。(Nを起動)



例1「もし、結婚できないとしたら・・・ずっと淋しい思いを抱えて生きて、
   結婚して幸せになってゆく友人達とも交流がなくなってゆき、
   最後は天涯孤独になってしまう・・・ああ!~嫌だ!」

例2「このまま会社でも認められず、きっと親父は僕の事を”情けない奴”
   と見放すだろうな・・・クソ!悔しい」






c.本当の自分の望みを書き出す。(D・Sを起動)



例1「本当は素敵な男性と結婚して幸せになりたい!」

例2「本当は会社で認められて、親父を見返してやりたい!」

※ここで大切な事は「他人が”こうあるべき”とか”それはおかしい”
 と思うだろうな」を基準にするのではなく、

 「自分が”こうありたい”とか”これをしたい”とか”これがいい”」
 と感じる事にフォーカスしてゆく事だと思います。






d.再度「不安・恐怖」を意識して、そうならない為の(回避)行動を採る
(D・Sを求めてのN)



例1「天涯孤独は嫌だ!だから結婚しなきゃ!
   まずどうしたらいいかな?・・・
   そうだまずはマッチングアプリに登録しよう!」

例2「親父に馬鹿にされてたまるか!親父を観返す為には・・・
   まず、毎晩明日の仕事の準備をして、成績を上げよう!」

※ここで大切な事は不安恐怖に対する(回避)行動は、
 今すぐできる小さな事から始めてゆく、という事です。





  
(2)「N」(不安・恐怖)→「D・S」(欲求)→「N」(回避?行動)
 →「N」の増幅というシステムのパターンそのものを変える






a.対人関係での自分の「恐怖・不安」、「欲求」、「(回避)行動」
 を書き出す



「私が恐れてるのは・・・私の視線が他人に迷惑かけちゃう事。
  突き詰めれば・・・みんなに迷惑かけて、誰からも受け入れられなく
  なるのが怖い!」

 「私の欲求は・・・みんなから受け入れてもらう事」

 「(回避)行動は・・・他人が視界に入らない様に努力する事
 (でも視界に入って来てしまう)」






b.その(回避)行動が、自分の欲求を叶える為に役に立ってきたか?
 を検討する



「他人が視界に入って迷惑かけない様に努力してきたけど、
  うまくいってない。そしてその努力によって
  みんなから受け入れられたという事は一切なかった・・・」






c.その(回避)行動が、自分の欲求を叶える為に役に立ってきたか?
 を検証する



:家族などに「最近、私の目つきが悪いって友達に言われて、
  迷惑かけちゃったのかな?と気になるんだけど、ちょっと見てみて」
  と家族に協力してもらい、
  父母、兄弟等が視界に入る場所で、(回避)行動を採ってみる。

 「どう?目つきが悪くて嫌な気持ちになった?」
 「別に・・・それよりもあんた最近表情が暗いから心配だわ」






d.自分の欲求を叶える為に、(回避)行動とは違う行動を採る



例「結局、どうあがいても私の視界に他人が入ってきてしまうし、
  目を合わさない様にしていても、みんなから受け入れられてないし、
  お母さんは”別に気にならない”と言ってたし・・・」

 「受け入れられる為の何か別の行動か・・・・。
  そうだ、思い切って視界に入った他人に
  親しみを込めたアイコンタクトを送って行こう」
等々。






以上、ここまで対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)克服のヒントを
お書きして来ましたが、これはほんの一例・一方法にしかすぎませんので、
もし独りで難しい場合はお気軽にご相談下さい。

それでは次回は対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)の薬物療法
についての私見を述べたいと思います。

 

#社交不安障害(対人恐怖等)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

#恐怖症のカウンセリングについてはこちら

 

 

対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)の薬物療法

 

今回は「対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)の薬物療法」について、
私見を述べさせて頂きたいと思います。

※私は医師ではありませんので、薬物療法について口を挟む立場ではない
 とは思いますし、今お医者さんのお薬で満足されておられる方は記事を
 スルーして頂ければと思います。

 ただ、お薬で余り効果を感じられない方や、そもそもお薬に抵抗がある
 は参考にして頂ければと思います。






<対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)の薬物療法>



①抗うつ薬

通常お医者さんでは、対人恐怖症の第一選択薬として
抗うつ薬SSRI)が処方される事が多いと思います。



対人恐怖症は(お書きしている様に)私の考えでは、

元来、不安・恐怖を感じ易い部分は共通で、

「安心、愛情、繋がり」を求めるタイプの人

「承認、優越感」を求める気持ちが強い人

2種類のタイプがあると考えられます。


 
即ち、

 「N」「(ノル)アドレナリンシステム」(=不安・恐怖・怒り・行動化)
→「S」「セロトニンシステム」(=安心・安定・幸せ・満足)優位型


 「N」
→「D」「ドーパミンシステム」(=快の刺激・承認、優越感等の報酬)
優位型

2種類のタイプ



ここで、SSRIの作用機序としては、

「S」(セロトニン)の再取り込みを阻害し、脳内のその流量を増やす。

→結果として「N」(ノルアドレナリン)や「D」(ドーパミン)を制御し、
 それらの暴走を防ぐ、という事が考えられます。



そうした場合、(私の推論を基に考えますと)

「N」→「S」システムが優位な人にとっては、不安・恐怖が抑えられ、
「S」が得られる訳ですから、効果はあると思います。



一方、

「N」→「D」システムが優位な人にとっては、
不安・恐怖が抑えられるけれども
「D」の”報酬”まで抑えられてしまうので、

もしかしたら
”報酬”を得る為に薬に抗って、脳が「N」システムを活性化し、
(別の?或いは尚一層の?)不安・恐怖を作り出す事も考えられると思います。

②抗不安薬



ベンゾジアゼビン系の抗不安薬も治療に用いられる事が多いと思いますが、

この薬も、抑制系の神経伝達物質であるGABAの働きを強めて
「N」(ノルアドレナリン)や「D」(ドーパミン)を抑制するという効果
があります。

ですから、

上に述べた抗うつ薬と同様に、「N」→「S」システム優位型の人
にとっては効果があると思いますが、
「N」→「D」システム優位型の人には少し疑問を感じます。

③タンドスピロン



これは抗うつ薬等とは逆に、
一時的にセロトニンの合成及び放出を抑制するお薬です。

そしてこのお薬は対人恐怖症に効果がある場合もあります。

それは恐らくセロトニンを抑制する事で、
「N」や「D」に対するストッパーが外れ、

「N」→「D」システム優位型の人にとっては、
「快の刺激・承認、優越感」等の報酬が得られた状態を体感できるから、
それ以上の「N」(不安・恐怖)を必要としない状態になるのでは?
と思います。

※④メチルフェニデート(リタリン・コンサータ)



これは、中枢神経を直接的に刺激し、
「N」(ノルアドレナリン)や「D」(ドーパミン)の再取り込みを阻害し、
それらの流量を増やすお薬です。



この薬に纏わる私の恥ずかしい昔の体験を少しお書きしたいと思います。

当時学生だった私はある考え方に囚われていて、

「自分は誰よりも優秀・特別の人間でありたい」(D)という強い思い
と、
「周りから”変な奴”と思われてるんじゃないか?」(N)という
不安・恐怖を抱え、

典型的な(「N」→「D」システム優位の)対人恐怖があり、
他人の視線が怖くて電車に乗るのも辛い時期がありました。

そんな或る日、友人が「ナルコレプシー」(過眠症の一種)と診断され、
薬を処方されていて、私は興味本位で一錠もらって服んでみました。
(今から思えば恐らく「リタリン」だったと思います)

すると、帰りの電車の車中で「自分は周りの乗客と違い特別な存在だ!
自分は優れている、勝っている!」という高揚感と全能感を感じ、
暫くの間は対人恐怖を感じずに済みました。

(お恥ずかしい話ですし、中枢神経を刺激する薬を勝手に服む事は
 絶対に避けないといけませんが、若気の至りとしてご容赦頂ければ
 と思います)



今から振り返ると、恐らく「N」→「D」システム優位型の私は
劣等感を作り出して、対人恐怖になっていたと思いますが、

「リタリン」によって、速やかに「快の刺激・承認、優越感」
等の報酬が得られた状態を体感できたから
それ以上の「N」(不安・恐怖)を必要としない状態になったのでは?
と分析しています。



※薬物療法は医師の処方によりますので、
 私が書いた事はあくまでも参考程度に留めておいて頂ければ幸いです。

 

#社交不安障害(対人恐怖等)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

#恐怖症のカウンセリングについてはこちら

プロフィール

のぶさわ 正明
のぶさわ 正明心理カウンセラー・自己実現コーチ
・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
  心理療法カウンセラー
  不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員

2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。