リストカット(自傷行為)や抜毛症、オーバードーズ
リストカット(自傷行為)や抜毛症、オーバードーズ
目次
「学年が上がって、仲良しのユイとも別のクラスになった。
先生はクソ真面目だし、このクラスはオタクばっか。
あ~学校つまんない、生きてるのも面倒臭い・・・」
と、いつもの様にまたリストカットするA子。
「頑張って進学校に入ったけど、みんなできる子ばかりだ・・・。
それに、もう1学期が終わったのに友達もできない・・・。
みんな私の事を”暗くてダメな奴”って思ってるんじゃないかな?
あ~夏休み明けの事を考えたら学校行くのが怖い」
と、今日も髪の毛を抜いてしまうB子。
「リストカット」等の自傷行為や「オーバードーズ(OD=薬の過剰摂取)」、
「自殺念慮」、「自殺企図」、「抜毛症」・・・。
そんな子供の異変に気付いた親御さん達は、大変ご心配なさると思います。
そういったお子さん達(大人の場合もあります)を抱えた親御さんや
恋人、配偶者の方は、それをどう考えてどう対処して行けば良い
のでしょうか?
その辺りを私の考えを基にお書きしてゆきたいと思います。
#希死念慮・自殺念慮、自傷行為のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
何故自傷行為をするのか?
~原因と目的(上)
今回からは、
自傷行為や抜毛症、オーバードーズ、自殺念慮等の原因と目的について
私見をお書きしたいと思います。
<自傷行為(リストカット等)、オーバードーズ、
自殺念慮(企図)、抜毛症等の原因と目的(上)>
①強い刺激が得られる
・リストカット等自傷行為の場合は、できた傷や血を見る事、痛みを感じる事、
一歩間違えたら命の危険が生じる事などの「痛み」「スリルと恐怖」等の
強い刺激が得られると考えられます。
・またオーバードーズの場合も、「意識を失うかも?」とか
「一歩間違えれば命に関わる」といった「スリルと恐怖」といった
強い刺激が得られるでしょう。
※若年層等に見受けられる風邪薬(ブロン、パブロン等)のオーバードーズ
はそれに加えて「多幸感が得られる」といった快の刺激を求めている
部分もあると思います
・自殺念慮や自殺企図は、「死という未知なるものへの
これ以上ないスリルと恐怖」といった極く強い刺激が得られると思います。
・自分の髪の毛を抜き続ける事(抜毛症)も「(小さな)痛み」を
感じ続ける事による断続的な刺激が得られるでしょう。
②脳内神経伝達物質が放出される
・リストカット等の自傷行為によって、脳内麻薬(モルヒネ様)とも言える
内因性オピオイド(エンドルフィン類、エンケファリン類)が分泌され、
痛みを和らげると共に、多幸感をもたらせると考えられます。
同時にセロトニンやノルアドレナリンなどの痛みの伝達を抑える
神経伝達物質が分泌され痛みを和らげると想像されます。
・オーバードーズの場合は、(多量服薬する薬の種類にもよりますが)
例えば睡眠薬であれば、脳の興奮を抑えるGABAという神経伝達物質
の分泌が促されます。
※風邪薬の場合は「コデイン(メチルモルヒネ)」という
鎮痛作用のある化学物質を多量に取り込む事による多幸感を期待して、
恐らく脳内ではドーパミンの分泌が促進される(=期待でワクワク)
のでは?と考えます。
・自殺念慮や自殺企図の場合は、この上ないスリルと恐怖によって
ノルアドレナリンが分泌され、それを抑制したりバランスを保つために
GABA、セロトニン、内因性オピオイド等が総動員されるのでは?
と推測します。
・抜毛症については、必要な時に痛みを感じる事で、
「いつでも手軽に」セロトニンやノルアドレナリン、内因性オピオイド
等が分泌されるのでは?と思います。
それでは何故、自傷行為をする人達は「①」の強い刺激と
「②」の神経伝達物質の分泌を強く望むのでしょうか?
その考えられる理由を次回お書きしたいと思います。
#希死念慮・自殺念慮、自傷行為のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
何故自傷行為をするのか?
~原因と目的(下)
前回、
自傷行為や抜毛症、オーバードーズ、自殺念慮等に
取りつかれてしまっている人は
「①」強い刺激と「②」神経伝達物質の分泌を強く望んでいるから
ではないか?といった私見をお書きしました。
もしそうだとすれば、何故それを望むのでしょうか?
その目的を私なりの推測でお書きしたいと思います。
<自傷行為(リストカット等)、オーバードーズ、
自殺念慮(企図)、抜毛症等の原因と目的(下)>
③今ある恐怖・不安・苦痛を感じずに済む
今ある不安や悩み・苦痛を上回る様な強い刺激、
或いはそれに代わる別の刺激をもたらす事で、
今ある不安・悩み・苦痛から離れる事ができると考えられます。
たとえば、
「あの人に嫌われたらどうしよう?」といつも悩んでいた学生が、
部屋のカーテンが揺れるのを見て「え?!誰かいるの?!キャ~・・・」
と強い恐怖を感じたらそちらの恐怖の方が勝ってしまうでしょう。
また例えば、
いつも胃のちくちくした痛みを感じてた人が
突然強烈な頭痛に襲われると、胃の痛みなんか吹っ飛んでしまうでしょう。
加えて、
新しい恐怖や痛みを感じる事によって神経伝達物質が分泌され、
心の安定や痛みの緩和、多幸感・快感を得られるのかも知れません。
※前述の抜毛症と思しき「B子さん」の例は
このタイプに当てはまると思います。
④刺激不足による退屈さや虚しさを感じずに済む
(持って生まれて)刺激追究・新規探求の傾向が強い好奇心旺盛の人にとっては
「退屈」や「変化(刺激)の無い日常」は辛い事だと思います。
そこで、
自傷行為やオーバードーズ、自殺念慮(企図)等によって
ドラマチックな刺激を用意しようとするかも知れません。
加えて、
その行動を採る事によって、ノルアドレナリン(やる気)、
ドーパミン(快感)、内因性オピオイド(痛みの緩和+多幸感)
といった神経伝達物質が分泌され、
「すっきり感」「気持ちよさ」「ワクワク感」等の”快の刺激”
が得られる訳です。
そうなると勿論「退屈」や「空虚感」は吹っ飛ぶでしょう。
但し、
”快の刺激”(報酬系)に纏わる神経伝達物質は麻薬と同様に
それを求め続ける事をやめられない、という依存的な状態に陥る危険性が
あると思います。
(「リスカ依存」「OD依存」「抜毛依存」とも言えるかも知れません)
※前述のリストカットを繰り返す「A子さん」の例は
このタイプに当てはまると思います。
それでは、
どうすればリストカット(自傷行為)や抜毛症、オーバードーズ、
自殺念慮(企図)をやめる事ができるのでしょうか?
そのヒントを次回お書きしたいと思います。
#希死念慮・自殺念慮、自傷行為のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
どうすれば自傷行為をやめられるのか?
今回は、
どうすればリストカット(自傷行為)や抜毛症、オーバードーズ、
自殺念慮(企図)をやめる事ができるのか?
のヒントをお書きしたいと思います。
自傷行為に至るメカニズムを前回、前々回の私見に基づいてまとめますと、
''typeA:''恐怖や不安を感じ易い
→その苦痛から逃れる為により強い(不快)刺激である 自傷行為を行う
→それによって神経伝達物質が分泌されて落ち着く
typeB:刺激を求める傾向が強い
→刺激不足になると、刺激を求める傾向がより強まる
→自傷行為によって(快)刺激を満たそうとする
→それによって神経伝達物質が分泌されて快感や満足を得る
という2つのタイプがあると考えられます。
そうだと仮定しての対処策をtype別にお書きします。
<自傷行為をやめる方法>
①typeAの場合
(1)恐怖や不安に対処してゆく
認知行動療法やマインドフルネス、森田療法等
カウンセリングを受けて対処方法を身に着けてゆくのも一つですし、
簡単な方法としては恐怖や不安の内容を書き出したり、
信頼できる人に話す事等も有効だと思われます。
(2)苦痛から逃れる為のより強い刺激を自傷行為以外のものへ置き換える
例;苦手なジェットコースターに乗る、怖いバンジージャンプに挑戦する、
格闘技ジムへ行く、誰も完食できない様な激辛料理に挑戦する、
サングラスで顔を隠して、普段は絶対しない様な
恥ずかしいファッションで街へ出る、等々。
②typeBの場合
(1)刺激が不足して退屈を感じない様に、
常にワクワクドキドキ感を 感じられる時間を毎日確保する
(2)それでも退屈や虚しさを感じたら、
「不安と期待(スリルと達成感)が入り混じる」様な事をする。
例:ボルタリングジムへ通う、マラソン、百名山登山、
行った事の無い場所への遠距離のサイクリング、西国札所巡り、
生活できるギリギリの額だけ残しそれ以外のお金を全て使って
サバイバル生活をする、出会い系アプリ、等々。
以上、私の私見を基にお書きしてきましたが、
お一人で難しい場合は、お気軽にご相談下さい。
#希死念慮・自殺念慮、自傷行為のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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