子供のネット・SNS・スマホ・ゲーム依存
子供のネット・SNS・スマホ・ゲーム依存
目次
「うちの息子は毎晩遅くまでネットの動画を見て、
昼夜逆転になっていて学校も遅刻や欠席が増えてきました。
注意しても逆切れするし、夫は”放っておけ”と言うだけです。
どうすれば良いのでしょうか?」
「娘は時間があると、ず~っとスマホをいじっていて、
家族の会話にも加わろうとしません。
しかも最近は学校の成績も下がりがちで、
たしなめても耳を貸そうとしません」
「長男は学校へ行かず、ずっとオンラインゲームをしています。
主人の発案で夜12時以降のゲーム禁止というルールを決めたのですが、
それを守らず、パソコンを取り上げると部屋で暴れ、壁が穴だらけです。
もう警察を呼ぶしかないのでしょうか?」
うちのルームにも、
お子さん等がネット・スマホ・ゲーム等の依存の様な状態になり、
睡眠不足や心身の健康状態の悪化、学業不振、遅刻・欠席・登校渋り
・不登校、引きこもり、家庭内暴力等の”問題”が生じて、
お困りになっておられる親御さん達のご相談も多いです。
親御さんたちにしてみれば、色々な所へ相談に行かれたり、
「あの手」「この手」を尽くされても一向に改善しないどころか、
どんどん依存様の状態が酷くなってゆくお子さん達に
親としての無力感を感じ、疲弊してうつっぽくなられたり、
「私の育て方が悪かったのかも?」等と自責の念に駆られて
苦しんでおられるケースも多いです。
それでは何故、そんな事になってしまうのでしょうか?
次回からは私の今迄の知識と経験を基に、
①何故ネット・スマホ・ゲーム依存になるのか?
②ネット・スマホ・ゲーム依存の子供にやってはいけない対応
③ネット・スマホ・ゲーム依存の子供へどう対応すれば良いか
についての考えをお書きしてゆきたいと思います。
#(子供の)依存症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
何故ネット・SNS・スマホ・ゲーム依存
になるのか?①
今回と次回で、
(お子さん等が)ネット・スマホ・ゲーム依存になってしまう原因
を私なりに考えてお書きしたいと思います。
<ネット・スマホ・ゲーム依存になる原因①>
①不安から逃れられる
(1)今の不安や未来への不安から逃れる
「学校や職場、友人等との人間関係の不安」「将来への不安」
「成績の不安」「自分の優劣・美醜・健康状態・存在・自己価値への不安」
「コロナ等の世の中への不安」・・・・。
今の時代、普通の日常を送っていても常に不安に駆られる要素
が渦巻いていると思います。(特に感受性が鋭い人にとっては)
そんな人にとっては朝起きると不安に駆られるが、家族の声や音から始まり、
学校や職場(クラブ活動・塾・習い事・交友・旅行等も)へ行けば
様々な刺激を感じるでしょうから、
そこへ行ってしまえばゆっくりと不安を反芻する暇も無いでしょう。
所が、
家に帰って(特に時間が遅くなってゆくと)そういった外部からの刺激が
徐々に減ってゆくと、意識の向け先は”デフォルト”の不安に偏るでしょう。
そして不安に意識が集中し、それを反芻し始める。
そんな時に「不安」以外へ意識を向けられる格好のツールが
ネット・スマホ・ゲーム等という事だと思います。
昔は漫画や本を読んだり、音楽を聴いて不安を紛らわせていた人も多かった
と思いますが、漫画や本はワーキングメモリー(作業記憶域)を働かせないと
ストーリーがわからなくなるので、ひと手間かかってある意味「疲れる」
訳です。
また「音楽」は聴覚に訴えますが、
ネット・スマホ・ゲームはどれも視覚にも訴えます。
一説によると、人が得る感覚情報として
視覚は聴覚の100倍の情報量を得ると言われています。
ですからネットやスマホ、ゲームといった視覚に頼る情報に没頭すると
不安の入る隙間が無くなる可能性が高くなる訳です。
そしてこのネット・スマホ・ゲームへの逃避は
不安を鎮め(束の間の)安心を得る、
といったセロトニンシステムを作動させるものだと考えます。
(同様にセロトニンシステムを作動させるツールとしては、お酒・煙草
・食べ物・コーヒー・お茶・買い物・ギャンブル・自傷・爪噛み等
多々ありますが、どれも”癖になる”ものですよね)
(2)過去のトラウマや”プチトラウマ”から逃れる
同様に過去のトラウマがデフォルトの状態で襲って来る人は
そこから逃れる為にもネット・スマホ・ゲーム等を利用するでしょう。
※また、客観的にはそこまで大きなトラウマでは無いが、
感受性の鋭さ等によって本人にとっては大きな心の傷となった、
所謂”プチトラウマ”に苦しんでいる方にもこの事は当てはまると思います
それでは次回は、ネット・スマホ・ゲーム依存になる原因の「②」
についてお書きしたいと思います。
#(子供の)依存症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
何故ネット・SNS・スマホ・ゲーム依存
になるのか?②
今回は、
(お子さん等が)ネット・スマホ・ゲーム依存になってしまう原因②
について私見をお書きしたいと思います。
<ネット・スマホ・ゲーム依存になる原因②>
②自分にとって丁度良い程度の望む刺激を
今すぐ簡単に自分主導で満たす事ができる
私が考えるには、
「やめられない、止まらない」といった依存の様な状態になる為には、
そこに「快の刺激」、即ちドーパミン系が作動する仕組みが絡んでいる筈だ
と思います。
人間(や動物)の全ての行動は簡単に言えば、
・「不快な刺激から逃れ安心を得る」=ノルアドレナリンシステム
⇒セロトニンシステム(※これは前回の「①」でお書きしました)
・「快の刺激を求める」=ドーパミンシステム
の2つのうちのどちらかを基にしていると言えるでしょう。
そして、このうち特に後者の「ドーパミンシステム」が強化されると
意志の力ではほぼ抗う事ができなくなります。(=依存状態)
ところがこの「ドーパミンシステム」は個々人によって、
(1)望む刺激の方向性が違う
(2)望む刺激の強度が違う
(3)望む刺激のタイミングや持続時間が違う
といった事が考えられます。
即ち個人にとっての快の刺激は、非常に微妙なバランスに基づく
最適な刺激を得た場合に最大となると思われます。
ーーーー
例えば、
親友とユニバへ行ったとして・・・。
行きの電車の中で楽しく会話をする。
面白い話を用意して親友に話しても思いの外笑ってくれなかった・・・。
ユニバに着いて、
自分は好きじゃないが親友が好きなアトラクションの行列に
2時間も並ぶ・・・。
休憩中に、
お互い大好きなスイーツを食べた後で、親友が「もう1個食べよう!」と言い、
自分は1個で満足なのに、付き合いでもう一つ食べる事になる・・・。
ーーーー
譬え親友でも家族であっても、一人一人最適な刺激が違う訳ですから、
決して満足する(刺激が完全に満たされる)事は無いでしょう。
(=依存にならない)
一方でネット・スマホ・ゲームはどうでしょうか?
我慢したり忖度する必要無く、
自分の好きな動画やゲームのみを自分の好きなタイミングや時間で
自由に望む刺激を満たす事ができます。
またもし「他人と繋がる事」への刺激を望むのであれば、
深入りして傷ついたり不安になる事無く、SNSで記事や画像をアップして
「いいね」やコメントをもらったり、他の人の投稿に「いいね」を付けたり、
はたまた気に入らない人を簡単にブロックする・・・。
と自分の思う通りの適度な刺激を得る事ができるでしょう。
(オンラインゲーム等のチャット然り)
つまり、
不快からはすぐに逃れる事ができ、自分が望む「快の刺激」のみを得る
事ができる訳です。(しかも”今すぐ”に)
そうして
「ドーパミンシステム」がネット・スマホ・ゲームにおいて強化され、
依存状態になると考えられます。
※1:脳の報酬系の回路においては、実際に臨む刺激を得られた時よりも
その刺激を期待している時の方がドーパミンの分泌量が多くなる
事がわかっています。
ですから、
「あと少しでレアアイテムがゲットできる!」とガチャを回したり、
「何とかこのステージを攻略したい!」等の期待を持って
ゲームをしている等は依存状態によりなり易いでしょう。
(SNSで「いいね!」や「コメント」を期待している時も同じです)
逆にスマホや動画をだらだら見ている時は、
ゲームやSNS程にはドーパミンシステムの働きは強くは無く、
依存度で言うとゲームやSNSよりはまだマシだと思われます。
※2:中には、「チャットを途中でやめるとどう思われるか怖いから」とか
「LINEの返信をし続けないと嫌われるのが怖いから」等と
①の「不快な刺激から逃れ安心を得る」為にずるずるとやめられずに
いる人もいらっしゃるかも知れませんが。
それでは次回は、
ネット・スマホ・ゲーム依存の子供にやってはいけない対応
についてお書きしたいと思います。
#(子供の)依存症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
ネット・SNS・スマホ・ゲーム依存の子供
にやってはいけない対応
それでは、
依存様になってネット・スマホ・ゲームを止められない子供等に対して
親はどうすれば良いのでしょうか?
前回と前々回でお書きした様に、それらを止められない原因として
①不安から逃れられる
②自分にとって丁度良い程度の望む刺激を
今すぐ簡単に自分主導で満たす事ができる
という2つの要因が絡んでいると推測します。
そしてこれらの「不快や不安・恐怖を避け」、「快を求める」という傾向は、
全ての動物にとって遺伝子のコピーを残し続ける為に生命を維持する、
といった最重要の課題を担っていると言えるでしょう。
(主に大脳辺縁系の働き)
ですから
”理性の場”である前頭前野等の大脳皮質がそれにいくら抗う様に命令しても、
そう簡単には聞き入れてもらえないでしょう。
例えば、
ライオンの檻の中に入った我が子に
「男の子なんだから逃げちゃダメ!逃げる様な弱い子は施設に入れるわよ!」
と言ったところで、辺縁系がすぐさま逃げる行動を採らせるでしょう。
また例えば、
何日も砂漠を彷徨って、喉が渇き切っている時にやっとオアシスを見つけ
水を飲もうとしている我が子に「汚いからその水飲んじゃダメ!」
と言ったところで飲んでしまうのではないでしょうか?
それと同じで、ネット・スマホ・ゲームを止められない子供等に
「いい加減にやめなさい!
体にも良くないし、このままだと成績がどんどん下がっちゃうわよ!」
とか
「やめなさい!お母さんはあなたの為を思って言ってるのよ!」と
ゲーム機やスマホ・パソコンを取り上げる
とか
「今度やってるのを見つけたら、お父さんに叱ってまらうわよ!」
等の対応をしても、功を奏さない事が多いと思います。
(だって生命を維持する脳の部分が働いてる訳ですから・・・)
それどころか、親の対応を生命の維持を妨げる脅威と捉えてしまうと、
「逃げる」(うそをついたり、陰で隠れて続ける等)
か
「戦う」(親に対する反抗を強めたり、ゲーム機を壊したりして暴れる等)
か
の「逃走/闘争反応」を引き起こし、親子の関係が益々悪化する
事も考えられます。
ですから
①理由も聞かずに(わかってあげずに)やめさせる
②脅す
③一方的に機器を取り上げる
等の(罰系の)対応は避けた方が良いと思いますし、
④子の”理性”に訴えて説得する
等の方法も難しいでしょう。
それでは、そんな我が子に親はどう対応すれば良いのでしょうか?
その辺りを次回お書きしたいと思います。
#(子供の)依存症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
ネット・SNS・スマホ・ゲーム依存の子供
へどう対応すれば良いか?
前回までに、
子のネット・スマホ・ゲーム依存には「不快(や不安)を避け、快を求める」
といった生命維持に関わる脳の部分が関与していると思われる、
故に
①理由も聞かずに(わかってあげずに)やめさせる
②脅す
③一方的に機器を取り上げる
④子の”理性”に訴えて説得する
等の対応では、うまく行かない事が多いとお書きしました。
それでは親としてはそんな我が子にどう対応して行けば良いのでしょうか?
今回はそのヒントをお書きしたいと思います。
<ネット・スマホ・ゲーム依存の子供への対応のヒント>
①子の不安や悩みに寄り添う
子の悩みや不安を(どうにかしようと思わなくてもいいですので)
わかってあげようといった意識で、ただ聴いてあげて安心を与えてあげる。
②子の不安や悩みの解決策を一緒に考えてあげる
もし可能であれば、決して一方的にではなく、子が自分で解決できる様に
導いてゆき、親の力が必要な部分のみ子が望むような形で手助けをする。
③”報酬付き”のルールを決める
例えば、深夜0時になればスマホやゲーム機などを親に返却し、
それができた日は親が子のシール帳にシールを1枚貼る。
シールが5枚連続したら(週末の)1日ゲームやスマホをやり放題にする。
但し、連続5枚にならなかった場合はそのご褒美は無し。
また例えば、子にとってゲームの次に好きな物が動画であった場合、
夜にゲームをせずに動画を観ていたらシールを貼り、
連続で5枚貼れれば、週末はゲーム以外に子が望む事を叶えてあげる
(例:週末は「一日ボス」として、本人の願い(ゲーム以外)を叶える
=行きたい所に連れて行ったり、食べたい物を作ってあげたり、
動画見放題、等・・・勿論親子で合意した範囲内で。
※もし他の兄弟が嫉妬した場合はその子達にも同様のやり方で
報酬を用意して、親が望まない行動を減らしてゆく事
も工夫できるでしょう)
上に挙げた例はあくまで一般論ですので、
勿論個々の子供に応じてやり方を変えてゆく必要があると思います。
ただし、
・(ネット・スマホ・ゲームに代わる短期的な)報酬を用意する
・その取り決めが親子共に合意できるものである
・「報酬」か「罰」かを子が自由に選べる形にする
という点が大切だと思います。
それでももし難しい場合はお気軽にご相談下さい。
#(子供の)依存症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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