五月病?~就職・入学等の環境の変化で悩んでおられる方へ
五月病?~就職・入学等の環境の変化で悩んでおられる方へ
目次
「この春から地方の大学への入学が決まり、引っ越して来た。
知り合いも居ない土地での初めての独り暮らし。
寂しいし、独りでやって行けるのかなあ・・・。
友達をうまく作れなかったらどうしよう?・・・。
大学の授業もついて行けるのかな~。
履修届も、どの授業を取ったらいいのか?散々迷ったけど、
あれでよかったのかなあ~。
近頃は大学へ行くのが憂鬱になって、
思い描いた楽しいキャンパスライフとは全然違うので、
不安で押しつぶされそう」
「4月から新社会人になって同期の人達と研修を受けてるけど、
みんな私より積極的で優秀な人ばかりだ。
僕は気後れして溶け込めずに、いつも独りでポツンと昼食を食べてる
・・・
やっと入れた会社なので、すぐに辞める訳には行かないけど、
逃げ出したくなっちゃうなあ~」
この春から、
進学・就職・転居等で新しい環境に身を置いてる方も多いと思います。
そういった環境の変化があると、
誰しも「ワクワク・ドキドキ」するものだと思いますが、
特に「感覚過敏」を持っている人は、
殊の外混乱し、不安・恐怖に襲われると思います。
その結果、
「気分が落ち込んだり、食欲が落ちたり、眠れなかったり、
楽しいという気持ちが沸かなくなったり、学校や職場に行けなくなったり
・・・」
等の、所謂「五月病」になって悩まれておられる方もいらっしゃるでしょう。
今回からは、
「何故五月病になるのか?」
「どうすれば五月病を解消できるのか?」
についてお書きしてゆきたいと思います。
就職・入学等の環境の変化による五月病の原因
前回、
「進学・入学や就職、転居等の環境の変化によって、
特に”感覚過敏”を有している人達は不安が強くなったり、
抑うつ状態等といった、所謂”五月病”に陥る事もある」
とお書きしました。
今回は、
「何故”五月病”になるのか?」
(特に感覚過敏を有してる人は何故”五月病”になり易いのか?)
の、
私なりに考える原因についてお書きしたいと思います。
<何故”五月病”になるのか?>
人間の脳における「インプット」~「アウトプット」に至る仕組みとしては、
以下の通りだと思われます。
(1)外部からの刺激を五感でインプットする
例;初めての定食屋に入って、メニューから”牛丼”を注文する
→椅子や床の感触を感じ、BGMを聴き、運ばれてきた牛丼を目で見て、
匂いを嗅いで、舌で味わう。
(2)記憶と照合する
例:「いつも食べてるチェーン店のものとは見た目は違うし、
匂いや味も違う・・・。」
(3)意味づけをする
例:「味付けは少し甘味が強いけど、良い肉を使っているらしく
肉の味が濃い。」
(4)思考/感情
例:「この肉質でこの値段なら、何か得したみたいだ。
久しぶりの美味しい牛丼を食べたなあ(と満足感・幸せな気分になる)」
(5)アウトプット(反応・行動)
例:会計の時に、自然と笑顔で「美味しかったよ!」と言う。
そしてそれからしばしば、その店に通うようになる、等。
ところが、”感覚過敏”を有してると、
例えば
(1)「なんか気難しそうな店主だなあ。お店の空気感もピリピリしてる
・・・
椅子が硬くて冷たい! 調理場の人達がひそひそと話してる
のも気になるし、BGMも耳障りだなあ~。
運ばれてきた牛丼を目で見て、
匂いを嗅いで、舌で味わう。
(2)「いつも食べてる店のものとは見た目も匂いや味も全然違う
・・・。」
(3)「いつもの店と比べて甘味が強すぎる・・・。
きっと砂糖を大量に使ってるんだろう。
それにモロに肉臭さを感じる。もしかして古い肉を使ってるのかなあ。
そして、舌に残るこの後味の悪さは何だろう?・・・
きっと化学調味料を沢山使ってるに違いない」
(4)「なんか気持ち悪くなってきちゃった・・・
店の雰囲気と言い、味と言い、もう二度と来るもんか。
何でこんな店に入ったんだろう?と思って後悔するし、
食あたりやアレルギーが出たらどうしようか?と不安になってきた」
(5)お会計を済ませ、逃げる様に店を出て、
もう二度とその店には行かなくなった
等といった事が起きるかも知れません。
この様に、
”感覚過敏”を有してる人にとっては食べなれた牛丼でさえ
店(環境)が変わるとこんなに大変だとすれば、
(2)の照合する記憶さえない全く新しい環境や経験となると大混乱に陥る
かも知れません。
例えば
外国の料理店で、見た事の無い食材を素性がわからない調理人が、
見た事の無い調味料で味付けし、出してこられたとすれば、
照合する記憶もありませんので、たちまち大混乱に陥り、
不安どころか恐怖を感じるかも知れません。
”感覚過敏”を有してる人にとっては、
それ程環境の変化は大きなストレス因となってしまう訳です。
つまり、
(2)の照合する記憶さえ無い様な未知の世界に身を置く訳ですから、
(3)の意味づけができずに大混乱し、
(4)の思考がまとまらずに「不安や恐怖」が強くなり、
今度は「明日からもまたあの場所に身を置くのか・・・」といった
想像が新たな(1)のインプットとなり(イメージからのインプット)、
(2)~(4)を繰り返しループする事(反芻思考)で、
頭の中をグルグル廻ったままになり、
「眠れない」「極度の恐怖」「パニック」等の過覚醒状態となり、
その反動で、落ち込みや無気力''等の低覚醒状態(抑うつ状態)に陥る
=(5)のアウトプット
と考えます。
もしそうだとすれば、(特に感覚過敏を有している人が)
五月病に陥ってしまった場合はどうすればいいのでしょうか?
次回からは、
そういった方に向けて「五月病を解消するヒント」
をお書きしたいと思います。
就職・入学等の環境の変化による
五月病解消のヒント①
前回、
人間の脳における「インプット」~「アウトプット」に至る仕組みとして、
(1)外部からの刺激を五感でインプットする
(2)記憶と照合する
(3)意味づけをする
(4)思考/感情
(5)アウトプット(反応・行動)
という流れがあるとお書きしました。
そして、
「特に感覚過敏を有している人は
環境の変化による五月病になり易いのではないか?」
「何故なら”感覚過敏”を有してる人にとっては
(2)の照合する記憶さえ無い様な未知の世界に身を置く訳なので、
(3)の意味づけができずに大混乱し、
(4)の思考がまとまらずに「不安や恐怖」が強くなり、
今度は”明日からもまたあの場所に身を置くのか・・・”
といった想像が新たな(1)のインプットとなり(イメージからのインプット)、
(2)~(4)を繰り返しループする事(反芻思考)で、
頭の中をグルグル廻ったままになり、
”眠れない””極度の恐怖”、”パニック”等の過覚醒状態となり、
その反動で、落ち込みや無気力等の低覚醒状態(抑うつ状態)に陥る
=(5)のアウトプット」
といった私の考えをお書きしました。
今回からは、
その推察に基づいて、五月病解消のヒントをお書きしてゆきたいと思います。
まず、
五月病といった低覚醒状態は
上記の(1)~(4)の結果としての(5)のアウトプットだと考えれば、
アウトプットを変える為には(1)~(4)を変えてゆく必要があるでしょう。
そしてその変え方の方向性としては、
その人にとっての「不快刺激の減少」と「快刺激の増加」という両面を
意識する必要があると思います。
次回からは
その「(1)~(5)」についての具体的な変え方のヒント
をお書きしてゆきたいと思います。
※次回はまず「(1)」と「(2)」の」変え方から
就職・入学等の環境の変化による
五月病解消のヒント②
<環境の変化による五月病解消のヒント(1)>
(1)五感からのインプットを変える
<職場や学校等の新しい環境に居る時>
・不快刺激を減らす:
(可能であれば)席替えやイヤーマフ、ノイズキャンセリング、
サングラス(眼鏡)、マスク等の使用で、
(新規の)不快刺激のインプットを減らす
・快刺激を増やす:
「一番大好きな人(例:母親、親友、推しの人等)の画像を
いつでも見られる様に持ち歩く」
「大好きな音楽や人の声等をいつでも聴ける様に持ち歩く」
「お気に入りのマイクッションや肌着、ぬいぐるみ(のストラップ?)
等をいつでも触れる様に身に着ける」
「お気に入りの香水やコーヒー等、いつでも匂いを嗅げるものを利用する」
「お気に入りの味と匂いの飴玉やガムを利用する(先生や上司等の
許可を得るか、気づかれない様に)」
等々。
「五感をフル活用して、その新しい環境の中での心地よい部分
(人・風景・音や声・匂い・感触等)を捜してゆく」
(2)照合する記憶を変える
・過去の快記憶と照合する-A:
今迄に好意を抱いた人や物と似てる人・物を捜す
(例「右隣の人は友達のYちゃんと少し似た雰囲気がある」
「あ!あの人がカバンに付けてるストラップのぬいぐるみは
私の好きなキャラだ」
「この椅子の感触は小学生の時に使ってた椅子と似てる・・・
懐かしいなあ」
「あの窓から大好きな〇〇タワーが見える」
「A先生の声は、私の大好きな声優さんに似てる」等々)
・過去の快記憶と照合する-B:
もし、照合する記憶が例えば「小学校の入学当初の嫌な記憶
(例:クラスに溶け込めずに淋しい想いをした、等)」
や
「転校当初の嫌な記憶
(例:クラスの子達に無視されたり陰口を言われた、
担任の先生が怖く感じた、等)」だとすれば、
無力感を感じて、より辛くなるでしょう。
そうではなくて、そんな中でも、
「あの後、クラスに馴染んで行った」、
とか
「友達を作って楽しめた」、
とか
「怖い先生から褒められた」等の
「それから後」の快の記憶と照合する様に意識する事も大切だと思います。
(1)-Bイメージからのインプットを変える
・視点を変える:
上記「(2)-A」の「視点を変える」を参考にし、
今、強いストレスを感じている新しい環境(学校・職場等)の事を
お家で思い浮かべる時に
自分にとって快の刺激(少なくとも不快ではない刺激)をもたらす事柄
を思い浮かべます。
例「明日も学校だ・・・でも、友達のYちゃんに似た人と会えるし、
〇〇タワーも五月晴れに映えそう!
A先生の授業もあるからあの声が聴けるよなあ~」等々。
次回は「(3)」「(4)」「(5)」の変え方のヒントをお書きします。
就職・入学等の環境の変化による
五月病解消のヒント③
前回お書きしたヒントに従って、
「(1)五感からのインプット」と「(2)照合する記憶」を
変える事ができれば、
「(3)意味づけ」「(4)思考/感情」「(5)アウトプット(反応・行動)」を
変えてゆく事を目標にしましょう。
<環境の変化による五月病解消のヒント(2)>
(3)意味づけを変える
例:
「明日も学校だ・・・。ノイズキャンセリングを用意したし、
お気に入りのクッションも用意した。
教室に入る前にこそっとミントの飴玉を口に含もう。
教室に入ったら、友達のYちゃんに似た人が居て、
〇〇タワーも見える。二コマ目はA先生の授業だ。」
(4)思考/感情を変える
例:
「準備は万全なので、少しはストレスが減るのかなあ、と思って少し安心。
明日は晴れそうだから、〇〇タワーも綺麗に見えるだろうなあ。
友達に似た人を見るのも、A先生の授業はなんか少し楽しみかも
・・・。」
※次の「(5)アウトプットを変える」事への推進力を強化する為に、
上記の「(4)」で湧いて来た思考と感情に集中して感じ続け、
その「ポジティブな流れ」に沿った未来を想像してみる事も役に立つ
でしょう。
例:
「友達に似た人と親しくなって一緒に出掛けたり、
A先生に個人的に訊きに行って、
その科目ができる様になって、自信にも繋がって・・・。
楽しいキャンパスライフになりそうだなあ~」等々。
⇒逆に、「(1)」~「(4)」までが変わってないのに、
ポジティな思考やイメージをしようとしても難しいと思います。
(5)アウトプット(反応・行動)を変える
例:
「怖いけど、まず友達に似た子に”お早う!”と声を掛けてみようかな。
それとA先生の授業が終わった後に、この前の疑問を質問してみようかな。
それと、興味がありそうなサークルもいくつか見学してみようかな。」等々。
※「(1)」~「(4)」までが変わってないのに、
無理やりアウトプット(反応・行動)を変えようとするのは難しいと思います。
※お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい。
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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