インナーチャイルドとは何なのか?
インナーチャイルドとは何なのか?
目次
「私は親しくなった男性に対しては見捨てられ不安が強くなり、
依存して束縛してしまう。前の彼氏の時もそうだった・・・。
きっと私はアダルトチルドレンで、インナーチャイルドが
傷ついてるんだわ。」
うちのルームにも傷ついた「インナーチャイルド」の癒しやケア
を希望されてお越しになる方もいらっしゃいます。
今回は私なりに考える「インナーチャイルド」の成り立ちと定義
をお書きしたいと思います。
例えば、
ある人が5歳の時に親の言う事を聞かずに親に激しく怒られた、とします。
その時の親の怖い表情、
「出て行け!」という大きな声、
そして、
抵抗しても強い力で腕を引っ張られドアの外に締め出されて、
「ガシャン」と鍵がかけられた音を聞いた・・・。
「見捨てられる!」という恐怖や孤独を感じ、
「ゴメンなさい!僕が悪かったから許して!開けてください!」
と泣き叫んでも、何の応答も無く、
「もう一生入れてもらえないのかな」と絶望のドン底で
無限と思える様な時間が過ぎてゆく・・・。
そして、
「僕はダメな子なんだ・・・こんな僕は愛されないし、
必要じゃない子に違いない」という”信念”を持ってしまった。
それでも
親から愛される事を諦められないその子は
逆鱗に触れない様に親の顔色を見ながら、
親が望む様な自分になる為に、
好きじゃない勉強や習い事を必死で頑張った・・・。
(※ここで「親がダメなんだ!」と考えると、「いつか愛してもらえるかも」
という希望は持てなくなるので、
「僕がダメなんだ」→「ダメじゃなくなったらきっと愛してもらえる」
と思う訳です)
やがて社会人になったその人は、
職場のパワハラ気味の上司に叱られると縮みあがってしまい、
自分の意見も言えなくなり、本当は疲労困憊で倒れそうなのに、
独りでは手に負えない量の仕事を押し付けられても嫌と言えず、
遂に力尽きて会社へ行けなくなってしまった・・・。
上の例で言いますと、
トラウマチックな出来事によって、
その時に強く感じた感情・感覚・記憶・信念・思考といったものが、
無意識(辺縁系側)に封じ込められてしまった(抑圧)。
無意識に抑圧されてしまうと、
意識(皮質側)による時間軸に沿った統合・整理が行われないと考えられる為、
その時の感情や信念等を保ったまま、
言わばサブパーソナリティーとして無意識の中に遊離したまま存在し続ける。
その様にして(仮に名づけると)
①「傷ついたチャイルド」
②「僕はダメな子だ、必要ない子なんだ」という「自信のないチャイルド」
③「それでも愛されたい、必要とされたい」という「愛を求めるチャイルド」
④「その為には自分の好きな事ではなく、相手が望む自分にならなきゃ!」
と頑張る「従順なチャイルド」
⑤「仕事から離れないと心身が危機に陥る」と、
シャットダウンして身を守ろうとする「うつのチャイルド」
等がサブパーソナリティーとして形成された訳です。
そしてこれらの「チルドレン」達が、
職場で引き金を引かれた時に活躍してくれた結果、力尽きてしまった訳です。
もしそうであるならば、
傷ついたインナーチャイルドだけではなく、
様々な信念や個性・役割を持ったインナーチャイルドが存在する
事になります。
そう考えると、
ケアが必要なのは「チャイルド」ではなく全ての「チルドレン」
だと言えると思います。
#アダルトチルドレンのカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
インナーチャイルドを癒すとはどういう事なのか?
前回お書きしました様に、
”インナーチャイルド”とは
「トラウマチックな出来事によって、
その時に強く感じた感情・感覚・記憶・信念・思考といったものが、
無意識下に抑圧され、その時の感情や信念等を保ったまま
意識から遊離したまま存在し続けてしまっている一つの人格
(サブパーソナリティー)である」
と私は考えます。
そして、
この”サブパーソナリティー”は多くの場合、
単一の「傷ついたチャイルド」だけではなく、
様々な信念や個性・役割を持った複数のチャイルド(チルドレン)が存在する
と私は考えています。
それ故、
インナーチャイルドと言うよりも
「インナーチルドレン(内なる子供達)」と呼んだ方が適切だと思います。
これらのチルドレンは全て、
「生き延びる事ができない」「愛されず孤独になる」といった、
幼い頃等に強い危機感を感じた場面に誕生し、
自分を守る為、つまり「生き延びる」「愛される」といったポジティブな働き
をしてくれたと考えられます。
ところが、
時間と切り離された無意識下に置かれた為に、
似た様な”危機”を感じた瞬間に意識を支配し、
危機を乗り越えようとしてくれるのだと思います。
もしそうであるなら、
「傷ついたチャイルド」だけを癒すのではなく、
一見、”邪魔者だ”と感じる「キレるチャイルド」
や
「自信の無いチャイルド」
「強迫チャイルド」
「うつのチャイルド」
「自傷行為のチャイルド」
「過食や依存症のチャイルド」
等にも同じ様に手を差し伸べてあげる必要があると思います。
ですから、
1つのチャイルドだけの相手をしていると
他のチャイルドは不満を感じたり、
所謂”抵抗”を起こす事も出て来るでしょう。
それでは、
「インナーチルドレン」を癒すにはどうすれば良いのでしょうか?
その私なりのヒントを次回からお書きしてゆきたいと思います。
#アダルトチルドレンのカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
インナーチャイルドを癒すには?(1)
前回、
「主に幼い頃に”生き延びる事ができない”、”愛されず孤独になる”
といった危機を感じた時に、その危機を乗り越える為に
様々なチャイルドが形成され、今もその子達が無意識下に存在する。
そして”今”も同様の危機を感じた瞬間に意識を支配し、
危機を乗り越えようとしてくれる」
「だから、”傷ついたチャイルド”だけを癒すのではなく、
一見、”邪魔者だ”と感じる”キレるチャイルド”や
”自信の無いチャイルド”、”強迫チャイルド”、”うつのチャイルド”
”自傷行為のチャイルド”、”過食や依存症のチャイルド”等にも
同じ様に手を差し伸べてあげる必要があると思う」
といった私の考えをお書きしました。
(※特に「複雑性PTSD」「パーソナリティー障害」「解離性障害」等では
複数のチャイルド達の存在によって、今の困り事が起きている
と考えられます)
もしそうだとしても、
それらの「子供達」を癒すにはどうすれば良いのでしょうか?
今回からはそのヒントをお書きしたいと思います。
私は傷ついたり苦しんでいたり疲弊している「インナーチルドレン」
を自身でケアしてあげる為には、以下の手順が必要であると思います。
即ち、
①自分の思考・感情・身体感覚等を俯瞰する力を鍛える
②意識(”親”となるサブパーソナリティー)の力を強化する
③無意識下のチルドレンに等しく共感し愛情を向ける
④無意識(チルドレン)求めている援助を同定し、意識(親)がケアする
その一つ一つについてお書きしてゆきたいと思いますが、
今回はまず、「①」についての詳細をお書きします。
<インナーチルドレンを癒すヒント(1)>
①自分の思考・感情・身体感覚等を俯瞰する力を鍛える
まず、インナーチャイルド達を自分で癒す為には
「癒す側」と「癒される側」の両方が必要になってくる筈です。
そして私は「癒す側」は前頭前野等の意識を司る部分に存在する
「”親”のサブパーソナリティー」(以下”親のSP”とします)で、
「癒される側」」は、扁桃体等の辺縁系の働きによる無意識側に存在する
「”子供”のサブパーソナリティー」(以下”子のSP”とします)である
と考えます。
ここで大切な事は、
無意識側の「子のSP」に意識側の「親のSP」が圧倒されてしまうと、
自分の意志では止められない情動(怒り・不安・恥・落ち込み・パニック
・希死念慮等)に支配されてしまうでしょう。
ですから、
「マインドフルネス」を訓練されたり、
”子のSP”から湧き出して来る思考や感情を意識的に書き出したり、
「今、怒りん坊のナオちゃんが出て来て、”なんでわかってくれないの?!”
って怒っています・・・」
「パニックちゃんが出て来て、胸を苦しくさせたり呼吸を苦しくさせてる
・・・パニックちゃんは苦しんでいるんだよね・・・」
等と逐一実況中継してゆく事も役に立つでしょう。
#アダルトチルドレンのカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
インナーチャイルドを癒すには?(2)
<インナーチルドレンを癒すヒント(2)>
②意識(”親”となるサブパーソナリティー)の力を強化する
※以下、親のサブパーソナリティー⇒親のSPと表記します
(1)親のSPを単純に強化する
仕事でも趣味でもエクササイズでも
計画⇒実行⇒分析⇒反省という事を”意識”して行動する時間を増やす
(2)親のSPの愛情を強化する
今迄「消えて欲しい」等と邪魔者扱いをしてきた子供のSPに対しても
愛情を向ける必要が出て来るでしょうから、
”本番”に行く前に、あらゆる物・人に愛情を向ける訓練をしておく事
が役に立つでしょう。
例:
「我が子や大切な人の事を思いやる」
「誰かの役に立つ事をする」
「生き物や植物を育てる」
「ぬいぐるみや人形を洗ったり、服を着せ変えたり、
特別な場所に置いてあげたり、話しかけたりする」
「”大切にしてる物”を磨いたり、飾ったりする」
「幼い頃の自分の写真を見たり、イメージをして
その時の自分に同情したり、共感してあげる」
「(譬え反面教師でも)今迄出逢ってきた人を一人一人思い出して、
(出さなくてよいので)感謝の手紙を書く」
「今、出逢っている人に感謝の言葉を述べる事を常に意識する」
等々。
#アダルトチルドレンのカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
インナーチャイルドを癒すには?(3)
<インナーチルドレンを癒すヒント(3)>
③無意識下のチルドレンに等しく共感し愛情を向ける
いよいよ自分の中の無意識に存在する子供のSP達と向き合います。
この子達は、例えば
「不安になる」「パニックになる」「黙り込んでしまう」
「自分を責める」「自分にダメ出しをする」「キレる」「逃げる」
「死にたくなる」「自傷する」「強迫行為をする」「人や物に依存する」
等、
「自分に苦悩をもたらす存在」として。
どうしてもこの子達の存在を否定してしまうと思います。
ここで、忘れてはいけない事は、どんな子でもその時には
必要があって生まれた「チルドレン」(子供のSP達)だったという事です。
例えば
大切な我が子が、不安やパニックになったり、黙り込んだり
自分を責めたり、ダメ出ししたり、キレたり、逃げたり、
”死にたい”と言ったり、自傷したり、強迫行為をしたり、
人や物に依存してるとすれば、
そんな我が子を否定して見放すでしょうか?
きっと、
その理由を知ろうとして、共感的に接して行かれるのではないでしょうか?
それと同じように、
無意識下から子供のSPが出てくれば、前述の「①」の方法を駆使して、
親のSPが子供のSPに圧倒されない様に注意しながら、
共感的に接してゆく事が役に立つでしょう。
例:(以下、”親のSP”と”子のSP”との対話)
彼氏にLINEを送ったのに、いつまで経っても返信が来ず、
イライラが襲ってきた女性
親「イライラしてきた!・・・って言うか、”イライラちゃん”が出て来た」
(イライラちゃんは私の体のどの辺りに居るのかな?)
親「みぞおちの辺りに居そう・・・」
(その子は何歳くらいかな?)
親「小学生くらいの私?」
(何故イライラしてるのか?聴いてみよう!)
親「(みぞおちに手を当てて)イライラちゃん、出て来てくれて有難う!
どうしてイライラしてるの?」
子「だって、すぐにLINEを返してくれないから・・・」
親「そっか、それでイライラしてるんだね!」
親「あの人がすぐに返事をくれないのは何故だと思ってるの?」
子「私の事、興味ないからだと感じるから・・・」
親「あなたの事に興味が無いと思うとどんな気持ちになる?」
子「寂しい!辛い!」
親「それは寂しいよね!辛いよね!」
とみぞおちの辺りを撫でながら共感してゆく。
#アダルトチルドレンのカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
インナーチャイルドを癒すには?(4)
<インナーチルドレンを癒すヒント(4)>
④無意識(チルドレン)が求めている援助を同定し、意識(親)がケアする
(前回の「彼氏にLINEを送ったのに、いつまで経っても返信が来ず、
イライラが襲ってきた女性」の例の続き)
以下、”親のSP”と”子のSP”との対話の続き
親「私はあなたのその寂しさ・辛さを和らげる為に、
何でもしてあげたいんだけど、どうして欲しい?」
子「ハグして!」
親「わかった!」
(と、みぞおちの辺りにその子を感じながら、
そこに両手を当ててイメージの中でハグしてあげる)
(ところが、その子が落ち着いたと思ったら別の子が意識に上がってきた)
子「私、怖い!今までも一杯一杯同じ事が起きて、沢山の人に
見捨てられてきた・・・きっとあの人も私の事見捨てるんだわ!」
親「あなたは・・・”怖がりちゃん”だよね!出てきてくれて有難う!」
(この子はどの辺りに居るのかな?・・・お腹の下の方かな?
と今度はお腹の下に手を当てる)
(何歳くらいかな?・・・さっきの子よりも、もっと幼い)
親「怖がりちゃん、あの人に見捨てられるとどうなる事が心配なの?」
子「もう私の事をかまってくれる人が一人も居なくなる」
親「そうなったら、あなたはどんな気持ちになっちゃうの?」
子「独りぼっちになって孤独に襲われちゃう!」
親「そっか、あなたが二度とそんな気持ちにならない為に、
私はどうしてあげればいい?」
子「ずっと傍に居て!」
親(お腹の下のその子に手を当て続け、イメージでピタッと寄り添いながら)
親「私はどこにも行かない。ずっとあなたの傍に居続けるよ!
そして片時もあなたの存在を忘れない様にするから」
親(もしそういった約束をしたのであれば、
それからは、毎日朝・昼・晩お腹の下に手を当てながら。
その子と対話してあげる、)
等々。
※お独りでは難しい場合は、お気軽にお問合せ下さい
#アダルトチルドレンのカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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