愛着形成と愛着の回路⑧愛着の回路を形成するヒント(3)

愛着形成と愛着の回路⑧愛着の回路を形成するヒント(3)

<前回からの続き>

前回お書きしたヒントを基に、
自分の中の「親の部分」「子供達の部分」それぞれに名前を付ける事
ができれば、

今度は、
それぞれの部分が一体化しない様に距離を保ち続ける工夫が必要
だと思います。


例えば、
母親が我が子の不安に巻き込まれてしまって、
自分まで不安になってうろたえてしまえば、
不安を和らげてくれる存在が居なくなります。

ですから、
「親の部分」「子供達の部分」の強烈な感情や感覚、思考に呑み込まれずに
距離を保ち続ける必要があります。


今回は、その為のヒントをお書きしたいと思います。




⑧愛着回路を(再)形成する(3)

(3)自分の”親の部分”(大脳皮質側)と”子供達の部分”(大脳辺縁系側)の
 距離を取る

何らかの引き金によって、
 身体的な変化(体の緊張・硬直、心臓がバクバクして呼吸が速くなる、
 頭が真っ白になる、言葉が出て来ない等)
 や
 感情の変化(不安・恐怖、怒り、悲しみ、寂しさ、無価値感、自己嫌悪、
 罪悪感・恥、希死念慮等)
 が生じた時に、
 「子供達の部分」の誰かが活性化したと意識しましょう。

そして”どの子”が出て来たのか?を感じ、考えてみます。

 例「私の中の”寂しがり屋さん”が泣き始めて、
   ”怒りんぼちゃん”が出て来てる」
 等々。


特定できた”その子”の訴えを聴きましょう

 例「怒りんぼちゃん、何を怒っているの?」

 ⇒「だって、私の妹の”寂しがり屋さん”が淋しいよって泣いてるのに、
  ママ(彼氏)は傍に居てくれないの。
  だから私がママに”何でこの子を放っておくのよ?!”って叱ってあげたの
  ・・・」

ここまでで大切な事は、

・”親の部分”は感情的・感覚的な”子供の部分”に決して巻込まれずに
 冷静に距離を取る事、

・”子供の部分”のどんな訴えも決して否定せずにちゃんと聴いてあげる事

だと思います。
(余裕があれば”子供の部分”の訴えを紙に書き出してみるのもいいでしょう)

<次回へ続く>