多重人格障害(解離性同一症)の原因①先天的な器質因

多重人格障害(解離性同一症)の原因①先天的な器質因

<前回からの続き>

今回からは、

多重人格障害(解離性同一症)の考えられる原因について
(私の推察も交えて)お書きしてゆきたいと思います。

 

今回は、まずは遺伝などの先天的な器質因から。

 

<多重人格障害(解離性同一症)の原因
 ①先天的な器質因>

特定の遺伝子が、解離しやすい気質トラウマに対する脆弱
に関与している可能性も示唆されています。

但し、それらの遺伝子を持っていたとしても、
発現するか否か?(実際に解離性障害になるか否か?)
それらの遺伝子の発現を制御する(「ОN」/「ОFF」の切り替え)
DNA等への化学的な後付けの修飾が関わっていると考えられています。
(エピジェネティクス)

更に、
DNAの配列とは別に、この特定の遺伝子の発現を制御するものは

親から子に遺伝するとも考えられています。
(エピジェネティクな遺伝現象)

もしそうだとすれば、

例えば、
同じ遺伝子(解離し易い、トラウマに対する脆弱性を持つ)
を持っている
という2組の親子が居たとして、

の親は比較的ストレスが少なく、
トラウマが生じ無い様な環境で生まれ育ち、

後に結婚して出産・子育てをしたとすれば、

親はそれらの遺伝子を発現する可能性も低くなり、
その子供も脆弱な遺伝子を受け継いでいたとしても、
親がそれらの遺伝子の発現をОFFにしたままであれば、
エピジェネティクな部分の遺伝は起きず、

(強いトラウマになる様な出来事が無かった場合は)
子供が解離性(同一性)障害になる可能性は低い
と考えられます。

一方、
の親は、複雑な家庭環境で育ち、
様々なストレスを受けて、
トラウマを負っていたとします。

そして結婚したころには、時に人が変わった様にキレる人
になっていて(遺伝子がONになっている)

子ができた時にも、言う事をきかない子に
我を忘れる程キレたりしながら(解離)子育てをしていたとすれば、

子にもその解離し易さとトラウマに対する脆弱性に結びつく遺伝子
に加えて、それらを「ON」にしやすい「エピジェネティクな遺伝」
も受け継いでるのではないかと思います。

そうなると、
の子は解離性(同一性)障害になる確率はAの子に比べて

増えるのではないでしょうか?

※余談ですが、所謂「アダルトチルドレンの世代間連鎖」や
 アレルギー症状を持つ人の増加や神経発達症(発達障害)や
 
HSP等の極端な敏感さを持つ子供の増加等も、
 一つの見方とすれば、
 「遺伝子による遺伝」+「エピジェネティクな遺伝」
 という考え方で説明がつく様な気がします。

 

次回は、多重人格障害(解離性同一症)の考えられる原因
「②先天的な気質因」についてお書きしたいと思います。

 

 

 

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

多重人格障害(解離性同一症)の原因②先天的な器質因

今回は、多重人格障害(解離性同一症)の考えられる原因
「②先天的な器質因」についてお書きしたいと思います。

 

 

<多重人格障害(解離性同一症)の原因
 ②先天的な器質因>

先天的な気質因として、

高い感受性や想像力、環境の変化に対する適応の困難さ
等が、
解離という対処法を取りやすい脆弱性となり得る
と考えられています。

私見ですが、前回お書きした
トラウマに対する脆弱性に関連する
と考えられる遺伝子
というのは”感覚過敏(極端な敏感さ)”に纏わる遺伝子
だと
私は思っております。

何故なら、
遺伝的に感覚過敏を有していると
大量の情報を対象から拾う筈ですので、

必然、感受性は豊かになるでしょうし、
環境の変化があれば、一から新たな情報を
大量に拾ってしまうので、容易に混乱状態に陥るでしょう。
(ワーキングメモリーもすぐに一杯になるでしょう)

そして混乱状態を収拾する為には、
(自分にとって、快を感じる事柄でも不快を感じる事柄でも)
一つの事に集中し、

「何故こうなるのだろう?とか
「そうなったらどうなるだろう?等と、

”ゴール”にたどり着くまで掘り下げて行こうとする
かも知れません。

(※”快”に集中し続ける時には
 アイデアをひらめいたり創造性を発揮するでしょうし、

 ”不快”に集中し続けると、
 うつ状態や不安障害に結びつくでしょう)

つまり、
HSPやASD、ADHD等の気質や特性を持っている人は、

恐らく感覚過敏に纏わる遺伝子を持っていて
加えて、解離し易い遺伝子も併せ持っていた場合

前回お書きした
「エピジェネティクな遺伝」や

トラウマ体験という引き金があったときに、
解離し易い遺伝子が「ОN」になり、
多重人格障害(解離性同一症)という状態になるのだと思います。

 

次回は、多重人格障害(解離性同一症)の考えられる原因
「③後天的な環境因」についてお書きしたいと思います。

 

 

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

多重人格障害(解離性同一症)の原因③後天的な環境因

今回は、
多重人格障害(解離性同一症)の考えられる原因
「③後天的な環境因」についてお書きしたいと思います。

 

 

<多重人格障害(解離性同一症)の原因
 ③後天的な環境因>


幼少期に、身体的、或いは心理的な虐待を受けた場合

ネグレクト等の所謂「不適切な養育」(マルトリートメント)
を受けて来た場合は、

常に生命の危機を感じ続ける事になります。

その様な状況下では
脳・神経系・身体の防衛反応が働き続け、

交感神経系の「戦う・逃げる反応」によって
恒常的にストレスホルモンであるコルチゾール
(副腎皮質から分泌される)
が分泌され続けるでしょう。

でも幼い子供にとっては、
親や養育者に対して、戦う事も逃げる事も
叶わない
訳ですから、

(ポリヴェーガル理論で言うところの)
背側迷走神経系の「凍り付き反応」=オピオイドによる鎮静
に切り替わると考えられれます。

そして、
この
「交感神経系の亢進」⇒「背側迷走神経系の亢進」
が何年間も毎日続いてゆく訳です。

解離性(同一性)障害と診断された人の研究で、
扁桃体(情動や恐怖に関わる脳領域)や海馬(記憶に関わる脳領域)
などの機能や構造に
変化が見られたり、
トラウマ反応に関連する脳内の神経回路に何らかの偏りが生じている

可能性があると言われています。

私はそういった意見に対しては「そりゃそうだろう」と感じます。

何年間も毎日、
防衛反応にまつわる2つの神経回路が過亢進し続けていれば、

トラウマ記憶が保存されてゆく扁桃体は過敏になり、
(覚える、考える、等の前頭前野を使うどころではないので)
海馬は委縮してゆくでしょう。

加えて、
背側迷走神経系の「凍り付き反応」が生じてる時間が長い
でしょうから、

前頭前野が働く余地は少なくなってゆくでしょう。

しかも、
社会的な交流や安心・安全、成長や健康・治癒に関連すると

考えられている「腹側迷走神経系」は殆ど働く事ができなくなり
そういったポジティブな経験を積み上げてゆく事もできなくなる
・・・。

次回は、
多重人格障害(解離性同一症)の(私なりに考える)メカニズム

についてお書きしたいと思います。

<次回へ続く>

 

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

プロフィール

のぶさわ 正明
のぶさわ 正明心理カウンセラー・自己実現コーチ
・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
  心理療法カウンセラー
  不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員

2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。

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