多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング(4)前頭前野によるSPの感情調整

多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング(4)前頭前野によるSPの感情調整

<前回からの続き>

前回のやり方で、

出て来たSP(サブパーソナリティー=交代人格)に、
気づき、訴えを聴き、共感する事ができれば、

基本人格(前頭前野)主導で、
そのSBの感情調整を行いましょう。

本来、
乳幼児は自分の感情を自分で調整/制御できないので

主に親が代わりにそれを行ってあげる(感情の相互調整)
のですが、

解離性同一性障害になってしまう程の家庭環境においては、
ほぼ間違いなくそれが行われずに、
その子は「愛着障害」
と言われる状態になってしまっている
と推測できます。

だとすれば、
基本人格(前頭前野)が、”親”となって、
子供(SP)達の感情調整を行ってゆく必要がある
と思います。

即ち、
興奮状態にある子(SP)を落ち着かせたり、
抑うつ状態にある子を元気づけたり気分転換させたり、
怖がってる子を安心させたり、
諦めきっている子に希望を持たせたり、
甘えたがってる子を甘えさせたり、
・・・等々。

そうしてゆく事で、
基本人格(前頭前野)と交代人格(SP)達との間で
愛着の形成を図ってゆきます。

 

<多重人格障害(解離性同一症)の治療法
 ①カウンセリング
 (4)前頭前野によるSPの感情調整>

※前回の
 (1)出て来たSPに気づき
⇒(2)その子の訴えを聴き
⇒(3)共感する

 という流れの続きになります

(4)SPの感情調整を行う

(京香)
ナルト・・・。
 今迄そんなしんどい役目を一人で背負わせてしまって

 ごめんなさい!
 これからはあなたが少しでも穏やかに過ごせるように、

 私もその役割を手伝っていこうと思うの。
 あいつらへの怒りを詳しく教えてくれない?」

(ナルト)
「京香が幼稚園の頃、あのクソ親父が
 いつもの様に酒を飲んで
家で暴れた。
 クソ親父に暴力を振るわれたクソババアは、

 ”あんたのせいでお父さんにまた怒られた”
 って京香のせいに
した・・・。
 そして、京香が小学校に上がった時には・・・」

(京香)
「思い出したわ!そうだったよね・・・本当に酷い・・・。

 じゃあ、私が今ナルトが言った事を文章にして
 お父さんとお母さんに
読ませて謝らせるわ!」

(ナルト)
「そんな事しても、無駄無駄!
 あいつら反省なんかする様な
”タマ”じゃねえよ!」

(京香)
「とにかく、私はあなたを少しでも休ませたいの。
 肩の重荷を
降ろして少しでも楽になって欲しいの。
 私に任せてくれない?
 私が仲間になったからもう大丈夫だよ。

 安心して少しは休んどいて。
 (と、胸の中に居るナルトを撫でながら

 何度も言い聞かせて落ち着かす)

等々。
    
※最初から中々こうは行かないと思いますので、
 SPとの直接の対話が難しい場合は
 「子供達との交換日記」を作って、

 ”ナルトのページ”や”はるか姉さんのページ”、
 ”京香ちゃんのページ”
等と
 SPごとにページ分けをしましょう。

 そして、頭や胸の中の子達に
 ”出て来た時に言いたい事を書いてくれない?”

 と伝えて、

 誰かが書いていたら、その子の”親”として、
 その子の感情調整に繋がる言葉を
 見開きの反対側に書いてあげましょう。

 (日記を通じてSP達の感情調整を行う)

※この段階からはSP達が保持しているトラウマ記憶
 に振れ触れる事に
なりますので、
 必要な場合は前もってトラウマ処理
 を行っておく
事が望ましいです

<次回へ続く>

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