死にたい気持ちのポジティブな意味

死にたい気持ちのポジティブな意味

<前回からの続き>

前回
「”死にたい気持ち”にはポジティブな意味があって、

 説教や説得、その場限りの慰めは結局はそれを否定する事になり、
 ”死にたい気持ち”になってしまう自分への自己否定が強まってしまう」
とお書きしました。

それでは、
「死にたい気持ちのポジティブな意味」
とは何なのでしょう?

今回はそれについてお書きしたいと思います。

 

<死にたい気持ちのポジティブな意味>

幼い頃の家庭環境や生育環境等によって、
無数のトラウマ(発達性トラウマ)を受けて来て
複雑性PTSDと呼ばれる状態になっている人は、

生きる事=地獄と感じ続け、
しかも乳幼児は環境を自由に選べない訳
ですから
”いつやられるかわからない”といった、

絶対に逃げられない戦場に居る様なものです。

また、
敏感で傷つき易い人にとっては、
「気持ちをわかってもらえない」
とか
「否定された」等と感じたり、
劣等感や恥、無価値感等を感じる事は

耐え難いものになるでしょう。

そんな時に
「死ねばその苦しみから逃れらるよ!」と言ってくれるのが

「死にたい気持ち」です。

例えば、
敵に手足を拘束されて、生爪を一枚ずつ剝がされてゆき、

次には手足の指や歯を一本ずつ引っこ抜かれて、
毎日死なない程度に
身体の同じ場所をナイフでえぐられる・・・
といった終わらない拷問が
何日も何日も続いたとすれば

「いっその事殺してくれ!」と思うかも知れません。

そんな時に、自らを救い出してくれるかすかな希望が「死ぬ事」
であったりするのだと思います。

つまり逆説的ですが
「死にたい気持ち」は”生きる為の”無意識の防衛反応である
と考えられます。

但し、
「死にたい気持ち」に乗っ取られ続け、自ら命を絶つという事は

絶対に避けなければなりません。

何故ならそれは、
生存本能(に基づく無意識の防衛反応)に反するからです。

それでは、
そういった「死にたい気持ち」に乗っ取られて、
自殺念慮や自殺企図から
抜け出せない人は
どうすれば良いのでしょうか?

次回からはそのヒントをお書きしたいと思います。

 

<次回へ続く>

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