メンタルの疾患は医者の薬だけで治るのか?
メンタルの疾患は医者の薬だけで治るのか?
<前回からの続き>
前回は、
メンタルの(全ての)疾患を根本的に治すヒントをお書きしましたが、
「精神科」や「心療内科」で出される薬でも根本的な治癒は望める
のでしょうか?
答えは残念ながら「否」と言わざるを得ません。
何故ならば、
脳や神経系等の機能は今の科学では解明できていない部分が多過ぎるから
です。
医療は科学的見地に基づいていますので、
当然、「〇〇障害」や「〇〇症」の根本原因等、
”科学的に”解明できていない部分に足を踏み入れる事はしません。
そして、
かろうじて解明できている部分に基づいて薬を出す訳です。
例えば、
「うつ病」になった人は脳内の神経伝達物質であるセロトニンや
ノルアドレナリンの流量が減っているという事が分かって来ましたので、
それらの流量を増やす為に作られているのが「抗うつ薬」です。
但し、
「何故セロトニンやノルアドレナリンが不足するのか?」といった原因
はわからないので、それ以上は掘り下げる事ができません。
ですから、
”最終的な結果”を改善しようとする対症療法に留まっている訳です。
これは例えて言うと、
腹痛で苦しんで病院に来た患者さん全員に検査せずに痛み止めだけ出す
みたいなものです。
勿論、
科学がそこに追いついていないので仕方がありませんし、
お医者さんの責任でもありません。
しかも今の医療制度の中では、
・診断基準に沿って診断する(病名を付ける)
⇩ ⇩ ⇩
・(病名が付いて初めて)薬を出す
⇩ ⇩ ⇩
・診断基準から外れる事(改善・寛解)を目標とする
事が求められています。
例えば「うつ病」を例にしますと、
医師の診断基準の一つであるDSМ-5では
「(1)抑うつ気分、(2)興味・喜びの喪失、(3)体重(食欲)の減少
または増加、(4)不眠または過眠、(5)精神運動;焦燥・制止、
(6)易疲労感、(7)無価値感・罪責感、
(8)思考力・集中力の減退、(9)自殺念慮・自殺企図」
のうちの
(1)と(2)の両方か、どちらか一方を必ず含んだ上で
合計で5つ以上の症状が殆ど1日中、殆ど毎日、2週間以上続いていれば
うつ病と診断する」
とされています。
という事は、
例えば仕事に行けなくなったある患者さんが、
上の「(1),(2),(4),(5),(6),(7),(8)」の7項目を満たして
「うつ病」と診断されたが、
抗うつ薬である「SNRI」によって、「(1)」,「(2)」の状態が
毎日一日中は続く事が無くなり、睡眠剤によって「(4)」も改善すれば、
うつ病の診断基準に当てはまらなくなりますし、
仕事にも行けるようになれば、「うつ病は良くなった」と言えるでしょう。
勿論、
「無価値感や疲労感が残っていても社会生活に支障が無い状態
になれば良い」というのが患者さんの目標であれば、
それで良いと思いますし、
お医者さんも制限・制約がある中で日々最善を尽くされておられる訳です。
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