何故雑談が苦手なのか?①脳の機能的/器質的な問題
何故雑談が苦手なのか?①脳の機能的/器質的な問題
<前回からの続き>
前回お書きした「例」の様に、
「他人と交流したい」
「他人と親密になりたい」
のに、
それを妨げてしまうであろう「雑談が苦手」とか「二度見しり」
という”問題”は何故起こってしまうのでしょうか?
今回からは
私が考えるその”原因”についてお書きしてゆきたいと思います。
まず、
原因としては主に
①「脳の機能的/器質的な問題」
②「感覚過敏によるもの」
③「(プチ)トラウマによるもの」
の3つに分類できると思います。
今回はまず「①」の原因についてお書きします。
<雑談が苦手な原因①脳の機能的/器質的な問題>
「自分の好きな話題」や「初対面の時に訊く事、訊かれる事」、
「会議や仕事の打ち合わせで話す事」等は
大体決まったテンプレートがある筈です。
つまり、
大脳に記憶として既に定着しているものを使えばよいので、
それを取り出すだけで済むはずです。
一方、
自由な会話・雑談には決まったパターンはほぼ無いと言えるでしょう。
ですから、
(1)相手の言っている話の内容に集中する
(2)それを把握しておいて、相手が「何を言いたいのか?」を要約する
(3)次に相手が「どういう答えを望んでいるのか?」
「どういう答えなら会話がうまく進むのか?を想像する
(4)頭の中で導き出したその”答え”を要約して発話する、
といった事を瞬時にしていかないといけない訳です。
ところが、
生まれつきに脳の「ワーキングメモリー」等の短期記憶域や
「統合力」がうまく働きにくい人は
「(1)」、「(2)」の部分で躓く事があるでしょう。
つまり、
自由な会話は脳に定着している潜在記憶を使うのではなく、
ワーキングメモリー等の一時的・超短期的な記憶域を使って
その直前までの内容と今の内容のどちらも要約(統合)して覚えておきながら、
それらをまた統合し、辻褄が合う様に次の発話を考える・・・
といった事を瞬時に繰り返しているのだと思います。
ところが、
「内容を統合する力」が足りないとワーキングメモリー等の短期記憶域は
すぐ一杯になるでしょうし、
逆に
「短期記憶域」に問題があると、統合しようにもその材料が得られない、
という事になり、
いずれにしても話の文脈が繋がらず「相手が何を言ってるのかわからない」、
或いは
「何を話せば良いのかわからない」
という事になるのではないでしょうか?
次に、
「(3)」の「相手の望んでいる事を想像する」「空気を読む」
等が苦手な人は、
「空気が読めない」等と言われたりして、
親密になる事を妨げる場合もあるでしょう。
これは恐らく、
「相手への共感力」に関係していると推測されている
脳の内側前頭前野やミラーニューロン等がうまく働きにくいせい
かも知れません。
次回は、
「雑談が苦手になっている原因」の2つ目についての推察をお書きします。
<次回へ続く>